標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

特別支援学校の運動会見学(障害者差別解消法とは?)

2017-10-01 19:12:39 | 日記

特別支援学校の運動会の見学に行った。体育祭でなく運動会という呼称には小中学校時代を思い懐かしさを感じた。しかし、個人的には運動会は大嫌いで、短距離は常に最下位を争っていた。一方でパン食い競争や長距離走は好きだった。



体育祭と運動会という呼称の違いは、それなりのいくつかのポイントがあるようだ。違いについては他のブログなどの情報に詳しいが、端的には、幼稚園や小学校は運動会、中学・高校は体育祭と呼んでいるとのこと。
特別支援学校は小学部から高等部の一貫校なので、運動会と呼んでいるようだ。



運動会の閉会式で、校長先生が赤組、白組それぞれの奮闘を称えて挨拶をした。赤組、白組が同点だった。校長先生は「・・・全部の競技を見られなかったが、みなさんよく頑張った・・・」と少し硬くこわばった表情と声で語っていた。全部の競技を見られなかったという発言を聞き、実直な校長先生だと思った。

朝礼台から降りて、目頭を押さえながら大分離れたところにぽつんと退いた後、さらに腕で両目を拭っていた。
大いに感動されたのだと思う。

様々な障害のある児童生徒が、自分のペースで走っている姿を見て感動されたのであろうか。あるいはリレーで、2周遅れでも声援を背に全速力で走る姿を見て感動されたのであろうか。
実際この校長先生がどのように感動されたのかわ分からない。この感動をいつまでも忘れずに、生徒はもちろん先生や親御さんと共に教育に励んでほしいと願う。

でも、理想的には、特別支援学校でなく普通学校で、障害の有無にかかわらず児童生徒があたりまえの社会として共に生活するような環境が訪れるようになってほしい。

内閣府は9月30日、「障害者に関する世論調査」を発表した。それによると、昨年4月に施行された障害者差別解消法を「知らない」と答えた人は77.2%に上った。また、世の中には障害者への差別や偏見があると思うと答えた人が、80%余りだったとのこと。

この法律には次のように謳われている。

・障害のある児童生徒が、その年齢や能力に応じ障害のない児童生徒と共に、障害の特性を踏まえた教育を受けることのできることの推進。

・家庭や学校を始めとする社会のあらゆる場で、子供の頃から年齢を問わず障害に関する知識・理解を深めること。

・全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人であることを認識すること。

・障害の有無にかかわらず共に助け合い・学び合う精神を涵養すること。

・障害のない児童生徒の保護者に対する働きかけも重要であること。

これらの法の理念を広く国民にアピールする必要がある。教育の無償化も否定はしないが、啓蒙活動はそれほど予算をかけなくてもできる施策ではないだろうか。この理念を共有し実施に努力していけば、この法律がなくても差別のない社会づくりができるのではないか。

「障害者差別解消法」なる法が、「解消」されることを望む。

コメント (1)
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