兵庫県加東市の青山医院の日記です!

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強ステロイド外用で骨粗しょう症と骨折リスクが増える?!

2021年04月11日 | 病気

先週、長女の入学式が終わりました。

外来を代わってもらって、出席できました。気温は低かったので、体育館での式は冷えましたが、お天気には恵まれて、とても気分の良い一日でした。次女の始業式も同日で二人とも笑顔の新学期が始まりました。

気分を新たに頑張ります。

 

 

さて、今日は気になる記事を。

デンマークからの大規模コホート研究の結果を報告したものを読みました。

ステロイド外用薬はかなりの頻度で処方する機会があります。湿疹や虫刺され、ちょっとしたかぶれなど

はたまた、慢性でのアトピー性皮膚炎などなど・・・

この研究によると、「強い」あるいは「非常に強い」ステロイド外用薬の使用は用量依存的に骨粗しょう症あるいは骨粗しょう症骨折のリスクを高めるということでした。

全身に塗布をするアトピーなどの疾患でのお話になると思いますが、広い面積に 長期間、ステロイド外用薬を使用するとリスクがあるということです。

ステロイドの全身投与(飲み薬や点滴)で骨粗しょう症やそれに関連する骨折リスクが高まることは周知の事実であり、割と知られています。そのため、骨粗しょう症のお薬を併用したりといった、予防策がとられています。一方、乾癬やアトピー性皮膚炎などへの強力なステロイド外用薬の使用がどのような影響があるかというのは、明らかではなかったようです。

この研究対象は723,000人以上であり、平均年齢52歳 53%が女性です。

対象は18歳以上のデンマーク居住者ということでした。

 

結果として、年齢・性別・薬剤使用状況・併存症などで調節したのちの調査でステロイド使用と骨粗しょう症に有意な相関が認められています。相関は総使用量500g以上の暴露から認めており、累積使用量の上昇が関係しているということでした。

全体として、累積使用量が2倍になると、骨粗しょう症および関連骨折のリスクが3%上昇しています。

 

以前、強力なステロイドの長期使用例で(本当に稀だとは思いますが)副腎不全になっている症例を経験しました。こちらの症例は割と若年のやせ形女性であり、アトピー性皮膚炎であったと記憶しています。副腎委縮もきたしており、内服での補充で経緯を見ることになったと記憶しています。もう10年以上前の経験症例です。

 

ステロイドの外用は短期的には効果が素晴らしく、皮膚炎症もすっきり治りますが、漫然と全身投与を続けていたり、皮膚炎症の強い状態では吸収量も多くなってしまい、全身への副作用も起こるのだなと感じたことをこの文献を読んでいて思い出しました。

 

可能であれば、ステロイド以外の治療方法を併用して、ステロイド使用量を減らす努力がいるのかも知れません。が、もしそれができないようであれば、時に骨密度の測定や採血検査などの確認ではないかと思います。

 

ステロイド頻用していますが、長期間にわたる場合は見方も変えながら、診療にあたりたいと思いました。

 

 


 

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