Akatsuki庵

日々と向き合って

大徳寺・玉林院

2011年02月01日 00時00分57秒 | 茶室
大徳寺内の塔頭の1つ「玉林院」→詳細
第45回「京の冬の旅」非公開文化財特別公開の1つ。

常時公開している高桐院のオトナリで、幼稚園も運営しているみたい。→こちら
入口入った廊下に貼ってあったポスターがカッコイイ。

『看脚下』

まずは方丈の見学。
大変くわしいガイドで、方丈の構成というか配置がよくわかった。
(このあと、行く先々が方丈ばっかりだったので、けっこー役に立った)
狩野派の襖絵が多かったなぁ。
それから、裏側の茶室へ。

大坂の豪商・鴻池家が山中鹿之助の子孫だったなんて、初めて知った。
位牌堂の南明庵、仏壇の螺鈿細工が豪華。

蓑庵(さあん)は三畳中板台目切りの茶室。表千家7世・如心斎宗左の好み。
中板のおかげで窮屈さがない。
藁を塗りこんだ「すさ壁」が待庵みたいし、中柱の曲がり具合もいい。

天井が主客の座る位置を示しているわけだけど、改めてみるとハッキリしていて、
茶室のテキストそのまま

続いて、霞床席(かすみどこせき)。
富士山の絵の軸を掛け、違い棚が霞に見えるようにした床の間が目立ってる四畳半。
かなりユニークな間取り。
当然のことながら、掛けられる軸は富士山の絵のみ。
表千家の家元の絵がかかってた。

「お客さまの座る位置はどこでしょう?」とガイドから云われて考える。
床が一番よく見える場所で、主客の位置は長押が示している。

吊り釜の釘で点前座はわかるけど、あそこは懐石などを振舞う場所で
お茶をさしあげる空間ではなさそうだなー、と思った。

3つとも重要文化財指定。
(他に昭和19年に再建された洞雲庵という茶室もあるようだけど、こちら公開されてなかった)

築250年以上も経った、本でしか見たことがない本物の茶室。
改めて室内の構造や柱の名前とか、ちゃんと理解しとかなきゃなーと反省。

公開は3月21日(月)までだけど、日によっては公開されてない日もあるので、
見学に行かれる際はサイトでご確認を


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大徳寺・総見院

2011年01月31日 10時37分14秒 | 茶室
今回の旅行のメインは「京の冬の旅」非公開文化財特別公開の見物。→サイト
これを見るのが目的で京都へ行ったのではないんだけどね
1月の終わりなんて、京都では何にも行事ないし、寒いし、オフシーズンもいいとこ
前回、町家のお宿に泊まった時に「真冬なら、どーなんだろ?」と思った。
一番寒い時期に泊まって好印象だったら、ホントによいお宿なんだろうなぁってね。
てなことで、“日程ありき”。
最初に宿と行き帰りの足を抑えてから、観光先を探した。

“冬の特別公開”は今回で45回目を迎えるという。
冬に限らず、秋も秋も夏もそれぞれ期間を決めて「特別公開」はやっているので、
これまでにも、たまたま“恩恵”を受けたことはあったと思う。
意識して回ったのは、、、、2回目、かな。
(いわれてみれば、関西に住んでいた頃に茶道の先生と茶室見学バスツアーに参加した。
今思えば、あれは冬の特別公開だった。たしか、妙心寺の茶室を見物したっけ)

そんな意識をあったせいか、特別公開のリストを見ていたら「茶室」が目についたので、
「去年はあまり茶室見物フリークしなかったしなぁ」と、今回はコレをメインにしたワケ

で、午前中に茶道具鑑賞を済ませた後、最初にやってきたのが大徳寺の総見院。

利休さんや千家一族のお墓がある聚光院のオトナリの塔頭。

実は初めてではない
昔、やはりお茶の先生と一緒に毎月28日の月釜で訪れたことがある。
たしか、8月。残暑厳しい中を待合でずーっと待っていたら、突然に家元が顔出したり、
席中の場所取りでは他のお客様のお尻で弾かれ、思った席がキープできなかったり

ココでの“目玉”の織田信長の坐像もあの時に見た。
昨夜、大河ドラマ「江」の「紀行」編でも紹介されてたねこちら

茶室は3つ棟あって、外から見学。
いずれも大正、昭和初期、戦後とそんなに古くないので、あんまし興味がわかなかった。

月釜でつかわれるのは一番手前の「香雲軒」だったかな。
 
ワタシが訪れたのは十数年前だから露地などの記憶はなく、新鮮な思いで見物できた。

趣があってステキなたたずまいの露地。

塀越しに聚光院の屋根、遠くには雪をかぶった比叡山も眺望できた。

最期に隣の墓地へ。
ココは檀家の方々がお墓参りに来られる関係で、非公開の時もこそっと入ることができる。
(大昔、高校生の時に初めて大徳寺を訪れて、どーしても信長のお墓が見たくて足を踏み入れたなぁ

比叡山がよく見えた。

織田信長公とその一族のお墓の写真はコワくて(?)撮影せず。
20年ほど前、正室の濃姫(帰蝶)のお墓が見つかったと話題になったけど、あれは?
と配置図を見て、前に立っている。
意外と近い。
没年は慶長17年。1612年だから、本能寺の変以降30年も生きたワケか。
と、ちょっと感慨に浸る。

茶室見物はちょっと消化不良気味。
次に期待しよーと玉林院へ向かった。

※今回、どういう順番で紹介しようかと迷って、それで更新が遅れました
 考えた結果、まずは茶室巡りから紹介することにしました。
 茶室も京都クラスになると文化財ですから、美術館のお道具を同じくらいの価値があります。
 向こう数日間、しばしお付き合いいただけると有り難いデス。

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三渓園の古建築全公開

2009年08月06日 00時01分00秒 | 茶室
横浜三渓園 ※8月16日(日)まで

昨夏にも訪れたんだけどね→こちら
今回は全部だから。(横浜開港150周年さまさまデス)
もちろん一通り観たけど、ブログには去年と重複しないように紹介します

まず、三重塔
入り口から見上げるけれど、今回は上からも見下ろせた。
 

月華殿、お茶会の時に着物で急坂を登った自分がシンジラレナイ。

徳川家康が建てたという伏見城内にあった建物もいいけれど、
今回は金毛窟に注目。

去年と違い、かなり気合入れて掃除されていた。
(去年は荒れた印象があったので、見直した)
原三渓お気に入りの茶室だけど、床柱が千利休ゆかり材を使用したらしい。


通常は春秋のみ公開の徳川家光と春日局ゆかりの聴秋閣は将軍の風格漂う贅沢な建築。


同じく春秋のみ公開にも関わらず、去年はお願いして見せていただいた春草蘆
今年はバッチリみた。
織田有楽斎の茶室だが、如庵と共通する明るさを意識した設計。
ちゃんと窓が九つあることを確認した。(別名が九窓亭なので)


蓮華院、今年見てもやはり「いい茶室だなぁ」と思った。

合掌造りの巨大な民家。いろりも巨大。これが炉のルーツなのねぇ。


いつもは非公開の横笛庵も見れた。

広い土間が印象的。見上げれば~↓

京都の高台寺にある傘亭を思い出した。

だけど、茶室?が不思議。
水屋に見える。違い棚にも見えなくもない。
他に畳の部屋はない。でも、水屋らしき部屋はめっちゃ小規模。
やっぱり、あれは床の間で茶室なのかぁ。


昭和45年に宗へん流林洞会から寄贈された茶室の林洞庵

八角形の窓がオシャレ。
そして“四畳”の小間が不思議。

枡床に見える板の上、向切の炉を塞いでいるように見える。
向こう側の襖、洞庫に見える。
あの位置からすると、点前座は~。
と、推測すると、やっぱ四畳半の使い方かなぁ?
余所の流派の茶室だから、よくわからないけど。

17箇所もあると、見落とすじゃないかと心配だったが、大丈夫。
地図つきのスタンプラリーがあったから。


開門の9時と同時に入り、暑くなる前にとサクサク回ってセッセとスタンプ押して。
「えっ もう全部回ったんですかぁ」
10時15分には見終わっていた。
団体客が次から入ってくるのと擦れ違うように、さっさと門を出た。

今回は蚊にさされることもなく、よかったわぁ。
やっぱ、庭園散策は朝に限ります。
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三畳の茶室

2009年07月27日 08時44分47秒 | 茶室
昨夜のNHK大河ドラマ『天地人』に利休さんの最期のシーンが出てきた。
先日観た時は三畳の茶室に違和感を感じちゃって。→こちら
以後、なんとなく心に引っかかっていた。

「利休さんの侘びの茶室=二畳」という先入観があったので、
三畳は間延びしちゃったように感じたのだけど、
畳が3枚にならんだ三畳の間取りの茶室自体はないわけではない。
なのに、なぜ引っかかるのか。

今回、茶室のシーンを見ていたら、前回ほどの違和感はなかった。
冬の設定で炉が切ってあったからかもしれない。
三畳の上座床、隅炉。

「フーム」とまた考える。

思い当たる茶室があり本を参照。
やはり表千家の不審庵が畳3枚並べた配置だった。
でも~。台目畳がついた「三畳台目切り」。囲いもついている。
もともと、ここは宗旦さんの設計だから、利休とは関係ない。

大徳寺の聚光院にある閑院席は利休作と伝わる茶室で、
畳3枚ならべた三畳の茶室でドラマのセットと近い。
だけど、下座床で囲いがついた出炉なんだなぁ。

てな感じで、いくつか資料であってみたけれど、三畳隅炉は見当たらなかった。

三畳の場合、真ん中の畳の“余裕”を生かして、出炉に切るか、
向切にして、お客様との距離を近くするのが自然な設計のように感じる。
それを隅炉に切ったのは、やはり二畳隅炉の待庵に倣ったのかな、と思う。

などと、違和感の理由をあれこれ考えていたので、ストーリーの方はなおざり

※参考にした本↓
すぐわかる茶室の見かた
前 久夫
東京美術 2002年刊 1890円+税

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『茶室』という空間

2009年07月17日 00時01分00秒 | 茶室
一昨日のこと。
新聞のTV欄をボーっと眺めていたら『茶道の指導を始める姑…』。
ん? ドラマの『となりの芝生』。

子どもの頃、母親の脇で観た記憶がうっすらと残っている。
お茶のシーンなんかやってたっけ?

もともと茶室ではない個人宅の和室を茶室にする“無理”な設定に苦笑。

日本間が四角じゃない~。畳が半畳でモザイクだぁ。
風炉釜、風炉先屏風、毛氈を貸してくれる“ご近所さん”ねぇ。。。
なのに、お弟子さんが全員キモノって。。。

でも、誇張っぷりに逆に感心しつつ、改めて考えた。
「自宅を茶道の稽古場にするって、ベースゼロのヒトには難しいなぁ」とか、
「そもそも、茶道教えることで生計立てられるヒトって、どれくらいいるのかなぁ」
とかね。

もちろん、今通っている社中の稽古場も師匠の自宅なんだけど、
生活の空間とは完全に分離されているもんなぁ。
月一回の灰形&茶事稽古も、先生が自宅とは別に確保している建物だし。

いずれも、師匠の生活感をまったく感じさせない空間ということで共通している。
ワタシ自身も、将来的に教えるならば“職住分離”にしたいと考えている。

自宅はたぶん無理なので、別に借りるか。
でも、一軒家は無理だから、公共施設の和室(できれば茶室)かなぁ。
知人の中にはパブリックスペースに茶室がある分譲マンションの住人もいる。
羨ましい~

ただ、収入の方はなぁ。。。
個人で教えるならば場所確保もさることながら、諸々の先行投資がねぇ

先日届いた「ねんきん定期便」で、とても年金だけでは暮らしてゆけぬと観念。
年金プラスアルファの小遣い稼ぎ~が理想だけど、現実はキビシそうだなぁ

ここ2、3日の猛暑で体も思考回路も既に夏バテ気味

↓今、とっても気になっている新刊本。(2009年7月刊、2,000円)
わが家に茶室をつくるには。-オンリーワンの茶の湯空間実例集
淡交社建築部
淡交社

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冨士見亭ほか

2009年02月05日 00時01分00秒 | 茶室
現在、五島美術館では『館蔵 茶道具取合せ展』(2/15まで)を開催中。

毎年12月半ばから2月にかけての恒例。
ただ、五島美自体の茶道具収集点数はさほど多くない。
よって、何回か足を運ぶと大抵は「あ、前に観たワ」ということになる。
なので、「ただ展覧会だけ観に行くのはつまらないなぁ」と思いつつ、
チラシを眺めていたら、見つけちゃった。
茶室公開
「え? こーゆーのって、前からあったっけ~?」と不思議に感じつつ、
「以前にお茶会で訪れたことはあるけど、解説聴きながら観たいナ」と思い、
その日に合わせて出かけることにした。

で、昨日行ったら~。えらいことに。
余裕をもって15分前に到着したら、既に行列ができてるぅ
午前、午後とも書く先着25名限定なんだけど、既に20人近くいる。
なんとか、19名で滑り込めたものの、危なかった~。

もちろん、後から人はどんどん来るわ来るわ
(あぶれた方々からは当然ながらクレームも出るワケで)
いやはや、ビックリした。

で、庭園内の「古経楼(こきょうろう)」と「冨士見亭」を見学した。
冨士見亭は借景がステキな(客席が)立礼席の茶席。
昭和13年に建てられたという。
意外と新しいのねぇ。
肝心の富士山の眺望は二子玉川の建設中の高層マンションによってピンチ
「冨士が見られる亭」ではなく「冨士見てぇ~」になりつつある?
写真撮影はできなかったので、こちらこちらを閲覧してください

古経楼は3室。
「松寿庵(しょうじゅあん)」小間四畳台目と十二畳半の広間と八畳の広間。
もともと、茶室用に建てられたのではないらしい。
窓ガラスがレトロな手作り。
(明治39年か大正12年に建てられて、当時からの窓ガラス?)
昭和天皇が皇太子だった頃にいらしたことがあったそうで、
十二畳半の広間の天井はそれっぽくなっている。
(前にお茶会で入ったときは、そんなこと気にもしなかった)

松寿庵は五島慶太によって、後から建てられたらしい。
小堀遠州の京都のどこかにある茶室の写しらしい。四畳台目下座床。
ここは初めて中に入ったけれど、明るくて落ち着くお茶室。

最後に広間で陰出しによるお呈茶をいただいた。
寒かったので、とても有難かった。

茶室公開は初めての試みだそうだ。
美術館側としては、見学希望者が殺到するとは想定外だったようだ。、
困惑する中で、一生懸命に解説してくださったり、
少ない人数でお茶を出してくださる姿が印象に残った。
来年もまた企画したいとのことだが、たぶん事前抽選になるのかなぁ?

茶室見学のあと、展覧会も観賞。
千宗旦と小堀遠州ゆかりの道具が多かった。
茶釜も東山御物をはじめ7点出ていたし、裂手鑑、茶室起絵図も多く出ていた。
茶碗は黒織部「わらや」、鼠志野、柿の蔕茶碗とインパクト強いもの多く、
満足、まんぞく。

グッズコーナーもちょっと充実?
私も好きなクリアファイルが新発売
更紗のデザイン。

左は唐物文琳茶入・銘『本能寺』を包む白地草花文様更紗。
右は伯庵茶碗・銘『冬木』を包む段更紗。
(どちらか一つを選ぶのが難しく、両方購入。たぶん普段使いすると思う)

美術館を出て上野毛駅の改札を通って、チラリと掲示板をみたら~

その時点で午後1時。
(午後の受付は1時半だから、余裕をもってきた人ももうアウト
 お気の毒です)
やっぱ、刻限は早めには茶人の必須ですねぇ。
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聚光院

2009年01月25日 11時33分48秒 | 茶室
少し前の話。
1月21日付の読売新聞朝刊に山本兼一さんの文章が掲載された。
先日来、たびたび登場するけれど、『利休にたずねよ』で直木賞受賞された方。
なんと、お父様が大徳寺聚光院に下宿されていたことがあるそうで、
その御縁で子供の頃からたびたび訪れている。
(別筋の情報では、現在もご近所にお住まいだとか。
 お茶のお稽古も同じ大徳寺塔頭の瑞峯院でされているらしい)

戦前の話とはいえ、前を歩いていて雰囲気が気に入ったから、
「ここに下宿させてください」「はい。いいですよ」
って、長閑な話だなぁ。
(現在なら、ありえない展開)

聚光院といったら、千家の菩提寺。(って、表現でよいのかな?)
利休居士はじめ歴代宗匠のお墓があるところ。
利休作と伝わる閑隠席があり、
方丈には狩野永徳の襖絵(国宝! ただし、今はコピー)もある。

記事を読んでいて、「へぇ~」と思ったのは、
閑隠席は聚楽第の中にあった利休屋敷から移築されたもので、
一説にはここで利休さんが切腹されたとか。
(し、知らなかった~)

あの小説には作者の育った素地も反映していたのか、
と読み方の浅さを反省した次第。
(また時間がある時に再読したい)

ところで、聚光院。
原則として、非公開の塔頭だ。
研修がらみで、過去に2度お参りする機会に恵まれたことがある。
が、あまりいい思い出がない。

なんせ、最初は土砂降りの日。
2度目は真冬の寒い中、みぞれ混じる雨の中。
(初回と再訪の間隔がわずか8ヶ月しかなかったし)

まだ狩野栄徳のモノホンがはまっている時代で、
あれは迫力あった。
「国宝をこんな外気に触れさせて大丈夫なの~」と心配になったくらい。
あのあと、等身大コピーにして、京博の納められたと聞いてホッとした。

茶室も2度ともすごく丁寧に解説してもらったのだけど、
なぜか感動がイマイチで。
(視覚の記憶はそれなりにちゃんとあるのだが)

着物だったし、雨だったから、着物が汚れることもだが、
仮に汚れて、その余波でお寺を汚してしまったら、国宝になんかあったらと
そちらの方の心配ばかりしていた。

2度目はとにかく寒くて、防寒着も脱いだ中、縁側に正座で控えた状態で
延々と聴いたお坊さんのお話が長くて~。
30人いて、半分が風邪引きさんで、あちこちで絶えず誰かが咳き込んでいた。
ヒュルヒュルヒュル~っとすり抜ける寒風がどれほど辛かったことか!
(「早く帰りて~」とそればかり思っていたなぁ)

もし、もし!また訪れる機会があったなら~。
せめて天候だけは晴れていてほしいものだ。
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護国寺の茶室

2008年12月16日 08時40分35秒 | 茶室
護国寺の境内には幾つもの茶室が点在している。
なので、「お寺でお茶会」と聞くと、何となく護国寺の風景をイメージしてしまう。
かつては“憧れ”の存在の一つだった。
というのも、茶道を習い始めた頃に読んだ小説に登場したから。
あした天気に』(平岩弓枝栄、文春文庫)という作品。
単行本は昭和49年1月に出たそうだが、物語は東京オリンピックの1~2年くらい前?
よって、約45年経っている計算になるが、風景は殆ど同じだと思われる。
「いつか護国寺の茶会に行きたい」と思っていたので、念願叶って初めて訪れた時は感激したなあ。
煎茶道の茶会だったけど。
(当事は慈善茶会の存在知らなかったし)
その後、流派は違うけど抹茶の茶会に参加する機会もあった。
でも、それからは避けるようになった。
なぜかといえば、「現実は小説のようにノンビリしてないなぁ」とわかってしまったから。
小間が多く、大寄せ向きではないのだ。
なのに、詰め詰めで無理をする。
それでも収容人数は少ないから、外には長蛇の列ができる。
そして、気が遠くなるほど待たされる。
というわけで、行きたくなくなっちゃった。

今回、待ち行列覚悟で敢えて参会した理由の一つは、小間の茶室を実感したかったから。
今年になって興味を深めた一つに「茶室」がある。
古い茶室に入って、実際に一服いただく機会なんて、実はそう多くはない。
入る事が大事!と割り切れたから。
おかげで、二つの小間席に入ることができた。
★宗澄庵…三畳台目、台目切、下座床
★円成庵…三畳半台目、台目切り、下座床。給仕口と貴人口もあり。
炉畳を含む二畳分を台目畳に代え、差の分は中板にしていた。
道具が拝見に出した時に映えると思った。
いずれの席もお点前は拝見できなかったのが残念だけど、まぁ贅沢は云わない。

月窓軒、不昧軒の広間席もよかったけど、炉の時期は侘びた小間席が断然よいね!
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茶室『伸庵』

2008年10月18日 04時50分57秒 | 茶室
 堺市博物館は仁徳天皇陵の隣に広がる大仙公園内にある。
 さすが利休さんの出身地だけあって、銅像がある
 この銅像と向き合うように、市営のお茶室が建っている。
 それが伸庵と黄梅庵。
 いずれも明治から昭和初期にかけての建築。
 別の場所にあったのを昭和55年に移築したという。
 
 黄梅庵の方は普段は非公開なのだそうだ。
 一方、伸庵の方は立礼席があり、そこで300円払えば茶菓子がいただける。
 実は、ここを訪れたのは2度目。
 最初は19年前。
 茶道を習い始めて1年目の秋だった。
 堺炎上で消失した遺構から焼けただれた茶道具が出土したという記事を読んだ。
 それが堺市博物館で特別展示されると知り、すごーく観たくなったのだ。

 で、はるばる~出かけたワケ。
 今が私が夢中で観ている名物とかではなく、本当に生活雑器に近い茶碗や茶入。
 当時は拍子抜けしたかなー。
 今観ると、また違った印象を受けるかもね。

 そして、伸庵で呈茶をいただいた。
 お茶を習い始めてから、外で抹茶をいただくのは初めてだったから緊張したなぁ。
 ただ、干菓子と点て出しの薄茶が出てくるだけなのにね。

 立礼棚を目にするのも初めてで、これも「わー」とか思ったっけ。
 今は「えぇ~、道具を置いてるだけなのぉ」と不満顔。

 広間や小間も見せてくれるというので、見せてもらった。
 昭和ノスタルジィのいい感じ。
 もとは東京の芝公園内にあったらしい。

 寄付専用の三畳~四畳くらいの部屋、三畳の小間も使い勝手がよさげ。
 ここも大茶会の会場の1つ。
 もちろん、公共茶室だから貸出しもしている。

 いろんな茶室を観るのは、とても楽しい。

★余談
 夏に観た黄金茶室高島屋大阪店で展示中
 「大黄金展~太閤秀吉の黄金茶室
 展示だけでなく、販売もしている
 お値段、台子も皆具もぜーーーんぶ含めて3億5千万円
 売れたら、いいナ
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埋木舎

2008年10月16日 06時15分30秒 | 茶室
埋木舎は彦根城のお堀の外側にあるお屋敷。
井伊直弼が17歳から15年間暮らした場所。

藩主だった父親に先立たれた14人目の息子。
捨扶持をもらいながら、養子の口を待ちながら過ごす日々。
弟に先を越され、自分は年ばかり重ね焦る日々。
俗に云う“青春時代”を、彼はそんな状況で過ごしたワケ。
よく自暴自棄にならずに、自らの鍛錬に励み続けられたものだ。
(自らの住まいを「埋木舎」なんて名付けつつ~)

あやかりたい

で、茶会からの帰り道に急ぐ旅ではあるけれど、寄ってみた。

うーむ。
設えがビミョー
もっとシンプルな見せ方した方がいいかも~。
(特に四畳半の茶室
居間に座ったハリボテの直弼サンと長野主膳サンにはビックリ
第1回の大河ドラマ『花の生涯』の白黒パネルはちょっとなぁ

でも、一度は訪れてみてもよいと思われるスポット
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組立式の置茶室

2008年10月05日 06時50分36秒 | 茶室
先日、たいへん珍しいものを銀座で見た。
その名も「組立式茶室」。
“百聞は一見に如かず”とは言うけれど、
ブログの写真で見ただけでは、なんか信じられてないというか、
テレビや映画のセットのようにしか見えなくて、ピンとこない。
やはり、これは実際に見て初めて、凄さ(?)が実感できた。


 (画像だと絶対にセットにしか見えないんだよねぇ。。。)


ちゃんと扁額も掲げられている。窓も本格的(?)

中をのぞき、実際に入ってみる。
  

中板つきの二畳台目、向切の作り。
(実際に炉を切るのは、ちと話が面倒みたいだけど)
点前座に座ってみる。


面白い。
面白すぎて、ついこの茶室を造られた加藤艸山(そうざん)さんとお話が弾む。
どこまでがバリエーションとしての変更が可能なのか、
どこからがオプショナルの追加料金になるのかとか、
「こんなことは、できちゃったりしますぅ~?」
とか
「ココの幅を変更することは可能ですかぁ?」
など。
本気で購入意思があるのではないかと思うほど、質問攻め
(スミマセン)
ブログで紹介させていただき旨を言って、写真撮影バチバチ。
(私ゃ、マスコミの取材者か

今まで観てきた置茶室は2つのパターン。
内田繁さんの受庵のシリーズ。
(一枚だけ写真があったので、紹介する)

サイトはこちら

最近では杉本貴志さんの「鉄の茶室」。参考1
いずれも芸術性の強い二畳の“箱”的な空間だった。

これほどリアルに実際に使うことを想定した置茶室は初めてだ。
加藤艸山さんによると、
「最近のマンションでは和室のない住宅が多い。
お役所の調査でも畳のある生活を経験した子供とそうでない子供の間には情緒面で顕著な差が現れているという。
だから、マンションのリビングにも設置することが可能な茶室を造ろうと思った」

なるほどね。
畳のある生活から、豊かな情緒を育んでほしい~というコンセプトには頭が下がる。
床柱を省いて中柱を本格的にすることで、中の空間を広く見せる工夫とか、
土壁に対するこだわりも職人魂もなかなか。

この二畳台目の広さは六畳のリビング用。

ちなみに、この間取りは見たことがありそうで、ない。
「どこかの写しですか?」と聞いたが、そんなことはないとのコト。
帰宅して、ざっと資料にあったが、客畳が台目畳という茶室はなかった。
なので、セオリーとしてよいかどうかはギモンが残るところではある。 

やはり、同じことを考えたヒトはいたようで、
私が訪れた日は「八畳に設置する四畳半の置茶室を」と注文が入ったそうだ。

今まで、自宅で茶室を作るにはリフォームしかない!
という固定観念があった。
そうか、四畳半の置茶室をポンと置いてしまえばいいのか。

ほほーーっ。
なるほど。
(むろん、基本料金198万円に追加料金は発生するだろうか)

そういうわけで、いろいろ楽しませてもらえる時間だった。

 ※参考 加藤美建
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組立式茶室

2008年10月03日 03時35分49秒 | 茶室
銀座のギャラリーに組立式茶室が出ていると知り、見に行った。
(詳しくは、このブログの右側のバーにBookmarkしている「一より習ひ」で紹介しているので、そちらを参照されたし)

マンション内に茶室を!
というコンセプトで設計された中板付き二畳台目 。
いやー、面白い!!
設計者さんと意気投合(?)しちゃって、いろんな角度から写真撮らしていただいた。
ブログで紹介したい旨を話し、ご快諾もいただいた。
(今は体調の都合で、一枚だけ。後日ゆっくり紹介したい)

参考情報→こちら

最近、和室のないマンションが増えたという。
畳のない環境で育った子どもと、
畳のある暮らしを経験した子どもでは情緒面だったかな?
で大きな相違があるらしい。

ふぅ~ん。
なんか、よくわからんが純粋に面白かった。

お値段は198万円。
思わず、注文したくなっただよ。
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御幸亭、結仁斎

2008年08月27日 00時10分00秒 | 茶室
由比本陣公園内にはお茶室もあった。


もともとは身分の高い方が休息される場所だったそうだ。
江戸時代が終わってからも、明治天皇が3回も小休止されたとか。
今の建物は復元されたものらしい。

美術館&呈茶のセット券と買うと、100円お安くなる。
いざっ、入り口へ。


呈茶は点てだしだったけど、お庭が美しい広間でゆったりといただいた。
玄関の正面に六畳間が一つ。
左に入ると、二畳分の畳の両側に八畳の広間が二間づつ。
それぞれの部屋の外側にはお庭が造られれていた。
(かなり贅沢)

私がお茶をいただいたのは手前側の池がある庭に面した方。
お床が不思議。


お茶会に使うとしたら、待合かな。
(玄関の正面は点心!)

むしろ、奥の八畳間の方が薄茶席にぴったり。
 
ちゃんとお点前座も整えてあって、いい感じ~

さきほど、待合に使いたい広間の手前、つまり縁側から奥に入ると、小間(四畳半)の茶室「結仁斎」(ゆいじんさい?)へと続く。


もちろん、庭づたいに蹲を使っての席入りも可能。
草履もおいてあって、かなり雰囲気があった。
(なぜか、水車もあった)


貴人対応もばっちりで、立手水鉢も。


もちろん、出入り口も躙口と貴人口が両方ある。


こちらも、席中のお道具組が整えてあって、すぐにでもお茶事が始まりそうな感じ。


すっかり楽しませていただきました。

写真もあったし、たぶん公共茶室としても、貸出ししているのではないかと思われる。
宿場は街道におけるオアシスだけど、まさに現代の憩いの場。

由比という町はすぐ脇を高速道路や新幹線や鉄道が忙しく通りすぎて行く街ではあるけれど、とても風情のある閑かな街。
桜エビ漁の時期にまた来たいな。
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茶室見学ツアー

2008年08月17日 06時34分01秒 | 茶室
 東博前で開門待ちの折り、たまたま『近代茶人たちの茶会』という本を読んでいた。
(感想は後日紹介)
 その中に益田鈍翁が“大寄せ”の先駈けとなった品川御殿山の応挙館で開いた茶会の話が登場した。
 「これって、この東博裏の庭園に移築された建物だよなぁ。以前、秋の公開で見たなぁ」と、記憶が頭をよぎった。
 そういえば、あの折はお茶室も見物したっけ。

 なんてことを思い出したことから、特別展「対決~」を観終わって本館に移動した後、インフォメーションカウンターで「こちらのお茶室って、いつ見られますか?」と質問した。
 すると、意外なことに「今日の2時から茶室見学ツアーがありますョ」とのお応え。

 聞けば月に2回、第2木曜日と第4日曜日の午後にボランティアの解説で庭園内の茶室が見学できるという。
 時計を見ると、まだ10時半。
 整理券配布がある午後1時半まで3時間もある~。
 とっさに判断しかね、とりあえず平常展を観ることにした。

 本館の展示物を見ながら歩いていると、ちょうど裏側から庭園が見渡せるポイントに出た。
 椅子に座ると見えるんだなぁ、、、茶室が。


 茶室を見ることに興味が向いている時期に、たまたま来合わせ、たまたま応挙館のことが書かれた本を読んでいた~。
 という偶然の巡り合わせ、やはり“縁”があるんだろうなぁ。
 と思い、参加することに決めた。

 何分、定員20名だし、案内ボランティアさんによると「最近は人気のツアーで」とのこと。
 心配した通り、ここも行列が出来たが、早め対応で先頭にいたため、無事に整理券を確保できた。

 さて、ツアー。
 庭園の案内図と茶室の由来を書いたプリントを渡され、それを見ながら進む。
 
 最初は春草蘆
 川端瑞賢が淀川改修工事の際に建てた休憩所。

 横浜の三渓園にも同じ名前の建物があるけど~。
 あれ? 三渓園から移築???

 原三渓さんが三渓園内に移築しようとして建材のまま放置しておいたのを、松永耳庵さんが茶の湯を始めた際に、その建材と有名な書家に書かせた「春草蘆」扁額をプレゼントした。
 で、耳庵さんは所沢に移築した。

 後年、松永さんは茶道具一切とともに茶室も東博に寄贈。
 上野に再移築されるにあたり、扁額だけが三渓園に返され、織田有楽斎作と伝わる茶室に掛けられた。
 だから、建造物としての関連はないとのこと。
 (ややこしい~)

 なので、上野にある「春草蘆」は茶室の作りではない。
 しかし、茶の湯が楽しめるように炉は切られている。

 次は転合庵
 本館から見えた茶室だ。

 小堀遠州さんが桂宮から瀬戸耳付茶入(銘「於大名(おだいみょう)」を賜った際、その茶入を披露するために建てた茶室。
 もとは伏見にあったらしいが、大原に移築され、戦後になって茶入と一緒に寄贈されたとのこと。
 (写真で茶入を見せてもらったけれど、六角形で背が低め。肩に耳もついていて、おもしろい!)

 茶室は二畳台目の入炉(向切)


 下座床。


 茶入をくれた宮様をお招きするために、躙口(にじりぐち)のほかに貴人口もついている。
 (そういえば、先日観た『篤姫』の茶室シーン、躙口だけで貴人口はなかった。
  大御台様は貴人扱いはされなかった? 和宮様ゆかりの茶室「貞恭庵」には貴人口のように縁側から入るようになっていて、躙口はなかったけどね)
 
 天井も遠州好。

 3つの様式が使い分けられている。

 別棟に四畳半の茶室があるが、これは後から建てられたものらしい。
 詳しいことはわからないとの事。
 京都から転合庵と一緒についてきたのだそうな。

 ちなみに、東博の茶室は貸出施設でもある。
 水屋も見たかったので、裏に回ってみると電気ポットは見えるし、炭の水屋道具もあって、現役バリバリの茶室だということが実感できた。


 その次は六窓庵
 寄付の建物と中門、外腰掛があり、そこを潜って茶室前へ。


 茶室前の蹲(手水鉢)もステキ。(四方仏水盤


 もとは奈良にあった金森宗和好みの三畳台目出炉。下座床。
 名前の通り、窓が六つ。
 茶室は寄贈ではなく、東博が買い入れたもの。
 解体した建材を船で輸送中、難破したけど流失を免れたという奇跡の建物。

 床柱が変わっていて、たしか棕櫚。

 なかなか面白い茶室だった。

 その次はいよいよ応挙館
 2間つづきの広間。
 円山応挙の手による壁画と襖絵からこの名称がついたらしい。

 最初に書いたけど、益田鈍翁が愛用した建物。
 没後に遺族から寄贈され、品川から移築された。

 壁画が立派ですねぇ!


 おっと、近づいてみると、こんなものが。


 なーんだ。
 コピーか。
 でも、精密ですねぇ。




ちなみに、毎月第3日曜日には応挙館茶会(呈茶?)が催される由。
 こちらも整理券の確保が大変そう。

 最後に九条館
 名前の通り、九条邸にあった当主の居室を移築してきたもの。
 こちらも2間つづきの広間。
 なかなか雅な感じだった。

 以上、小間・広間合わせて計5つの建造物を約1時間かけて巡りながら、庭園を一周。
 なかなか有意義な時間だった。

 3時間以上待った甲斐あり
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公共茶室

2008年08月10日 00時02分27秒 | 茶室
先日、紀尾井町の清水谷公園内にある偕香苑を訪れる機会を得た。
千代田区が管理する公共施設。
間取り図を見ると、炉が切ってある和室が3室もある。


建物自体は昭和59年に建てられたものだから、けっして古くはないのだけど、なかなか味がある雰囲気。
何よりもこれだけ茶室があるのはうれしい。
2年前の春に区に寄贈され、一般公開されたらしい。
お茶会も開催されているようだ。

私が訪れた主目的は茶会ではなかったのだが、茶の湯愛好者の仲間内の集まりではあったので、真ん中の四畳半でお点前つきの呈茶はあった。

盛夏で計20人前後の集まりだったからと仕方のないことだけど、「もったいないるナ」と思うことがあった。
奥の茶室が“待合”的な存在だったのだ。

そこは参加者の荷物置き場となり、先に呈茶を終えてメインエベント(香席体験)が始まるまで、他の参加者とその部屋で待たされた。

どう見ても、「又隠」の写し。
洞庫の確認だけ失念したが、にじり口、茶道口も同じだったし、天井の造りもたぶん同じように造ってあったはず。
その気になれば、待ち時間で「茶室勉強会」できただろうに。
後から、資料を見直して「もっと、ちゃんと見ておけばよかった~」と後悔した。

以前、中村昌生氏の『公共茶室』を読んだ。
その中で、「公共施設ということだから、流派に偏らない、多くの人に使ってもらえる設計に」という意味のことが書いてあって、フムフムと思った。

もっとも、後から寄贈された場合は変更しようがないけどね。
「又隠」は裏千家の茶室だけど、使い勝手的には流派の敷居はないから“公共”向きではある。
ただ、本格的な茶室であるがため、多人数の場合は“使えない”のがネック。

いくつかの公共茶室で四畳半以下の小間の茶室を見たけど、茶会の時は控え室とか荷物置き場になってしまう場合がほとんどだったかなぁ。
公共施設の場合、小間の他に八畳以上の広間があるので、どうしてもそちらを茶席にせざるを得ないワケ。
(↑過去の大寄せ茶会の手伝いに行った経験での所感。)

ただ、そういう場合でもよく見ておいて、後から仲間内のみの茶会で使ったことはあった。

やっぱ、茶の湯を本格的に楽しもうと思ったら、一席数名単位の茶席が理想なのかなぁ。

★かつて見た他の公共の小間茶室で、「よかったナ」と感じたところ
 ・世田谷区の羽根木公園内の「日月庵」。
  (二畳台目中板つき。ほかに星辰亭というもある)
 ・品川区きゅりあんの茶室
  (三畳台目。屋内とはいえ、露地や腰掛待合もあって本格的)

★参考 茶会の会場
コメント (4)
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