昨日はケガや火傷など処置に時間がかかる方が多く来院され、少し待ち時間が長くなってしまいました。
午後からはゆっくりでしたが、同じような患者さんが続くときは続くなと日頃から感じています。
2年ほど前、急に食欲がなくなったり、元気がなくなったり、心不全が悪化したり・・
そんな高齢者がたて続いた時期がありました。
たまたまだと思いますが、いずれも高度の甲状腺機能低下症でした。ホルモン補充療法でみるみる元気になり、改善されました。
それまで何年も通っていましたが、今まで一度も甲状腺チェックをしたことがありませんでした。
症状がなければ、不要な検査はしない という方針で診療をしているからです。
しかし、脂質異常症があったり、浮腫があったりなにか不調があれば、甲状腺ホルモンをチェックしています。
あまりはっきりしない元気がないという状況で、高度な甲状腺機能低下が見つかった症例を経験してからは、50-60歳代以上( もちろん90歳代も)では一度は甲状腺機能の異常がないかをチェックするようになりました。もともと橋本病と呼ばれる慢性甲状腺炎は頻度の高い疾患です。成人女性の10人に一人の高頻度で見つかる病気ですが、甲状腺ホルモンが低下してくる人は4~5人に一人で、橋本病になっても多くの人の甲状腺機能は正常に保たれています。
高齢者はどの病気でもそうですが、典型的な症状が出にくいというのも特徴だと思います。
ちょっと物忘れが多くなったとか・・・
最近、なんとなくしんどい
そんな方でも、機能低下をきたしていることがあります。
甲状腺機能低下症に進行すると、全身の代謝がおちるので
寒がり、便秘、体重増加、むくみ、関節痛、物忘れがひどいなどの症状が現れます。
一方、「無痛性甲状腺炎」と言って、一時的に甲状腺の炎症が強くなり、甲状腺からホルモンが漏れて高くなることがあります。その結果、汗かき、暑がり、手の震え、動悸、体重減少などの症状が現れます。また、長い経過の中で、バセドウ病が発病してくることもあります。
季節的に倦怠感が出やすくなっています。
もしかすると、甲状腺ホルモンの問題があるかもしれません。
採血で簡単に判断ができますので、気になる方は主治医の先生に相談されることをお勧めします。
今日から長女は張り切って登校しました。
いつもより1時間も早く起きて、そわそわしながら、朝の準備をしている姿を見て、幼稚園の入園時もそうだったなあと懐かしくなりました。楽しく学校過ごしてくれるといいなと思います。
昨日の夜は娘もワクワクして眠れない~と布団の中で寝れないを連発していました。
遠足前みたいな高揚感でいっぱいだったのでしょうね。
それがうつったのか、私もなんだか気が高ぶって寝付きにくく、寝ても眠りが浅い感じの目覚めでした。
こういう時、多分、抑肝散とかの漢方が効くのだろうな~と夜中に考えてみたり・・・
そうこうしているうちに朝になりました。
私自身は今日だけのことではありますが、眠れなくて悩む人って多いのでつらいだろうなーと
不眠症というのは夜中に眠りたくても眠れず、不眠症状の為に心身の不調があり、日常生活に支障が生じる病気です。成人の約1割が不眠で悩んでいるといわれています。
その日だけ、などというものはさして問題ありませんが、3か月以上続いた不眠症は自然に治ることは少ないといわれています。
不眠症状:夜中に眠りたいのに眠れない
・寝つきに時間がかかって苦しい(入眠困難)
・夜間に目覚めて二度寝に時間がかかる(中途覚醒)
・朝早くに目が覚めてもう眠れない(早朝覚醒)
日中症状:不眠症状のために心身の不調があり、日常生活に支障が生じる
・強い眠気 ・意欲が出ない ・疲労感や倦怠感 ・興味関心がわかない ・記憶力や能力低下
・不眠のことばかり考えて仕事が手につかない ・ミスや事故が多い ・落ち込みやイライラ など
上記の不眠症状と日中症状が 週に3日以上、3か月以上続くと『慢性不眠症』と診断されます。
不眠症があるからといって、やってはいけない眠り方があります。
①早寝 :眠れそうもない時間に眠ろうとする ➡ 眠くなってから寝床に行きましょう
早い時刻に睡眠薬を飲んだり、就床しても体内時計が眠る準備ができていません
眠ろうと焦るほど目が覚めます
②長寝 :ベッドにしがみつく ➡ 寝られないときは寝室から出ましょう
横になってるだけでも休まる、はウソ!
眠れずに布団で緊張することを繰り返していると、「寝床=眠れない場所」として体が覚えてしまい、寝ようとすると目が冴えてしまいます
③昼寝 :寝床以外ではむしろウトウト ➡どうしても眠い時は15時までに20分程度の短時間の昼寝にしましょう
長すぎる昼寝は夜の睡眠を妨げてしまいます
睡眠習慣の改善と薬物療法の組み合わせでバランスの良い治療ができるといいなと思います。
さて、今日も一日頑張ります!
先週、長女の入学式が終わりました。
外来を代わってもらって、出席できました。気温は低かったので、体育館での式は冷えましたが、お天気には恵まれて、とても気分の良い一日でした。次女の始業式も同日で二人とも笑顔の新学期が始まりました。
気分を新たに頑張ります。
さて、今日は気になる記事を。
デンマークからの大規模コホート研究の結果を報告したものを読みました。
ステロイド外用薬はかなりの頻度で処方する機会があります。湿疹や虫刺され、ちょっとしたかぶれなど
はたまた、慢性でのアトピー性皮膚炎などなど・・・
この研究によると、「強い」あるいは「非常に強い」ステロイド外用薬の使用は用量依存的に骨粗しょう症あるいは骨粗しょう症骨折のリスクを高めるということでした。
全身に塗布をするアトピーなどの疾患でのお話になると思いますが、広い面積に 長期間、ステロイド外用薬を使用するとリスクがあるということです。
ステロイドの全身投与(飲み薬や点滴)で骨粗しょう症やそれに関連する骨折リスクが高まることは周知の事実であり、割と知られています。そのため、骨粗しょう症のお薬を併用したりといった、予防策がとられています。一方、乾癬やアトピー性皮膚炎などへの強力なステロイド外用薬の使用がどのような影響があるかというのは、明らかではなかったようです。
この研究対象は723,000人以上であり、平均年齢52歳 53%が女性です。
対象は18歳以上のデンマーク居住者ということでした。
結果として、年齢・性別・薬剤使用状況・併存症などで調節したのちの調査でステロイド使用と骨粗しょう症に有意な相関が認められています。相関は総使用量500g以上の暴露から認めており、累積使用量の上昇が関係しているということでした。
全体として、累積使用量が2倍になると、骨粗しょう症および関連骨折のリスクが3%上昇しています。
以前、強力なステロイドの長期使用例で(本当に稀だとは思いますが)副腎不全になっている症例を経験しました。こちらの症例は割と若年のやせ形女性であり、アトピー性皮膚炎であったと記憶しています。副腎委縮もきたしており、内服での補充で経緯を見ることになったと記憶しています。もう10年以上前の経験症例です。
ステロイドの外用は短期的には効果が素晴らしく、皮膚炎症もすっきり治りますが、漫然と全身投与を続けていたり、皮膚炎症の強い状態では吸収量も多くなってしまい、全身への副作用も起こるのだなと感じたことをこの文献を読んでいて思い出しました。
可能であれば、ステロイド以外の治療方法を併用して、ステロイド使用量を減らす努力がいるのかも知れません。が、もしそれができないようであれば、時に骨密度の測定や採血検査などの確認ではないかと思います。
ステロイド頻用していますが、長期間にわたる場合は見方も変えながら、診療にあたりたいと思いました。



雨が降ると一気に散り去りますね。




温室横にあった、ウサちゃん

