Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

前端春斉さん茶の湯漆工三十年展

2012年11月08日 00時00分51秒 | 美術画廊・ギャラリー
公私ともに取り込み中
閏年で微妙に例年より1日ズレれてるし~。

てことで、立冬の日にちを1日間違って更新してしまった

すみません。

でも、どんなに忙しくても、好きなものはちゃんと鑑賞するっ
というのが私の信条。

てなことで、昼休みに昼食返上で日本橋三越本店(本館6階 美術特選画廊)へ。

『三代 前端春斉展-茶の湯 漆工 三十年-』 ※11月13日(火)まで 呈茶席あり

会場に到着したら、ちょうど呈茶席が始まるところだったので、先に入った。

ご担当は五藤宗紫先生。
床には大宗匠筆の一行物「亭々千尺拂雲青」がかかり、呈茶というよりは茶会のような空気が漂う。

まずお菓子が回っている。
もちろん塗り物なんだけど、ボールのような形?

こちらも前端先生の?と伺うと、素材は椰子の実(を半分に割って刳り貫いたもの)だそうな。
いきなりの新作で

御園棚の道具組も釜以外は陶漆の水指と乾漆の茶碗、蒔絵の棗、漆器の建水と漆で取り合わされていた。

点て出しで回ってきた茶碗ももちろん陶漆。
軽くて、熱が遮断されているから熱くなく手に優しい。
(2005年に初めて陶漆茶碗に触れて感動して、5年越しで一昨年に購入したよん

むしろ、主茶碗に視線がいってしまった

最初は「あれ?なんで不二山の写し?」と思ったけれど、拝見に回してもらってナットク。
精巧に出来た乾漆だったのだ。

和紙を胎にその上から何重にも漆を塗り重ねて仕上げる技術。(張貫と同義でよいのかな?)

乾漆の楽茶碗の写しは社中でも1つあって、初釜で使われたことがある。
あまりの軽さと持ちやすさ、そしてやはり楽茶碗の写しで見た目に感動したなぁ。

それと同じ技術だぁ。
春斉さん作では初めて見る~
とうかれていたら、2年前にも見ていたヨ。この不二山茶碗
(たぶん同じもの。しっかり、自分のblogに記述があったゼ
 最近、ちと忘れっぽくないか

とまぁ、やはりお疲れモードながら、呈茶席でいい気分になって作品を拝見。

やはり、楽焼の写しの乾漆茶碗に目がいちゃって、ちと困った
ちなみに茶箱用の小ぶりのもので、近くにはやはり小ぶりの陶漆茶碗と茶箱があった。

なるほど、確かに持ち運びには軽量な茶碗は最適だ

茶箱もねー、すごく素敵な蒔絵なんだけど、それだけに使うのがもったいない。

5年前に個展では白檀塗が印象的だった。(陶器に中塗りして金箔貼って、さらに透漆を塗る技法)
2年前の個展では暁塗に注目。(陶器に朱を塗った上に黒を塗り重ね、研ぎ出して黒地に朱模様を浮き上がらせる技法)

今回は彩漆が印象に残った。

金箔の上に金箔を散らした地の上から更に色漆で蒔絵した明るい文様。
光輝くような。
色彩的には夏っぽい気もしたけど、描かれていたの秋の草花だった。

たぶん、表のショーウィンドウも彩漆の皆具が飾ってあったし、御本人もそのようなことを仰っていらっしゃったから、
今回のオススメはやはりコレなのだろうと思う。

それからオランダちっくな形だったり、文様も多かった。(桃山時代の南蛮文化みたいの、というのか)

かと思えば一閑張の縁高もあり。

加賀らしい蒔絵の棗もあれば、光悦や光琳の硯箱の形を写して小さくした香合もあり。

さまざまな技法を凝らした漆芸のあれこれが見ているだけで楽しくて、すっかり時間を忘れて30分も見入ってしまった。

お父上の前端雅峯氏の蒔絵棗もあり、とても重厚感があってさすがだと思った。

30年かぁ。

私も今の本業に携わるための勉強をするための受験勉強を本格的に始めたのが、30年前だったなぁ
(どうでもいいけど

一芸を磨く上での30年という時間の長さと短さに思いを馳せた。

※参考
 春斉さんの日本橋三越では個展5年ぶり。前回は2007年7月で建水を購入。
 三越に限らず横浜そごうでも2010年6月に開催され、陶漆茶碗を購入。
 当ブログでも紹介済み
→ 2010年その1 2010年その2 私の陶漆茶碗

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1 コメント

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Japanは素敵ですね (とし)
2012-11-08 06:40:53
漆の採集作業って時間がかかり大変なんですよね(^^;)。
自然の中から茶室までの時もまた長い時間をかけて、お客様をおもてなしすることになるでしょう(^_^)。
作家さんのファンになると必然的にその工程とかご説明していただけるし…(^o^)。
呈茶などのお茶席も大変な恵みがコーディーネトされていることわかってほしいですね(^_^)v。
漆の建水って拝見のご所望が多かったりする作品です(^_-)。
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