のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

裏方さんの緊張

2010-06-10 | メディア
 プロップスに新しフルートの不具合を見て頂くことになっていましたが、今日見るとその部分が直っていました。私にはとても嬉しいことです。
 手袋のパターンを直して頂くことになりました。手袋をはめてモントリオールからいらした方に今日ご覧頂くと、ようやく問題が分かったようです。新しい手袋をはめる恐怖から解放されますように。
 今月末にラスベガスで行われるエミー賞の授賞式に、参加させて頂けることになりました。とてもありがたいことであり、楽しみです。
 二回目のショーの始まりが遅れていました。お客様の中に具合の悪い方がいらしたようです。その間、リガーの人が話し掛けてきました。今日も彼はリードをしなければならないと、いつものように少し大袈裟に緊張している様子を見せました。そして、昨日のショーのデュエットの始まりが遅れたのは自分の責任だったと言います。でも、大本は彼の所為ではないのではないかと思い尋ねると、「いや、全部僕の所為。」と。そのこともあって、今日は本当に緊張しているようでした。ちょっとした手違いでも、舞台が複雑なので、大きなこととなって表れてしまうのでしょう。大きな舞台を動かすのは、本当に大変なことだと改めて思いました。 
 新しいコートは少し柔らかく動くようになってきました。二日目でこの違いですから、問題ないでしょう。

新しいものと共に

2010-06-09 | KA
 シティセンターの未完成の部分に少し変化が見られました。ここは通り難いところなので、早く完成しないかと思っていたところです。まだまだ時間は掛かりそうですが、前には進んでいるようで、良かったです。
 湿度の高いところへ旅に出ていたので、肌の調子が良いようです。お化粧がしやすく、休暇明けでも早く仕上がりました。
 新しいフルート、新しい衣装での練習も問題なく、今日の本番で使うことに決めました。ところが決めた後に、新しいフルートに不具合が見つかりました。今日のことには問題ありませんが、このフルートはまたすぐ修理に出さなくてはならなくなることでしょう。使いやすいだけに、残念です。
 エピローグで着るコートも新しくなりました。ショーが始まって以来のことと思います。試着をしてみるとカチカチで動きにくいのですが、これで踊るわけでもありませんし、数日着ていれば馴染むことでしょう。使い始めることにしました。
 休暇明けはみなが笑顔で、良いエネルギーに溢れています。ハワイを訪れていたシェリーとジェニファーからはお土産を頂いたのですが、私の金属アレルギーに対応できるネックレスを探し回ってくれたようです。お土産は元より、ネックレスと同じように細やかなお心遣いがとても嬉しいことでした。
 マリレンが戻ってきました。出産の後とは思えないほどのほっそりとした身体。もしかすると痩せているぐらいです。彼女はいろいろなアクトが出来るので、今日は衣装合わせに2時間も時間が設けられていると言っていました。また彼女と共に過ごせるのは楽しみです。
 本番前、トレーニングルームで動いている時に、腕を少しおかしくしましたが、明確な感じで踊れた一回目。客席の前の方に、とても喜んで下さっている方がいらしたそうです。
 休暇が明けたばかりだからでしょうか、今日は満席と思われるほどたくさんのお客様にいらして頂きました。最後に、森のシーンで撒く紙吹雪を、客席から撒いて下さる方がいらっしゃいました。
 キーボード担当のジャニンと、ドラム担当のエリックが、12時を過ぎると揃って誕生日となり、みなで集まりました。休暇の話に花が咲き、楽しいひとときでした。胃の調子を悪くしているバイグーが、久しぶりに顔を出してくれたことも嬉しいことでした。
 帰りは摂氏31度位まで下がり、涼しさを感じました。

『Believe』で踊る姿

2010-06-08 | 日記
 ひどく悪いところはありませんが、少し気になるところもあり、カイロプラクティックへ行きました。すると先生は「チューンアップね。」と言い、私がお願いしたいことをすぐに分かって下さいました。そして、いろいろと検査をしながら「こんなに健康な患者は診たことない。」と。健康以上の健康体で舞台には臨みたいものです。
 バレエに行ったのは、動作のチューンアップと言ったところでしょうか。今日はバランスの悪いこと。それが分かっただけでも良かったです。
 昨日より、暑さは和らいでいますが、もうセーターを着るほど寒くなることはないでしょう。ブーツも履くこともないでしょう。洗濯をしたり、靴を磨いたり。
 夜は『Believe』を観に行きました。『Believe』は私達と同じ休演日なので、今日を逃すと友人の踊る姿をこの舞台で見ることが出来なくなります。
 ショーは全く違ったものになっていました。ダンスのシーンをなくすとは聞いていました。そして、今は始めと終わりにしか踊らないことも聞いていましたので、“覚悟”はしていましたが、実際に観るともっと衝撃的でした。ダンサーの数も少なく淋しくなっていました。彼らが踊らないだけでなく、イリュージョンをしている時に添えられていた花もなく。以前見た時には、素晴らしいダンスシーンと共に創り上げられた幻想的な世界がまだありました。それを壊してしまう人が気になりましたが、その世界はありました。でも、今はそれが無くなり、イリュージョンの羅列。ダンサー達のエネルギーによって創り上げられていたものがどれほどあったのかと思い知らされました。もったいないです。
 こんな状態でも友人は、ショーの最中椅子に座る間もなく着替えては踊り着替えては踊りと舞台をこなしていた時と同じように身体の準備をし、今も尚ショーに臨んでいます。彼の姿を舞台に観、淡々と毎日を過ごしている彼を改めて思い浮かべました。

やっぱり5月の休暇後

2010-06-07 | 日記
 ラスベガスに着くと、“もわっ”と。
 いつもの5月の休暇が、今年は少し遅れてありました。いつもは“5月”の休暇でラスベガスを離れ、戻ってくると、ラスベガスの夏が訪れています。今年は、その時季になっても暑さが訪れないと思っておりましたが、ついにやってきましたこの暑さ。そしていつものように休暇後に。
 ラスベガスには少し遅れて到着。そのままMGMへ。今日は、休暇明け恒例アーティスト抜きのリハーサル、ドライテック。ドライテックも少し遅れて始まっていたので、なんとか間に合いました。
 「見かけないから心配していたんだ。」とテクニカルディレクター。
 踊りながら、休暇のことを思い出していました。みなさんに親切にして頂いたこと。おいしい食事を頂いたこと。緑の中で過ごしたこと。たくさんの動物に出会ったこと。私が心身ともにゆったりと過ごしている間、バックステージテクニシャンのみなさんはここで働いて下さっていました。有難いことです。そして、ここに戻って来て、こうして舞台に再び立てる喜びを感じていました。旅の疲れは少しありますが、休暇前のあの“異常”な状態で舞台に立っていたことを思えば、これは健康な疲れ。こんなことはどうにでもなる、そう思えました。
 修理をお願いしていたフルートが出来上がっていました。持ってみると、まだ心が残っているような感じで、すぐに馴染みました。こちらのほうがよさそうな気さえします。

 休暇中、一番たくさん見かけた動物はシカ。それからリス。青い鳥も飛んでいました。七面鳥は8羽の雛を連れて歩いていました。キツネの親子も見付けました。
 お母さんのようなお母さんになりたいという子供、お姉さんは優しいという妹。バトンを教えると、夢中になって練習する女の子にも出会いました。古い車がたくさん走っていて、古い家を手入れしながら使っている町があり。
 今回の休暇、ラスベガスに居ると忘れてしまいがちな何かを思いだし、自分自身をリセットできたような気もします。