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DAZN観戦 2024年J3リーグ第23節 テゲバジャーロ宮崎vs大宮アルディージャ

2024-07-31 16:27:00 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 大宮は、杉本が累積警告により出場停止。

快調に首位を走っている大宮ですが、夏の移籍期間でシュヴィルツォクが移籍となるなどで、再編成の時期を強いられ。(その他中野・高柳も移籍)
その穴埋めに、同じカテゴリからサンデーを引き抜く(レンタル元はJ2・徳島)という強者ぶりを発揮する(その他、和田とファビアン・ゴンザレスも加入)など、1年でのJ2復帰のためには僅かな緩みも許されないという現場・フロント一体となっての補強策を敢行するに至りました。

しかしそんな一体感を装っている風でも、その上部ではチーム全体を揺るがしかねない大改革が進んでおり。
かねてより噂になっていた、レッドブルのクラブ買収が決定的との報が今節の直前になって流れ。
実質的な親会社のNTT東日本にとっても願ったり叶ったりという外資の登場で、これまでの伝統が覆されやしないかと周囲が不安を覚える状況に。
それでも近年の緊縮予算もあって、今後クラブが立ち直るためには良い事だという意見も少なくなく。
そんな騒がしい近況となりましたが、まずはJ2昇格を決める事が何よりの課題でしょう。

この日の相手は、大宮と同じく夏の移籍市場で激しく動いて来た宮崎。
こちらは残留のための補強で、松本・江川といった最終ラインを固める戦力を加えて早速起用しているものの、連敗が続いている状況を変えられず。(目下4連敗中)
そして今節は、レンタル先変更(群馬から、レンタル元はJ1・川崎)という手段で獲得した永長を早速ベンチ入りさせるなど、急ピッチで陣容を整え。

このカードは前回対戦時(6節・大宮 3-1 宮崎)も視聴し、その際は宮崎はチームとしての形がなっていないとは言い過ぎですが、大きなチーム力の差を実感する試合となり。
長い月日(といっても半年も経っていないですが)を経て、どう変わったかを示したい宮崎。

前半2分、大宮はGK笠原がサンデーをターゲットとしたロングフィードを送ると、その頭を越えて右奥で大澤が収める状況に。
コーナー付近でのキープから、前を向いた所を江川に倒されると反則の笛が鳴り、ほぼコーナーというフリーキックを得ます。
キッカー泉のクロスの跳ね返りを、小島がダイレクトで撃ちにいくもジャストミートせず(ゴール右へ逸れる)と、不用意な反則による失点は何とか避けられた宮崎。

オーソドックスな4-4-2(といっても、阿野が降りて出口役となる殆どトップ下な立ち位置)という布陣からの、縦に速い意識がやや強めという宮崎の地上でのビルドアップ。
かつてのポゼッションスタイルは相変わらず雲散霧消気味なものの、頼るべき軸が無かった前半戦に比べると遥かにマシ、といった状態が伺えました。
それでも立ち上がりは、とにかく裏抜け・ターゲットどちらでも橋本へとボールを届けるのみという意識に映る攻撃。

10分、ここも辻岡が橋本へロングパスを送る単調な攻めながら、市原のクリアミスで繋がり好機。
そのまま左ハーフレーンを持ち運び薄い大宮ディフェンスを突く橋本、エリア手前から果敢にミドルシュート。
グラウンダーの軌道でゴール右を襲ったものの、僅かに外れてしまい先制はなりません。

とはいえこれで勢いに乗り、続く11分は右から攻め上がるも、松本の裏へのミドルパスが跳ね返され。
一転して大宮が攻め上がるも、パスミスで繋がらずに松本が回収して再度宮崎の攻撃となり、右サイドを持ち運んだ楠がクロス(ブロック)と慌ただしい流れに。
右スローインで継続し尚も攻める宮崎、12分にクリアボールを回収して中央→左へとサイドを変え、井上が奥を突く姿勢からカットインでポケットでキープ。
そしてヒールパスで目線を変え、走り込んだ辻岡のクロスが上がるもフィニッシュには繋がらず。
両サイドハーフに突破力ある選手が居るため、彼らを矛としてSBはそれをサポートする役に徹しているという宮崎のサイドアタック。

首位相手に優勢の流れを築いたものの、20分に敵陣浅めでパスミス、それも力安のパスに対して辻岡と井上がお見合いして受けられずという消極的な姿勢。
これを見せてしまった事で流れが切り替わり、21分に大宮の左サイドからの攻めを切るも、深めに追い込まれた安田が縦パスをカットされて押し込まれた状態でのショートカウンターに。
ここは何とか撃たれる前に防ぐも、続く22分にはシルバのミドルパスをサンデーが収めてキープという、パワーで押し込まれる絵図となり。
サンデーが左足アウトでのパスで繋ぐという技も見せ付けられ、長らくパスを回されるもここもシュートには持ち込ませず。
しかし尚も23分、空中戦を制した大宮がボール確保し、シルバ→サンデーへのスルーパスを遮断するもこぼれ球がエリア内へ。
そして走り込んだ大澤がシュートと、とうとう決定機を許しましたがGK青木が足でセーブ。
この後カウンターに持ち込んだ宮崎ですがシュートにはいけず終わると、続く24分にも大宮の攻撃が襲い掛かり、左サイドから泉→サンデー→村上と経由して中央に渡った末に村上がミドルシュート。
これがゴール左へ僅かに外れる際どいものとなった所で、前半の飲水タイムが挟まれて文字通り一息つく格好となりました。

宮崎は縦に速い攻撃で何度もアタッキングサードを突くも、そこからのクオリティに欠ける側面が拭えず。
前述のカウンターの場面では、右ハーフレーンを持ち運んだ阿野が、溜めを作ってポケットへスルーパスを送るという攻め。
しかし浦上の引き付けが甘く、走り込んだ楠はクロスを選択せざるを得ない状況となってしまい。(そのクロスも浦上にブロックされる)
ここは溜めた際に中央への切り込みを意識させるべきに映り、若いチームだけにこうした細部での拘りがもっと必要に思えました。

そして迎えた第2クォーター、宮崎はビルドアップの形を変更。
辻岡が残る3枚での最終ラインへと変え、左ワイドに常時井上が張るという前回対戦時を彷彿とさせるシステムに。
しかし現代ではこの形も見慣れたもので、結局最後のクオリティが発揮されなければ結果に繋げるのは難しく。

大宮にシルバのミドルシュートで脅かされた(27分、枠外)のち、再度ペースを握り主体的な攻撃を繰り広げる宮崎。
楠の突破力を軸にして右から仕掛けるシーンが目立つも、クロスはブロックされ、カットインは奪われる等そのプレーはやや単調さが浮き彫りとなり。
目を見張るフィニッシュは中々生まれず時間が進んでいきますが、36分例によって右サイドで黒木縦パス→楠ポストプレイを経て、受けた阿野が小島に反則気味に倒されるも安田が拾い継続。
そして左の井上に展開し、前進から強烈なミドルシュートを放った井上。
GK笠原のセーブで防がれるも、この一矢でそんな絵図を変える期待を膨らませます。

しかし無情にも、変わった結果先制点に辿り着いたのは大宮でした。
押され気味ながらも、自分達のターンになるとセンターバックの村上や市原が果敢に攻撃参加していましたが、39分ここも例に漏れず敵陣でのポゼッションのなか左で浦上が攻撃参加。
そして泉の切り込みと見せかけ、戻しを受けてのアーリークロスを入れる浦上、中央で合わせにいったのは石川。
しかし頭から跳び込んだ彼を越えてバウンドし、ファーサイド奥で下口が跳び込んでのヘディングシュートがゴールネットを揺らします。
幾人もの選手が絡んだ末の得点で、やはり大宮がチーム力の差を見せ付ける格好となりました。

これで血気盛んといった宮崎の攻勢も萎み、終盤は大宮の独壇場に。
それでも必死のディフェンスでフィニッシュは生ませず(42分には左ポケット奥へ切り込んだシルバが楠に倒されるも反則無し)、何とか1失点に留めて前半を終わらせます。
ハーフタイムで、石川に代えて補強選手である和田を投入した大宮。

前回の3失点から進歩、といった前半の宮崎。
それでもフィニッシュ数は攻勢が示すほど膨らまなかったため、この1点はスコア以上の重みがあるという感じに。

始まった後半。
宮崎はそんな状態を変えんと、後半2分に右奥でキープする楠から、受けた阿野がカットインからミドルシュート(枠外)と果敢に矢を放ち。

この好機を境に、阿野が積極的にワイドでの組み立てに加わって人数を掛けてのサイドアタックに活路を見出した感があり。
しかし分厚くしたものの、辿り着くのはワイドからのクロスと結局さして変わらず。
クロスを量産するも、肝心のフィニッシュという側面では成果を上げられません。

一方の大宮は、サンデーという前線の橋頭堡を盾としながら、前述のような後方の選手も攻撃参加しての敵陣でのポゼッションで押し込む重厚な攻め。
そして後半は泉の突破力を押し出し始め、それが脅威となり。
11分・12分と左サイド奥を抉るシーンを続けると、13分にも前に出た村上のボール奪取からの繋ぎで、ワイドでボールを持った泉。
ここでカットインと見せかけてクロスを選択すると、これが先制点のシーンを彷彿とさせるように、ファー奥の下口に合わせるボールとなり。
今度は足で合わせにいった下口ですが、辻岡のディフェンスによりジャストミート出来ず、GK青木が抑え何とか防いだ宮崎。
攻撃機会では後れを取る大宮ですが、その一つ一つの威力で勝るという絵図に。
17分に再びベンチが動き泉・大澤→茂木・藤井へ2枚替え(茂木が右ウイングバックに入り、下口が左に回る)と、早めの交代でそれを支えます。

度々ボールを握るも、クロス攻勢の一辺倒に陥る宮崎。
斜めの縦パス→フリック(14分)や、橋本の足下へのスルーパス(16分)で変化を付けんとしたものの、決定機を齎す事は出来ず。
結局シュートを放てないまま、時間を潰す事を余儀なくされました。

23分に飲水タイムが挟まれ、明ける際に宮崎ベンチも動き。
補強した永長の投入に踏み切り(楠と交代)ましたが、大宮も同時にサンデー→ゴンザレスに交代と、豊富な戦力を見せ付けられる格好に。

楠とは違うリズムで変化を齎したかった永長。
しかしカットインを意識するあまり、大宮ディフェンスが付いて来る事で球離れが悪くなるという具合に、マイナス方面に作用する結果となり。
28分サイドを変えながらのパスワークで前進し、右ワイドで持った永長はマイナスのカットインを選択するも、ディフェンスを剥がせずにこぼれ。
安田が繋いだ事で再度持った永長ですが、ここでゴンザレスに奪われて大宮のカウンターを招いてしまいます。
シルバの縦パスを受けた藤井が右ハーフレーンを縦突破した末に中央へラストパス、受けたのはゴンザレスでエリア内で左へ流れながらシュートに持っていき。
しかし宮崎も決死のディフェンス、黒木のスライディングでのブロックがかわされるも、GK青木が前に詰めてコースを限定した末にキャッチと防ぎきりました。
大宮にとっては、ゴンザレスが左に流れた事で中央で藤井がフリーとなれていただけに、悔いの残る決定機逸となり。

望みを繋いだはずの宮崎でしたが、期待の永長がゲームチェンジャーになれない(と同時に、J2の場で何故通用しなかったか)事が判明したとあり依然状況は苦しく。
30分に橋本→吉澤に交代すると、直後の31分に逆の左サイドから攻め、パスワークで奥を取った末に左ポケットへスルーパス。
これでコーナーキックに持ち込み、キッカー松本が上げたクロスを、ニアでの黒木の潰れを越えたその奥で辻岡がボレーシュートの体勢に。
しかしヘッドでクリアした村上をチャージしてしまい、反則で終わる事となりました。

毛色の違う好機が生まれても、それを活かせない宮崎。
36分に再びカウンターに持ち込まれ、ゴンザレスがドリブル突破で右ポケットまで運び、ラストパスを供給する役に。
そして走り込んだ下口がシュートし、黒木がブロックとまたも際どく凌いだ宮崎でしたが、既に反撃の手法は残っておらず。
そしてその直後、後方から作り直す大宮の攻撃も防げずとなり、左サイドで浦上が上がりつつのパスワークから下口が斜めの縦パス。
ここから和田→藤井→ゴンザレスと経由してエリア内を突き、今度はしっかりワントラップからの横パスを藤井に送ったゴンザレス。
走り込んだ藤井が放ったシュートがゴールネットを揺らし、ようやく追加点が齎されました。

万策尽きたという格好の宮崎。
残されていたカードを39分に全て使い、江川・力安・井上→大武・遠藤・坂井と一挙3枚替え。
最後の賭けの域を出ないものの、駒を多く投入する事で変化を齎しに掛かりました。

しかし前回対戦時の通り、大武のビルドアップ能力の低さが停滞感に拍車を掛け。
後方からの組み立ても難しくなり攻撃機会は激減と、最後まで交代がブレーキとなる格好を強いられます。
結局アディショナルタイムも目前となり、大武が最前線に上がるというパワープレイへ切り替える事となり。(辻岡がCBに、安田が左サイドバックに回る)

そんな最後の意地を見せんとする宮崎に対し、大宮は冷徹にその裏を突く事で陣地を回復し続け。
ATにはゴンザレスにインアウトを強いる(濱田を投入、市原が右WBに、茂木がシャドーに回る)という具合に、その冷徹ぶりは敵味方問わない姿勢を貫きます。

そして無事に逃げきり、0-2で勝利と同時にダブル達成を果たした大宮。
首位独走する現状をこのまま維持し、誇りをもって次なる存在(レッドブル)にバトンを渡したい所でしょう。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第23節 奈良クラブvsアスルクラロ沼津

2024-07-30 16:01:38 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 奈良は夏バージョンのユニフォームで、メインカラーを青から「金色の装飾を施したブラック(放送席の談)」へ変更したものを着用。

攻撃時4-3-3・守備時4-4-2という基本システムの下、ポゼッションを重視するチーム同士の対決という好カード。
しかしこの日の奈良のホーム(ロートフィールド奈良)は、夜でも気温36度と高いままのコンディションで、果たしてどれだけ長所を発揮できるかどうか試される試合となりました。

ポジションの流動性の高い沼津が先に主導権を握りにいく展開に。
前半2分に最後方から中村が持ち運び、右ワイドの安在が一度パスを受けて戻すや最前線へと上がり、附木のロングパスへと走りこみ。
附木のフィードも低い弾道のもので、目線を釣ってから素早く裏を突くという意図が強く出た攻撃となり、その後ダイレクトで入れられたグラウンダーのクロスはニアの和田には僅かに合わず(堀内を倒してしまい反則で終了)と際どいものとなります。

その後奈良も5分、同じく最後方からの組み立てで幅を広く取るセンターバック。
その間で堀内→鈴木大への浮き球パスでプレッシャーをかわし、鈴木大がすかさず裏へロングパスを送ると、綺麗に裏を取った神垣がエリア内を突く決定機へと繋がり。
そして放たれたシュートがゴール右へと突き刺さり、意外にもロングボールによる攻撃の交錯でスコアが動く事となりました。

両チームとも守備面では前線からのプレッシングが主体も、この暑さもあり常時ハイプレスの姿勢は取り辛く。
そこでミドルプレス主体で、かつコンパクトな布陣を取る事で前進を阻みにいく守備隊形ですが、ともにその裏を突く事による崩しを初手に選び。
そしてボックス内での好機に繋がり、奈良の方は先制点を挙げる運びにもなり。

出会い頭といった失点を喫した沼津、改めてボールを握って反撃体制を取り。
それは本腰を入れて地上での繋ぎで、奈良の守備隊形を崩しに掛かるものであり。
9分、中央で中村縦パス→和田ポストプレイから中盤トライアングルでの保持に入った所、菅井が神垣の喰い付きを受けて倒されるも濱が縦パスを送って継続。
持井を経由して鈴木拳が左ワイドを運ぶ状況となり、アーリークロス気味にゴール前へスルーパスを送った所に、和田が足から跳び込むもこれも僅かに合わず終わります。

ミドルプレスの姿勢でも、相手がバックパスした際にはすかさずハイプレスに切り替えるのは日常茶飯事であり。
しかし奈良の前線はそこが今一つな風に見え、沼津の可変システムもあり規制がままならずという状況に。
それ故沼津の方も前節(岐阜戦、2-1)から、安在がボランチの立ち位置を取る絵図の割合を増やす事で、(ポジション的に相対する事となる)岡田優の対応を悩ませに掛かっていたでしょうか。

安在が残る分、逆サイドの濱が上がる状況を増やして攻める沼津。
附木の後方からのロングパスを最前線で受けて好機に持ち込まんとする濱ですが、オフサイドを取られる(18分)などして実にならず。

一方の奈良も、最後方からのボール保持の時間を増やす、リードしている側らしく攻撃・守備双方で役立てる姿勢。
こちらは右に長身の生駒(山口→いわきの生駒仁の弟)が居る、SBがややアンバランスな布陣の通り、下川を前に出した左肩上がりが基本となり。
しかしWG(主に生駒に相対する鈴木拳)も加わる沼津のハイプレスに苦戦気味となり。
23分には中盤での奪い合いを経てボールを確保するも、作り直しを選択するバックパスに鈴木大が反応できず、津久井に拾われてショートカウンターの危機に。
そのまま左ポケットから一気にゴールに迫った津久井ですが、GK岡田慎が前に出て撃たれる前に何とか防ぎます。

飲水タイムが挟まれ(23分)、沼津のボール保持の時間が強まる展開に。
安在の特徴ある動きを利用する攻めへと切り替え、右サイドから好機を作っていきます。
27分に奈良のスローインを左サイドでカットし、中央で津久井のドリブルを挟んで右ワイドから安在がクロス。(ブロックされ、拾い直し再度クロスもまたもブロック)
これを機に、津久井と頻繁に入れ替わりながらワイドを抉りに掛かり。
33分には後方からボランチの位置で右へ展開した安在、そのままパス&ゴーで津久井のスルーパスに走り込んでワイドからクロスを上げる役割へ。
クリアボールが真上へ上がり、GK岡田慎がパンチングで跳ね返したボールを持井がボレーシュートにいくもミート出来ずと、同点への機運を高め。

そして38分、再びボランチの位置で中村のパスを受けた安在ですが、今度は戻しを経て中村が左へ展開と逆サイドから攻め。
附木縦パス→鈴木拳入れ替わりからドリブルと素早く縦を運び、入れられたグラウンダーのクロスを徳永がスルー。
その奥でシュートしたのは津久井で豪快にゴール左へと突き刺し、流れるような前進を経て同点弾を生み出しました。

第2クォーターでは殆ど好機を生み出せない状況に陥っていた奈良。
振り出しに戻されると、39分に生駒が一気に裏を突くロングパスと立ち上がりの姿勢へと立ち帰り。
中央で岡田優が走り込むも前に出たGK武者がヘッドでクリアと、当然ながら先制点のような一本での決定機は望めない状態に。

一方沼津も同様に同点となった事でロングパスの割合を増やし、43分にはGK武者ロングフィード→鈴木拳フリックで左サイド奥を突き、走り込む和田の手前で何とかクリアして凌ぐ奈良。
こちらの方は未だ有効といった風で、アディショナルタイムにも中村がロングパスで一気に右ポケットを突き、走り込む和田に対し堀内が必死に対応。
蓋をするも奥で和田が縺れ合った末に奪い返し、決定機かと思われましたが和田の反則となって終了となり。
結局1-1のまま前半終了となりましたが、全体として守備対応の面で奈良は厳しそうな印象を受け。
42分にはボールキープする濱に対し田村が腕で倒してしまい、濱がヒートアップという絵図になるなど、腕を使って反則ギリギリのディフェンスを強いられる状況が目立っていました。

それ故かハーフタイムで動きを見せ、グスタフソン→百田へと交代して後半に臨んだ奈良。
前線の規制をもっと強め、そうした守備への負担を減らすべくの采配だったでしょうか。

しかし後半2分、沼津は左ワイドで附木のロングパスが和田に通り、スイッチを経て持井がポケットへ持ち運び。
この位置でのキープから戻し、徳永がダイレクトでシュートするも鈴木大がブロック、しかし跳ね返りを安在が拾ってさらにシュートと追撃。
これも下川がブロックするも、さらに安在が右へ叩いて継続し、津久井がカットインを経てミドルシュート(枠外)と3連撃。
この好機により、後半も沼津ペースへと流れが固定化し。

奈良はサイドからの運び、それも下川のドリブル(4分)や、後方から一気のスルーパス(6分)と中盤省略気味の好機に限定化され。
沼津のプレッシャーもあり、中々中央を使えずという攻撃面でも劣勢感を醸し出してしまい。

そして迎えた7分、沼津はGK武者ロングフィード→跳ね返りを拾った津久井から左へ展開すると、濱・鈴木健・持井のトライアングルから濱のドリブルで抜け出し。
そのまま左ポケット奥まで持ち運んでクロスが入り、ブロックを掠めるもニアで和田が受け、ディフェンスに遭い混戦となるもシュートは撃てず。
しかしクリアボールを回収して再び最後方から作り直し、中村のロングパスにより奈良が前に出た所を突く格好になり堂々巡り。
今度は津久井が右奥でボールキープ、クロスでは無く小さな浮き球でポケットを突く選択を採ると、走り込んだ徳永がディフェンスに遭うも再び混戦に。
そして中央で持井が鈴木拳のレイオフを挟み、ディフェンスを左にかわしてシュート。
鈴木拳に蓋をされるという形でかわされた生駒が必死についていきブロックするも、ディフレクションでゴール右へ吸い込まれる結果となります。
好循環そのままに、逆転を果たした沼津。

度重なる連撃で傷付いたという奈良、まずは反撃体制を作らなければならない状況に。
11分にGK武者のフィードを跳ね返し、中島が確保してからの攻撃、ここで中央からの持ち運びを選択する中島。
沼津のネガトラもあり空いていた事が幸いし、持ち運び→國武とのワンツーを経てバイタルを突き、左ポケットへのスルーパスを岡田優が奥で受ける(切り返した所をこぼされてコーナーに)という具合にようやく有効打。
するとこの左CKの前にベンチがさらに動き、國武→山本へと交代。
キッカー中島のクロスが跳ね返されてからの二次攻撃で、堀内が後方からエリア内へ放り込み、生駒のフリックしたボールがディフェンスに当たってこぼれ。
そこへすかさず反応した百田がボレーシュートを放ちましたが、枠を捉えられず。

グスタフソンの高さが無くなった所を山本で補うといった奈良の采配ですが、際立った成果は挙げられず。
17分に右ワイド後方から生駒が斜めの縦パス→中央で百田フリック→山本1タッチで右裏へミドルパスと、ここも中央経由で素早く運んだもののフィニッシュには繋がらず。
好機は作るものの良好とはいえず、その間にも沼津のサイド攻撃に脅かされるの連続。
変幻自在なポジションチェンジを繰り返されては、掴まえるのに難儀、構えても縦パスで間を通される「どちらに転んでも地獄」という対応を強いられます。

そんななか沼津もカードを切る段階となり18分、初手は前節同様に津久井→齋藤。
鈴木拳が右に回るという定石を描きます。
すると奈良もすかさず動き19分、生駒・田村→吉村・嫁阪へと2枚替え。
右サイドの選手を揃って交代してきました。

より純粋なSBに代わったとあり、以降中盤の選手が降りての最終ライン3枚、という色が強まる奈良のビルドアップ。
これで両SBを高い位置へと押し上げる狙いは明らかでしたが、相変わらずの前線の圧力により中々果たす事が出来ず。
23分の沼津、右サイド中心のパスワークによる攻めが途切れたのち、奈良の後方からの縦パスを菅井がカットして再度攻撃。
その流れで齋藤も右側に位置してパスを受けるという状況から、逆サイドへ展開しての前進で、濱の持ち運びから再度パスを受けた齋藤が左ポケットへ進入。
そして入れられたクロスをニアで持井が合わせヘディングシュート、堀内がブロックするもループの軌道でゴールに向かい、「またディフレクションでのゴールか?」と思わせたもののGK岡田慎が何とかセーブ。
テコ入れはしたものの、やはりSBの質の差はどうにもならないという攻防。

24分に飲水タイムが挟まれた後も同様で、依然として奈良はSBが低い位置でパスを受けるも前進出来ないという状況を打開できず。
そのSBでの優位性を以降も発揮する沼津、28分には最終ラインで奈良のプレッシャーを引き寄せると、安在がワントラップで岡田優を鮮やかに剥がしてから前進。
そして縦パスを受けた鈴木拳が右ポケットへスルーパスと、素早く運んだ末に走り込んだ和田がシュート(鈴木大がブロックしてCKに)と、前掛かりにならざるを得ない相手を逆手に取る攻めで脅かします。
直後の29分、たった今攻めに絡んだ鈴木拳・和田に代え、ベテランの染矢・川又を投入。

そして沼津の右CKで再開し、その二次攻撃で中村ロングパス→川又フリックでゴール前を突きに掛かり。
更に附木によりスペースへ落とされ、走り込む菅井と抑えにいったGK岡田慎が交錯するという息を呑むシーンが生まれてしまいます。
岡田慎が先にボールを抑えたため反則で終了となりましたが、長らく倒れ込んだ岡田慎により慌ただしくなる奈良ベンチ。
幸い無事に継続した岡田慎ですが、再開直後にはよりによって深めで川又にボール奪取されてしまう(その後染矢が奥からクロスもGK岡田慎が抑える)など、動揺を隠せません。

何とか気を取り直すも、SBが上がれずに巧く繋がらず、遠目からのクロスへと傾倒していく奈良の攻撃。
38分その右からの鈴木大のクロスが流れた所、左奥で岡田優が拾って継続と何とか形にし、岡田優のクロスもクリアされましたがさらに拾い継続。
そして左ポケットで(堀内の)スルーパスに走り込む岡田優という、ポイントゲッターにようやく訪れた好機の絵図となりましたが、安在の反則気味のアタックで倒されて(笛は鳴らず)モノになりません。
直後に沼津は徳永が足を攣らせた事で、最後の交代を敢行。(徳永・持井→沼田・遠山)
奈良もそれに合わせ、中島→森田と最後のカードを切りました。

43分、沼津はロングフィードの跳ね返りを川又が落とし、拾った染矢が切り込むという手数の少ない好機。
しかし体力的に衰えていく強度の中それは最大の武器であり、ラストパスを受けた遠山のシュートがブロックされるもCKで継続。
そしてキッカー齋藤のクロスが上がると、マンツーマンで付く奈良ディフェンスを力で剥がした沼田がヘディングシュートでゴールネットを揺らします。
土壇場で得た追加点で、久々の連勝へ加速する沼津。

2点差で迎えたAT。
奈良も諦めずに攻め込むものの、攻撃が途切れると相変わらず沼津の運ぶ力が、今度は逃げきりに向けて脅威となる状況に。
安在・染矢・遠山のラインで右サイドを繋がれ、時間を使われる苦しい展開を強いられます。

安易なパワープレイには出ないという、ポゼッションスタイルらしい選択を採ったものの、(途切れると沼津のキープの機会を増やすため)逆にそれが奏功した感があり。
何とか沼津の攻撃を切って最終ラインでの保持から、神垣縦パス→山本フリックで一気に前線に渡ると、岡田優がドリブルで左ポケットを突き。
ポイントゲッターの彼が綺麗にチャンスエリアを取る形をようやく作った末にシュートが放たれ、GK武者が足でセーブした跳ね返りを百田が詰めてゴールゲット。
1点差に詰め寄り、時間が少ないながらも望みを繋ぐ奈良。

そしてその通りに尚も攻め上がり、それを防いだ沼津の縦パスを堀内がカットして更に後方から押し上げ。
そして中央を嫁阪がドリブルに入った所、かわした染矢に引っ掛かって倒れる形となって反則。
丁度目安時間が尽きるという所で得た直接フリーキック。
ほぼ最後の攻防という事で、沼津サイドも壁構築に注入し、対する奈良サイドは幅広く選手を配置して跳ね返りを詰められる体勢に。
そして放たれたキッカー嫁阪のシュートは、壁の下を抜くボールでゴールを襲い。
これをGK武者はキャッチにいき、弾いたボールが尚もゴール方向へと転がりますが、ラインを割るかどうかという所で何とか抑えた武者。
画面からは良く見えない位置であり、相当に際どいものだったらしく、ラインを越えたとして奈良サイドは猛抗議。
スタンドからも「入ってる」という怒号が上がりますが、結局ゴールとはならず、その異議を押し留めるべく試合を止める事となった審判団。
そして副産物として、まずはオリオールコーチ、そして尚も収まらずというフリアン監督に警告が付き出される結果に終わりました。
(しかし何故かドロップボールで無くゴールキックでの再開となったのは頂けず)

結局再開直後に試合終了の笛が鳴り。
しこりを残したものの、2-3で沼津が勝利と、同タイプのクラブの対決を制した事で勢いが付けられるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第23節 カターレ富山vsAC長野パルセイロ

2024-07-29 16:00:16 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 富山は夏バージョンのユニフォーム、という事で赤が強く出たカラーに。

上位カテゴリの中断期間による空白を埋めた功労者であるJ3も、今節を持って中断に入り。
目下7戦無敗・5戦連続無失点と、上昇機運がハッキリしているホームの富山は、それを維持して良い気分でブレイクする事が出来るかという一戦となりました。

そんな好調な相手に対し、6戦未勝利という真逆のような立場の長野は立ち上がりから、それを阻まんとハイテンションで挑み。
相手サイドバックに対し、ウイングバックが果敢に規制を掛けにいくというハイプレスの姿勢で、その順風なペースを乱さんと試みます。

前半4分、富山はGK田川からの組み立てで、右から前進の姿勢をとるや例に漏れず西矢に対して田中が前に出る長野。
しかしその規制が遅れたためにその裏を取り、末木→高橋馨レイオフ→末木1タッチパスから中央→左と逆サイドへ展開し好機を生み出した富山。(安光が左ポケットへ切り込んでクロス気味にシュート、ゴール右へ外れる)
プレスの間に位置取るボランチへのパス出しが絶妙で、奪われる事無く繋いでいく富山の前に、その姿勢は実る事無く時間を潰していきます。

一方長野の主体的な攻撃は、元々ハイプレス嗜好が強めの富山を相手にしては苦戦必至という戦前の勝手な予想。
8分、ボランチの高橋耕にパスを送った所それに引っ掛かってこぼれるも、近藤が繋いで前進を果たし。
三田フリック→山中キープで中央で溜めを作った末に左へ展開、田中が持ち運んで上げたクロスを浮田が合わせヘディングシュート。
GK田川がセーブと際どいフィニッシュを生み出します。
いくら富山といえど、真夏の気候+3バックvs2トップという悪条件が重なれば、そのプレッシングも抑え気味にならざるを得ず。
一応サイドハーフが前に出て前線3枚の体勢も、多くはミドルプレスの姿勢で構える時間が長くなりました。

そんな双方の状態から、何処と無く「ハイプレスに出た方の負け」な展開に。
当然ながら、正直に前から奪わんとして果たせずという長野の方が狼狽激しい状態となり、13分にロングパスを収めた碓井聖に対し杉井がスライディングでボールをこぼすもあろう事か逆方向に転がる絶妙なスルーパスと化してしまい。
拾い直した碓井聖がドリブル、右ハーフレーン・エリア手前で切り返してクロス(フィニッシュには繋がらず)という具合に、相手ディフェンスのバタつきに対し労せずして薄い部分を突けるようになる富山。

そして続く14分、ここも碓井聖を狙ったロングパスを先んじて池ヶ谷がカットするも、収められず碓井聖に奪い返されるという事態に。
奪取地点は既に左サイド奥で、すかさずグラウンダーでクロスを送った碓井聖、中央で合わせにいった高橋馨の足下でスライディングでカットに入る杉井。
それ自体は成功するも、こぼれ球が左腕に当たったとされてハンドを取られ、与PKとなってしまいます。
かなり微妙な判定でのPK故か、心を落ち着ける時間をやや長く取って蹴りにいったキッカーのキャプテン吉平。
ゴール右へ蹴り込み、反応したGK金に触れられるも無事にゴールゲット。
やや不可解な判定ながらも、流れ的には順風といった先制点を挙げた富山。

スコアが動いた事で、その通りに富山へとペースが固定され。
18分、鍋田ロングパス→碓井聖落としを経て、高橋馨が果敢にロングシュート(ゴール上へ外れる)を放った事でホームの観衆を沸かせるとともに雰囲気を味方に付け。
続く19分には敵陣で碓井聖がボール奪取とプレスを嵌めた(その後戻して作り直し)事で、長野の反撃体制にも蓋をする事に成功。
こうしてひたすら殴り続ける体勢を築くと、25分に安光のパスカットから攻撃開始、溜めを作りながらパスを繋いだ末に中央→右へと展開。
西矢からクロスを入れると見せかけ戻しを選択すると、中央から椎名が裏抜けする吉平へミドルパスを送り、綺麗に合わせシュートを放った吉平。
しかしゴール上へ外してしまい、決定機を逃すと同時に飲水タイムが挟まれました。

命拾いした長野ですが、ブレイク明けも28分、最終ラインで池ヶ谷がコントロールミスして吉平に奪われる(その後碓井聖がエリア内を突くも撃てず)という具合に不安定ぶりは何ら変わる事は無く。
パスミスから好機を作られたりと、安い失点の危機が過るなかでの反撃を強いられる展開に。

32分、最終ラインでパスを繋ぐも、富山の崩れない守備隊形を受け右サイド裏へのロングパスを選択。
これを浮田が収めて何とか上がってきた近藤へ繋ぎ、奥に切り込んでカットインからマイナスのクロス(ブロックされコーナーキックに)と、際どく掻い潜って好機を作り上げ。
この右CKは、ショートコーナーからの繋ぎを経て古賀がミドルシュート(エリア内でブロック)とフィニッシュに繋げたものの、好循環をもたらすには至りません。
40分に再び近藤が右サイド奥へ切り込み、ポケットからマイナスのクロス。
今度は浮田がニアで受けてキープし、鍋田に倒された事でPKか、というシーンになるもこちらは笛は鳴らず。
やっと作った好機も、不満を貯めるのみという結果に終わります。

結局これが長野の前半最後の好機となり、以降は再び富山の独壇場という展開に。
高橋耕が吉平に倒されて痛む(34分)→逆に吉平が高橋耕(41分)に倒されて痛むという珍妙な絵図が繋がったのち、敵陣でボールゲインを多発させるという本来の姿を描く富山。
45分には西矢が敵陣でボールをこぼし、拾いにいった吉平が古賀に腕で引っ張られ阻止された事で反則となり。
この右サイド遠目でのフリーキックから、クロスの跳ね返りを拾ったのち河井がミドルシュートを放つもゴール上へと外れ。
欲しかった2点目は奪えず、その後のアディショナルタイムでは長野がボール保持するも何も起こす事は出来ず、前半終了となりました。

当然ながら良いとは言えない流れの長野、ハーフタイムで2枚替えに踏みきり。
池ヶ谷・山中→西村・忽那へと2枚替え、高橋耕が空いた右センターバックに降りる事で、流れを変えに掛かりました。

後半開始とともに、前半終わり際から引き継がれるように始まる長野のボール保持。
しかし今度は流れは良好で、しっかりと好機を作り続けてポゼッションスタイル本来の威力を発揮します。

その要因は投入された西村で、前線3枚の姿勢を取る富山の裏に位置取り、特にサイドに流れる事で前に出たSHの背後を取る形に。
そこでパスを引き出し、前線への橋渡し役に徹した事で前半とは雲泥の差という攻めの流れを構築。

最初のフィニッシュは後半4分で、右スローインから浮田がポストプレイで浮かせ、ポケットへ走り込んだ忽那がダイレクトでシュート。(GK田川がセーブ)
その忽那の働きも絶妙で、前進に成功したボールを自らチャンスエリアへ運ぶ・中央で受け逆サイドへ展開するという具合に多彩な矛へと繋げ。
まずは采配が大当たりという事を示した長野。

一転圧される事となった富山ですが、最初の好機となった8分、その長野のベクトルの逆を突くような決定機。
左サイドでの前進の姿勢から、河井のサイドチェンジで薄い右サイドを突き、スルーパスに走り込んだ椎名のグラウンダーのクロスが中央の碓井聖へ。
しかしワントラップから放たれたシュートは大野がブロックと、好循環を得た直後に失点してしまうという喜劇的な流れは何とか防ぎ。
引き続きペースを保つ長野、10分に右サイドでの前進から中央→左と逆サイドへ送る攻めで、ポケットへのスルーパスに走り込んだ田中がグラウンダーでクロス。
そしてニアで走り込んだ忽那がシュートしますが、GK田川のセーブに阻まれます。

次第に守護神頼みな展開を強いられる富山、14分に椎名・吉平→松岡・布施谷へ2枚替えと、こちらも采配で流れを変えんとしますが果たされる事は無く。
投入直後こそ長野のパスミスから好機を生み出したものの、フィニッシュには繋げられずに終わると再び長野のターンとなり。
ハイプレスに出た所を間を通されるなど、相手のペースを強引に断ち切りにいった所を突かれるという絵図をサッカーで示される事となります。

そして19分、右サイドを近藤→高橋耕へとプレスの間を通すパスで突破したのちに前進、敵陣で細かく繋ぐ状況へ持ち込む長野。
そして中央でのキープから、近藤がエリア内左へ送ったミドルパスを田中が折り返すと、綺麗に裏を取った三田が後ろから神山に倒され。
今度は反則の笛が鳴り響き(神山に警告)、PKにはPKで返すという格好のシーンが訪れます。
トップスコアラーの浮田がキッカーを務める、同点への千載一遇のチャンス。
そしてゴール左へシュートが放たれましたが、GK田川がこれを読みきってセーブし、こぼれ球を自ら抑えて凌ぎます。
この絶体絶命のピンチも防ぐという具合に、守護神頼みというマイナス面が最大の武器と化した瞬間に。
その後ラインアウトしたのち、PKの前から準備していた交代カードを切る富山。(河井・碓井聖→坪川・松本、22分)

後半の飲水タイムが挟まれた後は、第4クォーターに相応しい激しく攻撃権が入れ替わる展開に。
27分に富山のカウンター→長野のカウンターというそれを象徴する絵図が発生も、結局お互いスピードダウンを強いられるなど実にならず。

そんな試合絵図を変える状況に苛まれたのは、28分に三田が足を攣らせた長野の方でした。
慌てて交代の準備をするも、三田がピッチ外に退き暫く10人での戦いを強いられる事に。
富山がパスを回している間に三田が復帰し何とか綻びは防ぐも、想定外という絵図を見せてしまった事に変わり無く。

そして30分に交代敢行し、三田とともに田中も退け、パクスビン・砂森を投入します。(杉井が左WBへ回る)
長いブランクを経てプレー続行の運びとなっているベテラン・砂森ですが、その試合勘は未だ盤石では無いようで。(今季6試合目)
その影響か、最終ラインからのパスワークが距離感が近いものとなり、恐々としたものに見えました。
もう一人のパクスビンも、果敢にハイプレスに出るも周囲との連動性に欠けて間延びを招いてしまい。
その隙に運ばれて富山の好機となる(32分、シュートには繋がらず)など、後半頭の交代とは打って変わって流れを断ち切るものに。

一方富山も、35分に末木が足を攣らせた事で交代を余儀なくされ。
しかしこちらは直後に交代に成功し井上を投入、前線に入った事で高橋馨がボランチへと回り。
坪川・高橋馨と、試合当初とは異なるドイスボランチとなりましたが、長野の失速ぶりもあり破綻無く残り時間を過ごします。

長野の最後の交代は39分で、古賀→木原。
これでパクスビンがボランチに回ったようでしたが、前述の前に出る姿勢により西村アンカーの3-3-2-2にも見えるようであり。

布陣的にも不安定となってしまった事で、前半のような最後方のバタつき具合が復活してしまう長野。
42分左サイドをワンタッチの連続で運んでいく富山、井上の前進を経て中央へとサイドを変えるも、松本→松岡へのラストパスが遮断され。
好機が途切れたと思ったその刹那、長野は戻しを経てGK金のフィードで脱出しようするも大野にぶち当たってしまい、こぼれ球をエリア内で松本が収める泣きっ面に蜂の状態に。
しかし突如訪れたこの決定機、松本のシュートをGK金が足でセーブとモノに出来ず。

九死に一生を得たという長野ですが、その後攻撃に出た所、遮断されて薄くなった後方を突かれるの連続。
好機は作るものの危機の方が目立つという流れで、そのままATへ突入します。

そして左からの杉井のクロスを、木原がトラップするも収まらずクリアされると富山のカウンターとなり、松本のポストプレイから井上がドリブルで一気に持ち運んだ末に左ポケットへスルーパス。
そこに布施谷が抜け出すという、まさに紙同然となった相手のディフェンスを綺麗に突いた所で、必死に阻止せんとした大野のスライディングで倒されて反則の笛が鳴り。
これで3度目のPKと、度重なるPK判定もあり納得出来ないという態度を示す長野ですが、パクスビンが異議による警告を受けるのみに終わります。
大野のスライディングは、芝の状態の悪さもあり引っ掛かった格好となったのも災いしたため、この判定は残念ながら3度のPKのうち最も妥当なものに映り。
そしてキッカーの位置には松岡が着き、右上へと蹴り込んでゴール。
その瞬間、松岡はパフォーマンスでは無く涙を流すという感動を招く絵図となりましたが、どうやらこれがホーム初得点だった故の事。

ともかくようやく2点差となり、長野がすっかり衰えた事で安全圏と化し、その後も富山の攻撃権は続き。
そしてラストプレーは富山のCKと、長野が最後まで反撃の機運を高められないまま、GK金がキャッチした所で試合終了の笛が鳴り響きました。

終わってみればこの日も無失点を維持と、目論見通り良い状態のまま中断を迎えた富山。
今年も大外から追い掛ける立場になりましたが、前年勝ち点ゼロの差で昇格を逃したという悔しい経験が、最後の最後で生きる時は来るでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第22節 アスルクラロ沼津vsFC岐阜

2024-07-25 16:00:33 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

2位以下の混戦(と言うよりは、首位・大宮の独走)により、どの方面を向いても「昇格争いを占う大事な一戦」になりがちな現在のJ3。
こうした混戦から一歩抜け出せるだけの力は何処にも無く、4位に着けている沼津も、最近5試合は勝敗が綺麗に交互している2勝3敗という成績であり。
無敗で来ている富山・八戸に若干勢いがあると言えますが、果たしてその通りの道を歩むかどうか。
共にそんな状況を抜け出したいチーム同士の対戦。

特徴である「偽サイドバック」戦術をどう活かすかという沼津。
早々の前半1分に、左ワイドでのワンタッチパスの連続による前進から、中央を突かんとしてこぼれた所を、安在が走り込んで右ポケットからグラウンダーでクロス。(シュートには繋がらず)
果敢に最前線にまで上がる安在ですが、この日の立ち位置は何時もの(攻撃時に)ボランチでスタートする姿勢から一転し、ワイドでのプレーを目立たせていた節がありました。
続く2分にも、中村のロングパスをワイドの位置でフリックで繋げた安在、ディフェンスに遭ってのこぼれ球を拾うと奥を突いてクロス。
逆サイド奥へ流れるも鈴木が拾い、戻しから濱縦パス→和田フリックで左ポケットを突き、受けた持井がゴールに近い位置でシュート。
GK後藤の左を抜くも遠藤のブロックに阻まれ、早期の先制点はならずも、これまでのギャップを活かしての攻撃に見えました。

実際岐阜はそれに振り回され、沼津の地上でのビルドアップでも、ワイドの安在をフリーにしてしまう状況を数多作ってしまい。
攻撃機会を多く作られ押し込まれると、エラーも生まれてしまうもので、13分には最終ラインであろう事か左→中央へのパスをエリア内で持井にカットされてしまい。
沼津の攻めを切っての繋ぎの場面で、左ワイドで詰まり気味となった文は最初GKへの戻しを選択しようとした(様に見えた)ものの、鈴木のプレスバックを視界に入れたため真横へのパスに切り替えた結果持井に読まれて発生したものであり。
ここから右ポケット奥に切り込んでマイナスのクロス、受けた津久井が前進の姿勢からヒールパス、濱がダイレクトでシュート(西谷がブロック)と細かくフィニッシュにまで繋げたもののゴールならず。

岐阜は上記の危機から、尚もボール保持する沼津に対し北のボール奪取を切欠にカウンターを仕掛けたもののフィニッシュにまでは持ち込めず。
押し込まれるなか偶発的な好機に賭けるという流れを強いられますが、もう一つの要因が沼津の前線のディフェンスであり。
持井がFWに上がる4-4-2の布陣が基本姿勢の沼津ですが、その持井がマンツーマン気味に西谷に付く姿勢を取るため、中々ボランチ経由での前進姿勢を取れず無駄に時間を潰していきます。

沼津は徳永のミドルシュートの連発など、攻勢をフィニッシュに着実につなげていくもののゴールは割れず。
岐阜がタッチに切った所で、21分とやや早めの段階で飲水タイムが挟まれ。

ブレイクが明けたのちも安在は右ワイドでのプレーが目立ち、23分の最初の好機では後方から一気にエリア内へロングパス、これを鈴木が走り込んでヘディングシュートに繋げ。(枠外)
やはり「偽SB」と評される戦術な以上、何処かで本来のSBとしての働きを混ぜなければ脅威にはなり得ないもの、という結論に落ち着いたでしょうか。

迎えた26分、こぼれ球をやはり右ワイドの位置から安在がダイレクトで縦パスを打ち込んでの好機、和田のポストプレイを挟んで繋ぐも再び安在の下に戻ってくるボール。
最終ラインで中央→左へとサイドを変えると、こちらも濱がワイドで受けて前進と見せかけ中央へパス。
そして菅井が遠目の位置ながら果敢にシュートを放つと、ゴール右へと豪快に突き刺さります。
両ワイドで目線を釣り、中央に出来たスペースを突く(シュートは菅井のゴラッソ気味なものでしたが)という理想的な形で先制を果たした沼津。

スコアが動いた後も、展開はさして変わらず。
反撃したい岐阜は攻撃も守備も良い所無く、無理に前進の姿勢を取ってはボール奪取から危機を招いてしまい。
34分に鈴木が反則気味にボールを奪うと、拾った濱が中央へ流れて持ち運びと、ここで本来の「偽SB」システムらしい動きで好機を呼び込み。
そして上がってきた鈴木がパスを受けて左ポケットを突くと、徳永とのパス交換を経て戻しを選択し、最後は濱がペナルティアークからシュート。
ブロックで何とか防いだ岐阜ですが、変幻自在といった沼津の矛に苦しめられ。

一方の岐阜も、文が最終ラインに残っての3枚でのビルドアップの形から、前線に運べばその文がハーフレーンを上がって来るという「偽SB」を取り入れての攻撃システム。
しかし自身が絞る事でワイドが手薄となり、ウイングが下がって守備をする沼津に対し運ぶ隙が生まれ辛い状況に陥ります。

ゲームを支配している間に追加点を得たい沼津は、43分にロングボールを合わせにいった和田が遠藤に腕でチャージされて反則に。
これで得た左からのFK、キッカー徳永のファーへのクロスを菅井が折り返して好機が生まれるも、合わせにいった鈴木がクリアした田口と交錯してしまい。
その結果反則となり警告、さらに鈴木自身が痛んでしまうという二重の被害を受けて終了してしまいます。

結局1-0のまま前半終了。
ハーフタイムで、巻き返したい岐阜は2枚替えを敢行し、北・藤岡→萩野・生地。
一方沼津も津久井→齋藤へ交代し、鈴木が逆サイドの右WGへと回ります。

岐阜はやはりボランチ経由で運べない状況を改善したかったらしく、投入された2人によるドイスボランチへと変更。
西谷がFWに回るというポジションチェンジを敢行して後半に臨みました。
広範囲に流れてパスを引き出す性質を持つ生地により、沼津の守備姿勢を崩しに掛かったでしょうか。
その狙いは概ね当たり、持井が引き続き萩野をチェックする脇で生地が動き回ってビルドアップを円滑にし。

後半6分、文のボール奪取から右サイドを前進し、細かなパスワークを経て左ポケットを突き。
荒木が安在を股抜きしてカットインを仕掛け、クリアされるも左コーナーキックで継続すると、キッカーは荒木。
ファーに向けて上がったクロスがそのままゴールへ向かう軌道となり、右ポストを直撃し跳ね返った所を、さらに新垣が追撃のシュート。
しかしジャストミートせず左へ逸れて逃してしまい。

それでも好循環は変わらず、9分に沼津のプレスを引き寄せて甲斐が速いミドルパスを送り、田口の落としを経て中央をパスワークで前進。
西谷→田口へのパスは遮断されるも、沼津が繋がんとした所パスミスが生まれ、文が拾って継続される岐阜の攻撃。
そしてパス&ゴーでエリア内へ走り込んだ文の所へ、新垣→荒木と経由し流れるボール、そして放たれるシュート。
GK武者が防がんと前に出た所を抜いて、ゴールに突き刺さり同点に追い付きます。

沼津のお株を奪うような、超攻撃的SBの働きを見せた文。
こちらも「偽SB」の立ち位置を基本としながら、後半はワイドで抜け出すシーンが目立つなど、両者を混ぜながら立ち回った結果繋がったゴールだったでしょうか。
尚も11分、左ワイドで拾った文がパス&ゴーで今度は中央へ流れ、持ち運んだ荒木のパスを受けての好機。
そして新垣を経由して右ポケットへ送られ、逆のSBである石田が上がって来てシュート(枠外)と、沼津同様に両SBが好機に絡む事でリズムを保ち。

しかしその高揚感か、前への意識を高めた結果後方では沼津のパスワークに対し激しいアタックを仕掛けるようになり、反則を量産する事に。
ブツ切りの流れを余儀なくされ、好循環も一時的なものに終わります。
そして沼津は17分、最終ラインでパスを繋いだのち一気に左サイド裏へ附木がロングパスと、疑似カウンター的なチャンスクリエイトを経て齋藤が左ポケットへ進入。
ここでさらにカットインを仕掛けて中央まで流れ、シュートを放った斎藤でしたが最後まで付いてきた甲斐のブロックに阻まれ。
そして跳ね返りを繋いだ岐阜のカウンターに持ち込まれる(シュートには繋がらず)という具合に、移籍のレールに乗っかって以降どうしても運が落ちたように見える齋藤のプレーぶり。
一方の岐阜も、ここでの好機が最後文が徳永に反則気味に止められた事で、「こっちの反則はすぐに取られるのにどうして……」という意味合いのブーイングがスタンドから沸き上がる状態に。

どちらとも言えない流れの中、22分に後半の飲水タイムに。
ブレイク明けの段階で、岐阜はさらにカードを切り遠藤→野澤へと交代。

硬直する展開とともに岐阜も流動性を失い、再びボランチ経由の攻めが出来なくなる状態に陥る事で沼津へと針が傾き。
そうなると沼津の流動的な「偽SB」システムが活き易い状況で、27分に右からの徳永のクロスを合わせにいったのは濱。(クリアされて撃てず)

このタイミングで攻勢に繋げるべく沼津ベンチも動き、30分に川又を投入。(和田と交代、同時に鈴木→柳町に交代)
すると岐阜も31分、新垣→松本へ交代とすかさず動きを見せます。
ラスト15分(+アディショナルタイム)という最終局面に相応しい采配を見せる両サイド。

どちらもフィニッシュに繋げられない攻めを繰り返し、迎えた34分、敵陣浅めでボールを持った生地は戻しを選択して攻め直し。
すると文縦パス→西谷フリックでギアを上げ、受けた田口がディフェンスに遭いこぼれた所、拾った西谷が中村に倒された事で反則の笛が鳴り。
これにより中央・エリアからすぐ手前という絶好の位置での直接FKと、とうとうゴールを生み易い状況を作り上げた岐阜。
入念に壁を作る沼津に対し、(荒木・石田・文のうち)3人の誰が蹴るか長考した結果、蹴りにいったのは石田。
しかし壁を直撃してゴール上へと逸れ、その後のCKからの攻めもモノに出来ず終わってしまいます。

交代以降やや勢いが削がれた感のある沼津、ブーストを掛けるべく38分に最後の交代。
齋藤・川又と同じく大ベテランの染矢を投入(徳永と交代、同時に持井→遠山へと交代)し、右ウイングに入りその原動力にせんとします。(柳町が前方インサイドハーフへシフト、遠山がアンカーに入り菅井が後方IHへ)

すると39分、安在の縦パスを受けた染矢がドリブルに入り、そのまま右サイド奥を突いてグラウンダーでクロス。
これはブロックされて右CKとなるも、すかさず遠山からのショートコーナーを受け、再度遠山に返したのちクロスが上がり。
これが大外に送られるボールとなると、待ち構えていた中村が合わせボレーシュート、ゴール左へと突き刺さります。
フリーとなった状況・放たれたシュートともに綺麗な絵図となった終盤での勝ち越し点に、一斉に殊勲の中村を取り囲む沼津選手。

土壇場でビハインドとなってしまった岐阜、キックオフ前に最後の交代を使用し田口→イヨンジェ。
沼津同様、Jリーグ歴の長いベテランであるイヨンジェの存在で追い付かんとします。

しかしそれに合わせるべきクロスは中々上げられず、時間を費やす岐阜。
そしてATへ突入すると、染矢の反則気味のスライディングでボールを奪った沼津がカウンターを展開し、敵陣にドリブルで持ち込んだ安在。
スピードダウンするも、リードした終盤な以上深めまで持ち込んだその意義は絶大で、その後またも染矢が奥へ切り込んでのクロスがブロックされてCKに。
そしてコーナーで時間稼ぎに入る、齋藤・川又の元代表コンビの姿はある意味壮観であり。

その姿勢を切った岐阜、最後方の野澤が対角線のロングパスを最前線に上がった石田に送るという、強引な手法ながらも前進に成功。
そして右スローインからクロス攻勢に持ち込み、尚もCK攻勢と、ゴール前にひたすらボールを送り続ける流れに。
その左CKからの二次攻撃で、生地の後方からのミドルパスを萩野が落とし、混戦から小さくこぼれた所を西谷がシュートと決定機。
しかし中村のブロックで際どく防いだ沼津が、勝利への進軍を歩む事となりました。

最後は川又のポストワークが反則を呼んだ事で敵陣深めでのFKとなり、岐阜は万策尽き。
再開後のパスワークの最中に試合終了となり、2-1で勝利を手にした沼津。
これで3位に浮上したものの勝敗が交互する状況は変わっておらず、それを塗り替える連勝は果たして実現できるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第24節 サガン鳥栖vsサンフレッチェ広島

2024-07-24 16:32:39 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

クラブ規模が小さいながらも、かじりつくようにJ1の座を保っている鳥栖。
数少ないトップレベルの長所は、ホーム・駅前不動産スタジアムのアクセスの良さであり。

しかしこの日の相手の広島は、今季それに匹敵するホームスタジアム(エディオンピースウイング広島)を得た事で盛り上がりを見せているチーム。
このように、自身より規模の大きなクラブが優良なホームとなる事で、その長所も霞んでしまわないかという危惧を抱える状況となり。
それが指し示すように成績面でも降格圏からの脱却を狙う状態であり、何だかんだ言っても、やはり最終的には成績で巻き返さなければ話にならず。

広島のキックオフで始まると、いきなり塩谷がロングシュートを狙う(GK朴キャッチ)という法外な立ち回り。
いきなり度肝を抜く事で雰囲気を掴むのに成功し、以降攻めを続ける立ち上がりとなります。
前半5分には塩谷縦パス→マルコスフリックを受けたヴィエイラ、左からカットインを経てミドルシュート。
GK朴がキャッチして防ぎ、鳥栖がビルドアップで反撃と思いきや、縦パスを松本泰がカットして尚も広島のターンに。
そして左からの大橋のクロスの跳ね返りを、新井がダイレクトでミドルシュート(枠外)と、キックオフのシーンに引き摺られるかの如く遠目から果敢にフィニッシュを放っていきます。

全体押し込まれる鳥栖、6分にヴィエイラのポストプレイを後ろから倒してしまった山﨑が反則・警告と早くも被害を出す事となり。
何とか相手の流れを遮断したいという状況で、8分にそのチャンスが訪れ、広島の攻撃を右→左へのサイドチェンジを原田がカットして攻撃開始。
スリヴカが持ち運んで敵陣でサッカーを展開する状況となり、中原が右奥を窺うと見せかけて中央から攻め、横山のミドルシュートが炸裂。
GK大迫がセーブしたこぼれ球を新井が拾い、ピンチ脱出かと思われたその刹那、あろう事かバックパスからの大迫のフィードが長沼にぶち当たった事でゴールへと向かうボール。
これをマルセロが反応良く詰めにいき、その手前で何とかパンチングで掻き出した大迫、交錯気味の絵図となりながら防ぐ事に成功。
しかしクリアをカウンターに繋げ、マルコスが一気に左ポケットまで持ち運んでマイナスのクロス(ブロック)と、攻撃権が慌ただしく入れ替わり。

いきなり落ち着かない展開を強いられた鳥栖ですが、以降はボールポゼッションを高めて反撃に掛かり。
11分の中原のカットインからのミドルシュート(枠外)を皮切りに、広島の姿勢に引き摺られこちらも遠目からフィニッシュを放つ絵図を目立たせます。
14分、スリヴカが開いた右サイドから前進し、中原の斜めの縦パスを転機にサイドを変えて左からのフィニッシュ。
即ち横山がカットインでポケットへ切り込んでのシュートで、やや近めから放つものとなりましたがこれもGK大迫のセーブに阻まれます。

広島ディフェンスは、この日はついに広島で初出場(リーグ戦で)とったイヨハが最終ラインの一角に。
これが6年間レンタルを繰り返していた男のサクセスストーリーか……と感激する暇も無く、立ち上がりは鳥栖のパスワークに振り回され喰い付き気味となっていたイヨハ。
前に出たり、ワイドに開いたりで不安を覚えるその動きも、時間が経つとともにしっかり中央を固める姿勢に落ち着きを見せ。

10分以降5本のシュートを放ち、ペースを握ったかに見えた鳥栖。
しかしそのうち4本がミドルシュートと、あくまで崩しきってはいないその攻撃。
それ故、迎えた21分にGK大迫ロングフィード→ヴィエイラフリックという単純な攻撃一本で、好機の連続で全体前に向かう姿勢へ傾いていたのかマルコスに最終ラインから抜け出され。
そしてダイレクトで放たれたシュートがゴールに突き刺さるという具合に、まさかの最短距離を綺麗に突かれての失点を許してしまいました。

23分に挟まれる飲水タイム。
ブレイクで落ち着きを見せて反撃したい鳥栖ですが、右スローインの連続での押し込みが精一杯と、先制点が攻勢の流れが途切れる格好となり。

そして広島がボールポゼッションを主体に攻め込む時間となり、それに対し暑さの所為か有効なプレッシングを掛けられない鳥栖。
敵陣での広島のパスワークに対し、サイドハーフ(中原)が最終ラインに降りて5バックでの守りを強いられているような絵図も見せてしまいます。

それでも、その姿勢が奏功したかフィニッシュを撃たせずに凌ぎ。
すると今度は鳥栖がポゼッションを確保し、パスワークで崩しを図るもフィニッシュには辿り着けないという逆の展開に。
こうしたシーソーのような状態の均衡を破ったのは広島で38分、左サイドでイヨハのボール奪取から前進し、敵陣で中央→右へとサイドを移した末に新井が奥を窺う姿勢からカットインシュート。(長沼ブロック→GK朴抑える)

これを機に終盤は激しい攻防となり、鳥栖は44分に広島の攻撃を切ったのち、GK朴の素早いスローを河原が入れ替わって前を向いた事でゲーゲンプレスを回避。
そして縦に素早く繋ぎ、スリヴカが持ち運びを経てポケットへスルーパスを送った所にマルセロが走り込むという絶好機が。
しかしこのスルーパスが長くなってGK大迫に抑えられ、精度があれば……というシーンに終わってしまいました。
その後のアディショナルタイムにも、鳥栖のコーナーキックから広島がカウンターに持ち込む(シュートには繋がらず)という具合に、攻守の入れ替わりの激しさを描きながら前半終了となり。

共に交代無く迎えた後半開始、キックオフは鳥栖。
すると右ワイドからの原田のロングパスがバウンドした末に、エリア内でマルセロが反転しながら収めるという願っても無い状況が生まれます。
そして放たれたシュートがGK大迫の股を抜いてゴールネットを揺らし、開始僅か10秒という超速のゴールとなり、同点に追い付いた鳥栖。

これを機に攻守の入れ替わりはさらに激しくなり。
後半3分、空中戦を経てボールを収めにいった松本泰がトラップミスし、拾ったマルセロが一気に左ポケットを突くドリブル。
ディフェンスに阻まれCKとなるも、僅かな隙を見逃さないという攻防の幕開けとなったでしょうか。

とりわけ8分の攻防が凄まじく、鳥栖は左スローインから素早く中央→右へとサイドを変え、原田の奥からのマイナスのクロスが中央のスリヴカへ。
しかしスリヴカのシュートはミート出来ず、クリアボールをマルコスが拾って広島の攻撃に。
松本泰の持ち運びを経て、右ワイドで受けた新井がカットインからミドルシュートを撃つも、ブロックで防がれると今度は鳥栖のカウンター。
左ワイドを横山がドリブルで猛進し、カットインで左ポケットへ切り込むと、そのまま中央まで流れた末にシュート。
荒木にブロックされるも今度は拾って二次攻撃に繋げる鳥栖、左サイド最奥でマルセロが強引にカットイン、GKを引き付ける姿勢から中央へラストパス。
しかし福田はワントラップからのシュートを選択した結果、GK大迫が距離を詰める余裕を作ってしまい決められません。
頭部でのセーブという気迫の絵図を見せてこの決定機を防いだ大迫、CKの前に主審により脳震盪チェックが挟まれるも、無事に継続します。

落ち着く暇も無く、11分には広島の好機、大橋の右→左へのサイドチェンジを受けた東が左ポケットへ切り込み。
シュートはブロックに阻まれ、鳥栖が拾ったものの縦パスをすかさずイヨハが遮断し、跳ね返りを拾ったマルコスがミドルシュート。
ブロックを掠めてゴール左へ外れと、こぼれ球を拾っても安心できないという状況に陥り。

またこれまでの得点シーンのように、結局は最短距離での攻撃が有効となっていた感があり。
13分、広島の後方からのロングパスをキムテヒョンが跳ね返し、これがマルセロに直接渡った事で鳥栖の好機に。
スルーパスで左ポケットを突いたのち、抜け出して受けたスリヴカからの戻しを経て再度渡ったマルセロが中央からシュート。
GK大迫がセーブした跳ね返りを中原がボレーシュートで詰め、ゴールネットを揺らすのに成功。
しかしその刹那、スリヴカのオフサイドを告げる笛が鳴り響き、流れるようなゴールは幻と化してしまいます。

鳥栖は15分にも、右ワイドからの原田のスルーパスに走り込んだ福田がシュート(ゴール左へ外れる)と、相手の急所を突く事で決定機を迎え。
激しい展開で危うくなってきた広島、16分にマルコス・ヴィエイラ→満田・加藤へと2枚替え。(大橋がFWに回る)
先に動く事で状況打開を図ります。

前線が入れ替わった事で、それによるプレッシングの強度に難儀するシーンが増えていく鳥栖。
最終ラインからの繋ぎはプレス回避するのみで精一杯となり、また広島の攻撃を阻めずに薄くなったエリア内を突かれる状況が膨らんでいき。
19分にこちらも動き、スリヴカ→富樫へと交代したものの流れを変えられません。

そして23分の広島、一旦攻めが途切れたもののゲーゲンプレスで満田が奪い返して尚もアタッキングサードで継続。
そのまま中央からドリブルでエリア内へ切り込み、右へ流れながらシュートするもGK朴がセーブ、跳ね返りが眼前の加藤にぶち当たるも撃ちきれずと辛うじて凌ぎ。
このこぼれ球をエリア外へ跳び出してまで確保した朴ですが、その後のロングフィードで足を捻ってしまったらしく、(その後大橋シュート→キムテヒョンブロックを経て)途切れたのちに痛んで倒れ込み。
リザーブのアルナウが準備するも、1分以上掛けて起き上がりその後も継続します。

しかしこの守護神の奮闘も守勢を変えられず。
25分にクリアミス(山﨑浩のクリアが福田に当たって跳ね返り)を拾われるという形での危機と、守備の慌ただしさは継続し。
ここは加藤のエリア内でのシュートをブロックして防ぐも、こぼれ球をクリアにいったキムテヒョンが空振りした事で尚も続く広島の攻撃。
右ワイド奥で拾った新井がポケットへとパス、受けた松本泰がカットインの姿勢からファーを狙ったシュートで、その綻びを綺麗に突くゴールゲット。
山﨑浩の必死のブロックも及ばず、とうとう均衡が破れたと同時に飲水タイムが採られました。

反撃したい鳥栖ですが、ブレイク明けは既に残り20分を切っているという段階で、体力面はどれだけ残されているかという不安が露わになり。
それを示すかのように、31分にエリア内で足でクリアしたキムテヒョンが攣らせてしまい、そのまま担架で運ばれ交代となり。
その準備の間も10人での凌ぎ(原田がCBを埋め、福田が右サイドバックに)を余儀なくされ、東のシュートを原田がブロック。
これによりCKとなった所でようやく交代に漕ぎ着けます。(上夷と交代、同時に中原→堀米へと交代)

数的同数となり、攻勢の流れを作りたい鳥栖。
36分、右サイドから原田のクロスが上がると、中央でマルセロが足で跳び込むも惜しくも合わず。
しかもその奥で合わせにいった横山が、勢い余ってゴールポストに激突してしまい倒れ込み。
泣きっ面に蜂という状況でしたが、何とか横山は無事に済み。

後方の守備は依然として盤石では無く、40分に満田が無回転でミドルシュートを放つもGK朴がセーブ。
尚も、攻めようとした所をイヨハのカットで矢印を反転させられ、松本泰がエリア内へ小さく浮き球を送った所に大橋が走り込み。
しかしシュートにいって振られた脚は空を切り、何とか命拾い。

41分に最後の交代を敢行する鳥栖、先日(セレッソからレンタルで)補強した清武を投入。(横山と交代、同時に福田→手塚へと交代)
これで敵陣での細かなパスワークが主体となるも、崩しきるに至りません。

逆に42分、広島は右裏へのロングパスを受けた満田から組み立て、戻し→スルーパスで奥を取った加藤がグラウンダーでクロス。
ニアでの東のスルーが綺麗に繋がり、大橋のシュートがゴールに突き刺さります。
この時間帯での追加点で、実質相手の勝利の可能性をゼロにする広島。

鳥栖は45分に手塚のミドルシュートがゴールを襲った(GK大迫セーブ)ぐらいで、1点差では無い事で逆に尚も冴え渡る広島のハイプレス。
その後も遮断されては薄い守備を突かれるの連続で、とてもじゃないが点を返せる雰囲気は膨らまず。

そしてATも+5分となった所で、GK大迫ロングフィード→クリアボールを塩谷が裏へロングパスと、再び手数少なくアタッキングサードを突く広島。
右から満田のクロス→左から志知(東と交代で出場、45分)のクロスと右往左往するボールを経て、中央で拾った満田がエリア内へ切り込み。
疲弊した鳥栖ディフェンスに止める術は無く、放たれたシュートがゴール左へと吸い込まれます。
ダメを押し、無事に勝利確定に至った広島。

結局そのまま1-4で試合終了。
かたや優勝に望みを繋ぎ、かたや降格圏へ転落という明暗が分かれた一戦となりました。

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