再読のための覚え書き
肉体の門・肉体の悪魔
田村泰次郎(1911-1983)
《肉体の悪魔》
佐田は、日本軍の下士官として、中国山西省での作戦に従事していた。
そこに、看護婦と称する中国人の女たちが、捕虜として連れてこられた。
佐田は、その中の一人、張沢民の美しさに惹かれ、やがて二人は相思相愛の仲になる。
しかし、張沢民の正体は、中国八路軍の女工作員だった……。
「人間の愛情は、何と勝手で、利己的なのだろう。君とまだ一言も口さえもきかないのに、もう私は君を対象として一つの夢をつくりあげ、その夢の実現のためにのみ、私は君を必要とするのだ」
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田村泰次郎、初読み。「肉体文学」などと言われていて、さぞどぎついのだろうと思い、敬遠していた。
けれど、読んでみたら、どの作品もどの作品もなんと丁寧に心の機微が描かれていることか。俄然、他の作品も読みたくなった。
肉体の門・肉体の悪魔、他5編
2022.2.22読了
肉体の門・肉体の悪魔
新潮文庫
昭和23年9月15日初版発行
昭和31年10月20日14刷
旧仮名遣い
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