4月から大学生になったばかりの娘のNが、ホテルの宴会やレストランでアルバイトをはじめた。
「セントレジスホテル大阪」や「インターコンチネンタルホテル大阪」がそのホテルである。
これまでの人生で労働をして報酬を得た経験のないNにとっては、いろいろ刺激のある日々のようだ。
大学の話や友人たちの話より、ここ数日はアルバイトのことで頭がいっぱいのよう。
たとえば、
「○○さん、今何しているの?」と女性上司からよく質問が飛ぶという。
「はい、3番のお客様へのナイフフォークのセッティングに行こうとしていました」などと受け答えをするN。
「そうじゃあすぐに行って。帰ったらすぐにこれもやって」と
彼女の答えに、必ず、お土産付きで返す上司。
要するに一瞬たりとぼさっとしていないで。常に目配りして労働をしなさいね、という意味なのである。
何事も勉強だわ。ふむふむと話を聞きながら傍観していた私だったのだが
先日ついに口を滑らせてしまった。
「それじゃあお客様側の立場からホテルの接客というのを観察してみたらどう?
スタッフや人の動きを心おきなくみれるわよ。なんたってお客様だもの」。
そう、言ったあとにすぐに後悔した。
こういった提案は本人がしてこそ意味があるのだ。
「ねえ、どうしてもみたいのよ。お願いどこかのホテルへ連れてって」と
必至に拝まれて、しぶしぶ重い腰を上げるのが筋!そうでなければ 半分も効果なし。そう理解はしているのだが…
しかし、気付いた時にはすでに時おそし。
ということで、
先週日曜日に朝6時~昼1時まで労働していたNと待ち合わせして、
「リッツカールトン大阪」(三ツ星サービスで有名)へ出掛けた。
日曜日のホテルはどこも満席。
当日の予約で間に合うレストランはどこもなかった。
それで、Nの希望もあって「スプレンディード」のデザートバイキングに侵入する。
ここは、私がかつて広告代理店に常勤していた頃、側にいてやれない母の
せめてもの償いに、と幼稚園や小学校時代のNを伴って、3・4度ほど訪れている。
数年前に東京のお友達とも立ち寄ったりしたが、
やはり幼年の頃のNとの想い出のほうが深い。
この日も、ケーキ類はもちろん、
シェフがその場で焼いてくれるクレープやワッフル、石窯から出したばかりのピザ、パスタ数種、
特製マカロン、チョコレートなどを、すこぶる落ち着いたヨーロピアン空間のなかでいただいた。
珈琲、紅茶は好きなモノを何杯でもお代わりできるので、
最初はリッツで一番好きなブレックファーストをストレートでオーダーし、
アッサム、ダージリン、さくらティー、珈琲と2時間近くも甘いものを食べ続けた。
ま、経験上、それほどケーキは欲張らず、ナッツやチーズ、
サンドイッチ類をメインに時間を構成したかな。
そして思う。ホテルのよさって何かしら。と。
空港(ターミナル)もそうだが、旅の途中にある各国の人と同じ場で過ごせること。
いろいろな人の人生がほんのひととき、かいま見られるのが愉しい。
そして飛行機に乗らなくてもちょっとしたリゾート気分に浸れるのも愉しい。
たとえば、家のなかだって朝夕の照明を落としたお風呂とか、
オレンジ色のライトだけにしたベッドルームでの読書とか、
朝のベランダで風にあたっている時とか、
ほっとできる異空間はあるのだけど、やっぱりホテルの時間は時の流れが違う。
時間軸が、世界のビジネスというか社会にむいていながら、
そこで食べたり飲んだり、くつろいだり出来るのが愉しいのだと思う。
(わたしの実家が旅館業をしていたせいか、飲食店やホテルはなんだか
もうひとつの居場所のような気がしてしまうのである)。
さてさて、肝心の接客スタイルは学べたのだろうか。
スイーツやサンドイッチを何往復もして、沢山ほおばっては、お喋り三昧のNだったので。
その効果はどうなのかは、はっきりわからない…(涙)。
しかし、スタッフの歩きが早い。行動も早い。瞬足で働きながら、表情は優雅で笑顔。という気が私はした。
帰りにグランフロント大阪に立ち寄って、
「インターコンチネンタル大阪」のエレベーターを20階まで上がりきって
モダンなロビーや、プール、ジム、バイキングレストランの
「NOKA(ノカ)」などをチラリとのぞく。
このホテルは6月3日にオープニング前夜祭で、世界のVIPが集合したと聞くが、
ある意味、リッツとは対極だ。シンプルでモダン。
完璧にビジネス(VIPビジネス)でosakaを訪れる客層をターゲットにしているようだ。
さて、今週の水曜日から真夏のように関西は暑い。梅雨宣言から一転、湿気の多い日本の夏。
でも、夜になると少し風がやわらかくなる。
きょうは夕方まで仕事をして、
それから車で今日まで上演している映画をみるために近くのシネマへ…。
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