イギリスの作家ブラム・ストーカーによって、小説『吸血鬼ドラキュラ』が書かれたのは、19世紀も終わりごろのこと。
小説で描かれたドラキュラは、白髪の紳士で初めは慇懃な態度をとっているが、徐々に残虐な本性を現していく。
オオカミやコウモリに変身する能力を持ち、日光に弱いわけではなく、昼間でも活動できるが、魔力は発揮できない。十字架やにんにくが弱点である。
大体このくらいが、ドラキュラ基礎知識ね。
ドラキュラものは何度も何度も、何度~も映画化されてきましたが、私が好きなのは何度も書いている通り、50年代~70年代にイギリスのハマー・プロで制作された映画で、クリストファー・リーが演じていたドラキュラが断トツに好きですね。
このクリストファー・リー演じるドラキュラから、牙の入れ歯を嵌めるのがスタンダードになったようです。血を吸った後に、口から血が滴るだとか、目が真っ赤に充血するなどのギミックが使われるようになり、時代が下るにつれて、ドラキュラの表現はどんどん派手で不気味になっていく。
クリストファー・リー!
ドラキュラは最近では、最初からコウモリみたいな姿をした怪物として描かれることが多くなっているようです。今回の作品でも、まるで昭和の仮面ライダーに出てきたコウモリ男そっくりの姿をしたドラキュラが登場するようですね。
このコウモリ男、ウイルスを人に染すことで、人間を吸血鬼にしてしまう。これってゾンビ映画のパターンの一つにありますよね?ウイルスに感染することによって、人間がゾンビになってしまう。
ゾンビも吸血鬼も「生ける屍」であるという共通点があるし、その姿は現代に描かれるドラキュラの姿そのもの。
石ノ森先生の先見の明、ただただ恐れ入るばかり。
それはともかく
吸血鬼ドラキュラは時代と共にその姿を変化させながら、現代まで伝えられてきました。最近は怪物的な面ばかりが強調され、クリストファー・リーの頃のような「格調の高さ」は影を潜めてしまった感がありますね。これが私的には
ちょっと残念。
まあでも、面白くできていれば、ホラーとしてよく出来ていれば
基本的にはそれで良しではありますが。
さて、この映画は
どうかな。
※ドラキュラはあくまで個人の名前です。吸血鬼全般のことは「ヴァンパイア」といいます。
この点、結構勘違いされている方が多いようなので、ご参考までに。