兵庫県加東市の青山医院の日記です!

日常のこと 診療のこと 医療レーザー治療のこと その他お知らせを書いていきたいと思います

抗肥満薬(アリー/アライ)に思うこと

2022年12月07日 | Weblog

世の中のダイエットへの関心はとても高く、薬局に行っても 脂肪を減らすお茶や糖の吸収を減らすサプリメント、代謝をあげるサプリメント・・・売り場には商品が溢れていますよね。

実際に利用されたことがある人も多いのではないでしょうか?

 

11月28日に厚労省の薬食審・要指導・一般用医薬品部会は1大正製薬の脂質吸収抑制薬・アライ(一般名:オルリスタット)について、要指導医薬品として承認することを発表しました。

医師の診察での処方ではなく、薬局で薬剤師さんの指導の下、購入可能で定期的な評価をしながら継続していくお薬になります。

 

オルリスタットはすでに海外では「ゼニカル(xenical)」「アリーまたはアライ(Alli)」という名前で販売はされており、そこまで新しい薬ではありません。脂肪を分解するリパーゼを阻害して、脂肪吸収を抑制するというのが作用機序で、おそらく炭水化物が多くて肥満になっている人や糖質が単純に多くて(果物とか甘いもの)肥満になっている人には効果が乏しく、脂っこい食事が多い人で効果が高いものと思います。

 

脂の吸収を抑制するので、下痢になりやすく 脂が浮いたような便が出ることがあるのも特徴です。

 

使用できる人は腹囲が男性で85㎝以上 女性で90㎝以上のいわゆるメタボリックシンドロームと言われる体型の方で、健康障害がないことが条件になります。

 

 

実際に薬局で購入ができるのはまだ先のお話のようですが、どのくらいの人が利用して、健康障害が実際に起こらないのか 適応でない人(やせた女性など)も使用して、体調を崩したりしないのか。

脂肪の吸収を抑制することで、脂溶性ビタミンといわれるVitA・D・K・Eなどの吸収にも影響をしそうに思います。

そうするとお肌の艶や張りにはマイナスなんだろうな など・・・

 

 

今は糖尿病治療薬の一部に減量効果があるとわかり、GLP1作動薬や漢方薬など美容系クリニックでは健康な人にも自費処方をしたりといった状況がありますが、薬をつかったダイエットは本当に適応を見極めないと危ないのかな 大丈夫かな と感じています。

肥満というのは糖尿病・高血圧・高脂血症などの生活習慣病にもつながっていくのは事実であって、努めて食事改善や運動改善などが必要であると考えていますが、安易にいろいろな薬で必要がない人まで減量を行うというのはどうなのかな というのが今の感想です。

 

ダイエットの基本はバランスの取れた食事と適度な運動ですよ。日常の中の インーアウトの調節が大切なのです。それをわかったうえで、一時的に補助的にお薬を使うというのは賛成です。

 

今後の動向に注目したいと思います。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マルチタスクを止めてシング... | トップ | 手荒れの人が増えています »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。