あぁ・・そうよそうよ、そうだったよ・・・。さっきテレビを観ていて思った。思い出した。
何を思い出したかは後で説明する。
私、渡哲也さんのこと好きだった。昔の日活の男優陣の中では一番だった。
何が好きって、先ず顔。そしてその佇まい。裕次郎さんのことが好きで、映画を諦めて裕次郎さんに
一途に付いて行ったという、その男気と言うか何と言うか。あんなにカッコいい人はそうそう居ない。
男前でチャーミングで、渋くて色気が有ってと、何から何まで兼ね備えて居た。余計なことは何も言わ
ない。雰囲気だけでモノを言う。あの存在感、あの寡黙さがカッコ良かった。くっそ真面目。礼儀正しく
律儀。優しそうな温かい顔に性格の良さが滲み出ていた。あの人のことを悪く言う人は居ない。
本当に、渡さんが亡くなってひとつの時代が終わったのねと、とても喪失感だ。
NHK大河ドラマが好きだった私は、渡さんが勝海舟を病気の為に途中降板した時、とても残念で
仕方なかった。私の中の織田信長の一番は、大河の渡さんだ。義経での平清盛も良かった。
坂の上の雲も観た。勿論西部警察も観た。
そして私には忘れられない渡さんのドラマがあるのだ。もうタイトルも時期も思い出せないが、
かなり昔。渡さんは主人公の、橋などの建設技師か何かの役だったと思う。病に侵され余命を知った
主人公が最後に言ったセリフ。人生に『未練はあるが悔いはない』
そのセリフに凄く共感した私は、自分もそういう人生を送りたい、死ぬ時にそう思って死にたいと
強烈に思ったものだった。ずっとその言葉は自分の中にあって、結構最近もう一度あのドラマを
観たいと言う思いにとらわれ調べたのだけれど、タイトルは判らずじまいだった。
それからも時々は自分に聞く。今自分は死ぬ時に、未練はあるが悔いはないと言えるであろう人生を
送れているか?と。今、とてもとても、悔いが無いとは言えない。悔いだらけだ。後悔いっぱいよ。
そして死ぬ時も未練たっぷりだろうな私は。
先ほどたけしさんと安住アナのニュースキャスターで渡さんの特集していて、そのセリフが出て来て
びっくり!渡さんが自らの死について語っていたとして『白血病で亡くなる人をドラマで演じたことが
あって、いい言葉があった』と。そして先のセリフ。『そういう風な生き方・死に方が出来ればいいな
と思う』と渡さん自身が語っていたんだそうだ。凄いっ!私と同じよっ!と又感激したよ。
向こうは知らなくてもこちらが勝手に想い、自分の人生になにがしかの色を付けてくれた人がいなくなる
のが悲しい。寂しい。昭和がどんどん遠くなる。
渡さん!未練はあるが悔いのない人生だったですか?きっとそうだよね。渡さんの生きて来た姿勢を見て
いれば解る。最初から最後までカッコ良かったよ。空の上でもカッコいいんだろうな。
追記:今調べたら出て来た。1992年の作品『生命燃ゆ』だった。