長島 潤 Sing a mindscape

jun nagashima singer-songwriter

室生犀星「室生犀星詩集」

2022-04-01 08:13:00 | 

再読のための覚え書き


室生犀星詩集

室生犀星(1889-1962 


「心」

一つの心を心として築きあげるとき

くらべるものもなきまでに高めるとき

私はいつも偉きな安心を感じた

心にゆるみをもち

小さく譲り合つてゐるときの私は寂しかつた

私は高きに昇る心を養ひ初めた

心を心として

あくまで自由にそだてることは

いつも私を大きくした


・・・・・・・・・・・・


「ふるさとは遠きにありて思ふもの」の詩が有名な室生犀星。その詩のとおり、孤独な幼少時代を過ごした故郷の金沢にはほとんど帰らず、金沢を流れる犀川の写真を、東京の部屋に貼っていたという。


故郷を思いつつも精神的放浪を続ける犀星の、常に精神を清くしようという姿勢が心を打つ。



2022.3.31読了


室生犀星詩集

岩波文庫

昭和30825日初版発行

昭和49112022


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