![]() |
「料理制作」さんのレシピ帖 映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の料理と、毎日のおいしいごはんの話 価格:¥ 1,800(税込) 発売日:2007-04-14 |
いい歳して実家にいることもあって、家事一切ダメな方です。
料理も、ひとに訊かれるとたいてい、「まったく出来ない」と答えます。
でも、まったく料理をしない友達に、「今日のお昼、何食べた?」などと聞かれて、「自分で作ったカルボナーラ」と答えてしまい、「なんだ、料理するんじゃないの!」と裏切り者を見る目で(?)切り返されたことがありました。
まあ、その頃も自分の休日の昼食とか、自分が持っていくお弁当とかは作っていたのですが、私は前々から、自分だけが食べる、それも一品料理(パスタとか)を料理に入れていいものか?と疑問に思っていたのです。
自分だけのための料理って気楽なんですよね。誰にも文句は言われないし。自分のために美味しいものを作る、っていうのも、もちろんありだと思う。
けれど、いつもそれじゃちょっぴり味気なくて、“料理”って、基本は誰かのために作るものなのかな、と思ったりもして。
この本みたいに、作ってあげたい料理満載のレシピをみると、よけいそう思ってしまう。
この本は、映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の、料理を担当した料理制作さんのレシピ本。ほか、『かもめ食堂』も担当された方です。
この本の、ほんとのご馳走、というページには、帰省した時何が食べたい、とオカンに尋ねられて、おにぎりが食べたい、とボクが言うエピソードが出てきます。実家に帰ったボクが見たのは、木桶いっぱいのいろんなおにぎり。かしわ御飯、のり巻、ふりかけ、しそまぶし……。
ああ、本当に、“ほんとのご馳走”だな、と思ったし、私の料理のイメージって、これだなぁ、とも思いました。
本の後半は映画と関係なく、著者の方のおススメレシピが紹介されていますが、こちらもいかにも美味しそうな、あったかい料理がたくさんあります。
私にはハードルの高いレシピも多いけど、母に食べさせたいな、と思いました。
映画が好きな人にもおススメだし、普段あまりなじみのない『料理制作』という仕事の世界をかいま見るのも、面白い一冊です。