SNS辺りでかなり炎上しているみたいですが、観て思いました。
これは炎上するわ、納得。
まっ、一言でいえば、怪獣映画、特撮映画に対する「愛情」がない、「リスペクト」がないんです。
それでコメディ・タッチとかって、そんなん笑えるわけがない。リスペクト、愛情がないということは、怪獣映画の「ツボ」を心得ていないということ、そういう人が下手に笑わせようとしても、それは揶揄にしかならない、ただただ
馬鹿にしているようにしか見えないんですよ。
そんなもん、特撮ファン、怪獣ファンが一緒になって笑ってくれるわけがない。
「空想科学読本」という一連のシリーズがあります。著者の柳田理科雄(字あってる?)先生は、特撮作品の中で描かれている様々なことを、科学的に検証するということを、このシリーズで書き続けています。それは一見、特撮ものを揶揄しているようにも思われますが、実はそうではありません。そこには特撮ものに対する、深くて強い愛情があるんです。だから、柳田先生の書くことには素直に笑うことができる、だからこそ長年に亘ってシリーズが刊行され続けているのです。
愛情があるかないか、リスペクトがあるかないか、それは読めばわかるし、観ればわかります。
ローランド・エメリッヒや北村龍平には、怪獣映画に対する、ゴジラに対する愛情もリスペクトもなかった。だからろくでもない映画しか作れなかった。
庵野秀明、金子修介、手塚昌明などの方々には、深い愛情と強いリスペクトがあった。だから面白いものが作れた。
この理論は私のなかでの真理です。数多の作品がそれを証明している。
それはともかく、三木聡監督は少なくともこの作品を見る限り、怪獣映画を撮る資質はないと思われます。
それなりの実績を作ってきた方ではあるのでしょう。よく知りませんが、出演されている俳優さんたちの顔ぶれをみても、監督として慕われ、信頼されているのはわかります。題材さえハマれば、その才能を遺憾なく発揮できる方なのでしょう。
でも、この作品ではそれは感じられない。感じられるのは、特撮ものへの無理解のみ。
ラストシーンなど、なんですかあれは!特撮ファンから見たら、あんな噴飯もののシーンはありませんよ!最初からやれよって話っしょ!
主人公の秘密なんてほとんど映画の最初からばれてます。それをあそこまで引きずる無意味さ。そしてあのラストシーンに感じるのは
「特撮なんてこんなもんっしょ?」という、監督の見下した感覚。私にはその馬鹿にした笑い顔が目に浮かぶようでしたよ。
笑えないし、愉しめない。実際あの映画で笑える人はどれだけいるのでしょうかね?特撮ファンの気持ちを逆なでし、一般の観客には理解できないであろうギャグセンス。
劇場内で笑い声など、一度として上がりませんでしたよ。劇場にきているのは特撮ファンだけではないはず。山田涼介目当ての方々や、宣伝に誘われてなんとなく足を運んだ方々もおられたでしょう。それらの方々誰一人として笑っていない。
これはもう、コメディ映画としても、完全なる失敗作では?
申し訳ないですけど、こんな「クズ」映画観たの、久しぶりです。
三木監督、あなたにはもっと相応しい場所があるはず。これからはどうぞちらでご活躍ください。
三木監督にお願いいたします。どうか二度と、特撮映画、怪獣映画に関わらないでいただきたい。切に、切に
お願い申し上げます。
以上。