再読のための覚え書き
友情・愛と死
武者小路実篤(1885-1976)
《愛と死》
作家の村岡は、先輩作家の野々村を訪ねるうちに、妹の夏子に恋し、相思相愛の仲になる。
村岡は、半年後には必ず帰るという約束で、夏子を日本に残し、船に乗ってヨーロッパへ旅立った。
「もっと露骨に言うと、夏子の美しい顔や姿や、その生々した表情や、きびきびした動作を見ることがたのしかったのだ。更に正直に言うと、心と心とどこかでふれあうことが喜びだったのかも知れない。もっと本当のことを言えば、僕はもう夏子を愛していたのだ。」
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夏子の快活な性格と、その機知とユーモアに富んだ会話や手紙がとても魅力的。武者小路実篤が50を過ぎて書いた小説だが、なんと瑞々しいのだろう。
2022.4.1読了
友情・愛と死
角川文庫
昭和41年11月20日初版発行
昭和43年2月20日6刷
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