動物愛護団体の預かりボランティアをしていた時期があったが、これはその団体である
Rencontrer Mignon(ランコントレ・ミグノン)の代表・
友森玲子さんの活動内容を記した本である。
(先月に発売されたばかりの新刊)
この本の作者である
太田京子さんとは何度か面識があり、
色々な活動の折に熱心に参加して取材を重ねていた。
児童書(小学校中学年~中学生向け)のようだが、大人にも是非読んでもらいたい内容である。
「愛護団体」と言うと胡散臭いイメージを思い浮かべる人も、
これを読めば何をどんな風に活動してるのかわかるはず。
題名の
「100グラムのいのち」は、子猫が生き残れるかどうかを左右するのが体重100グラム、
と言われているところからつけられたらしい。
全般的に、追跡取材によるドキュメントで、動物の保護活動が紹介されている。
何頭かの保護動物の実例が掲載されているが、実際に私と面識のある動物達の話も掲載されており、
その後、皆幸せな日々を過ごしているのを知って感無量であった。
後半は、東日本大震災による被災地での保護活動について記されているのだが、
読むうちに、
あの日の記憶が鮮明に蘇ってしまった。
そして・・・・
すっかりと当時の事を忘れて、ふぬけた平和すぎる日々を過ごしている自分を
恥ずかしい
と思った。
あの震災を私は忘れてないだろうか?
あの後、どんな事が起こったのか。
凄まじかった津波の被害。
そして、どんな気持ちで固唾を飲んで原発の事故の行方を見守ったか。
地震の直接被害だけでは済まなかった東日本大震災。
後半は、人災とも言える原発事故の影響が大きかった。
数多くの動物たちの運命をも左右してしまった。
動物達には、全く何も罪が無いにの・・・
共食いされて骨だけになった猫の死骸。
屋外で折り重なるようにつながれたまま餓死した2頭の犬の死体。
牛の死体がいくつも転がっていた牛舎。
街中(まちなか)を走るダチョウ。
車道をさまよう牛。
こうした悲惨な画像をネットで見た人もたくさん居た事だろう。
ほとんどは、地震の直接被害ではなく、あの原発の事故による
住民の避難命令のせいで失われた命だった。
そして数々の保護団体がこれらの動物の救出のために放射能も顧みず、
福島に向かったのだった。
折しも、もうすぐ選挙である。
この本を読んで、是非あの時の事を思い出し、
真剣にこの国の将来を考えて投票してもらいたい、と思った。
あの教訓から学ばなければ、失われた多くの命に申し訳ないから。