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遊びをせんとや

人生総決算!のつもりで過去・現在のことなどを書きます
といっても肩肘はらずに 楽しく面白く書きたいと思います

こんな人がいた~『岡本太郎その24 「対談集その7 対談本ア・ラ・カルト』

2023年12月21日 | 読書


 今日は 太郎対談の要約記述ではなく 対談本の中の写真などを掲載する
 【】内が対談ごとの見出し 対談者名を書く(既に掲載した人物は除く)


【アヴァンギャルド芸術】 関根弘(詩人・評論家・小説家)
 太郎は花田清輝・野間宏・埴谷雄高・椎名麟三らと芸術革命・文化革命をやろう
 と「夜の会」を作った 会の名は太郎の油彩画「夜」に因む
 岡本太郎「夜」 1947(S22)


 「夜の会」の会合は銀座のレストラン「モナミ」をよく利用した
 モナミの名は 太郎の母かの子が頼まれてつけたという

 モナミ(MON AMI)             メニュー表紙

 岡本太郎画文集「アヴァンギャルド」刊行(月曜書房) 1948(S23)

 夜の会編「芸術の探求」刊行(月曜書房) 1949(S24) この頃には安部公房・佐々木基一も参加

 本郷の喜福寺~ここの本堂を借りて画家たちがアヴァンギャルド美術研究会」を行っていた

【前衛芸術の旗手」:花田清輝(司会役:評論家・小説家・劇作家)
  対談相手:勅使河原蒼風 前衛的華道の草月流創設者・初代家元


 草月流90周年記念DVD ダイジェスト版
 

  今日はここまで 続きは次回に
 それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]

こんな人がいた~『岡本太郎その23 「対談集その6 畑正憲』

2023年12月20日 | 読書


 今日の太郎の対談相手はムツゴロウこと畑正憲
 を書くつもりだったが
 "朋(とも)有り 遠方より来たる 亦(また)楽しからずや ”
 で過ごしたため で時間がとれなくななった
 
 そこで対談の超要約記述はやめ
 プロフィール写真と人生の紹介動画などを掲載する
 なお 畑正憲氏は今年5月に逝去された 異才をまた一人失って残念である
 
 畑正憲(はたまさのり)1935(S10)-2023(R05)  小説家・随筆家・動物研究家・プロ雀士他 


 ムツゴロウさん”痛快”規格外人生 

 
 ムツゴロウとゆかいな仲間たち「王国柴犬4代記」



 今日はここまで それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]

こんな人がいた~『岡本太郎その22 「対談集その5 若いミュージシャン』

2023年12月19日 | 読書


 今日は対談集の最後から二人を紹介する
 ロック・ミュージシャンの内田裕也と歌手の松任谷由実
 二人のファンには申し訳ないが 二人の発言には読み応えが無い
 そこで 会話体ではなく 対話の【小見出し】と岡本発言の要点のみ綴る

 まず内田裕也との対談「生きることは爆発だっ!」
 太郎は以前の彼との鼎談を忘れていて 冒頭から内田をムッとさせた
 その内田が「テレビに出過ぎ CFにも出過ぎ」と太郎を批判して対談が進む

【関係ない人間とテレビで会うことも芸術だ!】
 ・昨日もテレビに出たけど 関係のない人と出会うのはいいことだ
 ・CFには反対 僕は断ってる 商品と一緒には出ず 商品名も言わない
  (どうやら別々に撮ってテレビ局があとで編集しているようだ)
 ・タモリが誰か知らずに出た 彼の反対の態度をとった それがウケた
 ・人間 目と目が合うだけで芸術 音楽・絵画・文学などジャンルは無関係
  芸術は即人間であり 人間的であることが芸術なんだ
 ・僕は番組で媚びない 媚びるのは人間の卑しさ 動物は媚びない
  会社に勤めたら上役に媚びる 音楽や美術も文学も 媚びたものが多い

【反対の立場でぶつかり合うのが本当の調和だ!
 ・僕は人に好かれようとはしない 万博のテーマは"進歩と調和"だったが
  ”進歩”には反対なんだ というか 今の社会は全然進歩していない
  芸術でも僕が一番感激したのは 縄文土器・縄文文化を知った時だ
  だから ’太陽の塔’も石器時代の人間が作ったように造形した

【自我意識を持たない時代の人間に戻りたい・・・】
 ・私は自由な気分でいたい
 ・人間がまだ自我意識を持たない時代の人間に帰りたいと思っている
 ※対談相手はかなり自意識が強そう それが見出しや発言に繋がったか?

【絶対に人に媚びる態度を取ったことはない!】
 ・そういう運命にぶつかった以上 こういう嬉しくない対談でも出る
 ※内田(ムッとして凝視)・・・との記述あり

 次に松任谷由実との対談「幸福を求めるな 歓喜を求めよ」
 これは対談というより人生相談 結婚するって間違いですか?なんてネ
 ・結婚するなら女性は世界中の男性の女房になり
  男性も世界中の女性の亭主になる その位のつもりでやらなくちゃ
 ・様々な国の女性と付き合ったが 日本ほど結婚を気にする女性はいない
 ・血のつながりなんてくだらない 世界中の若者が自分の息子だということ
 ・貞操観なんてお役所的 違う課に行って仕事したらクビになるのと同じ
 ・愛情に条件なんかない
 ・人間にいちばん大切なのは自由 お互いに束縛しないこと
 ・自分を中心にした'幸福'が大嫌い 人生は猛烈に戦うこと
  いつも燃えて 毛穴が燃え立つ'歓喜'を感じる そのために人生はある

 この本の’あとがき’で岡本敏子が書いている
 「話芸の達人~徳川夢声が太郎を評して'訥弁の雄弁 誰にも真似できない'
 と言っていたが つっかえつっかえ畳みかけてくる迫力は独特のものだった
 しかも天性のユーモア 悲痛な話をしてもいても なにかおかしい」 

 活字なって読んでもそれが伝わって来る 編集が上手いのだろう
 拙い要約記述でも その雄弁さや面白さが少しでも伝われば と願っている
 この二人の対談は ’7~80年代にかけて行われたもの
 その年代の東京風景を最後に見てもらって今日は終わりたい
 

 それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]

こんな人がいた~『岡本太郎その21 「対談集その4 團伊玖磨』

2023年12月18日 | 読書



 今日の岡本太郎の対談相手は作曲家の團伊玖磨(だん いくま)
 対談の見出しは「おれの本職は人間だ!」 (おれ とは太郎のこと)
 対談は議論するのではなく 團が太郎から色々の話を聴き出す形式
 小見出しは無いので 私が勝手に【】でつけた  

 團伊玖磨(だん いくま) 1924(T13)-2001(H13) 作曲家・エッセイスト 

太郎とピアノ】
 ピアノを始めたのは慶応幼稚舎3年の頃
 母(かの子)がその頃声楽を習い始めて 家にピアノを買った
 習いたかったが 勉強しなくなるから と習わせてもらえなかった
 ピアノが上手い同級生の家に遊びに行き 教わりながらショパンを弾いた
 パリへ行っていた時も 女の先生からモーツァルトを習った
 でも指が不器用で思うように動かないので ピアノから遠ざかった

【ピアニストとの恋物語】
 太郎がパリから日本へ戻って来た頃 ピアニストの日本女性を好きになった
 結婚を申し込みに彼女の家へ 弟が出て来てメチャクチャに顔を殴られた
 どうやら彼女の母が反対 太郎はロクでもない男 と弟に吹き込んだらしい
 太郎は諦められず再び結婚を申し込みに・・・運悪くその日戦争が始まった
 戦争に行って5年 別れ別れになってしまったが と思い出を話す


 太郎のアトリエにあるピアノは与謝野晶子から譲り受けたピアノだという

【カラスと一緒に遊びましょ】
 太郎と團は共にカラスを飼っていた(対談時 團のカラスは死んでいた)
 

 團はへびを飼っていて 'みんなから嫌われて可哀想’ と太郎にも勧める
 '今度来る時に持ってきますよ'
 何事にも物怖じしない太郎が 'それだけはダメ 頼むからやめてっ!'

【鐘が鳴ります鐘が鳴る】
 團「去年つくられた鐘はいまどこに?」
 太「去年のやつは伊豆の山の上 富士見ランドというところにある」
 團「そういえば通ったことがある 見に行けばよかったなぁ」
 太「おととしのやつは 名古屋の久国寺にあって これは音がいい」
 團「仲間の黛君が鐘の音が好きでね 涅槃交響曲というのを作った」 
 太「黛君なら去年うちへ来て 10分の1のひな型を叩いて喜んでいたよ」
 團「やっぱりちゃんと調べてるんだなぁ」



 (余談) 
 黛敏郎は '5~60年代はどちらかといえば革新派で安保改定にも反対した
 ’70年代になると保守派に転向 安倍政治の母体になった'日本会議'に属し
 その活動の中心を担った

【團はやむをえず音楽家になった】
 團伊玖磨は 生まれながらにして強度の紅緑色弱だった
 理系の大学は色盲はダメ 現在の東京芸大の音楽部を受けた
 ここも試験でひっかかったが 校医は’絵は描かんから’と合格させてくれた
 太「やむを得ず音楽家になったってわけだ」
 壇「色の区別が出来ずに悔しいことが2つ 一つは人の’顔色がわからない’ 
 とくに'女がポッと頬を染めた'なんて わかりたいなあ わかりたい!」

目から耳へ抜ける?】
 目の色弱の話から 耳の音弱(音痴)の話に移る
 團夫人は元ピアニストだが 歌う時は音痴になるそうだ 子供も同じ
 團「ぼくはそれをほのぼのと聞いて楽しんでる」
 太「ぼくも音階を知っている曲は正しく歌える よく知らない歌は音痴に」
 團「それだけ敏感なんだってことですよ みなさん」

 座談会が終わり速記者も帰って 二人は西銀座へ行って飲んだ
 太郎さんらしい面白く鋭い話が出て 終電に乗り遅れて東京に泊まった
 ・・・團は後書きでそう書いている

 最後に 團伊玖磨作曲「花の街」
 

 今日はここまで それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]

こんな人がいた~『岡本太郎その20 「対談集その3 アオシマだぁ~っ!続き』

2023年12月17日 | 絵画



 昨日の続き 青島幸男との対談の超要約記述から始める
 原文の1割以下に要約したが 文意は曲げていない(と思う)

【日本の民主主義は小児的段階】
 青「先生とは昔映画を作った頃からの知り合い 変わらずの駄々っ子ぶりで」
 太「おれが純粋すぎるんで周りが煙ったくなるだけだよ」
 青「本当に素直じゃないよね。でも子供がそのまま大人になった感じ」
 太「人間 初めは子供 大きくなると純粋さを忘れるからダメなんだ」

 ・・・親がダメ 学校の先生がダメ と教育論から始まるが話はすぐ政治へ
 太「日本の民主主義をどう思う? 青島国会議員としては」 
 青「戦後 主権在民になり形はできたが 今は全く別の方向に行ってる」
 太「民主主義が押し付けられただけ 裏で何も変わらずゴマカシだらけだ」
 青「フランスなんか 個人が政治とかに関心を持っているように見えますが」
 太「国家は民衆の生活よりあとに生まれたから 彼らは国家を信用してない
  だからこそ関心を持ち批判する 19世紀頃まで農民なども戦争とは無縁
  それが国境線が引かれ国家ができて・・・という時代を経て来た
  日本にはその歴史がない 維新以来の政治も民衆が闘って勝ち取ってない
  生みの苦しみが日本には無い」

 ここで文字休み 青島幸男の政見放送・・・次点で落選


【責任を取らない日本の政治家】
 続いて二人の議論は 政治の衆参の在り方の議論へ
 太「とにかく政治は対立する流れが無いと 無意味になるだけ
  保守があるから革新がある ただ社会主義は統一されるからそれが問題
  革新は大いに闘うべし 保守は考えを改めるべき」
 青「市川(房江)さんが大量得票した 参院は本来の使命を取戻すべきだ」
 太「参院が純粋に国民の意見を代表すれば 衆参両院がある意味が生まれる」
 青「だから僕は参議院に立候補したんですよ」
 太「君はそうだが 今度は国民も政治意識を少しは持ったようだ
  米国民も政治意識が低いが少し変わるだろう ぼくは保守は支持しない」 

 そろそろ青島の本音が出始める これが彼の狙いだったのだろう
【岡本太郎は参議院に出るべきだ】
 青「組織や金に左右されず 是非を判断できる無所属の人が 参院に集まる
  そして花森安治さんも出てもらいたい 太郎さんは率先出るべきだ」
 太「議事堂なんて汚い醜悪な建物におれは絶対入りたくない 赤絨毯なんて」
 青「良識の代表のあなたが参院を白い目で見て おれに関係ないとは・・・」
 太「おれはおれで一般大衆に対して絶えず本当のこと言ってるからね」

 ・・・青島は説得を続けるが太郎はウンと言わない
【パラダイスより地獄へ行きたい】
 太「おれは君より苦労して闘ってきて全部裏切られた
  日本人は全部何らかのシステムに属している そのシステムに入らず
  孤独に闘ってきたが成果は無い パラダイスは永遠に来ない」
 青「明日には来ないが 絶対に来ます」
 太「パラダイスなんて退屈だ おれは地獄に行きたいよ」
 青「地獄指向よりパラダイス指向の方が人間として妥当なんじゃないかな」
 太「妥当という言葉が嫌いなんだ」
 青「ほんとうに強情だね でも 二人とも無人島にいるわけではないから」
 太「ぼくはいつでも無人島にいる感じ」
 青「お互いここに住んでいるんだから 少しは住みよくしようって言うの」
 太「お互い なんて言ってくれるな おれはひとりだ」
 青「分かりましたよ でも 意地でも太郎さんを国会に出したくなったよ」
 
 ・・・というわけで ああ言えばこう言う 青島の説得は不成功で終った 
 
 青島幸男が放送作家として作ったTV番組


 青島幸男の二人だけの同窓会


 今日はこれで終わり それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]