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DAZN観戦 2022年J1リーグ第31節(順延) 清水エスパルスvsジュビロ磐田

2022-10-24 20:31:32 | サッカー視聴記(2022年J1)

<清水スタメン> 4-4-2(4-4-1-1)
GK 権田
RSB 片山 CB 立田 CB 鈴木義宜 LSB 山原
RSH 中山 DH 白崎 DH 松岡 LSH カルリーニョス・ジュニオ
FW チアゴ・サンタナ ST 北川
<磐田スタメン> 3-4-2-1
GK 三浦
RCB 森岡 CCB 伊藤 LCB 山本義道
RWB 鈴木雄斗 DH 山本康裕 DH 上原 LWB 松本
IH 山田大記 IH 金子
FW 杉本

歴史の長いダービーマッチは得てして「血で血を洗う」という表現が相応しくなりがち。
しかし今年はこの押し迫る状況で、17位と18位の戦いという要素も加わり、デスマッチと呼ぶ事すら生温く感じる一戦となりました。

前試合は首位・マリノス相手に勝利した(1-0)事で、首の皮一枚望みを繋いだという状況である最下位の磐田。
しかしそんな流れに水を差すように、ファビアン・ゴンザレスの契約問題におけるニュースが浮上してしまい、このままでは来季の選手獲得が全面的に不可能となってしまう事態に。
つまりは移籍する選手の穴埋めが出来なくなるという事であり、ここに来て何としても残留しなければならない理由を一つ増やすに至ってしまいました。
一つ上の17位つまり清水との勝ち点差は4で残り3試合、絶対に落とす事は許されない一戦となった静岡ダービー。

いきなりの前半1分に中山のボールカットから攻める清水、白崎が持ち上がってのミドルシュート(GK三浦セーブ)で幕を開け。
磐田にとって見れば、どうして降格圏に居るのか不思議に思う程の名選手を揃えている清水。
そんなメンバーに、この日はロングスローが出来る片山がスタメンに加わった事で、細かな繋ぎとアバウトな前進を織り交ぜた攻撃を繰り出していきました。

それに立ち向かう磐田は傍らから見ていても苦しさが伝わって来ますが、必勝が求められる状況で泣き言を言える訳も無く。
清水の左サイドからの前進を未然に防ぎ、何度か敵陣でボール奪取するシーンを目立たせ、対抗姿勢を取ります。
それでもカルリーニョスの推進力はじめ、止められない時は止められず。
20分に北川が左で受けたのを切欠として奥を突くカルリーニョスから、一旦戻されたのち右へとサイドチェンジ、受けた片山から低いクロス。
中央でサンタナが収めるとそのまま反転シュートに持っていき、ブロックに遭いこぼれたボールに白崎が反応してシュート、GK三浦が足で何とかセーブ。
しかしさらに攻撃継続、エリア内右で拾った中山からのクロスにサンタナが合わせヘディングシュート(ゴール左へ外れる)と、立て続けにゴールを脅かされる危機を招きました。

飲水タイム(23分)ののちも、清水の強力助っ人のゴールへの圧力に再三悩まされ。
この日はボランチにホナウドが不在も、白崎がそれにとって代わるように最終ラインに降りてのビルドアップ・前線に跳び出す役割をこなしてカバー。
28分はスローインから繋いでサンタナがエリア内へラストパスを送ると、北川がスルーした所にカルリーニョスが走り込んでシュート。(GK三浦セーブ)
29分には磐田のクリアミスを左サイドで拾ったカルリーニョス、カットインでハーフレーンに移ったのちシュート。(ブロック)

厳しい凌ぎを強いられる磐田、そして34分についに決壊します。
右サイドからのCK、キッカーの位置に2人が立つ変則形を取った清水は中山のフェイクから山原がクロスを入れると、ニアサイドで白崎が走り込んでのフリック。
そして中央で鈴木義が足で折り返したボールを収めたサンタナ、すかさずシュートを放ちゴールネットを揺らし。
磐田の守備をぶち破ったのはやはり助っ人のサンタナで、先制に成功した清水。

追い掛ける立場となり、マリノス戦のような専守の姿勢では勝てなくなった磐田。
最終ラインから主体的に組み立てる姿勢へと傾倒していくも、攻撃同様に守備でもパワーを見せる清水の前線。
その猛烈に走り回るプレッシングに対し悪戦苦闘は避けられず。
それを何とか掻い潜って前進を果たした41分、右サイドから上原がクロスを入れ、ニアサイドで金子が収めたのち山田大へと渡り。
しかし中山の反則気味のチャージを受けて奪われると一転して清水がカウンターに持ち込む(シュートには繋がらず)という具合に、守備が薄くなっての追加点のリスクも高まる事となりました。

ダービーマッチ故という観点では、前半から何度かヒートアップし危うい場面が見られ。
36分に磐田・伊藤にボールを奪われたカルリーニョスが反則を犯すと、激しく異議を唱えるシーンとなり。
45分には磐田のCKで、クロスをダイレクトで抑えたGK権田でしたが、その後磐田・森岡の妨害を受けた事で逆に森岡に対しチャージしてしまい。
それは思わずユニフォームの胸倉を掴む程であり、二重の意味で負けられないという試合にある意味相応しくもあり。

結局前半は1-0のまま終え、迎えた後半。
早めに同点に追い付きたい磐田ですが、清水のような助っ人に頼れない状況では出来る事は少なく。
その中で、何度か攻撃に絡んでいた鈴木雄を中心とした右サイドアタックに活路を見出します。
3バックを全体右へとスライドさせ、伊藤・山本義の2CBという形を中心としたビルドアップを根底として前進。

しかし右サイドで奥へと辿り着いても、清水ディフェンスの戻りもあって中々クロスを入れられず、ないしは入れてもブロックに遭うシーンが目立ち。
そして人数を掛けた故のカウンターの恐怖も襲い掛かり、後半11分には金子の戻しのパスをカットされて清水の逆襲に。
カルリーニョスのドリブルからのスルーパスを、走り込む中山に対し何とか山本義が蓋をして防ぎます。(その後中山が山本義を倒してしまい反則)
19分には再びカルリーニョスのドリブルでカウンターになりかける所を、上原がスライディングで倒してしまい反則・警告。
攻撃よりも、守備で圧力を受けるシーンが圧倒的に目立ち、中々反撃機運を高められません。

何とか流れを変えようと、14分に山田大・金子→ジャーメイン良・大津に2枚替え。
続く22分には松本・上原→松原・遠藤に2枚替えと、ベンチも積極的に動きましたが、大勢は変わらず後半の飲水タイムが挟まれます。(23分)

元清水の松原がピッチに立った事で、彼が最初にボールを持つだけでブーイングが起こるという具合に、ダービーマッチの色は一層強まるスタジアム。
25分にようやく磐田の右サイドアタックが結実し、鈴木雄の縦パスを受けた大津がエリア内右奥へと切り込んでグラウンダーでクロス。
後半初めてクロスが中央に入る絵図が作られるも、走り込む杉本の手前でGK権田にキャッチされ実らず。

一方の清水、27分に中山が足を痛めるアクシデントに見舞われ、すかさずベンチが動いてヤゴ・ピカチュウを同ポジションで投入します。
それでも依然として優勢なのは変わらず、30分には右サイドでのスローイン(終始片山の長い距離のスローが脅威となっていた)から奥を取り、エリア内へのパスは跳ね返されるも中央で拾ったカルリーニョスがミドルシュート。
ドライブ回転でゴール上部を襲い、GK三浦が何とかセーブしてCKとなると、そこからも松岡がミドルシュートを放ち(GK三浦キャッチ)遠目からも磐田ゴールを脅かしに掛かります。

一向に挽回出来ない磐田、34分に最後のカードを切り山本義→古川に交代、そして4バックへと布陣をシフトします。
<後半34分以降の磐田> 4-4-2
GK 三浦
RSB 鈴木雄 CB 森岡 CB 伊藤 LSB 松原
RSH ジャーメイン DH 山本康 DH 遠藤 LSH 古川
FW 杉本 FW 大津
マリノス戦の殊勲となった高卒新人・古川の投入に、憚らずも賭ける形となります。
その古川は37分、左サイドからの前進を奥への切り込みで締めてクロスを上げると、ファーサイドゴール付近でGK権田が辛うじて弾き。
これにジャーメインが追撃にいくもディフェンスに阻まれて撃てずと、可能性を感じさせるシーンを創出します。

一方の清水はその直前の36分、浮き球をエリア内左で受けた北川がディフェンスに遭いながらも中央へ運び、サンタナのシュート(ブロック→GK三浦キャッチ)に繋げ。
助っ人が躍動する中でセカンドトップとして攻撃を支えてきたこの日の北川でしたが、38分に退く事となり。
代わってベンジャミン・コロリが投入され、先程のピカチュウと併せて「ここに来てまた助っ人が増えるのか……」という気分を齎したものの、これは不発となり以降失速します。

とはいってもその主要因の一つが、40分に杉本が生み出した珍妙なシーンであり、何とも言い難いのですが。
ボールと無関係な所で清水・白崎のチャージを受けると、味方がパスを繋いでいるのを尻目に一方的に白崎に詰め寄り、反撃の手を突き出しにかかる杉本。
ダービーマッチの熱さ云々というよりは、そこから何か歯車が違っていたとしか思えない杉本の蛮行に、異様な空気を生み出されたのがホームの清水にとっては災難だったでしょうか。
これが磐田ベンチにも伝染したか、暴言を吐いたとして西野泰正コーチに警告が出されるという事態も招き。

思わぬ水入りが入り、さらに45分に片山が足を攣らせてしまい、交代準備の間に数的不利を強いられるなどリズムが乱れてきた清水。
そのままアディショナルタイムに突入し、何度もクロスを入れるなどゴールに迫る磐田。
何とか片山→原への交代を果たし11人に戻った清水でしたが、直後の磐田の左スローインからの攻撃。
松原がエリア左脇でキープするも囲まれ、清水・ピカチュウに倒されてボールがこぼれ。
しかし古川が拾って攻撃を継続させると、入れられたマイナスのクロスをニアで受けたジャーメイン、ワントラップからのボレーシュート。
狙いすましたシュートがゴール左へと突き刺さり、土壇場でついに同点に追い付きます。

ATで追い付かれてしまった清水ですが、これが今季7度目の(勝ち点を失う)後半ATの失点という事で悔やんでももう遅く。
直後のキックオフでの攻撃、立田のロングパスから巧く繋がった末にサンタナがエリア内中央からシュートしましたがゴール上へと外れ。

危ういシーンを作ってしまった磐田ですが、直後に自らも決定機を作り。
GK三浦のロングフィードから、収めた杉本のシュートはブロックされましたが尚も繋ぎ、ジャーメインのスルーパスでエリア内右を突いて鈴木雄からマイナスのクロス。
合わせにいったのは古川、シュートは清水・原にブロックされるも横にこぼれたボールを再びシュート。
しかし決まったと思われたそのシュートは、ふかして大きく外してしまいました。
そして決まるのとそうで無いのとでは天と地程の差、というのを実感する事となった磐田サイド。

その後杉本に反則を犯した立田が異議を唱えて警告を受ける等、杉本ワールドに引き込まれた影響が未だ健在のようであった清水。
しかし最後にカウンターに持ち込み、ピカチュウのドリブルからのスルーパスを受けたのはサンタナ、そのままエリア内左に持ち込み。
後は撃つだけ、といった所で必死に戻ってきたのは先程決定機を外した磐田・古川で、そのディフェンスを受けて撃てずに終わります。

そして試合終了を告げる笛が鳴り、1-1で引き分けに終わった静岡ダービー。
磐田にとってはとうとう、残り試合全勝しか残された道は無くなる崖っぷちへ。
一方の清水も、今季も残留決定する時は最終節(ないしは入れ替え戦)というのが確定し、呪縛から抜け出せず。
「サッカー王国・静岡」というのは遠い昔になりつつある事を痛感させる試合だったでしょうか。

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DAZN観戦 2022年J1リーグ第32節 柏レイソルvsセレッソ大阪

2022-10-12 16:15:32 | サッカー視聴記(2022年J1)

<柏スタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK 佐々木
RCB 高橋 CCB 上島 LCB 古賀
RWB 北爪 DH 椎橋 LWB 三丸
IH マテウス・サヴィオ IH ドッジ
FW ドウグラス FW 細谷
<C大阪スタメン> 4-4-2
GK キムジンヒョン
RSB 松田 CB マテイ・ヨニッチ CB 鳥海 LSB 山中
RSH 毎熊 DH 清武 DH 鈴木 LSH 為田
FW アダム・タガート FW 上門

ともに1995年にJリーグ参入したクラブ同士の戦い。
降格3度と同数なうえ、三大タイトル制覇も柏が4度・セレッソが2度と、若干柏に分があるものの親和性は高いといった感じでしょうか。

セレッソのビルドアップに対抗する柏の守備、といった図式となり、前半4分にサヴィオが右サイドでパスカットに成功して柏の攻撃。
細谷→ドウグラスを経由して中央で受け直したサヴィオがドリブルからエリア内左へスルーパス、走り込んだドウグラスがシュート(クロス?)するもブロックに阻まれる、といった最初の好機が生まれました。

しかし柏の守備は、前回観た時と同様に5-3-2の布陣。
それはサイドの数的不利をカバーせんとシャドーが長い距離を走る事を強いられるものであり、前回の相手・FC東京は、サイドバックとウイングのポジションチェンジを頻繁に行う崩しで柏ディフェンスを翻弄。
フォーメーションが異なるこの日のセレッソはどうやって崩しにかかるのか。

ボランチを縦関係にし、清武が前に出る事でほとんど鈴木の1アンカーという形を取り。
そのうえで上門がやや下がり気味となり、攻撃時4-1-4-1へとマイナーチェンジしてのビルドアップを貫いていました。
5レーンに照らし合わせれば、ハーフレーンを飛ばすような長めのパスで、柏の両シャドーを走らせにかかる組み立て。
4-3-3のFC東京のような一発で決定機を生む狂骨さは無いも、相手の弱点をシンプルに突いて弱らせに掛かる立ち回りだったでしょうか。

そうして柏の2列目を走り回らせ、敵陣に進入しても手前からのクロスを多めにする姿勢を取ったセレッソ。
柏の最終ラインはしっかりと持ち場を固め、清武が降りて受けても付いて来ずというスタイル。
アタッキングサードは堅固な分、2列目の守備の負担がいかにも大きそうなシステムであり、それを突くような攻撃だったでしょうか。

そんなシャドーが走り回る光景を目の当たりにした柏ベンチは、前回時と同様に20分過ぎ辺りから布陣変更。
3-4-2-1、守備時5-4-1のシステムへと代え、2列目を4人にして弱点を消しに掛かりました。
即ち細谷が左シャドー・ドッジがボランチに下がるというポジションチェンジが為され。

攻撃時でもその辺りから、最終ラインからボールを繋ぐ姿勢を見せ始めた柏。
対するセレッソの前線の守備は、サイドハーフ1人が前に出ての3枚で柏3バックにプレッシャーを掛けるも、前に出るSHがどちらかなのは時と場合によるといった感じ。
そんな状況故か右の毎熊の意識が曖昧で、古賀と三丸どちらをチェックにいくかで迷いを見せるシーンがあり。
古賀にいった際に三丸が空き、松田が遅れて前に出るも間に合わず、という流れで前に運ばれたのが22分でした。(三丸→ドウグラスへのミドルパスがオフサイドで途切れる)

といっても柏のポゼッションによる攻撃は特に怖くも無く、ロングパス多めという意識故にセレッソもプレスにいく機会は少なく。
反対にセレッソのそれも守備意識の高い柏の前に中々通らず。
そんな一種の膠着状態を打ち破らんと、遠目からのシュートで打開に掛かったセレッソ。
23分ヨニッチのサイドチェンジのパスを受けた山中が中央へ送り、受けた上門のミドルシュートがゴール上部を襲いましたがGK佐々木がセーブ。
27分にもフリーキックから、クロスの跳ね返りを拾った山中がミドルシュートを放ち(枠外)、中~長距離から一定の脅威を植え付けます。
際どいシュートを放った上門でしたが、その反面30分には、ヨニッチのロングパスで右サイド裏を取ったタガートからのクロスをファーで合わせる場面が。
マークも遅れ、後はヘディングシュートが放たれるだけといったシーンでしたが、そこで折り返しを選択した上門。
結果右へと叩かれたボールを松田が走り込んでシュートするも柏・椎橋のブロックに阻まれ、ゴールならずという結果に終わりました。
近場では積極性を出さずという二面性が垣間見られ。

次第にドウグラスのポストワーク、サヴィオのキープ力といった個の力を活かす柏。
それらで前線で溜めを作り、上がった右の北爪が奥を突いてクロスを入れるという攻撃に活路を見出します。
43分にはその流れから右サイドを跳梁すると、クロスは入れずにパスワークからエリア右角を突き。
そしてパスを受けたサヴィオがシュート(セレッソ・鳥海がブロック)と変節を見せると、直後の右コーナーキックでも変化を付け。
サインプレーでキッカー三丸はエリア手前へライナーボールを送り、収めた北爪からシュートが放たれましたが、ゴール上へと外れてモノに出来ず。

マンパワーと作戦で押し込まれたセレッソ、終了間際の45分にはそのプレッシャーからか、あろう事かヨニッチのバックパスが短くなって細谷に掻っ攫われる事態が発生します。
そのままエリア内を突く細谷でしたが、距離を詰めたGKキムジンヒョンが足で何とか掻き出し。
しかし細谷と交錯した事で倒れ込んでしまったキムジンヒョン。
幸いにして前半のアディショナルタイムは無く、そのまま45分が経過したため前半終了の笛が鳴ります。(キムジンヒョンはその後暫くして起き上がり無事)

後半開始を前に、前半に警告を受けた鳥海を交代させたセレッソ。
西尾が投入され、これがアンダー代表から帰還後初の出場となりました。

後半に突入し、プレスの意識をより高めに掛かるセレッソ。
しかし後半3分に最終ラインまで詰めにいくも、GK佐々木を経由したのち上島のフィードでひっくり返され、北爪が裏へ走り込むシーンが。(GKキムジンヒョンが前に出てクリア)

前への意識が裏目に出かねないシーンとなりましたが、続く4分には柏の攻撃を自陣でパスカットしてからのカウンター。
左サイドでタガートが溜めを作り、柏・上島の反則チャージを受けるも為田がこぼれ球を拾って継続、そのままカットインを経てエリア内左へヒールパス。
受けた上門が切り返しからシュートしますが、ゴール右へと外れ。
モノに出来ずも攻守交替させたセレッソ、6分には松田の手前からのクロスは跳ね返されるも、毎熊が即時奪回。
そのままエリア内右を突いてシュートするも、柏・古賀のブロックに防がれ。

押し返したい柏ですが、9分には三丸の浮き球パスを受けたドウグラスが収められず、といったシーンが。
すると12分に早くも動き、そのドウグラスに代えて武藤を投入します。
前半の5-4-1への転換といい、ピッチ上で起きた事象への対処が早いという印象の柏ベンチ。個人的には最初から3-4-2-1の方が良いとは思いますが
前線の運動量を担保し、直後の13分にはプレスを嵌めて敵陣右サイドでサヴィオがボール奪取に成功しましたが、その後のコントロールを誤って好機に繋がらず。
14分にもセレッソのミスからサヴィオが敵陣で拾い、前進ののちエリア内へスルーパスを送ったものの、走り込んだ細谷には合わずと中々ショートカウンターに繋げられません。

するとその直後、クリアボールを繋いで中央から前進するセレッソ、ボールを持った上門は最前線のタガートがオフサイドポジションに居た事もありその右の毎熊へとスルーパス。
しかし毎熊がトラップなのかダイレクトパスなのか区別の付かない受け方をした結果、反応したタガートがシュートしてしまい、オフサイドを採られる事に。
シュート自体はゴールネットを揺らしただけに、勿体無いワンシーンとなってしまいました。

お互い好機が交錯し、ややオープンにも感じられた時間帯。(19分の柏は古賀のロングパスで抜け出した武藤がループシュート、枠外)
柏ベンチは19分に、椎橋→加藤匠人に交代。
それとほぼ同時の20分にセレッソも、毎熊・為田に代えて中原とジェアン・パトリッキを投入、両者動いてきました。

柏サイドも相手をインスパイアしたのか、ビルドアップの際は最終ラインのを広く開け、パスの距離を長くしての繋ぎを見せ始め。
24分にはその体制から右サイドを素早く運び、サヴィオのスルーパスに長い距離を走り込んだ北爪がゴールラインぎりぎりでクロス。
これを同じく長距離を走って来た細谷がフリーで中央で合わせたものの、放たれたボレーシュートは叩き付けるボールとなってしまい、大きくバウンドした末にゴール上へと外れ。
お互いにクロス攻勢が主体も、素直なクロスでは多くは望めないだけに、こうした変化が齎した好機は決めたい所だったでしょう。

その単純なクロスばかりになってきて、手詰まり感が露わになってきたセレッソ。
28分にタガート→加藤陸次樹へ、36分に上門→北野へ交代と、前線にカードを費やすも大きくは変えられず。
35分に清武の右→左へのサイドチェンジを受けた山中が、ドリブルを経て遠目からシュートを放った(枠外)のも、変化を付けたいという意欲の表れだったのでしょうが空回りに終わり。
一方の柏もサヴィオが足を痛めて倒れ込んだのを機に、セレッソ最後のカードと同じタイミングで最後の交代。(サヴィオ・ドッジ→小屋松・戸嶋)

序盤に走らされていたのが効いて来たかのような感じで、その通りこの交代で柏は前線~2列目の選手が5人とも入れ替わりとなりました。
その後セレッソが攻撃権を支配し続ける展開となるのですが、その前の39分にボールをクリアしたヨニッチが柏・武藤のチャージを受け激しく痛み、倒れ込むという顔面蒼白となりそうなシーンが生まれてしまい。
2分近く倒れていたのち何とか起き上がり、ピッチ外→復帰となり一安心となったセレッソサイド。

ひたすら攻撃を仕掛け続けたセレッソでしたが、やはりクロス攻撃に終始して単調の域を出ず。
ATに突入して最初の好機、ロングパスのセカンドボールを拾った加藤陸がエリア内左を突くシーンがありましたが、ここでも柏の戻りを受けてクロスを選択せざるを得ず終わり。(ファーの北野へ上がるもクリアされる)

結局フィニッシュに辿り着く事は無く、このまま終了かと思われた最後の最後に、激しいボールカットの繰り返しを経て柏の攻撃ターンが訪れます。
右サイドに居た武藤へパスを渡さんとし、最初の細谷のパスがカットされるも拾った北爪のスルーパスが通り、受けた武藤が細かいタッチでカットイン。
そして右ハーフレーン・エリア手前からシュートを放ちましたが、GKキムジンヒョンがキャッチと最後の一矢を防ぎ。
どちらも譲らずといった、スコアレスドローで試合は幕を閉じられました。

セレッソは前年のリベンジと言わんばかりのルヴァンカップ決勝に挑む今後。(その前に12日に25節が挟まれていますが)
この記事で述べたような、「J2から汲み上げた選手を戦力に仕立て上げる」というミッションは一定の成果を上げ、同様の狙いで今期に挑んだ(と思われる)浦和を準決勝で撃破。
監督交代して間もない状態で挑む破目となった前年とは違う、という思いはスタッフ・首脳陣の誰もが抱いているはずでしょうが、結果は如何に。

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DAZN観戦 2022年J1リーグ第31節 サガン鳥栖vs京都サンガFC

2022-10-03 16:01:46 | サッカー視聴記(2022年J1)

<鳥栖スタメン> 4-2-3-1
GK 朴一圭
RSB 長沼 CB 原田 CB 島川 LSB 中野伸哉
DH 福田 DH 手塚
RSH 菊地 CH 西川 LSH 岩崎
FW 宮代
<京都スタメン> 4-1-2-3
GK 上福元
RSB 白井 CB 井上 CB 麻田 LSB 本多
DH 川﨑
IH 福岡 IH 武田
RWG 豊川 CF 山崎 LWG 松田

日程が進むにつれ、阿鼻叫喚の声が次第に大きくなるのが残留争いの常。
前節の福岡の勝利で、危険水域の16位に落ちたのは京都であり、当然何が何でも勝ち点が欲しい状況となりました。

前半戦(17節)終了時では9位とそこそこの位置に居たものの、いざ後半へと切り替わると、ここまで2勝のみ(4分6敗)という体たらく。
勝利した19節・札幌戦(2-1)がケチの付き始めと思われ、前半の札幌GK菅野の一発退場で長時間数的優位を確保した試合でしたが、接戦の末の終盤での勝ち越し点で辛くも勝利という振るわない内容。
そこから苦難の始まりで、得点源だったピーター・ウタカが以降全くゴール出来なくなり、現在はレギュラー陥落という惨状。
エースの働きがチームの成績の直結したのかは定かでは無いものの、あれだけ攻撃の中心を担っていたウタカも加齢には勝てないと言わんばかりに、夏場故のコンディション低下をモロに受けた格好となったでしょうか。
そしてこの日もウタカはベンチスタートで、彼のみならず前半戦を支えた荻原・アピアタウィア久といった名前も既に無いため、残留に向けた戦いへ転換した感もあり。

相手の鳥栖は、シーズン前の危惧とは裏腹に既に残留間違い無しという位置をキープ、来年度の川井健太監督の続投も発表されるという安泰モード(当然編成面では別でしょうが)に入っているクラブ。
しかしそのモードとは裏腹に、球際の激しさが際立つ絵図となるのは避けられないといった試合。
コンパクトフィールドが織り成すデュエルの連続に、落ち着いた攻撃の組み立てを行うのはほぼ不可能といった状態で、その中でどう試合を動かしていくのか。
守備も、前線からのプレッシングというよりは、二列目にパスが送り込まれた際のボール奪取・そして切り替わりでのゲーゲンプレスといったシーンに目を奪われる事となりました。

攻撃が思うようにいかないのは試合前の段階で周知の通りなので、鳥栖サイドはスローインで変化を加えにかかった立ち上がり。
素直なボールは殆ど無く、ハーフレーンや中央寄りに投げ入れて受けさせるという変化で、京都の寄せの無効化を図りました。
事前に用意していた節が窺えましたが、前半11分にそのスローインを直接京都・松田にカットされての攻守逆転で前線まで運ばれるなど、確実性を失う諸刃の剣でもあったようで。
逆に14分に京都が左サイド奥からのスローインで繋ぎ、松田がカットインでエリア内左を突いてグラウンダーのクロス、川崎が受けるもGK朴に抑えられシュートは撃てずという際どい好機を作り。

中々最終ラインからの組み立てが実らない鳥栖、17分に京都の攻撃を切ったのち自陣深めからショートパスで繋ぎ始めると、これが運命の分かれ目となります。
当然京都はプレッシングで即時奪回を図り、鳥栖は右サイドで素早いパスでかわしつつ前進していきますが中盤に入った所で京都・川崎がボールカット。
トランジションから運んでいき左へ展開、入れられた松田の低いクロスこそクリアされますが中央で豊川が拾い、切り返して左寄りの位置から対角線を突くシュート。
これがゴール右隅を綺麗に射抜き、ポスト内側を叩いてネットを揺らします。
プレッシャー合戦を制し、ウタカ抜きで見事に先制点を挙げた京都。

窮鼠猫を噛むというべきか、下位相手にリードを許してしまった鳥栖。
眼の色を変えて反撃に移り、19分には宮代のフリック気味のポストプレイで西川が抜け出そうとした所を、京都・井上に倒されて反則。
これでエリアからすぐ手前という絶好の位置での直接フリーキックを得ますが、中央やや左寄りから放たれた手塚のシュートは壁を直撃しモノに出来ず。

鳥栖のビルドアップは、試合前の予想フォーメーションで3バック(3-4-2-1)となっていた通りに、中野伸が中央寄りに絞ったうえで原田が右サイドに張り出し気味となる形の最終ライン。
右サイドのスローインも原田が務める等、サイドバックかと疑うシーンも多々見られました。
それでも京都は激しい寄せに加え、リードを奪った事で中央の固めも厚くなり容易に崩せません。
こうなると岩崎の突破力も頼みとしたい局面であり、26分にはその岩崎が左サイド奥からマイナスへカットイン、エリア手前からシュートを放つもGK上福元がキャッチ。

しかし双方のデュエルの激しさにより、生み出されるのは反則と、それによるグダグダ感。
28分に京都コーナーキックからカウンターになりかけた鳥栖ですが、岩崎のドリブルを反則で止めた京都・本多に警告。
その後の30分に、今度は京都がトランジションの隙を突き中盤からドリブルで運ばんとした川﨑が鳥栖・長沼に倒され、反則となったものの警告は出ず。
これによりヒートアップし、選手ならびにピッチサイドの曺貴裁(チョウキジェ)監督から異議が飛び交う事態となってしまいました。

ボールは支配するものの、上記のムードからか中々ペースを掴めない鳥栖。
そうなるとセットプレーから一発決めたい所であり、36分には右CKから長沼がヘディングシュートを放つも枠外に。
38分に今度は左CKから、クロスの跳ね返りを中野伸がミドルシュートに持っていきましたがブロックと、京都ディフェンスの壁に阻まれます。

そうこうしているうちに、41分には鳥栖・中野伸のクリアミスから京都の好機、エリア内中央での松田のポストプレイを経て武田がミドルシュート。(ブロック)
攻めあぐねている間につまらない失点を献上する、という危惧とも戦わなければならなくなりました。

前半アディショナルタイム(2分)で、ずっとボールを握り好機を窺っていた鳥栖でしたが結局フィニッシュには繋げられず、0-1のまま終了。
すると後半立ち上がりの1分に、またもミス(GK朴の蹴り出しが中野伸に当たって跳ね返り)から敵陣深めから京都の攻撃となり、一旦途切れるも白井が右サイドでカットして継続。
豊川のポストプレイを受けた福岡がエリア内右へ進入、シュートを放つもゴール上へ外れと際どいシーンが作られます。

いきなり危惧が現実のものになりかけた鳥栖でしたが、その後は本格的に3-4-2-1へとシフトした布陣からボール支配。
<後半の鳥栖> 3-4-2-1
GK 朴
RCB 原田 CCB 島川 LCB 中野伸
RWB 長沼 DH 福田 DH 手塚 LWB 岩崎
IH 西川 IH 菊地
FW 宮代
最終ラインは、ボランチ1人が降りてのミシャ式を部分的に取り入れる事で、京都のプレッシングに対抗する姿勢を取ります。

対する京都も走り・追うのを止めず。
6分に鳥栖の右サイド深めからの繋ぎを、プレッシングでミスを誘ってCKをゲット。
しかしそれと同時に山崎が足を痛めてしまい、筋肉系トラブルらしく続行不可能となり担架で運ばれる事態となります。
結局10人で行われたそのCKはモノに出来ず、交代準備の間耐え凌ぐ体勢を強いられる京都。
そして9分に武富が投入され、リードを保ったまま数的同数に。

すると鳥栖ベンチも動き、11分に岩崎・菊地→ジエゴ・本田へと2枚替え。
出場時間チームトップのジエゴ(GK朴を除く)の投入で、安定度を増しての打開を図りにきたでしょうか。
岩崎と同ポジションに入ったジエゴにより、反比例するように手前からのクロスが増えていった以降の左サイド。

アクシデントを境に劣勢を強いられていた京都ですが、再びその渦が発生したのが15分。
今度は本多が足を痛めて続行不可能となり、それを期に本多・松田→メンデス・佐藤へと2枚替え、そしてフォーメーションも弄り。
<後半18分からの京都> 3-4-2-1
GK 上福元
RCB 井上 CCB 麻田 LCB メンデス
RWB 白井 DH 川﨑 DH 武田 LWB 佐藤
IH 武富 IH 福岡
FW 豊川
これによりミラーマッチとなり、デュエル合戦に相応しい試合絵図はさらに深まる事に。
なお交代で入った佐藤は鳥栖からのレンタルですが、出場制限を設けていなかった事でベンチ入りしており、保有権を持つクラブに対し牙を剥く事となりました。

ミラーマッチの利点をフルに活かし、マンツーマンに近くなった守備で僅かな希望も与えずという京都ディフェンス。
苦しくなった鳥栖、22分には左サイド奥でスルーパスに走り込んだジエゴ、ヒールでのトラップで京都・白井を抜こうとしましたがミスとなり実らず。
何とか剥がさんとする結果、難しいプレーを選択せざるを得ないというジレンマも生まれてしまい。

京都はさらに25分、豊川が足を攣らせてしまう事態にも苛まれますが、既にアクシデント絡みで2度交代していたためにギリギリまでプレーさせる事を選択。
古巣対決となった佐藤も、後に鳥栖へ戻るためのアピールと割り切っての必死なプレーを見せ、28分にはカウンターからドリブルシュートを放ち。(ブロック)
皆が皆闘争心溢れるサッカーを見せた末に、34分に最後のカードを切った京都。(豊川・川﨑→宮吉・金子)
同時にこの日のウタカの出番は無くなるも、勝利のためには止むを得ず。

そんな京都の向かってくる姿勢をいなし、同点に辿り着きたい鳥栖。
既に23分に手塚→小野へと交代(本田がシャドー→ボランチへシフト)していましたが、36分にこちらも最後のカードを使い。
西川・福田→垣田・藤田へと2枚替え、垣田・宮代の2トップとし3-3-2-2へシフト。(藤田の1アンカー)

マイナーチェンジでミラーマッチをかわす体勢を採りましたが、以降もグラウンダーでの推進は左サイドからのジエゴのクロスがせいぜいであり。
辛うじて有効となり得たのは、最終ラインでパスを繋ぎ、リードを守る体勢でも前へのベクトルが強い京都を前に引き込んだうえで裏へ浮き球を送るという手法。
38分には左サイドへのロングパスをジエゴが胸で落とし、垣田の繋ぎを受けた本田がカットインからシュートを放ちましたが、ゴール左へと外れ。

40分も過ぎ終盤戦となり、京都はマイボールでもコーナーでキープするという姿勢を見せる(42分)など完全に守り切りの体勢へと移ります。
一層中央が固くなった京都に対し、垣田のフィジカルを活かすボールつまりエリア内へ浮き球を送る事しか手立てが無くなりつつあった鳥栖。
44分、その垣田へ例によって左サイド手前からジエゴのクロスが上がり、京都はメンデスとGK上福元が2人で対処にいくも被ってしまい抑えられず。
こぼれ球に対し原田がシュート体勢に入るという決定機を迎えましたが、原田の振った左足はミート出来ず不発に終わってしまい、同点とはなりませんでした。
以降もATに、同じように垣田へのクロスに対しメンデス・上福元が交錯しクリアできずという場面を迎え、拾ったのは同じく原田。
今度はキープを選択し、ディフェンスに遭いこぼれた所を左ハーフレーンから小野がシュート、しかしゴール右へと外れ。
京都の弱点が露呈した2シーンだっただけに、どちらかモノにしたかった所。

そして試合終了の時を迎え、貴重過ぎる勝ち点3を手にしてプレーオフ圏から脱出を果たした京都。
既に理想のサッカーを追い求める余裕の無い、塹壕戦というような内容でしたが、まさに銃弾をかわすべくの塹壕に入り安全を確保したという今節だったでしょうか。

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DAZN観戦 2022年J1リーグ第30節 アビスパ福岡vs清水エスパルス

2022-09-19 16:01:33 | サッカー視聴記(2022年J1)

<福岡スタメン> 4-4-2
GK 村上
RSB 前嶋 CB ドウグラス・グローリ CB 宮 LSB 志知
RSH ジョルディ・クルークス DH 中村 DH 前 LSH 金森
FW 山岸 FW ルキアン
<清水スタメン> 4-4-2
GK 権田
RSB 原 CB 立田 CB 鈴木義宜 LSB 山原
RSH ヤゴ・ピカチュウ DH 白崎 DH ホナウド LSH 乾
FW チアゴ・サンタナ FW カルリーニョス・ジュニオ

大宮に代わる「残留争いのプロ」の名を踏襲するのはどちらか、というような直接対決。
清水は過去8年間で、最終節でJ1残留を決める事4度。
そのうち降格1度・J2暮らし1度・降格無しのシーズン1度の分を引けば、無風の年が1度のみ(2018年)という有様であり。
シーズン途中で就任したゼ・リカルド監督の下で勝ち点を稼ぎ、何とか最終戦の前に残留を決めて一息つきたいシーズンであります。
一方の福岡は、「5年に一度」の呪いに掛かる前も、現在の清水のような毎年底辺付近を彷徨っていた状態であり。
1998年に行われたJ1参入決定戦など寸での所で踏み止まったのを受け、受験生用のお守り代わりとしてグッズが人気を博した事もありました。

そんな福岡を取り巻く現状は、最初に降格した2001年が思い起こされるようであり。
紳士協定違反を犯してしまったかと思えば、前節・マリノス戦(0-1)では、物議を醸すようなラフプレーの末に相手選手(西村)を負傷させてしまうに至りました。
その加害者?である奈良は今節ベンチ外となるなど、その余波を感じさせられるこの日のスタメン。

2001年のシーズンでは残留争いが進むに従い、ラフプレーへの傾倒が隠せなくなってしまった福岡。
サッカーの中での負傷なら仕方無いといえますが、相手の腕を固めにかかった末の骨折といった、格闘技の試合かと錯覚させるようなプレーも見られる有様であり。
それが逆風となったか、最終盤でヴェルディに逆転されて降格というシーズンを送ってしまったのですが、その二の足を踏む事はチームのイメージのためにも避けたい所。
つまり「激しいプレーを厭わない」というフレーズを履き違えたようなシーンを作らない事に尽きる、と言うべきでしょうか。ちなみにこの日の解説者は当時の「主犯」である中払大介氏だったがこれ以上は言わない

しかし試合が始まると、いきなり清水・山原がルキアンのチャージで痛むシーンで幕を開けたように、この日も選手が倒れるシーンで試合が止まる事が目立ち。
激しいプレーも厭わないという姿勢は変わらずな福岡でしたが、同時に素早い攻めを際立たせる事で清水ゴールを脅かしに掛かります。
前半5分にフリーキックを素早くリスタートさせ、パスを受けた山岸のドリブルでチャンスエリアへ運び、清水・立田のディフェンスに遭いこぼれたボールに反応した中村がシュート。(その前に山岸が立田に反則)
6分には清水のサイドチェンジのパスを金森が巧くカット、そのまま細かいタッチで前方へ運び、エリア手前で中央へラストパス。
そして受けた山岸がシュートするも、ジャストミートせず左へ逸れ。
8分にもラフなミドルパスを山岸が胸で落とし、受けたルキアンが遠目からシュート(清水・立田がブロック)と、少ないタッチ数でフィニッシュに繋げていきます。

一方の清水の攻撃は、右サイドで原が何度か偽SBの動きをとり、ワイドに張る事が多いピカチュウとの関係性を軸としているようであり。
11分にはその右サイドからサンタナ・ホナウドも加わって前進、ホナウドが奥へ持ち込んでカットインの姿勢からグラウンダーでクロス。
GK村上が足を延ばして弾き、こぼれだボールをホナウド自ら拾ってそのままシュートしましたが、立ち直ったGK村上がセーブして防ぎ。
このホナウドの上下動が著しく、最終ラインに降りてビルドアップに加わる事もあれば、この場面のように最前線でフィニッシュに絡む動きで攻撃を活性化させていました。
しかしどうしても負けられない福岡を前にして、以降はフィニッシュに持ち込めずそのまま飲水タイムへ。(24分)

今季逆転勝利が皆無という福岡、先制を目指してブレイク明けから活発に。
27分にはスローインから、山岸がダイレクトにラフにエリア内へ浮き球を送ると、ルキアンが合わせにいってこぼれた所を自ら走り込んでシュート。(ゴール右へ外れる)
ストライカーの意地を感じさせる山岸のプレーぶりでしたが、そんな意に反したのが29分の清水の攻撃。
ホナウドのミドルパスから左サイドでの攻め、山原が持ち上がったのち切り返しからゴールへ向かうクロスを入れ、そこにピカチュウが走り込み。
合わせにいくも触れられなかったピカチュウでしたが、そのままの軌道で右ゴールポスト内側に当たりゴールに吸い込まれるボール。
山岸ならびに福岡を嘲笑うかのように、シュートとはいえないキックで先制点を挙げた清水。

落胆する暇は勿論与えられない福岡、以降も攻め上がるものの、守備意識を高めた清水に対して立ち上がりのような速攻は望めず。
また負けパターンか……という思考が頭を過りましたが、それを180度変えたのがセットプレーでした。
33分に中央で縦パスを受けた山岸、コースを探す最中に清水・ホナウドに反則を受け、絶好の直接FKのチャンス。
これをクルークスでは無く中村が右足で蹴ると、シュートは壁を越えてゴール左へと突き刺さり。
山形時代を思い出させる中村のプレースキック(これがJ1初ゴールとは意外)で、起死回生というべき同点ゴールを挙げました。

息を吹き返した福岡は、40分にGK村上フィード→山岸フリックで受けた金森が左からカットインしてシュート(GK権田キャッチ)という具合に、速攻シーンも蘇り良好な流れに。
そして42分にコーナーキックを得ると、キッカー・クルークスの中央へのクロスに志知が合わせにいき、こぼれた所を詰めたのはファーサイドでフリーになっていた山岸。
ゴールネットを揺らしたものの、マイナス方向へ動いてのシュートはオフサイドを疑わせるものとなり、実際にフラッグが上がっていたためにVARチェックに。
しかし清水・白崎が残っていたため、ゴールは認められて逆転弾となります。

これで初の逆転となった福岡ですが、決して楽観視は出来ず。
前半の残り時間は福岡・グローリと清水・カルリーニョスが頭部同士で激突して倒れ込んだり、山岸が同じくハイボールの競り合いで痛んだりという激しい当たりが目立ち。
ルキアンが立田にチャージを受けるも、反則無しとなった事でヒートアップするなど、試合前の危惧が現実となりかねないシーンもありました。
おかげでただでさえ長いアディショナルタイム(7分)がさらに加算される事となりましたが、スコアは動かずに前半を終えます。

共にハーフタイムでの交代は無く後半開始を迎え。
福岡の速く強い攻撃を受け続けた事でリズムを失ったという印象の前半の清水、流れを取り戻さんと右サイドから仕掛けます。
後半4分、立田→原→ピカチュウと、レーンチェンジからの長いパスで奥を突いた末にピカチュウがクロス。
この低いボールをニアサイドでサンタナが合わせたものの、体勢悪くジャストミート出来ず終わります。

すると直後に再び福岡の速攻が牙を剥き、ゴールキックからのロングフィードで敵陣で空中戦となると、ルキアンの落としを経て山岸がエリア内へパス。
これをクルークスが左ポケット奥へ切り込むと見せかけてのヒールパス、山岸に繋がってそのままシュート。
GK権田の右を抜いてゴールに突き刺さり、2点差に広げるこの日2ゴール目を上げた山岸。

これで今度はブロックを固めるのは福岡の方で、清水はその外でパスを多く回すという「ボールを持たされる展開」を強いられる流れに。
しかし再びホナウドの飛び出しが福岡にとって脅威となり、彼への急所を突くパスでチャンスメイクしていく清水。
そして迎えた13分、中盤でホナウドが触ったのち前線へ上がっていき、そこに白崎からミドルパスが供給されてエリア内で裏を取りにいき。
そこで福岡・中村に倒されるホナウド、反則の笛が鳴りPKとなってしまいます。
緩急を付ける攻撃にポジションチェンジを絡められては、リトリートの姿勢だけでは虚を突かれるといったシーンとなったでしょうか。
これをキッカー・サンタナがキッチリとGK村上の逆を突いて左へ決め、早い時間で1点差に迫ります。

その後も福岡のブロックを崩さんと、レーンチェンジする斜めの縦パスを多く交えて攻め込む清水。
20分には白崎の縦パス(これは純正な90度近い縦パス)を受けたサンタナのキープを経てホナウドがミドルシュート、ブロックされたボールをさらにカルリーニョスが拾ってシュート(枠外)と、強力な助っ人の圧力を発揮せんとします。
そんな清水の攻勢に対し、23分山原の左手前からのクロスをファーサイドで合わせにいくピカチュウと、先制点のようなシーンの攻撃をGK村上がピカチュウのチャージを受けつつ抑える「何とか凌ぐ」という表現をしたくなるシーンなどで防ぐ福岡。
これが不発となった直後に清水は選手交代、ピカチュウを諦める選択を採りました。(中山と交代・同時に乾→鈴木唯人へと交代、カルリーニョスが左サイドハーフへ回る)
一方既にルキアン→フアンマ・デルガドへと交代カードを切っていた(20分)福岡も、同時に金森→田邉へと交代。

27分の福岡、田邉のボール奪取から右サイドを踏襲し、クルークスが奥から田邉とのワンツーでエリア内へ切り込んでマイナスのクロス。
ニアで山岸が合わせるという、再度山岸がゴールを脅かしたもののクルークスがオフサイドとなり無効になります。(シュート自体はGK権田がセーブ)
息詰まる残留争いに忘れられたかのような、遅めの飲水タイムがその直後に採られ。

その後CKも複数得る(2度)など、にわかに押し込み始める福岡。
リードしている以上避けたいのはカウンターでしたが、36分に左スローインからの攻撃が防がれてそれを発動されてしまいます。
北川(カルリーニョスと交代で出場・35分)の縦パスを受けたサンタナがドリブルで運び、鈴木唯とのワンツーでエリア内を突きましたが、逆起点となった福岡・前が戻ってきて反則気味のディフェンスで何とか防ぎ。

これを境に押し込んでいく清水、その末にCK攻勢に突入。
気を抜くのは厳禁な状況の福岡ですが、その2本目の右CK(40分)から、キッカー山原のクロスが中央へ落ちた所を中山が足で合わせシュート。
GK村上が右足を伸ばし辛うじてセーブするという、心臓が止まりそうなシーンを演出してしまいます。
その後も3本目のCKののちにクルークスが清水・岸本(原と交代で出場・35分)を警告付きの反則で止めてしまい、左サイドからのFKとセットプレーに晒される時間は続き。

必死に守る福岡、前線での守備もその様相を見せ。
フアンマも清水・ホナウドのドリブルを防がんとしてスライディングで倒してしまい、反則・警告を受けたその刹那怒りの表情を見せる等、それが空回りしないか不安となるシーンも再度目立っていきます。
そして後半も長めとなったAT(7分)へと突入し。

勝利に向けてブロックを敷く他無い福岡と、その周囲で人数を増やし隙を伺うしかない清水とのにらみ合い。
それでも福岡の逃げ切り体制は順位が示す通り盤石では無く、立田の縦パスを受けた中山がエリア内右を突き、奥からグラウンダーでクロスを入れるも中央のサンタナには合わずといった際どいシーンも生まれ。

その最中にクルークスが足を攣らせてしまったのか、相手のスルーパスに追い掛ける事が出来ずといったシーンも露呈。
自身が一度交代をベンチにアピール(放送席の談)したという事でしたが、同時に前嶋も足を攣らせてしまい窮地に陥る福岡ベンチ。
クローザーに使える駒自体も少ないという状況で、結局採った策は両者を代えず、山岸→三國ケネディエブスへと交代し前線のターゲットを増やすというものでした。

そんな這う這うの体の状態の福岡でしたが、清水もこの日は全体として相手を崩すアイデアに欠けていたという印象であり。
福岡のトランジションを重視したサッカーに応戦していったものの、セットプレーでの失点が致命傷となった感じでしょうか。
結局最後に鈴木唯のエリア内へのパスがズレた所で、試合終了の笛が鳴り響き。

ようやく負のトンネルを抜け出す勝利を挙げた福岡。
トンネルの間に色々物議を醸しただけに、上げ潮ムードを壊すような事象はこれ以上作りたくない所でしょう。

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DAZN観戦 2022年J1リーグ第28節 アビスパ福岡vs名古屋グランパス

2022-09-05 16:01:23 | サッカー視聴記(2022年J1)

<福岡スタメン> 4-4-2
GK 永石
RSB 前嶋 CB 奈良 CB 宮 LSB 志知
RSH ジョルディ・クルークス DH 平塚 DH 前 LSH ルキアン
FW 渡 FW 山岸
<名古屋スタメン> 3-4-2-1
GK ランゲラック
RCB 中谷 CCB チアゴ LCB 藤井
RWB 森下 DH 稲垣 DH レオ・シルバ LWB 相馬
IH 重廣 IH 仙頭
FW 永井

血で血を洗う残留争いでもがくチームと、そんな争いに巻き込まれまいとするチームの対決は、波乱塗れの様相を描き。

開始早々の前半1分に、クルークスが細かいパスを交えて前進、エリア内を突いてシュートを放つもGKランゲラックがキャッチ。
福岡がいきなりゴールを脅かす幸先良い入りかと思いきや、後に「これが決まっていればその後の展開は……」と嘆かずにはいられないシーンが直後に生まれます。

名古屋が相馬の裏へのロングパスで前線を走らせると、エリア外に跳び出して防がんとしたGK永石が、あろう事か戻りながらクリアにいった味方の宮と激突してしまい倒れ込み。
それを余所にエリア内左奥でこぼれ球を拾った重廣がマイナスのクロスを入れ、GK不在のゴールにシュートを決めるだけという状況となる名古屋。
稲垣のシュートこそ右ポストを叩いたものの、跳ね返りを森下が蹴り込み、先制の運びとなります。
しかしそれよりも激突して動けなくなった2名に視点が集まる状況となり、プレーを流すという選択をした主審(中村太氏)も、ゴールが決まった次の瞬間担架を要請し雰囲気は騒然。
一度は起き上がった永石ですが、頭部にダメージを受けた事もあり、脳震盪による交代措置が採られる事となり担架で運ばれ。(宮は何とか続行)
村上が投入され、早々にビハインド+GK交代という窮地に立たされた福岡。

これでこの際の主審の判断に不満を抱える事となった福岡、特に苛立ちが表れていたのがルキアン。
以降名古屋・中谷とのデュエル勝負が頻発し、倒したり倒されたりといったシーンが悪目立ち。

そしてそれが爆発してしまったのが21分でした。
福岡・クルークスが名古屋・藤井のチャージを受け倒れた事で、名古屋サイドがタッチラインにボールを出して福岡の敵陣右サイドからのスローイン。
当然プレゼントボールを選択した前嶋ですが、GKランゲラックへ投げられたボールに対し、まさかのルキアンが走り込んでそれを遮断。
前嶋が困惑のポーズを取るのを余所にマイナスのクロスを入れるルキアン、それをアタッカーの性でしょうか、躊躇う事無く合わせてシュートを放つクルークス。
ゴール右へと突き刺さり同点となったものの、当然のように名古屋サイドが大紛糾する事態となります。
ベンチサイドも大揉めとなり、結局は長谷部茂利監督の主導により、キックオフから守備放棄をして相手に1点献上する姿勢を取る事で決着。
名古屋・永井が悠々と前進したのちゴールへボールを転がし、1-2というスコアで仕切り直しとなりました。

名古屋1点目のシーンですが、「頭部同士の接触なので直ちに試合を止めるべきだった」と「味方同士での激突なので続行という判断は正しい」という意見の分かれる状況。
そんな難しい流れから後者を選択した主審・中村太氏の判断は、しこりを残す結果にはなったものの間違いでは無く。

一方福岡1点目のシーンは、伏線があったとはいえ責められるべきは福岡サイド。
過去を紐解くと、2003年のカップ戦・京都vs大分で、大分・ロドリゴが味方のプレゼントボールを掻っ攫って自らゴールを決めたという事象を起こし。
この時も相手に得点を与える措置を採った大分サイドですが、一方でその後ロドリゴは夏の移籍でチームならびにJリーグを去るという事態にまで発展してしまいました。
ベンチの判断に納得いかないというジェスチャーを見せていた得点者のクルークス、後に冷静になったのか、ハーフタイムで名古屋ベンチに謝罪するという場面が描かれ。
これでこの日は一件落着となった(と思われる)ものの、今後の福岡クラブ側の対処は果たして。

そんな異例の絵図が大きくウェイトを占めた前半、そのため30分という遅めの時間に飲水タイムが採られ。

立場的に厳しい状況でこの試合に臨んだ福岡、結果的に不運も絡み常時ビハインドを強いられる試合となったものの、相手対策という観点では悪くなく。
4-4-2の守備ブロックから、名古屋のビルドアップの際には右SHのクルークスが前に出て3枚でプレッシングを掛けるスタイル。
左SHにコンバートされたルキアンも、名古屋・森下をケアする姿勢を崩さず、ボランチの前・平塚も名古屋のボランチ2名をチェックする体勢。
これで名古屋はショートパスで運ぶ事はほぼ出来なくなっていました。

惜しむらくは、やはり個人能力の差で名古屋の方が上回っていた事でしょうか。
レオ・シルバや森下のドリブルでの運びを止められず、また名古屋の逃げのロングパスに対しても、落下点で手を焼くというディフェンス陣の弱さが垣間見え。
折角対策が奏功しても、その他の手立てを封じる事が出来ずという攻防に。
この辺りはウィルス感染に苛まれ、一時はGKまでもフィールダーとして出場するといった事態を招くなど苦境に塗れた影響が感じられ。一方名古屋は誤報告で処分を受けていた
夏の移籍で三國ケネディエブスをレンタルバックさせ加えたものの、J2でも(栃木で)レギュラー争いに敗れていた三國では員数合わせの域を出ず未出場が続いており。

そして38分再び守備面で敗北しての失点を生んでしまい。
名古屋の左サイドからの攻撃、相馬のドリブル・仙頭のボールキープを止める事が出来ず、相馬がエリア内へラストパス。
永井が絶妙なワントラップからのシュートをゴールに突き刺し、2点差へ広げる事に成功しました。

前掛かりになるしか手が無くなった福岡ですが、それにより名古屋のカウンターを受けるシーンが頻発。
色々あった事で8分と長くなったアディショナルタイム、ボールの奪い合いを制して一気に敵陣へと持ち込む名古屋、永井がエリア内左へと切り込んだのち中央へと流れて右へ横パス。
そして森下が走り込んでシュートを放ちましたが、ゴール右へと外れてしまい決定的な4点目はならず。
相馬がピッチ外で福岡・前嶋との交錯で痛んでしまうなか笛が吹かれた事もあり、後味の悪さを残して前半を終える事となった名古屋。

ハーフタイムを挟んで迎えた後半、福岡は渡→ドウグラス・グローリへ交代するとともに布陣変更。
<後半開始~19分までの福岡> 3-4-2-1
GK 村上
RCB 奈良 CCB グローリ LCB 宮
RWB 前嶋 DH 平塚 DH 前 LWB 志知
IH クルークス IH ルキアン
FW 山岸
名古屋と同一フォーメーションという、ミラーマッチで臨みました。

個の力の差で負けている状況でミラーマッチはどうかという懸念を(自分が)抱いたものの、サイドの選手を高目にする効果が徐々に表れ押し込み始める福岡。
志知や前嶋がサイド奥まで切り込んでクロスを入れる場面も増えていきます。
一方の名古屋はリードを続ける影響か、ブロックの位置が徐々に低くなりボール支配ならびに攻撃権の支配を福岡に許していき。

そして迎えた後半12分、中盤で平塚の前進に対し、防がんとしたレオ・シルバがスリップして止められなかった事で敵陣でのパスワークに入る福岡。
サイドを振ったのち右サイドでクルークス・奈良の2人による縦パス攻勢で崩し、奥を突いたクルークスからマイナスのクロス。
そして平塚から放たれたシュートが、GKランゲラックをも棒立ちにさせてゴールネットに突き刺さり。
中央の堅さという名古屋のストロングポイントの乱れを突き、1点差に迫ります。

追われる立場故の危機を感じる事となった名古屋、14分に最初の交代カードを使い。
永井・仙頭→レオナルド・内田宅哉へと2枚替えを敢行します。
名古屋の前線に運動量が加わった事で勢いが削がれた福岡は、17分にルキアンと山岸の位置を入れ替え。
1トップをルキアンとして、その能力に期待する姿勢を取ります。
18分に志知の左サイド奥からのクロスが短くなった所、ルキアンがそのスピードを発揮して拾うシーン(その後のヒールパスが繋がらず)など、それが活かされて良い結果を齎す。
そんな予感を孕ませたのも束の間の19分でした。

名古屋の右サイドからの攻撃、ロングパスを受けてドリブルに入らんとした重廣に対し、福岡・宮が重廣の脚を削ってしまい反則。
足裏でのチャージという事で入念なVAR確認に入る審判団、そしてOFRが行われ。
福岡サイドそして宮にとって緊張の瞬間となり、そして確認が終わった中村太氏は躊躇い無く宮に赤いカードを突き出します。
危険なプレーとして一発退場という判定となり、ピッチを去る事となった宮。

これで10人となった福岡、その前にジョン・マリを投入する体勢を採っていたものの、再考を強いられるベンチ。
結局交代は待つ事となり、暫くはクルークスが右WBの位置に降りる5-3-1での守備体系を採っていたものの、のちに変更。
<後半26分以降の福岡> 4-4-1(4-2-2-1?)
GK 村上
RSB 前嶋 CB 奈良 CB グローリ LSB 志知
RSH クルークス DH 平塚 DH 前 LSH 山岸
FW ルキアン
なお1トップは最初ルキアンでしたが、飲水タイム(26分)ののち再びポジションチェンジして山岸が務め。
それも短い時間の事で、29分に2枚替えを敢行(クルークス・前嶋→マリ・湯澤)し、マリが1トップに入りました。

慌ただしい福岡を尻目に、数的優位を活かしたい名古屋。
31分にレオナルドの力強いポストワークから、前線で右サイドから中央へとパスを繋ぎ、左ハーフレーン・エリア手前で受けた相馬がカットインからミドルシュート。
しかし枠を捉えられず、止めを刺す事は出来ませんでした。
34分に名古屋ベンチも動き、重廣とレオ・シルバに代えて柿谷と宮原を投入。(同時に福岡も平塚→田邉へと交代)

前回対戦時(リーグ戦)も退場者を出す事となりましたが、その際は10人の名古屋がリードを守りきって勝利。(15節・1-0)
これでジンクスを生んだのか、この日は同じく10人の福岡が押し込むという展開を描きます。

決定機を生み出したのはセットプレーからで、そして同時にまたしても物議を醸すシーンともなり。
37分にマリのドリブルを名古屋・内田宅が反則で止めた事で、中央やや左・エリアからはかなり距離があるという所でのフリーキックを得た福岡。
キッカー志知のロビングにマリが合わせにいった所、防がんとした名古屋・稲垣の腕に当たった事で、ゴールラインを割ったのちに福岡サイドが猛抗議。
これでVARチェックに入った所、不可抗力と判断してハンドは無しとなり、左コーナーキックで再開。
しかしこのCKからも、キッカー志知のクロスをニアサイドで奈良がフリックしたボールが名古屋・チアゴの腕に当たってこぼれ。
すかさず放たれたマリのシュートが右ゴールポストを直撃、その跳ね返りをルキアンが詰める(枠外)という、二重三重にも際どいシーンが産出されました。
結局これも、チアゴが腕を引っ込める最中で当たったという判断だったでしょうか、ハンドは無しとなりました。

尚も攻め上がる福岡、44分にはキング・城後を投入(山岸と交代)する事で、ホーム(ベスト電器スタジアム)の雰囲気も最高潮にさせたうえでの同点を狙いにいき。
直後の45分、CKからのこぼれ球を拾った湯澤が持ち運び、左ハーフレーン・エリア手前からシュートを放つも惜しくもサイドネット外側に。
10分という長時間のATに望みを託す事となりましたが、その入りでスローインの判定を巡り奈良が異議で警告を受けるシーンが生まれ、これでムードもやや萎んでしまったでしょうか。

一方名古屋は相馬→吉田豊へと交代と最後の手を打ち、逃げ切り体制に入ります。
レオナルドのポストプレイを巧みに使う事で、陣地と時間を稼ぎ。
右CKを得てボールキープの体勢に入った所、福岡がかき出したボールを尚も拾い、森下のカットインで好機を迎え。
そして戻されたのち稲垣がシュート(ブロック)と、時計を進めつつもまさかの4点目をちらつかせる両得のシーンも生まれます。
その後にはカウンターの大チャンスも作り、柿谷がエリア内でスルーパスを受けてシュートを放つも惜しくもゴール右へと外れ。

何とかそんな名古屋の流れを切るも既に残された時間は少ない福岡、グローリも前線に上げてパワープレイ的に攻め上がり。
志知のミドルパスをそのグローリがダイレクトヒールでエリア内へ送るという巧いプレーから、マリが入れ替わってボレーシュート(名古屋・中谷がブロック)という惜しい好機も生まれましたがゴールは奪えず。
結局そのまま名古屋が逃げ切りに成功し、残留争いへ誘う蜘蛛糸を断ち切るような勝ち点3をゲットしました。

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