再読のための覚え書き
霧笛
大佛次郎(1897-1973)
木村荘八 挿絵
横浜の外国人居住地。千代吉は以前、イギリス人のクウパーの財布を盗もうとしたが、捕まり、そのままクウパーの住む異人館でボーイとして働くことになった。
千代吉は、クウパーの留守中に賭場で出会ったお花と、逢瀬を重ねる。どうやらお花は、富裕な誰かに囲われているらしいが、お花は決してその名前を、千代吉に明かそうとしないのだった。
「後悔も何もない。一体、千代吉の年頃では何があっても一度睡れば、その前のことは、拭いたように消えてしまう。終始千代吉が忘れなかったのは、その場限りで、後にたたりを残すまいということだった。」
2022.1.10読了
霧笛
新潮文庫
昭和27年4月15日初版発行
昭和29年2月28日3刷
旧仮名遣い
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