Frany's Yard

Frany's Yardはトリュフのスタッフたちが、アンティークの話、日常の中の嬉しい、可愛い、心地いいことを綴ったミニコラムです。

四つ葉のクローバーのみつけかた。

2011-05-17 18:52:36 | 東日本大震災支援



小学2年の上の娘の最近の熱中ごとは、4つ葉ハンティングです。
幸せのシンボル、4つ葉のクローバーを見つけること。学校の登下校、買い物への行き帰り、道端のアスファルトの割れ目に、街路樹の根元に、人の家の生垣の足元にまでも、精力的にうつむいて、目を光らせています。
この娘が、たいそう目が利き、しょっちゅう見つけてくるのです。僕は娘のおかげで、初めて実物の4つ葉を目にしました。最近知ったのですが、クローバーとは、【シロツメグサ】の葉のことで、道端でよく見かけるハート形の葉の3つ葉は、【カタバミ】というそうです。まぁ、そんなことも子供にとっては大した問題ではなく、事実、【カタバミ】でさえ、4つ葉を見つけるのは簡単なことではありません。それでもうちの名人は、何日かに1度、「あんな~、今日見つけたで~。」と、得意げに報告してくれます。
俯くときには、4つ葉を足元にさがしてみてください。簡単じゃないかもしれないけれど、きっと見つかります。そして見つけたら、ちょっと嬉しくなります。僕はそれから3本の4つ葉を、我が足元に見つけましたよ。足早に歩く日々には気付かない、ささやかな幸せは、いつもその足元にあるものなのかもしれません。(ちなみに名人はこの春20本みつけたそうです。そしてまだ記録更新中。)

さて、皆様の温かいお気持ちで、ご賛同、ご協力いただいてきた当店の義援金支援ですが、ゴールデンウィーク終了まで期間延長しましたので、少しご報告が遅くなりました。
5月8日で締めまして、本日5月17日、日本赤十字社へ\248,520.- を送金してきました。
〔お金の支援〕という重要性はもちろんですが、そこに込められた、ひとりひとりの温かな気持ちや言葉が、同時に被災地へ届いてほしいと思います。そして、この活動が、被災地のみなさんに元気や勇気を出してもらう助けになることを、心から願うばかりです。 ご協力、本当にありがとうございました。

あれから2ヶ月が経ち、ある側面ではめまぐるしい速度で復興が進んでいる部分もありますが、まだまだ先の長い道のりです。トリュフでも、また形を変えて、自分たちにできることで持続して支援していきたいと思っています。



※ 日本赤十字社5月13日速報によれば、5 月12 日(木)現在で、集まった義援金は、2,187,290 件 1,840億2,630万4,772 円。
4月13日より、第1次義援金の送金が始まっています。具体的には「住宅全壊・全焼・流失、死亡、行方不明者は 35万円」、「住宅半焼、半壊は18万円」、「原発避難指示・屋内退避指示圏域の世帯は35万円」を基準として、これに対象世帯・対象者数を乗じた額ということ。
朝日新聞発表によれば、厚労省が把握する現時点の被害状況で計算すると、第1次配分額は総額500億円強。未確認の被害も含めると1,600億~2,100億円弱になると見込まれているそうです。今集まっている義援金は、見込み分も考えれば、すでに上記の第1次配分で全てなくなってしまうことになるということなのでしょうか。
こうして、現実にいざ数字を見てみれば、 一世帯が受け取る義援金額は、その甚大な被害に対し充分な助けにならないことは明らかですが、その他のさまざまな支援活動と合わさることによって、少しでも被災者の力になることを願っています。

日本赤十字社の義援金の受付期間は、平成23 年3 月14 日(月)~平成23 年9 月30 日(金)です。 郵便局窓口での取り扱いの場合、振替手数料は免除されます。信頼できる団体であれば、どの団体を通してもよいと思いますが、息の長い支援が求められています。


2011年5月18日 Antiques Truffle 京都鹿ケ谷 / 店主: 八木 剛



東日本大震災、私たちにできること

2011-05-10 16:03:30 | 東日本大震災支援

★しばらく最新の記事は、この記事の下に表示されます。

この度の東北地方太平洋沖地震によりまして、被害を受けられた方々、ご家族には、心よりお見舞い申し上げます。
これまでの十数年のトリュフでの活動の中で、東北、北海道方面のお客様とも数多くの出会いがあり、また、余震や計画停電、物資不足で生活に不安を感じておられる関東、中部地方にも多くのお客様がお住まいです。連日、報道される目を疑うような映像に、ただただ皆様の無事を祈りながら、自分たちに何が出来るのか考えさせられる毎日が続きます。

こういう状況の中で、暫くのあいだ活動の自粛も考えたのですが、こうして何の制限もなく活動できる私たちこそが活動して、少しでも被災された人たちの役に立てる事はないかと、これからのひと月あまりの売り上げの一部を義援金として日本赤十字社を通して募金させていただくことに決めました。

期間中、支援イベントとして、いくつか企画を考えておりますので、どうかご理解のうえ賛同くださいますよう、心よりお願い申し上げます。

そして、同じアンティークが好きなものとして、皆さんのされている被災者支援の取り組みや、応援のコメントなども、被災された人々や、不安に怯えている誰かに、きっと希望や勇気を届けられると信じています。
当ブログを通じて、たったひと言でも、心のこもったコメントやトラックバックを、ぜひお待ちしています。


2011年3月15日 Antiques Truffle 京都鹿ケ谷 / 店主:八木 剛


・2011年3月15日~4月30日の期間内にいただいたご注文が対象になります。
・期間中にご注文いただきました商品代金の10%(カードにてお支払いいただく場合は5%)を募金いたします。銀行(ゆうちょ銀行も含む)振込みか、代引きによるお支払いをいただけましたら、少しでも多くの義援金を募金できますので、ご事情が許せば、期間中はできればお振込みか代引きによるお支払いをお願いいたします。
・期間終了後、必ず責任を持って日本赤十字社へ募金後、このページにて報告させていただきます。


サクラ

2011-04-05 00:15:06 | 東日本大震災支援



哲学の道の桜並木もだいぶ咲き始めています。この週末がいちばんの見頃ではないでしょうか。
折りしも今朝、目にしたニュースでは、岩手県陸前高田市で、昨日、季節はずれの雪が舞っていたそうです。今日見上げた、この桜前線が、1日も早く被災地まで届いて、つらい日々を過ごす人々の心に、ひとときでも安息が訪れますように。

当店の義援金支援は、4月末まで継続しますが、3月末日で一旦締めまして、4月4日、日本赤十字社へ\104,268.- を送金させていただきました。ご協力、本当にありがとうございました。支援としては、まだちいさなものかもしれないですが、この数字以上の何かが、きっとこの先に繋がっていくのだと思っています。
義援金支援をすることを、みなさんにお伝えした後、いただいたどのご注文にも、たとえ言葉はなくても、ひとりひとりの思いやりがそっと隠れているように感じたのは、決して思い込みでも、気のせいでもなく、当店のお客様は、そんな方ばかりなのです。そういうのがたまらなく嬉しい店主であります。

まだ支援期間は終わりません。この後も引き続きご支援よろしくお願いいたします。

店主 (こういうときだからこそ、京都でお花見は「する派」であります。)



覚えているということ。

2011-03-25 21:20:25 | 東日本大震災支援


「覚えていますか?」

少し久しぶりのお客様から、メールをいただきました。

「はい、覚えてますともぉ。」

だいぶ前になりますが、店頭で撮影小物として使っていた壊れたデスクランプをご覧になって、修理ができたら、連絡をするという約束でしたが、それが諸々の事情で、まだ手をつけていなかったのでした。そのお客様はブログをご覧になって、ぜひ義援金支援の期間中に買いたいと言って下さるのでした。ズボラな我が身を恥じながらも、とっても心温まる催促メールでした。ぜったい、期間中になんとかしますので、もう少しお待ちくださいね。ありがとうございました。

日々のご注文や、荷物の到着を知らせるメールの最後に、義援金募金への応援や、被災地の人たちへのいたわりの言葉をいただきます。それぞれの心にあるささやかな善意をこうして言葉にすることで、気持ちを確かめながら、繋がりを感じながら、長く支えあえたらなぁ、と今は思っています。いつも忘れないで。

店主

『 あしたへはダイジなことだけもってゆく 』

2011-03-22 18:08:18 | 東日本大震災支援
少し寒さが緩んだ3連休と、連休明けも、京都はささやかながら賑わいを見せています。銀閣寺や南禅寺も遠くない場所柄、この季節に観光ついでのお客様が増えるのは毎年の事ですが、ここ数日の東京、関東からのお客様の多さは、少し意外なものでした。地震の事などいろいろお話させていただく機会もあり、聞けば、ほとんどの方が、「避難と観光を兼ねて・・」と、ちょっと複雑な表情を浮かべます。でも、その後でみんなが口を揃えて言ってくださいます。京都、関西の、被災しなかった、この日常の風景に癒されて、慰められて、元気をもらって関東に戻れますと。なんだか役に立っているような気がして嬉しかった。自分たちにとって 《この災害に遭うまでの全てのひとたちにとっての》 ふつうの、この日常の風景が、しばしの憩いを求めて訪れる人たちの心を和ませられるのなら、喜んでこの日常の営みを続けることに努めたい。そしてそんな日常に癒しを醸せるのは、京都という場所のもつ空気なのかもしれないと、しみじみ思いました。今これを書きながら、昨年観た映画【マザーウォーター】をぼんやりと思い出しています。『あしたへはダイジなことだけもってゆく』。何処にでもありそうな何気ない日常を、この京都で撮ったのは、きっとそんな風に思ったのかもしれないと。震災の影響でDVD発売が遅れているそうですが(うちの椅子たちが出演したのでもちろん買います)、すごく、もう一回観てみたくなりました。みなさんもどうぞ。

店主

骨董に紡ぐ物語

2011-03-17 21:53:58 | 東日本大震災支援


関西にお住まいの初めてのお客様から、義援金支援にご賛同いただきアンティークタイルをご注文いただきました。「もちろん、その品自体が魅力あるものですが」と、お気遣いのお言葉を添えていただいて。なんだか恐縮ですが、ありがとうございます。実はちょうど昨夜、店内でふとそのタイルと目が合って、しみじみ良いな-と、手にしていたところだったので、なんだかいいご縁のような気がして嬉しくなりました。そしてメールの最後に、「代金の一部が義援金になることも嬉しく、いろいろな意味も込めて大切にしたいです。」と、ジーンとくるお言葉。100年の時を越えてお手元に届いたアンティークが、そのお客様にとって、より意味の深いものになるのなら、骨董屋の端くれとして、こんなに嬉しいことはありません。ひとつひとつのご注文メールに添えられた、心あるメッセージに、日々自分が勇気づけられています。

店主

祈る

2011-03-16 13:05:35 | 東日本大震災支援


東京の長くお付き合いいただいているお客様から十字架のオーナメントをご注文いただきました。「被災地を思うと祈りたい気持ちです」と。余震、毎日の計画停電、物資不足など、東京も大変な状態だというのに、ご賛同本当にありがとうございました。嬉しかったです。他にも昨夜ご注文いただきました皆様、本当にありがとうございました。おかげさまで義援金支援も良いスタートがきれました。本日、撮影担当は、少しでもきれいで、明るめで、見る人に元気を届けられる写真をと、ささやかながら、自分たちに出来ることから始めています。京都は小雪が散らついていて、東日本の天候が心配ですが、今は遠い空の下からただ祈るより他にありません。だれもが誰かを心配して浮かない表情をしている毎日だけれど、今はうつむいている時ではなく、行動するとき。今日は無理でも、いつかまたあの空と思いが繋がることを信じて。

店主

うめぼし

2010-12-11 10:53:42 | food
ついこの間まで夏気分だったのに、気が付けばもう師走。
今年何があったか思い返してみても、夏の猛暑しか思い出せません。
sabaeです。こんにちは。

夏から秋にかけての記録的な猛暑、残暑による熱中症予防に、
今年は梅干がよく売れたとか。
いいですね、梅干。
生家に梅が植えてあったので、母が毎年、
梅酒や梅ジュースを漬けていましたが、梅干しは無かったなぁ。
私が子供のころは、梅干しなんて食べたいとも思いませんでしたが、
最近売っているものは、蜂蜜などで甘みがついている物も多く、
子供も喜んで食べるみたいですね。
いや、店主マルツの娘がそうなんですが。
そんな子供にも喜ばれる物ではなくて、
大人、いやさ年寄りしか喜ばないような、
ひたすらしょっぱくてすっぱい梅干しを食べたい。

誰かくれないかな、と思いつつ、
6月、梅が出回っていた頃につい魔が差して、
初めて梅を仕込みました。
その後の猛暑を予見していたかのような、
自分の行動を褒めてやりたい。

漬け方は例によって検索。
初心者にも良くわかるサイトを参考にしましたが、
「3日連続快晴の日を選んで土用干し」というのが難易度高い。
お盆休みにやるつもりが、この夏稀な悪天候。ってなんでだよ。
8月の終わり頃に遅い土用干しを済ませ、
その後3ヶ月程熟成したので、暑気払いの役には全くたちませんでした。
それでも常温で長期保存できるように塩分多め。
多分塩分20%ぐらいか?
自転車通勤者にはこれぐらい塩分が必要なんですよ。

そろそろ食べ頃かしらと思い
早速マルツの娘に幾らかプレゼント。
漬け始めの時に、出来上がったら進呈すると約束していたのですが、
まさかこんなにしょっぱすっぱい物だとは思うまい。フッフッフ。
小さく切った物を一口食べて目を白黒、口はさながら梅干ばーさんのようにして、
「無理~。」と言いつつも、親の躾がいいのか吐き出さずにモゴモゴ食べてる。
そして数十秒後、「ちょっとくせになるかも。」ともう一切れ。
くせになったそうで、塩分取りすぎを心配するぐらい食べてくれた。
それを見ていた下の娘も、毒見が終わったとばかりに一切れ。
その後も食事の折に、喜んで食べてくれていたとの事。
ちびっ子に喜んでもらえるのは嬉しい物で、面倒な作業も報われた気分です。
言っとくが超少量生産だから、買えば高いからな!


sabae












今日のいっぴん その6

2010-10-28 19:22:47 | 買い付け日記
昨日は、買い付けのファイナルだったが、午前中から雨に降られて、
屋外のアンティークマーケットは、売る方も買う方もなんだか、
やる気も失せた感じ。
雨の降り出す前の、早朝に買った物たちの、送り出す準備に集中することに。
それでも雨の中マーケットの誰もが帰ってしまって、
ゲートが閉まる知らせを受けるまでかかってしまった。
時間切れでコンテナにいれられなかった小さなアンティークたちは、
今朝スーツケースに詰めて、内心そのパンパンに詰まったスーツケースの
重量に怯えながらも、平静を装い、チェックインはパス。
(ここで重量制限に引っかかると、オーバーチャージを払うか、
公衆の面前で、スーツケースを開けて機内持込に分配するなど、
とんでもない仕打ちが待っている)

そう、全ての作業がなんとか片付いて、今空港なんです。
今回は延べ20日間に及ぶ、フランス、ベルギー、イギリスの3ヶ国を訪れ、
車で異動した距離は3200km(迷子走行もおおいに含まれる)に及んだ。
まぁ、その手の職業の方には、日割りにすればなんと言う事のない数字だろうが。
出発を待つ間、パブで一杯。とにかく、ちょっとホッとする瞬間です。
コンテナの到着は12月。
果して、今回の買付は合格だったか、出ない答を探しながら、
機内で反省会の予定です。(目が開いていればのお話)

ガラスに焼付けられたモノクロームの、誰かが撮った写真。
今回の買い付け日記の締めにご紹介しようと、ずっと一緒に旅してきた、
印象に残るアンティークです。
イタリアで撮影されたもののようです。
モノクロームの映画のワンシーンのようでもある、
ダンディーで、乾いた質感が、瑞々しく伝わってくる1枚。
ベルギーの蚤で、これ1枚だけ買い付けました。
値段を尋ねると、写真を太陽にかざし、吟味するおじさんは
まるでアーティストのようでした。
(そして優れた画商でもあったのでした、苦笑。)

マルツ


今日のいっぴん その5

2010-10-27 19:00:06 | 買い付け日記
地方のアンティークフェアで見つけたチルターンのベア。
イギリスでのテディベアの購入は、本当にしばらくぶり。
一時期価格が高騰して、ベアからは、しばらく遠のいていたけれど、
価格も落ち着いてきたのだろうか、わりに手頃な価格で手に入れることができた。

ひと目でチルターンベアとわかる
ちょっとトボけた?ような個性的な表情が、チルターンファンには堪らない。
淡いゴールドのシャギーぎみのモヘアが愛らしく、
双子のように似ているけれど、しっかり異った表情が出来上がっている。
40年代後期から50年代初期にかけての、ガラスの瞳を持った、
これ以降の時代の製品とは一線を画す、昔ながらの造りがいい。
今はなき、英国チルターン社製。

マルツ