兵庫県加東市の青山医院の日記です!

日常のこと 診療のこと 医療レーザー治療のこと その他お知らせを書いていきたいと思います

内服薬とかんきつ類

2023年06月08日 | 病気

久しぶりにブログを開きました。

 

記事は更新していないのに、アクセスしてくださる方がいるようで、ありがとうございます。

少し忙しさのため、更新が滞っておりますが、また、気になることなど書いてみたいと思っていますので、よろしくお願いします。

 

だいぶ前になるのですが、総合病院の循環器にも併診で通院されている方から、

「私、みかん食べたらあかんのよ~ 薬に影響するからダメって言われちゃった。清美オレンジ、毎年 箱買いしとるのに・・・」

という告白を受けました。

 

それはそれは残念で・・・

循環器の先生からは、カルシウム拮抗薬に分類される降圧薬が処方されています。

 

カルシウム拮抗薬内服をされている方は、グレープフルーツを食べると、お薬の代謝が滞って(グレープフルーツに含まれるフラノクマリンという成分が、お薬の代謝に関連する酵素CYP3A4を阻害します)血中の薬物濃度が高くなり、作用が強く出てしまう と言われます。これは、一応内服に限ったことであり、直接注射した成分などは関係はないようですが・・・

その、代謝酵素の阻害作用は 3日前後持続するようなので、同時に口にすることが問題なのではなく、薬を飲んでいる期間中はずっとかんきつ類(グレープフルーツなど)を避けた方がよいということになります。

 

 

薬局でかんきつ類 とまとめて、説明を受けたそうで、かなりがっかりした様子でした。

かんきつ類全般ダメだったけ?と疑問に思い、その後調べてみました。

 

かんきつ類 といっても幅広いですよね。

相互作用があるものに関しては

・・・グレープフルーツ・文旦・スウィーティー・メローゴールド・はっさく・晩白柚(ばんぺいゆ)・河内晩柑(美生柑・宇和ゴールドなど)・夏ミカン・だいだい・サワーオレンジ・金柑

 

相互作用なし・・・ レモン・温州ミカン・バレンシアオレンジ・カボス

 

不明・・・ ライム・ベルガモット・ゆず・スダチ・ポンカン・シークァーサー・清美・デコポン

 

柑橘系は種類が本当に多くて、季節も長期間にわたり、摂取の機会も多いかなと思います。

実際に薬の効果に影響するかどうか、全てが明確になっているわけではありません。

そのため、相互作用があるとはっきりしているものに関しては、大量摂取はさけ、体調の変化には十分に気を遣う必要がありそうです。

 

また、降圧薬と言っても、すべての降圧薬で影響を受けるわけではありません。

血圧の薬の中でも、ノルバスク・アムロジンといったアムロジピンは一般的にもよく使用されていますが、「グレープフルーツジュース」と一緒に飲んでも血圧には影響しないことが報告されています。

ただ、カルシウム拮抗薬(高圧薬)の中には 血中濃度が 2-5倍に上昇するものも報告されておりますので、自身の内服薬がどの種類になるのかなど、気になる方は主治医か薬剤師さんに確認してみるとよいと思います。

カルシウム拮抗薬(血圧の薬)以外でも、抗てんかん薬・抗がん剤・免疫抑制剤などでも相互作用があると報告されているものがあります。フラノクマリン類は果汁だけではなく、果肉・果皮にも含まれているため、ジュースだけでなく、果皮などを使用したジャム・ゼリー・菓子類などもちょっと注意をした方がよさそうです。

 

気になる方はご自身のお薬を調べてみてください。

 

参考になれば幸いです。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 液体窒素が入荷しています | トップ | レーザー脱毛に関して »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。