『走るジイサン』を読んでから池永陽にはまった。
交通事故で母を亡くし、片足を失った少年と
事故の原因は自分が浮気を優先したためと言う負い目を持った父親と
母親の遺骨を生まれ故郷の宮古島まで自転車に乗って返しにゆく話。
道中にいくつもの死にまつわるややこしい人間模様に遭遇しながら、
義足をつけた足でペタルをこいで満願成就。
あらすじを書いてしまえば、ベタな話みたいだけれど、
けっこうヘビーな出来事が次から次で飽きさせない。
虚構の小説の芯に嘘が書かれていない気がするし、
人のずるさや弱さや認めてくれるやさしさも感じられ、
読んでいて、私自身が楽になる。
逡巡する気持やどうしようもない負い目の解決に
やたら出て来たケジメのつけ方。
どこかで、エイヤーと言う踏ん切りは必要かも?
と、読み進むうちに納得してしまう。
最後の舞台の沖縄がまた良いなぁ~
読み終わって、TVを付けたら
丁度、日曜美術館で琉球王国の逸品をやっていた。
ものすごいタイミング。
色が違う沖縄の海が映った。
思わず
宮古島でクジラの母子が海を割って泳いでゆく
終章のクライマックスが浮かんできた。
池永陽さんいいわ~
続けて『指を切る女』を読もうっと。