2012国際協同組合年長野県実行委員会の設立総会の記念講演に出かけた。講師は立教大学大学院教授「内山節」。内山氏は3・11の東北太平洋沖地震に触れ、復興の意味を語った。恐れずに言えば、今回の災害は、自然にとっては災害ではない。漁民は言う。海底にはいつの間にか淀んだ沈殿物がたまっていく。これらを掃除しよみがえらせるのだと。先人からの知恵だ。こうした知恵を持った漁民は、自ら復興のため、前に進んでいく。復興は、国家レベルでは限界がある。その場所に住む住民が、こうありたいと言うグランドデザインを創る。それは、それ程の時間はかからない。例えば、子どもたちが笑顔で遊ぶ事ができる場所、あるいは、90歳の一人暮らしの老人が、生きていて良かったと思える場所。これがグランドデザインだと言う。そこから、それを実現するために、どんなインフラを創ればよいのか最適を考えていく。これが復興の道筋だ。何冊かの著作を読んでいたが、「自己認識」「関係性」「欧米と日本のシステムの差異」「高度成長を知らない世代の協同する思考」など興味を引いた。続く。