月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

体調がいいだけで祝福されているような2月

2013-02-06 22:45:08 | 今日もいい一日

昨日は朝から梅田で打ち合わせをして、「PIANO PIANO」(ピアノピアーノ)で、1,250円のパスタランチを食べ、
ジュンク堂で2時間調べものをして、夕方は別件の打ち合わせをして帰る。

ランチは、前菜の盛り合わせに、いわしのマリネサラダ、サーモンのパスタ、チョコレートケーキ&アイスクリーム添えを。

一人でふらりと入ったわりには十分に満足のいく内容で、

特に鮮度のいいいわしを酢で締めたマリネが美味しかったし、パスタは少量だが、
いい具合にアルデンテされた麺で、
酸味の控えめなトマト味のソースともよく馴染んでいた。
同じビルに入っている「リストランテ・ヒロ」よりも、この日のランチは良かったように思う。



隣で食べていた2人ずれの女性客の、愉しげな会話を傍らに聞きながら、ある友達を思い出し(笑い方が似ていた)、会いたいなあなどと思い、
じんわり孤独をかみしめながら食べる食事も、私らしくて良かった。


すると後半、そのうちの一人が実にキレイな笑顔でシェフに挨拶されているのを見て、
おそらくフードライターか、雑誌・編プロの人かなと。
なぜ、同業者だと思ったのだろうか、どこが他の女性達と違うのかしら、と隣を観察しながらグレープフルーツのアイスクリームをほおばる。
きっと、初対面とおぼしき人にも、全くものおじしない態度や、
まっすぐ相手をみつめて微笑むことができるか、などその辺りじゃあないかしら。

ともあれ、こんなどうでもいいことにも、心が動くようになったのは、私が今どこも悪いところがないからだ。
体調がいいというのは、それだけで幸せなことであるなあ、と今日はつくづく感じた日だった。



どこも痛いところがない、だるいところもない、胸も苦しくないし、足も自然と軽く前に出る。
背筋だって伸びる。それだけで、自分が今生きていることが祝福されているような、
ありがたい気持ちになる。そんな時もあるのだ。

やっぱり、ちょっと大仰ないい方かもしれないけれど。
だって、ここは西梅田のブリーゼブリーゼ。昨年の今頃は、
貧血でハアハアと肩で息をしながら病院に向かっていたのだから。

春は、胃腸も今ほど快調ではなかったはずだし、階段を上がるにも休まずして、一気に駆け上がることができるのか自信のないまま、
鉛のように重い足を運んでいたのを記憶している。

当時は、それほど悲観もしてなくて、まだまだやれると頑張っていた。
たいしたことはないと虚勢を張っていた。

でも、今は貧血もないし、婦人科の疾患もない。
左の奥歯がきりきりと痛むこともない。それになんといっても歯なのである。

昨年までは強く噛むと、違和感があって神経にあたるようなキーンとした痛みがあったが、
今は美味しいものも、思いのままに咀嚼して、体全体で味わうことができる。
食べる幸せは大事なのだ。



ただ、しいていえば、娘の大学受験が心配の種。だけど、大丈夫、これも生きている証、
いつまでも夢がみれるのだと思おう。それに彼女の人生なのだ、私ではない。

2月になって、仕事が順調に入ってくるようになった。
少しまとまった仕事で、春までの納期の仕事がだんご状態に、かたまっている。
そろそろ、スピードをあげないと追いつけないね。

昨年と違って今年は、温かい冬の日が多い。

それも冬の太陽が精一杯照りつけてくれる日が多い、それがうれしい。
体調がいい、それだけで、私は特別に祝福されている。
そんなあたり前のことに気づいただけで、ホントに良かった。