少し寒さが緩んだ3連休と、連休明けも、京都はささやかながら賑わいを見せています。銀閣寺や南禅寺も遠くない場所柄、この季節に観光ついでのお客様が増えるのは毎年の事ですが、ここ数日の東京、関東からのお客様の多さは、少し意外なものでした。地震の事などいろいろお話させていただく機会もあり、聞けば、ほとんどの方が、「避難と観光を兼ねて・・」と、ちょっと複雑な表情を浮かべます。でも、その後でみんなが口を揃えて言ってくださいます。京都、関西の、被災しなかった、この日常の風景に癒されて、慰められて、元気をもらって関東に戻れますと。なんだか役に立っているような気がして嬉しかった。自分たちにとって 《この災害に遭うまでの全てのひとたちにとっての》 ふつうの、この日常の風景が、しばしの憩いを求めて訪れる人たちの心を和ませられるのなら、喜んでこの日常の営みを続けることに努めたい。そしてそんな日常に癒しを醸せるのは、京都という場所のもつ空気なのかもしれないと、しみじみ思いました。今これを書きながら、昨年観た映画【マザーウォーター】をぼんやりと思い出しています。『あしたへはダイジなことだけもってゆく』。何処にでもありそうな何気ない日常を、この京都で撮ったのは、きっとそんな風に思ったのかもしれないと。震災の影響でDVD発売が遅れているそうですが(うちの椅子たちが出演したのでもちろん買います)、すごく、もう一回観てみたくなりました。みなさんもどうぞ。
店主
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