月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

20年来の同僚たちと女子会。芦屋「焼肉ジェット」

2014-10-22 00:01:51 | 兵庫・神戸ごはん


少し前のことだが、前会社の同僚たち4人で、顔を合わせた時の事を綴っておこうと思う。
全員がコピーライターという異色の女子会。
今ではすでに全員、会社を退職したが、メーカーの広告宣伝・販促を担当する以外の、3人ともフリーランスで
コピーライター・ライターとして仕事している。

1年に2~3回ほどしか顔を合わせないが、
毎回合うたびに、刺激し合える仲であり、
恋バナから健康談議まで、たわいのない話しをいつまでもできる関係性である。こう言えば、こう反応するというのがほぼ読める間柄。
よく20年も会ってこれたものだ。

ただ、おかしくて、笑って、食べて、叫んで、別れる。
仕事の話しはほとんどしないし、お互いの立ち位置や展望を確認しあうこともない。
昔どうりに、たわいのない話しを繰り替し、明日また職場で席を並べるかのような親しさで、冗談を言い合って、生きていることを確認しあって別れるだけだ。

みんなカッコイイし、センスがいい。
自立している大人女子。
自分の世界が確立している。その世界を素晴らしいと認めながら、
そこを踏み込みはしないのである。

おそらく、自分がコピー能力は一番劣るんだろうなと思う。
(もしかしたら、誰しもそう思っているのかもしれないが)。
決してマネはできない独自の創造世界を、ちゃんと持っている。


彼女らの中にいることで、自分の姿が後退していないかを確認しにいっているようなところがあるのかもしれない。

ふと何か要件があって2人で会えば、
深い話や互いの生活のなかに入り込んだ会話が出来るが。ごく普通に。
まあ、そんなのはどうだっていいのだ。緊急の時だけで。
生きていれば、みんなが機嫌よく、元気で生きていてさえいれば。

1つ不思議なのは、彼女らは総じて、SNSをやらない。そういえば、今、仕事で共にするメンバーも。総じてSNSを軽視し、プロフィールは公開していても、
更新をしたり、共感したりはしない。
大学時代の親友もそうだなぁ。

仕事の文は、底知れずうまいのに、それを公に公表するのをみな嫌う。
一度、年下のコピーライターにそれを聞いてみたことがある。
「私は求められたものをバチッと最高の状態で提供し、みなで作り上げることに
喜びを見出すタイプなんです。自分の人間性を人に伝えたいとは思わないんです。人のを見るのは好きなんですけどね」といっていた。

私の友人のなかでSNS(FB)を、ライフスタイルの中に取り入れているのは、3・4人くらいである。

だから、私も実は昨年まではFBをどんなに薦められてもやらなかった。自分もそういうタイプだと思っていた。
ただ、今はすこし変わった。
自分の領域をもう少し広げた世の中と、もう少し深く関わりをもつというのは、ある意味、刺激を受ける時があるのだ。
SNSという宇宙の中で生きる人達の日常がそこにある。
今のスタンスは、1日に1回くらいはのぞいて、ちょっぴり親しい人や、懐かしい旧友たちや、3・4人の大切な友人や
尊敬できて生き方のステキな人に会いに行っている。人恋しいのかな。

さて、「焼肉ジェット」の話しである。

ここは、芦屋といえば高級住宅地の印象だが、そのイメージで訪れると拍子抜けしてしまうほどに不思議な空間。
阪神大震災時に建てられたバラック小屋をそのまま使用する。
店内はL字カウンターのみの10席きり。
程よくくたびれた内装は
ちょっとしたバーのような不思議な雰囲気。
刺しものから焼き、〆の食事まで全て、マスター1人で仕込み、
備長炭の炭火の上で1人1人に肉を焼いて、調理もする。

入店は一番ノリだったが、すぐにざわざわと老若男女が集まってきてアッという間に満席。
2時間たてばスッと人は消えて、
しばらくして2回転目がスタートする。その規則正しさがなんだか面白い。


この日は、生玉子入のユッケと生肉4品盛りにはじまり、





肉の部位ごとにあの手この手で楽しませてくれる。
例えば、タンは厚切りと薄切りを粒山椒でゲタカルビはとろろで、
シマチョウは梅肉で…など、どれもカットや味付けに小技が効いて。












焼きはすべて店主が行うスタイルで、客の目の前の七輪で焼き上げ、それらを一番おいしく味わえるよう仕上げの味付けをして提供する。
私達は、リラックスしておしゃべりをし、お酒を飲みながら肉を味わう。
それでも、流儀はお客様中心ではなく、店主のしきりのもと。
テレビ番組でお馴染みの「深夜食堂」の焼肉バージョンのような感じ。

前回も思ったが、コースの途中ではさまれるガスパチョがおいしい。
スッキリしたところで、レバーやタンなどを提供。











ロース肉は温泉玉子と一緒に登場。




ほか、エノキやエリンギと合わせたササミのような部位もあった。
シメは、私は稲庭うどん。友人たちは、かぼすソーメンやカレーライス、たまごかけご飯など。
デザートはなくて、これらを、お腹にかき込んで終了となる。





この店。同じメンバーでは2回目の参戦。その前も焼肉は「たじま屋」。


最初ほどの強烈なインパクトはなかったが、10品ほどの肉がいただけてコースで3800円とは、芦屋にしては高いほうではないと思う。
日本酒やビール、ウイスキーなどとともに味わう、「焼肉」というコンセプトもシャレオツなのか。土日曜日はそれでもファミリー客も多かった。

入店8時00分には誰もいなかったが、30分以内に満席御礼。
夜のみの営業で6時と8時の2部性。全て予約客のみで営業している。

このあとは、2軒目へ移動。来月は、四つ橋の中華料理、酒中花「空心」(4回目)の予定。

●「焼肉ジェット」
兵庫県芦屋市西山町2-4
TEL:0797-38-2939
1  8:00- & 20:15-(二回制)
/月休(最終週のみ月火連休)
予算:4000-6000円
予約可


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3 コメント

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美味しそうに撮れてるね! (しろくま)
2014-10-25 07:07:58
私も「深夜食堂」見てましたヨ。最近もやってるね。
焼き肉屋さんああゆう感じなんですね…☆
小林薫さん「味」がありますね。昔NHKの「イキのいい奴」が面白かった…
仕事ぬきでも何でも話せる友達というのはなかなか
いいものです。良かったですね♬
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追伸 (しろくま)
2014-10-25 07:19:39
最後の「♬」は(音符)です!
なぜか文字化けしてしまった。
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深夜食堂 (アンデル)
2014-10-27 15:24:16
深夜食堂、しろくまさんも見ていたですね。私も、飲食店の取材の折に、店主から「こんな店を目指しているんです」と教えてもらってしりました。
実際に、「焼肉ジェット」はあんな雰囲気とは全くことなるかも。でも、焼肉なのに真ん中にマスターがいて、炭火で焼いて仕上げもして、客に供するという意味ではちょっと近いのかなと思い、そういう表現を使いました。(ここの店主は頑固でこだわりが強そうな方ではあるけど)。それから、しろくまさんが書いてくれたように、気の置けない友人とのごはんは、年々貴重で大切にしたい時間となります。
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