問わず語りの...

流れに任せて

善児……。

2022-08-29 08:29:21 | 時代劇

ネタバレばっかし。

 

 

 

 

 

 

善児(梶原善)が「人間味」を見せてしまった時点で、最期は近いなと感じていましたが、やはり……。

 

 

かなりの大立回りがあったのはビックリしましたね。善児というのはどちらかというと必殺仕事人タイプで、こっそり近づいて一瞬の早業で確実に仕留める、という感じでしたから、あんな大立回りが用意されていたなんて、これは善児を華々しく散らせる舞台装置かな、と思ったのですが、

 

 

そうはなりませんでしたね。

 

 

まあ、善児のような男をカッコよく死なせるほど、三谷幸喜は甘くない。これまでの悪行の報いがすべて帰ってきたような、因果応報を感じさせる最期で、当然の報いといえば報いなのですが、人間味を見せてしまった後だけに、善児の最期には哀れさを感じてしまう。

 

三谷さんは単純な悪人を出さないんですよね。どんな登場人物にも愛情を持って描いてる。

 

 

善児の前半生に何があったのかはわからない。でもあんな日陰の人生を歩まねばならない、とても大きな「何か」があったのでしょう。

 

それを思うと、なんだか善児が可哀想に思えてくる……。

 

 

因果応報、報いは必ずくる。しかし哀れではある。

 

 

それにしても、トウ(山本千尋)の殺陣の正確さね。暗がりのシ―ンであまりハッキリ見えないのだけれど、それでも刀を振る力強さ、速さはよくわかる。アクションに長けた女優さんですから全体の動きも素早い。

 

 

この方の殺陣、もっとじっくり見てみたい。

 

今後のドラマ展開で、そういう場面があればいいな。

 

 

北条義時(小栗旬)も苦悩してました。

 

 

善児の住む小屋で、兄(片岡愛之助)の遺品を発見した時の

 

「私に善児を責められるだろうか?」

 

 

というセリフ。キャラ変したとはいっても、実は根底の部分では変わってないんだな。

 

 

それ故、悩み苦しむ。

 

 

でもそれが

 

「救い」でもある。

 

 

ラスト近くに登場した仏師・運慶(相島一之)が義時に向けたセリフ

 

 

「あんた、悪い顔になったな。でも良い顔だ」

 

いいよね、これ。

 

 

 

時代に翻弄される人の「業」の哀れさ。

 

 

今回もまた

 

 

「神回」

 

 

でありました。

 

 

善児の哀しき魂に

 

 

合掌。

 

 

 

コメント (2)
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