月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

偶然でなく、それは必然なのだ。

2012-06-17 20:52:28 | 腹腔鏡下 子宮全摘術



明日が手術だと思うと、夜になって
突然におちつかなくなる。
人は明日で、いよいよ寿命だと告げられたら
その前日の夜にはどんな風に過ごすんだろう。

音楽にはずいぶんと助けられた。
耳を集中させると、
心も音に集中して恐怖がなくなる、
これはMRI(大阪中央病院)の入る前に
陽気なハワイアンの、DJに紛れて
意識を音楽の世界に向けられた時に
分かった感覚だった。
無機質なたたくように打つ金属音の響きよりも、アメリカのDJの話し声と音楽のほうばかりを
私の耳は選びとっていた。

以来、病室ではずっと音楽を聴いている。
手術室にいても、イヤホンを聴くことができればいいのに。

明日は自分がなされるままに
無になれるのかどうか、
神経をあちらこちらに
走らせることなく、
自然のままの姿に戻って
自分自身を差し出したい。


感謝とともに、
私が私らしくありますように。