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DAZN観戦 2020年J2リーグ第12節 ヴァンフォーレ甲府vs徳島ヴォルティス

2020-08-19 17:02:44 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の甲府の記事はこちら(8節・水戸戦)
※前回の徳島の記事はこちら(7節・磐田戦)

夜を迎える時間帯でも30度越えと、灼熱のような中で行われた真夏の一戦。

徳島は助っ人のジエゴがJリーグ初出場。
今季新加入かと思いきや、実は前年途中に加入、その後今の今まで故障で長期離脱を強いられてきたとの事です。
今季の中断期間よりはるかに長い、サッカーが出来ない期間を作ってしまったジエゴ。
一歩間違えば浦島太郎状態になってしまう所でしたが、ここに来てスタメンに名を連ねました。

このジエゴ含め、連戦の最中で前節から大幅にメンバーを入れ替えた両チーム。
それでも甲府は前節(琉球戦)でターンオーバーをやり切り、徳島は元から45分単位での交代を中心にやり繰りを見せているで、さほど変わった印象を受けず。

試合が始まると、注目のジエゴの動きが非常に特徴的。
登録上は3センターバックの左ながら、味方がボールを持つと一気に上がりを見せ、時には最前線にまで位置する事も。
元々可変が激しい徳島ですが、1人がここまでの動きを見せるのも珍しく、新たなサッカーというよりはジエゴ起用時のオプションといった感じでした。
ジエゴが前に出る分、岩尾をアンカーにしてその脇に鈴木・梶川という、3ボランチ的に中央を固める布陣でしょうか。

そんなジエゴとは裏腹に、普段通りのビルドアップを見せゲームを支配していく徳島。
対する甲府は相手に持たせる戦術を徹底し、素早くブロックを作る事で対抗します。

前半15分、岩尾の縦パスから梶川→鈴木→杉森と渡り、杉森が遠目やや右からミドルシュートを放つも枠外に。
23分は左サイドに開いたジエゴからロングパスが出、これを河田が収めてエリア内に入り、シュートしますがGK岡西のセーブに阻まれます。
飲水タイムまでシュートはこの2本のみでしたが、甲府の撤退戦術とも相成り、開始から15分間での支配率は80%越えという数字を叩き出していました。

それでも、徳島の多彩なパス回しに対し崩れを見せなかった甲府。
飲水タイムが明けると、攻撃でも形を作り始めます。
27分、中塩のカットから左サイドで形を作り、泉澤がキープしたのち戻しを受け取った内田健太がクロス。
これがかなり手前の位置からながら、エリア内中央のハーフナー・マイクに向かいますが、GK上福元が辛うじて弾きシュートは撃てず。
その後も内田健・泉澤を中心に左サイドから仕掛けるシーンが目立ちました。

反面ペースが落ち始めた徳島、ジエゴの上がりもあまり効果的な攻撃を生み出さず、時間を浪費していきます。
すると37分、心臓的存在の岩尾がオーバーラップを見せます。
後方で鈴木にパスを出すと自身は上がり、内田航がその岩尾に縦パスを打ち込み。
その後岩尾のパスを受けた梶川が右へロングパス、ここから杉森のクロスが上がるもシュートまでは結び付かず終わります。
甲府に流れが傾きかけた中、それを打破しようとしたキャプテンの動き。

しかし流れに抗う事は出来ず、以降甲府が攻勢に。
41分、武田のボール奪取からまたも左サイドで攻撃、泉澤がエリア内左へ進入したのちグラウンダーで中へ。
中央でハーフナーがシュートを放ちますが、GK上福元のセーブに阻まれます。
決定機を逃した甲府でしたがその直後の攻撃。
スローインから泉澤が左サイド奥でキープし、ニアサイドへクロスを上げた先には、頭で合わせる内田健の姿が。
ヘディングシュートがゴール左に突き刺さり、待望の先制点。
クロスを上げる役割であった内田健をターゲットとする事で、相手の裏を見事にかいたゴールでした。

1-0のままアディショナルタイムに突入。
してやられた徳島はコーナーキックのチャンスに、キッカー梶川はエリア外へのクロスを選択し、鈴木にダイレクトでシュートを撃たせるもブロック。
サインプレーで借りを返そうとしましたが得点はならず、甲府リードのまま後半戦に突入します。

支配率では上をいったものの、スコアでは上回られた徳島。
後半頭から従来の形へと移行しようと、ジエゴを諦め交代を敢行します。(ジエゴ・梶川→石井・渡井)

そして後半が始まると、前半右CBだった内田航平が左CBへとシフトし、左サイドを上がる役を務めます。
それでもパスを受けられる位置取りをキープしつつと、ややヤケクソ気味だったジエゴとは対極的な攻撃参加でしたが。

後半4分に内田航がドリブルで左サイドへ向かい、左から攻める素振りを見せた後、バックパスを受けた岩尾から中央でパスワークを展開。
最後は杉森がペナルティアーク内からシュートを放つも、ジャストミートせず枠外に。
その後も前半同様に圧力を掛けていくも、今一つ流れを掴めない徳島。

逆に甲府は、10分にハーフナー→ドゥドゥへと交代。
スピード溢れるドゥドゥを投入し、カウンターの用意といった所でしょうか。
しかし14分にはパスワークで好機。
右から中央へとパスが回り、武田の縦パスを受けたドゥドゥがポストプレイで左へ展開してチャンスを作り、泉澤が奥で溜めたのちクロス。
ファーサイドで松田が足で落とし、ドゥドゥがエリア内でキープする絶好機も、切り返しが大きくなりシュートは撃てず。

徳島は13分にも2枚替えを敢行(鈴木・河田→小西・垣田へ交代)し、何とか流れを掴まんとしますが、スコアを動かせずに時間は進んでいきます。
すると再び岩尾のオーバーラップを絡める攻撃を敢行。
21分、右サイドでパスを回している間に前へ上がる岩尾、そこに石井の縦パスを受けた杉森からパスが。
岩尾は垣田とワンツーを選択し、エリア内へ進入するも甲府の守備ブロックを崩せず奪われてしまいます。

苦境を打開しようとする動きも封じられ、飲水タイムに突入。
甲府はここで松田→ジュニオール・バホスへと交代(ドゥドゥがシャドーへシフト)。
守備固めとはかけ離れた交代、恐らくは疲労面を考えつつのものだったでしょうが、この采配面での一瞬のスキが結果に表れてしまいます。

飲水タイム明けの直後のプレー、甲府のゴールキックからでしたが、杉森がヘッドで跳ね返したボールが甲府ディフェンスラインへ。
これを垣田が拾いにいき、中塩を押しのける形になりつつボールキープに成功。
そしてエリア内に進入すると、後ろから中塩に倒され、笛が鳴り反則・PKに。
これに甲府サイドが(垣田が中塩と競り合った際はノーファールなのにと)猛抗議するも、判定は覆らず。
このPKを垣田が自らゴール左へと決め、ようやく同点に追い付いた徳島。

こうなると、ドゥドゥとバホスを投入した効果を発揮したい甲府。
しかし同点後の最初の甲府の攻撃では、左サイドでのパス回しに参加していたバホス、武田の内田健へのパスを(不可抗力ながら)遮断してしまうといった場面も。
その後は勢いに乗る徳島のペースに。
31分、岩尾が左へ展開して西谷が受けると、西谷はカットインを選択して中央へ。
そしてシュートコースを探すも撃てず、右へ縦パスを出すと、受けた渡井がカットインからシュートするもブロックに阻まれCKに。
そのCK、藤田征也が一旦キッカーの位置に着くも西谷と代わり、その際にボールに触れており西谷にドリブルさせるサインプレー。
そして西谷のグラウンダーのクロスを杉森がシュートするも、藤田征がブラインドになった事でオフサイド。(シュート自体はGK岡西がセーブ)

この日は左ウイングバックに西谷を置いた事もあり、左へと展開すると、仕掛けたがる西谷で攻撃が途切れてしまう場面がしばしば。
彼の突破力を武器としたのでしょうが、スペースを作らない甲府相手には相性が悪かったと思います。

何とか反撃したい甲府でしたが、その橋頭堡の1つとなるべきバホスにアクシデントが。
37分に武田のロングパスに反応してエリア内へ受けにいったバホス、徳島・内田航と競り合って倒れてしまうと、足を痛めてプレイ続行不可能に。
これで10人で戦う事となってしまった甲府、以降はドゥドゥの1トップに全てを賭け、一層守備的にシフトします。

ポゼッションをさらに高めて攻勢を掛ける徳島に対し、必死に防戦して跳ね返し続ける甲府。
43分、垣田の落としを受けた渡井がエリア内に進入しシュート、甲府・新井がブロックしたこぼれ球を尚も拾ってシュートするもゴール左に外れ。
泥臭いという言葉がピッタリな守備を見せ、誰もが徳島が勝ち越し点を挙げるか否かに注目が集まっていた最中のAT。

西谷のシュートをGK岡西がキャッチして防いだ甲府、直後に岡西のフィードがドゥドゥに渡りカウンター。
ドリブルで体制を整えつつ中央へ向かい、Pアーク手前からコントロールされたシュートをゴール右へと放ちます。
枠を捉えたものの、GK上福元が間一髪セーブして惜しくもモノに出来ず。

電撃作戦成功とはならなかったものの、この攻撃で一息付けた意味は大きく、以降は甲府がセットプレー中心に攻勢。
そしてそのまま試合終了の笛が鳴り、引き分けに終わりました。

引き分けが全試合の過半数を占めている甲府、この日でついに7に。
開幕節を除いて得点は出来ているので、守備的に戦ってカウンター、という戦術は間違ってはいないのでしょう。
それにしては手数(シュート)が少なすぎるのと、リードを守れない試合が目立っています。
今季は一定のボール支配も目指している節がある伊藤彰監督ですが、この日の終了直前に見られたカウンターの道筋を整えた方が戦術に合致すると思いますが、今後はどうなっていくでしょうか。

コメント
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