あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

詩と、うつり変わるこころと。

2009-08-25 23:34:27 | 本(詩集・俳句・歌集・メルヘン等)

ジャック・プレヴェール 鳥への挨拶 ジャック・プレヴェール 鳥への挨拶
価格:¥ 3,150(税込)
発売日:2006-07

もう一月以上も前になりますが、以前職場の先輩だった方に、『詩のこころを読む』(茨木のり子著)という本をいただきました。

少女の頃には、詩もよく読んだのですが、最近はさっぱりでしたので、懐かしい気持ちになりました。とくに、高校の頃好きだった、ジャック・プレヴェールの詩を目にしたときには。

中学の頃は、ヴェルレーヌや立原道造が好きでした。ほんとの少女でしたから、ロマンティックな詩に魅かれたのです。(年齢のわりに、オクテだったのかも……)

石ノ森章太郎氏の少女向き短編で『龍神沼』というのがあって、その中にヴェルレーヌの詩が出てきたと思いますが、彼の詩って、ある時期の少女のツボにはまるのですよね。

けれど、高校になると、“ケッ!軟弱!”とか思ってしまって、ロバート・フロストの『火と氷』(ある人々は世界の終わりは火になるだろうと言う。ある人々は氷になるだろうと言う。……と始まる、滅亡の詩)とか、虚無的な内容のリチャード・ブローディガンの『LOVE  POEM』とかが好きになりました。

中学と高校の間に何があったのだろう……。今は思い出せない……(-_-;)それにしても生意気だったなぁ(^_^;)

プレヴェールは、暗くない『庭』や『夜のパリ』とかも好きだったけれど、地味な『朝の食事』や、反戦詩(ですよね?)『バルバラ』がより印象に残っています。

そして今は、そのころは見過ごしていたような何気ない詩が心に沁みたりします。

こころって、うつり変わっていくものなんだって、あらためて実感しました。

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サマータイム

2009-08-25 22:57:20 | 音楽

音楽の冗談@斎藤晴彦(vo)
価格:(税込)
発売日:1986-10-22

パソコンに取り込んだ音楽を編集してCDに焼き、自分のお気に入りを作るのは、けっこうどなたもやっているのではないかと思います。

私は年代的に(^^ゞ学生時代~二十代半ばまでカセットに入れてたんですけど、ちょっと変(?)なのをよく作っていました。

たとえば、『サマータイム』ばかりを入れたものとか。普通にサラ・ヴォーンとかエラ・フィッツジェラルドとかも入れていましたが、同僚が協力してくれて、ジャニス・ジョプリンや東京スカパラダイスオーケストラが演奏しているCDを貸してくれたりしました。

よくいえばオムニバスですが(*^_^*)『チゴイネルワイゼン』ばかり集めたのも作りました。

これもフツーにヤッシャ・ハイフェッツなぞも入れるのですが、さすがにクラシックのプレイヤーが多い中、一番の珍品がこの、『音楽の冗談』に入っていたチゴイネルワイゼン。

このアルバムは、斎藤晴彦氏が、クラシックの曲に勝手な、いや失礼、独創的な歌詞をつけて歌ったものを集めています。

で、斎藤氏のチゴイネルワイゼンは、パエリアの作り方になっているのですね。最初は普通に米など炒めてる。

ところがこの曲って途中で転調しますでしょう。それまでの哀感のあるメロディーから、激しいジプシーバイオリン調になりますよね。

そこにくると、パエリアの鍋に、火が入っちゃうんですよ。そしてあっというまに周りに燃え移り、火事になり全焼するまでの曲になってる。

“なんじゃこりゃ~\(◎o◎)/!”と思いながらも、お気に入りの一曲でした。

でも、今このアルバム、入手困難なんですね。残念……((+_+))

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お酒にも、感情があるらしい。

2009-08-25 00:24:34 | 本(エッセイ・ノンフィクション他)

酒の本棚・酒の寓話―バッカスとミューズからの贈りもの (1983年) (サントリー博物館文庫〈7〉)
価格:¥ 893(税込)
発売日:1983-07

『もやしもん』8巻では、あんまり書くとこれから読む人の楽しみを奪っちゃいますが、ムトーさんは“ビールとは何か”という問いの答えに、最後は自分なりに辿りついていました。

そこを読んでいてふと、思い出したエピソードがあります。

サントリー博物館文庫の、『酒の本棚、酒の寓話』という本に収録されている、ジョン・アップダイクの『グッドバイ、ミドルクラス』という、4頁ほどのエッセイとも、ショートストーリーとも思える、小品です。

“今日、おれは五十万ドルもうけたときかされた。”という一文で始まるこの作品は、突然大金を手にすることになって戸惑う主人公(作者自身?)とその妻の一夜を描いています。主人公は戸惑いのまま横なぐりの雪のなか買い物に行き、今まで縁のなかった高価なワインを買って飲みます。

“何ともふしぎだったのは、そのワインがすばらしかったことだ。(中略)よりまろやかで、よりほろにがく、そこにはもっと葡萄の香りがあって、もっと風景があって、もっと悲しみがあって。”読んだとき私は十代でしたが、この描写にやられてしまいました。

風景がある、そして悲しみがあるワインって、どんなだろう。いつか、飲んでみたい、と思ったものでした。

今に至っても高価なワインには縁がありませんが(^_^;)美味しいお酒を飲むと、この作品を思い出します。

そういえば、『もやしもん』新登場キャラ、地ビール職人はなちゃんが、ビールに打ち込んだきっかけは何だったのか、(きっと今後出てくると思うけれど)知りたいと思いました。

爽快で、気分浮き立つビールは素敵。深い味わいで、ときに悲しみがあるワインもいい。

酒には、人を引き付ける不思議な魅力があるのですね。

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