兵庫県加東市の青山医院の日記です!

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マダニの季節

2023年04月25日 | 病気

寒暖差が大きい毎日ですね。ここ数日は本当に寒くて季節が逆戻りしたように感じました。

ただ、暖かい日差しが気持ちよい日も増えてきており、ピクニックやキャンプ、山菜取り、畑仕事などなどアウトドアを楽しむ方も季節的には増えてきましたね。農作業もこれから本格的に始まっていく と皆さんおっしゃっています。

 

 

先日は山で作業をされたという方が、朝起きたら腕に痛みを感じ、ほくろみたいなのができてた と言って来院されました。

首いぼのような感じで茶色っぽいものが上腕の軟らかい部分にぶら下がっています。以前からのいぼをひっかけて痛みがあるのでは?と始めは思ったのですが・・・よくよく虫眼鏡で見ると 足があり!!!! マダニでした。

 

 

恥ずかしながら、マダニが咬んでいるその状況を教科書以外で見たのは初めてでした。皮膚科の領域なので、通常は皮膚科に行かれるのでしょうね。

いつも来院されている方なので、相談したくて来た 全然違う科に来ちゃってごめんね とおっしゃっていましたが。

ワセリンたっぷり塗って、しばらく時間をおいて、ピンセットで無事につまみとることができました。

 

マダニはダニのなかでも大型のダニです。体長は20~30mmで、堅い外皮を持っています。マダニは寄生して吸血しますが、その時間はとても長く、1週間におよぶこともあるそうです。十分吸血した後の体長は1cm以上にもなり、パンパンに膨れます。十分に吸血し終わったら、転げ落ちて自然と宿主から離れていきます。通常は野生動物に寄生し、その血を栄養源として生きていますが、たまたま、人間に遭遇すると人間にも寄生してしまうのです。

 

マダニが吸血するときには、口から頭の部分をすっぽり皮膚の中に埋め込んでしまいます。そのため、少しくらいの振動や刺激では離れることはありません。

マダニに刺されて一番怖いのは、感染症です。

有名なもので発熱や関節痛をともなう「ライム病」

高熱が出る「ツツガムシ病」などがあります。

その中でも、最近注目されているのが「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)です。SFTSというウイルスを持ったマダニに刺されたことで起こります。潜伏期間は6日~2週間程度で、発熱、下痢、腹痛、嘔吐などの症状が現れます。現在は、まだ有効な治療方法が確立されていないため、重症化すると死に至る危険性もある怖い病気です。

国立感染症研究所のHPにもマダニ情報がありましたので、参考に

マダニ対策、今できること

 

日常的にマダニ対策して、外へ出よう なんて意識をしていませんでしたが、今回の症例を経験して

やはり予防が大切だなと思います。

①肌の露出を避ける。上着をはたいて、家に持ち込まない。

②帰宅後、身体を確認する。ガムテープでペタペタ取り除くのも有効だそうです。

③ペットなどがいる場合はペットに寄生する場合もあるので、そちらも確認をしっかりする。

 

マダニは、皮膚の深くにその口吻を差し込んで吸血しているため、ピンセットなどで無理に引きはがそうとすると、その一部が皮膚の中に残ってしまうことがあります。虫体の一部が残ると炎症を起こしたり、病原体となる可能性があります。さらに、皮膚に付着したマダニをつぶすと、マダニの体液が逆流して人間の体内に入り込んでしまう可能性があります。

もし、ウイルスや細菌を保持したマダニだった場合、感染症のリスクが高まってしまうため、絶対につぶさないように気をつけてください。いずれにしても、マダニを付けた状態で皮膚科を受診するとよいと思います。

マダニに刺されたときには、その後の体調をしっかりと観察することが大切です。もし、2週間以内に理由のわからない発熱や倦怠感、嘔吐などの症状がみられた場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。

 

最後に実際に除去したマダニのお写真

嫌な人はスルーしてください。程よく、ただの点のようにしか写っていませんが‥

 

 

 




今回もびっくり突然の症例でしたが、大変勉強になりました。

参考になれば幸いです。





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