「ぎんの一生」
田宮虎彦(1911-1988)
身元を語らず、給金の一切を使わずに貯め続ける女中のぎん。《ぎんの一生》
幼き日の断片的な記憶とともに、やがて母の生き方がぼんやりわかってくる利津子。《マドロス・パイプ》
侘しい港町の酒場。船乗りの黄恵祥は、問わず語りに、かつて恋心を抱いた女性との数奇な運命について述懐する。《酒場ルルチモで》
他4編
貧しい人々、幸薄い人々へ向ける作者の温かな眼差しが、決して押し付けがましくない故に、登場人物の静かな代弁者になり得ている。そんな妙を感じる短編集。
2021.3.19読了
角川文庫
昭和33年8月10日初版発行
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