ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

2019YBCルヴァンカップ プレーオフステージ第2戦 北海道コンサドーレ札幌vsジュビロ磐田 in札幌厚別公園競技場

2019-06-28 11:08:08 | サッカー観戦記

この時期プロ野球はインターバル中で、平日だからコンサートも無い。
空いていたにも拘らず札幌ドームは使わず、厚別での開催となったプレーオフステージ。
「使用料か?使用料の問題なのか?」という疑念が浮かび上がっては消え、迎えたこの日。
まあ最初から決めていた可能性もあるのですが。
丁度今週地元ニュースなどでは札幌ドーム赤字問題が取り上げられてましたし

予選第6節で引き分け、結局はギリギリの結果となったものの1位通過でこの舞台に立った札幌。
ヤマハで行われたプレーオフステージ第1戦は、半レギュラーどころかリーグ戦では絶対起用されない選手のオンパレードで挑んだ札幌でしたが、唯一起用されたFW・ロペスと途中出場のMF・ルーカスのホットラインで2点を奪い勝利を掴みました。
内容的には磐田に倍以上のシュートを撃たれながらの苦しんでの勝利でしたが、とにかく勝つ事が求められるカップ戦では最良の結果といって差し支えないでしょう。

勝利+アウェイゴールを2つも持ち帰った事で確実に有利となり、迎えたこの試合。
開場前にひとしきり競技場周辺を闊歩すると、外から見えるバックスタンド側の販売所の一つにシャッターが降りているのが見えました。
つまりは営業を縮小してしまっているという事で、メインスタンドとの格差を改めて感じてしまった光景でした。
まあ予選突破できるか否かは不透明なだけに当然といえば当然ですが

そんな訳で、外の屋台でホットドッグを購入してから入場。
前回の反省を踏まえ、電光掲示板とカメラが被らない位置に陣取ります。

掲げられていた横断幕メッセージ。
先日行われたリーグ戦・鳥栖戦は見事な勝利でしたね。

いつもとは違う服装でのコンサドールズ・パフォーマンス。(ちなみにこの後いつものに戻してました)
ドーレくんがこちら(バックスタンド側)を向いた瞬間を撮りました。

練習前の整列。

磐田サイド、柔軟体操の図。
正面だったので撮りやすかった。(どうでもいい)

電光掲示板に映し出されるエンブレム。
並ぶのは、この日ボールパーソンを務めた北海道科学大学高校のサッカー部の皆さん。

スタメン発表の時間。
磐田の発表時に、何故か選手の身長だけ表示されていたのには微妙に笑えました。

 

この日のスタメン。
磐田はDF登録が5人になっているなど、この時点でフォーメーションは描けなかったです。
そういえば去年の札幌は登録上1-8-1になっていた試合がありましたね。

ロペスのみがレギュラーの出場だった第1戦と異なり、この日はDF陣とFW2人(といっても1トップ2シャドーのうちの2人だが)にレギュラー選手を起用。
またヤマハではベンチ入りメンバーを1人削るなど遠征者も絞っての戦いでしたので、ホームの地の利を最大限生かした戦いをするプランを最初から立てていたと思われます。

一方の磐田、ムサエフがすっかりカップ戦要員になっているのは寂しい限りですが、彼とエレンの控え組に加えてアダイウトン・ロドリゲスのレギュラー組の助っ人を組み合わせた布陣。
助っ人の力で不利な状況を打開したい……そんな名波浩監督の考えが透けて見えそうです。
実際行われたサッカーを見てもそれはあまり変わりませんでしたが。

 

この日ドイスボランチの2人。
ともにユース出身の生え抜きですが、中原の方はレンタル移籍を繰り返し今季復帰、しかも移籍先にタイのクラブが含まれていたりという苦労人。(他はガンバ・長崎)
藤村はFW登録ですが、コンバートの準備は万全でしょうか。

 

さてキックオフ。
自分の中でイメージを描けなかった磐田の布陣ですが、エレンが左ウイングバック、櫻内が右WBの3-5-2。中央は針谷・ムサエフ・上原が務めていましたが、誰がボランチだったのかは帰宅まで解りませんでした。(実際は針谷のワンボランチで3-1-4-2だった)

札幌のビルドアップ時は、左センターバックの福森が思い切りサイドに張る動きが目立っていた序盤。
ボランチが経験の浅い2人(中原・藤村)だったためか、自身はビルドアップの出口役を務めている。そんな風に映りました。
かくしてその福森は、前線に効果的なロングパスを何度も供給し攻撃のリズムを作っていきます。

それでも得点シーンは彼とは無関係な所から。
1点目は左からのコーナーキックが流れた所(一応キッカーは福森でしたが)、逆からの早坂のグラウンダーのクロスをロペスが収めてパス、これを鈴木が右足で決めました。
2点目は白井のパスを受けた鈴木がクロス、これが森下の手に当たったとされてハンドとなりPKに。キッカーを務めたロペスが決めました。

以降暫くはPK祭りが開催。19分は進藤の縦パスを受けたロペスがエリア内で藤田に倒されて反則。当然PKとなります
しかしキッカーを務めた岩崎のシュートは、GKの逆を突いたもののゴールポストを直撃。
3点目を逃すと、その直後にエレンの左サイドからのクロスが早坂の手に当たったとされ、これまたPK。キッカーのロドリゲスがしっかりと決め、2-1に。

これで試合の流れは磐田に移り、特に30分以降はチャンスを何度も作ります。
35分、針谷のスルーパスを受けたアダイウトンがエリア内に入りシュートを放ちますがこれはGK菅野が阻み、その後エレンのシュートもDFが防ぎます。
38分、エレンがロドリゲスとのパス交換からドリブルでエリア内に進入しシュート。DFがブロックして菅野がキャッチと際どい場面が続きます。

躍動する磐田の外国人選手。
左WBのエレンは何度も中央に入り、中央のMFムサエフは上下に動き回り攻守に顔を出します。
ロドリゲス・アダイウトンはリーグ戦時同様に、ポジションという枠組みが存在しないかの如く色々な所でボールを受けチャンスを作らんとします。
ただこの4人に比べ日本人選手の目立ちは今一つな印象で、黒子に徹している感がありありと伝わってきました。

聞く所によると、攻撃では何でも出来る存在のロドリゲスは、磐田ベンチから自由なプレーを許可されているとか。
そんな背景もあり、日本人レギュラーの存在が微小になるカップ戦では、汚い言葉を選べば「助っ人頼みのサッカー」と化してしまう。
ルヴァンでは出ていない正GK・カミンスキーの活躍も、それを促進させているのかもしれませんが。

ともかく2-1のまま前半が終わり、後半も磐田の助っ人パワーが札幌に襲い掛かります。
最も危なかったのは後半15分、バイタルエリアでロドリゲス・アダイウトンの2人がどちらがボール保持するのか解らない状況を作り、ロドリゲスが持つとともにアダイウトンは前へ。
ロドリゲスは進藤をフェイントでいなしてから強烈なミドルシュート、GK菅野が弾いた所をアダイウトンが詰めにいきシュート、これも菅野がブロックし難を逃れます。

しかし時間の経過とともに体力も落ちてきたか、磐田が脅かす場面はこの後減少。
38分のロドリゲスのポスト直撃のミドルシュートぐらいで、磐田が得点する事はありませんでした。
30分にムサエフが、33分にアダイウトンが退いたのも影響したでしょうか。(それぞれ森谷・中山に交代)

一方札幌はというと、目立ったのがロペスと交代で出場した金子。
特別指定選手ながら、リーグ戦ではベンチ入りの機会が増えてきている期待の星です。
ヤマハでは右WBでスタメン出場、この日はシャドー(トップ下?)で出場と、一定していないポジションはこれから定められていくのでしょう。

後半24分、その金子に絶好機が。
キムミンテの左→右奥へのロングフィードを、走り込んだ早坂がゴール前に折り返すとそこに居たのは金子。
走り込んでフリーの状態で合わせるも、シュートは力なくゴール左に外れてしまいました。
その後27分・45分とシュートを放ったものの、初ゴールはお預けとなった金子。
新人の中では最もレギュラーに近い存在だけに、結果も欲しかったと思いますが仕方ない。

そんなこんなで試合終了。
2戦とも2-1で勝利した札幌がプライムステージ、つまりベスト8進出を決めました。
これは22年ぶりの事で、前回は1997年。
札幌は未だJリーグ参入前の事で、JFLの立場だったという具合に非常にノスタルジー。

この時は鹿島に0-7の虐殺ゲームを演じられて敗退(2試合合計1-9)しましたが、今回はどうなるでしょうか。
再び鹿島と当たる可能性も低くありませんが、リベンジは出来るのか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2019年J2リーグ第19節 FC琉球vsヴァンフォーレ甲府

2019-06-26 12:15:54 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の甲府の記事はこちら(9節・水戸戦)

その時歴史が動いた。
某テレビ番組のパクr大袈裟な表現ですが、ついにとある記録が途絶える事となったこの試合。

上位争いを続けている甲府ですが、ここに来て故障者が相次いでメンバー編成に一苦労している感が拭えず。
ピーター・ウタカと双璧を成す存在にまで相成ってきたドゥドゥが肩を痛めて途中交代したのが17節(山形戦)で、もう一人のシャドーである曽根田も離脱と一気に前線メンバーが駒落ち状態に。
ウイングバックの田中・ディフェンダーの小出も前節(ヴェルディ戦)で故障と、苦しい状況の中での沖縄遠征となってしまいます。

試合が始まるや、ペースを握ったのはホームの琉球。
プレスに行かず引いて守る甲府ディフェンスを尻目に、ポゼッションサッカーのように敵陣でパスを回してチャンスを伺います。

ベテランの上里(かつて札幌で司令塔として活躍した選手)が中盤の底でゲームを作りつつ、富所・河合・越智・風間宏希(名古屋・風間八宏監督の息子)がポジションチェンジも交えながら中央突破を図る。そして1トップの鈴木(目下J2得点ランキングトップ)がゴールを狙う、ないしはポストプレイや囮となり他の選手がゴール前に迫る。
そんな攻撃のプランが垣間見えるも、引いて守る甲府の中央の守備は固く、序盤は主にサイド突破がメインとなりました。
前半11分、右サイドでセンターバックの増谷が縦パス、富所が繋いで右サイドバックの西岡がエリア内に進入します。
ここで横パスを出し、鈴木がシュートを狙うも甲府DFがブロック。

その後も両サイド(主に西岡と、左SBの福井)からクロスが上がりますがいずれも合わず。
ただ甲府の守りを崩す効果はあったようで、その後パス回しからミドルシュートというパターンも増え始めた所で、21分に風間が甲府・ウタカに反則を受けます。
そのフリーキックを上里が狙い、壁に阻まれるもハンドとなりさらに近い位置でフリーキック。
今度は風間が蹴ると、柔らかいタッチで壁を越えたボールは見事にゴール左上に突き刺さり、琉球が先制に成功します。

その後もショートパスをどんどん繋ぎつつチャンスを作る琉球。
31分、右サイドで西岡・富所・越智がトライアングルを作りボール回しを続けると、富所がスルーパス。
これに越智が受けるふりをして戻ると西岡が一気に飛び出し、越智の動きに釣られた甲府選手を尻目に右奥からクロス。
これはシュートに繋がりませんでしたが、前半の琉球の快調ぶりと甲府の動きの堅さが目に取れたシーンとなりました。

これを機にリードされた側の甲府も反撃に出ますが、逆にそれが首を絞めます。
前半36分、右サイドで横谷・松橋・佐藤和弘のボール回しから一旦戻し、DFの山本が縦パス。
琉球の跳ね返しを小椋が繋ぎ、佐藤和→横谷と渡ってエリア内に進入するもシュートは撃てず。
逆にここからカウンターが炸裂し、河合がセンターライン付近からのドリブルで山本が突破され、エリア手前まで持っていかれて横パス。
これを越智がフリーで受け、エリア内からシュート。37分、欲しかった追加点が入りました。

沸き上がるホーム・琉球。
今季もホームでは負け知らずでここまで来ており、この無敗はなんと2年前の2017年・9月から継続中。
その間30試合にも上りますが、今季からカテゴリーも上がり(J3→J2)、ホームで強さを見せつけられるか一抹の不安もあったでしょう。

しかし沖縄という地の利はJ2でも健在で、シーズン開幕から福岡・愛媛・徳島を破って不敗を維持。(アウェイを含めると開幕4連勝)
その後も試合終了間際に同点に追いつく試合を幾度も見せるなどして、ここまで無敗を維持してきました。

そしてこの日、前半も終わり際の時点で2-0とリード。
しかも相手の甲府はここまでシュート0本と良い所は殆ど無く、今季最良の内容と言ってもいいでしょう。ここまでは。

前半のその後、琉球はボール支配を重視して終わらせたかった事でしょう。
40分から(正確には39:05頃から)約1分ものパス回しを敢行する琉球、フォワードの鈴木がエリア内へのパスをブロックされる場面があっただけで、リスクを避けてのボールキープを続けます。
しかしこれを最後は上里のパスを受けた富所が奪われるという形で終わると、残り時間は甲府の攻めを受ける事に。
そして44分、横谷のスルーパスで森がエリア内左に抜け出し、グラウンダーで上げたクロスをファーサイドで佐藤和が合わせてゴール。2-1となり前半を終えます。

同時刻に行われていた千葉ダービーと内容的には同じような前半。
しかし千葉と違い前半終了間際に抵抗を見せ希望を繋いだ甲府、後半立ち上がりの出方が嫌でも注目されます。

そして甲府が採った策は、ボランチ・横谷とシャドー・佐藤和のポジションを入れ替える事でした。
本来はボランチである佐藤和でしたが、8節・町田戦で故障で途中離脱。前節で復帰を果たすもその間に本来のポジションを失い、2試合連続でシャドーでの出場となっていました。
それまではドゥドゥに曽根田とシャドーに選手が集まっていた事もあり、シャドーとボランチ両方出来る横谷は必然的にボランチで出場を重ねていた。
シャドーが手薄になっても、ボランチ・横谷での良い流れを切りたくないという思惑が伊藤彰監督にはあったのでしょう。

そして前節で敗戦(0-2)、今節もビハインドを許す危機的状況での決断、早速これが功を奏す事に。
後半2分、内田のエリア内へのロングパスに横谷が走り込み、琉球DF・福井が追いすがるもクリアは届かず。
ワンバウンドしたボールを収めた横谷、悠々とシュートを放ち同点弾を決めます。

早速結果を出した事で、ますます動きが良くなる甲府の攻撃。
4分にはカウンターの流れで、横谷のロングパスをウタカが受けてそのままエリア内までドリブル。
相手GK・石井をフェイントでかわしますが、間一髪でシュートは放てず。
6分、再びカウンターの流れで小椋→ウタカポストプレイ→佐藤和ロングパス→森クロスという流れるような攻めでコーナーキックをゲット。

そこから2本目の右サイドからのコーナーキック、時間は後半8分でした。
一旦跳ね返されたボールを小柳が拾い、キッカーだった内田がもう一度クロス。
これがファーサイドを襲い、中央で飛んでいた小椋と琉球・富所を越え、琉球・岡崎のマークを振り切ったウタカの頭に。
ヘディングでネットに突き刺したウタカ、ついに逆転となります。

逆転された琉球は反撃に転じるも、前半のような余裕を持った攻撃は出来ず。
かなり手前からのクロスや無理目のスルーパスを狙う場面が散見し、惜しかったのは甲府GK・河田のパスミスを拾った風間のミドルシュートぐらい(13分)。

こうなるとカウンター主体の甲府の思う壺で、追加点は後半15分でした。
相手の跳ね返しを拾った小椋、ウタカにパスを送ると、間髪入れずウタカは左へスルーパス。
これに森が走り込み、エリア内からダイレクトでシュートを放ち、飛び出してきたGK・石井を抜いて4点目。
15分間で3点を奪った甲府、完全に試合の流れを手繰り寄せました。

これ以降ボールはキープするものの、パスの出し所に苦労する姿が目立った琉球。
守りを固めつつも、前半に比べプレスの圧力を強めてきた甲府に対し、中盤の選手が躍動する事は無く。
そこには強力なホームアドバンテージを得ていた今までの琉球の姿はありませんでした。

時間が経つにつれて再びリトリート傾向が強まってきた甲府、それでも前半とは違い中盤でパスを回して翻弄させる事は出来ず。
後方のキープを上里とDF陣に任せるため、他のMFは攻めを焦るあまり甲府選手の間に入っていってしまいパスコースが無くなるという場面も見られました。
それでもスルーパスを何度か通して好機は作っていましたが、終盤はそれもほとんど通らなくなると、後はミドルシュートかドリブルで剥がしてからのパスぐらい。
最も惜しかったのは後半42分、途中出場の儀保(富所と交代)が右サイドをドリブルで剥がしてからクロス。
これがこぼれた所、これまた途中出場の上門(越智と交代)がボレーシュートを放ちますがゴールの上に外れた場面でしたでしょうか。

アディショナルタイムに入っても琉球は攻勢を見せ、鈴木や上門がシュートを放つも得点には至らず。
逆に自陣でフリーキックを与えてしまうと、これを内田にゴール右隅に決められて5点目。
そのまま試合終了で、ついにホームで31試合ぶりに敗戦を味わう事となった琉球。
一度ゲームプランが乱され、インターバルを挟んでの修正が上手くいかなかった所ガタガタと崩れてしまったかなと思います。
この結果をバネに再び浮上し旋風を巻き起こす事は可能でしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2019年J2リーグ第19節 柏レイソルvsジェフユナイテッド千葉

2019-06-25 19:13:15 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の千葉の記事はこちら(15節・東京V戦)

長い事ご無沙汰していた千葉ダービー、リーグ戦では実に10年ぶり。
といっても、プレシーズンマッチでは毎年「ちばぎんカップ」で戦っているカードではあるのですが。

運命の悪戯か、両チーム10年前と同じ顔ぶれの監督となったこの日の試合。
柏のネルシーニョ氏は既に68歳の大ベテラン、しかもJリーグに初めて関わったのが1994年というかなり昔の事(ヴェルディのヘッドコーチ→翌年から監督)。
その後は南米をメインの仕事場としつつ、ポイントポイントで日本にやって来るネルシーニョ氏。
名古屋(2003年途中~2005年途中)ではあまり成功しませんでしたが、柏では2011年にクラブ初のJ1優勝へと導き、6年もの長期政権を達成。
その実績から直ぐに神戸の監督にも招聘され、2016年には2ndステージでクラブ最高の成績(2位)を残すなど名将ぶりを発揮しましたが、翌年ここから始まったオーナーの身の丈に合わないビッグクラブ指向の渦に巻き込まれ途中解任。
一旦ブラジルに戻ったものの、今季から再び柏の監督に招聘されました。

J2に転落した柏を救うべく……とはいうものの、前回の柏の監督就任時も、チームはJ2降格の危機に瀕しての登場でした(2009年途中)。
残念ながらこの時は降格を止められませんでしたが、翌年に1年で昇格させたうえ2011年の優勝に繋げた、この実績が彼の日本での評価を不変にしたのだと思います。
当時の流れをもう一度、という柏フロントの考えが透けて見えるのは明白ですが、今季はあの時のような圧倒的な成果(1年間で僅か2敗)は今の所得られていません。
J2のチーム数増加とともに、レベル自体も全体で確実に底上げされている現状。
前年は甲府・新潟・大宮の3クラブはいずれも1年でのJ1復帰が果たせなかったように、一度降格してしまうと浮上するのは困難なリーグと化しつつあります。

その柏と2009年に同時に降格した千葉。その当時の監督である江尻篤彦氏が、現在10年ぶりに指揮を執っています。
2010年に柏が圧倒的強さでJ1に返り咲いたのを見送るしか無く、以降は独自の戦いを続けるも昇格は果たせずズルズルと現在まで来てしまっている千葉。

J2の舞台で一度行われて以降、ずっと行われる事は無かった千葉ダービー。
柏の立場にしてみれば、「いつか上がって来い、待っているから」という思いを抱いていた方は少なくなかったはずですが、まさか自分達が落ちる事で再びJ2の舞台で出会ってしまうとは。

さてその試合ですが、一に前半で2点を奪う柏ペース。
二に前半千葉はシュート皆無という柏ペース。
三に、つまりは圧倒的な柏ペースという内容となりました。

後半開始前に千葉は2枚替え(乾→下平・堀米→佐藤寿人)を敢行し何とか流れを掴もうとしますが、無駄なあがきに終わります。
試合終盤こそペースダウンした柏に対し、ボールを持てるようになりますが、チャンスは相変わらず数少なく。
結局後半も放ったシュートは3本のみと、千葉はまさに完敗という試合内容。
スコアこそ2-0から動きませんでしたが、力の差は歴然でした。
ここまでの内容だと「一言で済ませたくない」と思っても、一言で終えてしまいたくなります。

そんな気持ちはとりあえず置いておき。
フォーメーションの観点から両チームを見ると、柏は4バックが基調でこれは前年・前々年から。
前年の降格寸前の時期に3バックを採用した試合もありましたが、その試合(アウェイ川崎戦だったか)は惨敗。

4バックがDNAのようなチームですが、ここ最近のネルシーニョ氏は3バック(3-4-2-1)を採用していました。
9・10節とスコアレスドローが相次いだためか、翌11節(横浜FC戦、この試合も0-0)でテコ入れをするべく代えて以降、17節の愛媛戦までそれは続きました。
それでも攻撃は一向に活性化せず、点が取れない、取れても1点のみの試合が続く事となりこの間の成績は2勝2敗3分と勝ち点を伸ばせず仕舞となります。

そして前節(福岡戦、1-1)で4バック(4-4-2)に戻し、この日も継続。
3バックにする事=チームの改善とはならないという事に気付けたという点が大きかったでしょうか。
この迷走期を有意義なものにするには今後も勝ち点を積み重ねる事が必須ですが、ここから巻き返せるのは十分可能でしょう。
クリスティアーノはじめ、個の力は十分揃っている陣容ですし。

一方の千葉は、江尻氏が監督となってからは3-4-2-1が基調。
しかしこの日、ディフェンスのリーダー格であるベテラン・増嶋が、レンタル元の柏との試合のため出場できず。
そのためか試合開始から4バックのような並びを見せ、元来右ウイングバックの茶島は疑似的な右サイドバックとして守備的なタスクが目立ち、左センターバックの乾は左SBのような位置取りで対面のクリスティアーノの対応に追われる事となりました。

かくして攻撃の流れを全く掴めずに時間が進む中、茶島は上がり目に位置するなど本来のWBの仕事もこなそうとします。
この無理矢理な二方面作戦が裏目となり、柏の左サイド(千葉の右サイド)からの攻撃で1失点目。
2失点目はクリスティアーノの下がりながらのキープで乾が前に出て対応するも、この動きで千葉のDFライン全体が高くなり、その隙を突かれてスルーパスを許しそこから小池のクロス→瀬川のシュート。
苦戦を経て迷いの無くなった柏に対し、イレギュラーへの対応を強いられフォーメーション的に迷走を余儀なくされた千葉。その差が表れていたと思います。

就任当初は守備的な戦術を取りしぶとい戦いで急場を凌いできた江尻氏ですが、この所は複数失点で敗れる試合や、ボール支配はするも点が取れない試合が目立ってきた千葉。
まるで前任監督のフアン・エスナイデル氏時代の弱点が再び露呈してきたような感じであり、監督が代わってもそれが続くとなれば、原因は根強くなってしまっているのか。

江尻氏のサッカーをチームに植え付ける事がとりあえずの最善策になるでしょうが、果たして江尻氏自身がエスナイデル氏のサッカーを受け継いでしまってはいないか。
1-4で大敗した16節・長崎戦以降そんな不安がどうしても拭えず、もしそうだとすると問題解決にはかなりの時間が掛かる事になるでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2019年J2リーグ第18節 横浜FCvs徳島ヴォルティス

2019-06-20 12:27:54 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の横浜FCの記事はこちら(12節・京都戦)
※前回の徳島の記事はこちら(10節・岡山戦)

13節終了後にタヴァレス監督を解任し、今季からヘッドコーチの座に就いていた下平隆宏氏を新監督に昇格させた横浜FC。

前年途中まで柏で指揮を執っていた下平氏ですが、1部リーグ(J1)という結果が出なければ即解任も有り得るリーグ、しかも規模の小さくないクラブでの監督業だったためか、自身の理想を前面に出すという事はあまりしていなかったと思われます。
横浜FCでは、柏時代とは一線をなすパス主体のポゼッションサッカーを目指す事に取り組んでいる下平氏。
前々節からワンボランチの4-3-3というフォーメーションを採用し、そのボランチには大ベテラン・松井を選ぶというパスの回りを加速させる働きを期待しての起用。

とはいえアンカータイプではない、しかも年齢的に最晩年である選手のワンボランチでは守備の強度に不安が残るのは明白。
それをカバーするため他の2人のミッドフィールダーが降りてくる現象が起こりがちで、そうなって守備的にシフトしてしまうとウイング2人もMFに降りてきてしまい、結局1トップのような形になり本末転倒になる事も拭えない。
そんな訳で個人的に3トップというのは、現代サッカーでは1トップ・2トップに比べて扱いが難しいフォーメーションだと思っています。

それはともかくとして、その難しいフォーメーションに移行してからまだ日の浅い横浜FC。
松井が突如としてスタメン固定になったのも、チームの成熟の甘さを彼のキャリアと技術で中盤の底からカバーする意味合いもあるでしょう。
ゴールキーパーにも39歳の南、センターバックにも33歳の伊野波と、ベテランの抜擢で何とか骨組みを作ろうとしている下平氏。
しかしこの日はストライカーであるイバが出場停止なため、緻密な攻撃の組み立てが勝利には不可欠となりそうな厳しい状況。

一方の徳島は、ポゼッションサッカーが基本指向であるリカルド・ロドリゲス監督が率いて3年目。
成熟度ではもちろんこちらの方に軍配が上がるでしょうが、今季は選手の大幅入れ替えもあり序盤戦は出遅れ。
開幕節・鹿児島戦こそボール支配率68%を記録したものの、この試合は乱打戦の末3-4の敗戦。
その後は12節・栃木戦こそ支配率67%・3得点で勝利しましたが、この試合でも2失点と、持ち味を出そうとすればするほど守備面では乱れてしまう印象です。
そんな不安定ぶりもあり守備の立て直しと、その基となるメンバーの最適解探しに難儀している印象で、ヨルディ・バイスや藤田の故障という要素もあり混沌としてきました。
攻撃の要として出場停止以外ではスタメン出場が続いてきた清武も、前節・今節と連続でベンチスタート。
代わって定着気配があるのが杉本・石井に、新潟から移籍してきた河田。
前年新潟で9得点を挙げた河田は、故障していたのか前々節で初スタメン。前節では決勝点となるゴラッソを演出し昇り調子のフォワードです。
この河田と押谷の2トップに、トップ下として野村を起用。
3-2-3-2とも3-4-1-2ともとれるフォーメーションで、試行錯誤の後が見て取れます。

野村も今季加入の移籍組で、しかも元チームはこの日の対戦相手の横浜FC。
この試合への思いは並々ならぬ……とは月並みな表現ですが、そんなドラマが似合う場面が開始早々に訪れる事となります。
前半4分、右サイドから岸本がスローイン、これを受けた押谷が返すと岸本はドリブル開始。
横浜FCの松浦・中里をかわしてクロス、これが低い弾道でニアサイドを突くと飛び込んだ野村が足で合わせ、綺麗にゴールゲット。
恩返しとなる一発を決め、喜びの感情を表す野村。

速い段階でリードを奪った徳島。
その後はボールを握るとパスを回したい横浜FCを、5-3-2のブロックを敷き迎え撃つとともに、そこからプレスを仕掛けます。
ありがちなポゼッションvsカウンターの図式になりかけますが、そうはならなかったのが横浜FCの完成途上というチーム状態です。
パスの精度が今一つでチャンスを作れずに奪われる場面が目立った序盤、逆に徳島は先制後も何度か横浜FCゴールに迫ります。

印象に残ったのが、相手の前線の守備をドリブルで剥がす行為。
前半7分、最終ラインの一角である内田がドリブルで斉藤功佑をかわし小西→河田へと繋いだ場面。
続く9分も、杉本のクロスが跳ね返されたボールを内田が拾いドリブルを開始。ここも斉藤功をかわすも続く相手は突破できず。

パスサッカーが基本といっても、前線からのプレスが激しくなればかわし続けるのは至難となり、そこでドリブルが生きてくる。
DFといえども、相手に二択を押し付ける事が出来るにこした事がありません。
そんなプレーを見せ付けられた横浜FC、中々前線でプレスを嵌める事が出来ず、想定外だったのか後方は連動して守れずにリトリートを余儀なくされます。
そのため尚も前線との間に出来たスペースを使われるという展開を繰り返し、四苦八苦という印象を受けた前半の守備。
27分に徳島ボランチの岩尾が中央をドリブルで持ち上がった際、誰もプレスに行けずに岩尾は悠々とドリブルしながら周囲を見渡しゲームメイクを図ろうとしていました。

この後横浜FC側も、DFの攻撃参加でシュートまで持ち込みます。
前半29分にCB伊野波がドリブルで上がってから縦パス、これを松浦がスルーすると、オーバーラップしていた左SBの袴田が受けてシュート。
アディショナルタイムには、フリーキックからの二次攻撃で、松浦のパスを受けた伊野波がミドルシュート。
徳島の攻撃に感化されたのか、積極的に攻め上がりを見せて前半を終えます。

これで勢いがついたか、後半立ち上がりは横浜FCのターンに。
後半2分の攻撃、カルフィン・ヨン・アピンのクロスが跳ね返されたボールを北爪が拾い、さらにクロス。これがファーに流れ、中里がトラップしたボールを戸島がシュート。
徳島DFがブロックするも、さらに袴田が拾って中里→松浦と繋ぎ、クロスを上げるもブロックに遭いゴールラインを割りようやく攻撃終了。
セカンドボールの拾いから波状攻撃を掛けられるようになり、早い時間帯に同点に追いつきたい所。

しかし後半10分、戸島のパスミスで好機を失うとともに流れも徳島に。
自陣での反則も多くなり、フリーキックから徳島にチャンスを作られるシーンが多々。
流れを取り戻すべく横浜FCは後半15分、この所スーパーサブに落ち着いているレアンドロ・ドミンゲス(以下Rドミンゲス)を、草野とともに投入。(斉藤功佑・松浦が退く)
それでも流れを引き戻すまでには至らず、22分の北爪のロングパスからRドミンゲス落とし→戸島シュート(GK梶川キャッチ)が最も可能性があった攻めだったか。

一方後半の徳島、立ち上がりはリトリートからのプレスとさほど前半と変わらず。
9分には野村の推進力と押谷のポストプレイでカウンターからチャンスを作りかけますが、シュートまではいけず。
横浜FCが流れを失ってからは、前線3人(野村・河田・押谷)が積極的にプレスでビルドアップを脅かす場面も散見します。
この時だけ野村の1トップのような形になり、その後3人はいずれも途中交代した事から、体力を吐き出してでもという前線での守備だったのでしょう。

そんな展開の中、後半24分に徳島が押谷に代え渡井を投入。
すると27分、その渡井が大仕事。岩尾のパスを受け、右サイドの岸本にパス。
岸本は右サイドから横浜FC・袴田をかわしつつエリア内に持ち込んでバックパス、これを渡井がダイレクトでシュートを放ち見事にサイドネットに突き刺しました。

その後の横浜FCは右サイドではRドミンゲス、左サイドでは中山(後半23分辺りから草野とポジション変更で右→左へ)の推進力を頼みに攻めるも中々シュートまでは持ち込めず。
徳島側もペースダウンし、シュートは後半42分、コーナーからの二次攻撃による内田の1本だけ。
河田→清武(後半38分)、野村→狩野(41分)と立て続けに交代し、逃げ切りを図ります。

44分にRドミンゲスのスーパーなゴールが飛び出し1点を返した横浜FCですが、反撃もここまでで1-2で敗戦。
ポゼッションサッカー発展途上のチームに対し、ポゼッションサッカーのチームが貫禄を見せつけた。そんな試合雑感が浮かび上がりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2019年J1リーグ第15節 ジュビロ磐田vsガンバ大阪

2019-06-18 15:02:24 | サッカー視聴記(2020年以前)

今節開始前は勝ち点ワースト(13)に5チームもの名前が並ぶという珍しい順位表が出来上がっており、そのうちの2クラブが雌雄を決した(?)カードとなりました。

名門凋落から幾年か……というチーム同士の対決。
磐田は名波浩氏、ガンバは宮本恒靖氏と、偉大なるOBが監督を務めている点も酷似しています。

試合の方は箇条書きで。
・ともに3バックで一見ミラーマッチを疑ったが、磐田はドイスボランチで3-4-2-1、ガンバは3-3-2-2とズレ。
・立ち上がりは磐田ペース、ガンバはビルドアップにバタついてあっさりロングボールを蹴る場面が目立つ。
・磐田の中心選手の1人・アダイウトンは左右に顔を出して攻撃を助ける。
・中山ワントップ・アダイウトンがシャドーとして動き回る相互関係は機能するものの、決定力という観点では物足りないか。
・前半15分辺りからやっとガンバもパスが回り始める。
・パス回しでかき回して最後はミドルシュート、というパターンでペースも掴み始める。19分に高江、22分に矢島がミドルシュート。
・26分には左サイドからのフリーキック、中村のキックに三浦が頭で合わせてゴールに叩き込むも、戻りオフサイドで無得点に。
・磐田の攻撃はやや左重視。ウイングバックの松本に、山田が絡んで攻め上がる場面多し。
・左センターバック森下は序盤で警告を受けた影響もありあまり上がれず。アダイウトンがしょっちゅうサイドに張り出してくるのもそのためか。
・28分、左サイドでボールを受けたアダイウトンがカットインしてシュートもガンバGK東口が正面でキャッチ。サイドから良い形を作っても、角度が無い所から打つ事になり効果は今一つ。
・ともあれこのシュートを境に前半残りは磐田の時間に。ガンバはカウンター狙いもシュートまで持って行けず。
・左だけでなく右サイドからも攻撃を作れるようになった磐田。右CBの高橋も攻撃に絡み始める。
・前半アディショナルタイム、左から田口の低いクロスに頭から飛び込んだ高橋。しかしわずかに合わず。
・後半開始直後ガンバのチャンス、左CB金英權(キムヨングォン)が縦パスを出し、フォワード食野亮太郎がキープし倉田に繋ぐ。倉田のクロスを福田が落とし、高江がシュートを放つも磐田GK・カミンスキーが弾いてポストに当たり決まらず。
・その直後のコーナーキックも、ファンウィジョシュート(DFブロック)→食野亮シュート(枠外)と立て続けに攻撃を浴びせる。
・しかしガンバの反抗は開始5分で途切れ、後半6分ガンバ陣内でボールを奪った磐田、アダイウトンパス→山田がオフサイドポジションだったので走らず→アダイウトン自ら拾ってシュートという珍しいシーンを見る。(GK東口がキャッチ)
・その後もペースを握る磐田、カウンターを狙うガンバという構図は変わらず。磐田の攻撃内容も左サイド重視と変化なし。
・後半20分、ガンバは高江に代わって大ベテラン・遠藤。同時に磐田も中山→ロドリゲス。
・すると次第にガンバがボールを握る展開に。中盤でパスを散らす役目の遠藤、縦に速く攻めたいFWロドリゲスの交代効果が表れてきたか。
・22分、最終ライン近くで三浦・高尾とともにパスを回していた倉田がスルーパス、受けた福田がクロス→ファンウィジョが収めてからシュートもブロックに防がれる。ダイレクトで打てていればあるいは。
・そのカウンターで磐田、田口のドリブルからアダイウトン→山田→ロドリゲスと渡りミドルシュートも枠を外れる。
・25分、ガンバはさらにアデミウソンを投入。(食野亮と交代)
・それでも磐田はまだ抗いペースを離さず。31分、ロドリゲスの中盤での収めから右サイドに展開、高橋が縦パス。これを小川大貴は収められなかったがこぼれ球にアダイウトンが走り込み、エリア内に進入してシュートするがこれもGK東口がキャッチする。
・33分にも高橋の縦パスを受けた山田がエリア内でシュート、これもブロックに阻まれる。これが磐田最後のシュートとなった。
・磐田が流れを失ったのは38分、端的に言えば山田→大久保への交代から。運動量が落ちてきたのに、それを補うカードでは無かったのが原因だろうか。
・これを契機にガンバが怒涛の攻めを見せる。遠藤や倉田がボールを散らし、右サイドでは福田、左サイドでは中村が躍動し好機を作りまくる。
・41分、矢島のロングパスを磐田DF・大井はクリアできず抜け出したファンウィジョにボールが渡り、シュートを狙うが間一髪戻った高橋が足で触り、飛び出していたGKカミンスキーがジャンプして抑える。
・アディショナルタイムに突入後も敵陣でボールを回して攻めるガンバ。
・右サイドでアデミウソンがパスワークで攻め、遠藤→金→中村と繋いでサイドチェンジ、中村が上げたクロスに矢島がヘディング。値千金ゴールか、と思われたがGKカミンスキーがビッグセーブで逃れる。
・その後のコーナーキックからの倉田のシュートもGKカミンスキーが阻み、最後まで先制点は生まれず試合終了。
・磐田は急激なペースダウンが目立ち、GKカミンスキーに助けられた格好となった。

世代交代がここ数年のテーマであるガンバ。
前年は若手育成をしてもらうという意図もあり、セレッソ大阪でかなりの実績を残したレヴィー・クルピ氏を監督に迎えたものの、ものの見事に躓いて開幕から低空飛行。
クルピ氏が解任されて宮本氏が監督に就いた訳ですが、大ベテラン・今野の復帰に伴いチームも昇り調子になり降格の危険性は過ぎ去ったという、結局はベテランの存在が未だ大きい事を証明して課題は残ったままとなりました。
今野・遠藤・藤本と35歳以上の選手が未だ中心として持て囃されている状況の中、遠藤と今野はベンチスタートがここ4試合続いているという具合に、メスは入ってきているのか。(藤本は7試合連続でベンチ外、故障か?)
この日のような後半途中から起用するやり方だと、良いスイッチとなり効果的かもしれません。

そんな切迫したともいえる状況ですが、ガンバにはU-23という組織があります。(セレッソとFC東京も)
半ば独立クラブのような格好でJ3リーグに参戦するのですが、そこで選手に経験を積ませる→結果を出した選手をJ1に出場させられるという、若手育成にアドバンテージを得ている環境とも言えるでしょう。
今季J3で得点ランクトップをひた走り飛躍、J1でも得点した食野亮がその代表格。
彼だけでなく高江・高尾・福田もここ4試合連続でスタメンと、目に見えた成果が表れ始めています。
そして4試合負け無しと、一定の成功体験を得て尚成長する事が出来るでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする