ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2020年J1リーグ第19節 鹿島アントラーズvs大分トリニータ

2020-09-30 16:07:06 | サッカー視聴記(2020年以前)

序盤の不調から抜け出し、目下7連勝中と立て直しに成功した鹿島。
元から、チーム力を保ちつつ世代交代も果たさなければならないという難しい舵取りを余儀なくされる状況でありましたが、迷走から抜け出した後は堰を切ったかのように良い流れが巡って来ています。

その要因は様々なものがあるでしょうが(遅まきながら来日・チームに合流を果たしたジーコ氏とか)、世代交代という面では、GKの交代が大きなものだったと思われます。
数年間クォンスンテ・曽ヶ端という2大柱で切り抜けていたものの、曽ヶ端は最晩年で衰退激しく、頼みのクォンスンテもベテランの域に突入したうえ故障がち。
そんな状況で若い沖に白羽の矢が立ち、9節(鳥栖戦)で初スタメンを果たすと、以降正GK争いに勝ち抜いて見事に定着。
連勝中もずっとスタメン出場を続けており、この好調ぶりに乗っかって尚も飛躍しようという所まで伸し上がっています。

7連勝とはいっても、相手を圧倒した試合は一つも無く、接戦を制し続けてのものばかり。
前節・湘南戦はその総決算で、ボール支配するものの決め手に欠き、徐々に相手ペースになっていく苦しい内容。
そんな中で終了間際に先制点を挙げ、1-0での勝利と、鹿島らしいタフさも完全に戻って来たかのような試合でした。
それでも過密日程には勝てず、この日は大幅なターンオーバーを余儀なくされて挑みます。

相手は大分で、激しいポゼッションの握り合いが予想されたものの、序盤から鹿島が主導権を握り圧倒的にボールを支配。
攻撃が途切れても、すかさず即時奪回・セカンドボールを拾う等でターンを継続し、大分に攻撃をさせない時間を長く作っていきます。

その鹿島のビルドアップは、2センターバックの間にボランチ1人が降りて来るという「丁の字型」。
この形も定番になりつつありますが、この日犬飼の出場停止により町田浩樹がCBの一角になった事で、サイドへ開きたがる傾向が強かったのが特徴でしょうか。
長身で植田・昌子(現ガンバ)の後を継ぐCBとしての期待が高いと思われますが、前年は左サイドバックでの出場が主で、その残り香が強かったのか。

ともかく、この最終ラインの形によって、サイドバックを上がり目にするというスタイル。
終始押し気味だった前半は、SBは常に敵陣に居るような状態でした。
4-4-1-1という登録上のフォーメーションですが、両サイドハーフがかなり自由に動き回りボールを引き出していくなど、フォーメーションがあって無いかのような怒涛の攻撃を仕掛けていく鹿島。

一方の大分、ボール奪回時は最終ラインからボールを繋ごうと試みますが、徒労に終わり奪われてショートカウンターを誘発してしまう事多々。
飲水タイムまで、大分の攻撃機会は僅か1度(自分の集計)に終わるという散々な内容で、鹿島に流れの針が全振りになっているようでした。

しかしこの日は、高い位置でボールを奪取しても、精度に問題があった鹿島。
特に4節以外に全試合スタメンを張っている、ストライカーのエヴェラウドがやや精彩を欠いていた感があり。
前半26分、ここも敵陣深めで三竿健斗がボール奪取し、バイタルエリアでエヴェラウドにシュートチャンスが巡ってきます。
ところがエヴェラウドはやや躊躇した挙句、エリア内へのスルーパスに切り替えるも、和泉を狙ったそのパスは繋がらず。

この場面が象徴的だったように、数多のチャンスを作りシュートを放っていった鹿島ですが、肝心のゴールは生まれません。
上記の直後の26分、関川のパスカットからエヴェラウドのロングパスが左サイドの和泉に渡り、和泉はカットインからシュートするもゴール上に外れ。
38分にはスローインからファン・アラーノがドリブルで前進、彼のパスを受けた和泉がエリア内左からシュート(ブロック)。
アディショナルタイムには直接フリーキック、アラーノが直接狙いますが壁を直撃、という具合に大分の守備を破るには至らず。

逆に大分は数少ない好機ながら、28分には田中が右からクロス、GK沖が飛び出すもこぼしたボールを星がボレーシュート。(ゴール左へ外れる)
37分には星が左サイドをドリブルしたのちエリア内へスルーパス、中央に走り込む渡を通り過ぎるも、ファーサイドで田中がシュート。(ブロック)
押し込まれつつも、鹿島ゴールを脅かす機会を得て後半に繋げます。

その後半開始の前に、渡に代えて高澤を投入した大分。
鹿島もエヴェラウドを下げる(上田に交代、同時に名古→荒木に交代)など、両軍動いてきたハーフタイム。

限られた予算の中、集められた人材を活かしきるのに定評を得た大分。
今季初の3得点を挙げた16節・仙台戦(3-0)を境に、チーム状況も好転しつつあり、鹿島同様前半戦の遅れを取り戻さんと必死な状況です。

その鹿島の主将は三竿健ですが、彼の実兄である三竿雄斗が所属するクラブという側面もある大分。
2年前まで兄弟揃って鹿島に在籍していましたが、主力として奮戦する弟を余所に、ベンチ入り出来れば良い方というぐらいの序列で過ごしていた兄。
そんな三竿雄を、J2から昇格したての大分が目を付けて獲得。
そして見事に主力選手に仕立て上げ、今季も3バックの一角で全試合出場を果たすに至っています。

そんな「再生工場」「やり繰り上手」ぶりがチームに好循環を齎すといえど、逆に言えば成功体験により、その方策に頼りきりになってしまうのが負の側面。
今季は三竿雄と同様に他のJ1クラブで燻っていた渡・知念・町田也真人を獲得し、戦力に仕立てようと試みましたが成果は今一つ。
それをカバーするのが下位カテゴリからの補強選手であり、こちらもJ2から野村・香川・小出・佐藤と数多獲得したものの、故障絡みもあって発展途上の分野でしょう。
しかしそんな中、J3から「2ランクアップ」を果たした高澤が戦力に加わり、序盤戦は得点力不足に泣くチームの救世主的存在となりました。
様々な方面からの戦力補強も、リーグ戦も半分を過ぎてそろそろ実を結ぶ頃合いとしたい。

一時は試合から遠ざかっていた高澤、前節(広島戦)で7試合ぶりの出場となり、今季は後半頭から出場。
渡の1トップで挑んだこの試合でしたが、点で合わせるタイプの渡はやはり苦しく、ポストプレイヤーがどうしても望まれる中で投入されました。(知念はこの日ベンチ外)

後半立ち上がり、コーナーキックを得た大分が、そこから3本CKを続けて攻め上がります。
しかしシュートを撃つ事は出来ず、その後は再び鹿島の流れに。
後半10分、左サイドで直線的にパスを繋げ、アラーノがエリア手前左からシュートするもGKムンキョンゴンがキャッチ。
交代した事で和泉が左SH→右SHへシフトし、アラーノがセカンドトップの位置へと移った鹿島。

一方大分、早速交代で入った高澤を活かす攻撃を仕掛けます。
10分自陣で長谷川がパスカットした後、小塚が裏へとロングパスを送り、高澤が走り込んでトラップ。
ここは着地の隙で奪われてしまいますが、1トップの存在感を見せた事でその後サイドからの攻撃も巧く回るようになったでしょうか。
12分、左サイドでボールを受けた長谷川が右へサイドチェンジの後、小出がヘッドで前方へ落とします。
そして拾った田中がカットインを仕掛けエリア手前中央からシュート、ブロックされたこぼれ球を尚も小塚がシュート。
これもブロックに当たる(鹿島・永戸)も、コースが変わってゴール左へと突き刺さり、苦しい展開の中で先制点を得た大分。

一方押しまくっていたもののビハインドとなってしまった鹿島。
直後の13分、山本のロングパスを上田が収めて好機、パスワークののち上田がエリア内に進入してシュートするもゴール左へと外れてしまいます。
シュートに持ち込んでもモノに出来ない展開の連続で、アラーノも苛立ちを隠せずに、反則の後ボールを蹴ってしまい警告を受ける場面も(17分)。

その後18分に大分は小塚→野村へと交代。
長期離脱から復帰して間もない野村、復帰戦でゴールを挙げた(前倒24節・FC東京戦)ように復活の兆しを得てこの日も途中出場します。
大分全体もそれに合わせ、以降主に左サイドで攻撃を作っていきます。
ただし肝心の野村に、パスミスやコントロールミスが相次いでチャンスを作れず。

鹿島は21分の好機(アラーノエリア内進入→こぼれ球を荒木シュートもブロック→さらにアラーノシュートもGKムンキョンゴンキャッチ)以降、次第にボールを握る時間も減っていくなど尻すぼみに。
それに伴い大分もボールを握って攻める場面が増えていき、前半とは打って変わって、セカンドボールも大分が拾う展開となります。

そして35分、鹿島のクリアを跳ね返して好機。
三竿雄のダイレクトパスを受けた野村、2タッチで裏へとスルーパスを送ると、高澤が抜け出してGKと一対一に持ち込みます。
そしてGK沖の飛び出しを見て、エリア直前で左へとシュートを放ち、見事に抜いてゴール。
貴重な追加点を齎した野村と高澤。

この失点の前に鹿島は5枚の交代枠を使い切っており、山本・和泉・関川が退き、遠藤・松村・染野へと交代。
遠藤を除いて前年には名前が無かった選手が揃ってピッチに立ち、鹿島の世代交代の激しさを示す事にはなったものの、依然として得点を挙げる事はままなりません。
関川が退いた事で三竿健がCBへと下がったようでしたが、ビルドアップの際に永木が降りて来るため、結局ドイスボランチのどちらがシフトしたのか傍らから見て不明な状態に。
そしてアラーノがボランチになったようで、最終ラインから繋がれたボールを展開する役を務めたものの、効果はほとんど出ず。
最終盤はリトリートに徹する大分に対し、ロングボール一辺倒の攻撃を余儀なくされます。
染野のターゲット役としての奮闘も空しく、0-2のまま試合終了の笛が鳴る事となりました。

川崎が首位を快走するのを誰も止められない(名古屋以外)状態の今季のJ1リーグ。
降格が無いというレギュレーション故、形作りが済んだチーム(あるいは形作りしようとすらしないチーム)が目指すものが希薄になり易い状況ですが、前を向いて目の前の試合に向かうしかない。まあ賞金圏とかACL圏とかそれなりに目標はあるのですが

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第22節 水戸ホーリーホックvsザスパクサツ群馬

2020-09-29 18:47:55 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の水戸の記事はこちら(18節・磐田戦)
※前回の群馬の記事はこちら(19節・ヴェルディ戦)
※前回の両クラブの対戦はこちら(2節)

磐田戦のスコアレスドロー以降、沖縄や関門海峡に遠征と忙しい日程となった水戸。
そのおかげかスコアも出入りが激しく、3戦で9得点5失点(2勝1敗)と殴り合いのような感じに。

そんな不安定な状況を受けてか、大ベテランのGK・本間が久々のスタメンを張り、これが実に2018年の6月2日(岐阜戦)以来の出場。
今季は村上の移籍でGKの層が薄くなり、松井のコンディション如何では出番がありそうな状況だっただけに、本人の準備も万全のようでした。

前回対戦では中断明けの2節だった事もあり、「出たとこ勝負」感が露骨に現れ、J2慣れしていなかった群馬はあえなく完敗。(1-3)
一巡したのちの後半戦の始まりという、再びの節目に組まれたこのカード。
群馬にとっては、昔日からどれだけチームとして成長を果たせたかが試される事でしょう。

攻撃に関しては上位クラブに匹敵する結果を出している水戸、この日も序盤から果敢にゴールを狙います。
前半3分、右サイドからのスローインで形を作り、松崎が果敢にサイドからシュートを放つ(右サイドネット)という具合にシュートへの意識は一級品。
6分には河野の裏へのロングパスを村田が抜け出して受け、エリア内に進入してシュートしますが、GK松原のセーブに阻まれます。

いきなり相手に主導権を譲る格好となった群馬ですが、その直後(6分)に宮坂がミドルシュートを放って(枠外)からは、ペースを握り返します。
2センターバックとドイスボランチでしっかりとビルドアップしてからの攻撃、前回対戦時と比べても大分洗練されてきたようで、攻撃権を支配していきます。
そして前線での守備が嵌ってのショートカウンターでも好機を作り、水戸ゴールを脅かし。

しかし立ちはだかったのがGK本間で、10分、深めの位置でボールを奪った林のエリア手前からのシュートをセーブ。
14分には右サイドで攻撃を作る群馬、岩上のスルーパスに走り込んだ飯野からグラウンダーでクロスが入り、白石が走り込むも寸前でボールを抑える本間。
その後白石と激突し(キーパーチャージ)苦悶の表情を見せたものの、気丈に振る舞います。

群馬の攻撃を凌いだ水戸、15分過ぎから再びペースを奪還、ボールを繋いで攻撃。
こちらは2CBに、ボランチ1人が降りる「丁の字型」でのビルドアップを敢行。
群馬のプレスに対し最終ラインを多めにし、木村・松崎が降りるという対応で前進を図ります。
20分、安藤が右にパスを振り、受けた岸田がスルーパス。
村田はオフサイドポジションに居たためボールを流し、それにパスを出した岸田が走り込んで奥で拾うという珍妙な絵図で好機となりクロスが上がります。
中央でアレフ・ピットブルが跳ぶもその上を越え、ファーサイドで木村のボレーシュートが生まれましたが、これもサイドネット。

以降は再び群馬が攻撃を仕掛け、24分にはコーナーキックで、大前のショートコーナーから宮坂がミドルシュートを狙います(GK本間セーブ)。
主導権が激しく入れ替わる、という展開となった所で飲水タイムへ。

明けて最初のチャンスは水戸が掴み、29分に住吉ジェラニレショーン縦パス→安東→木村と繋がり、木村が再び縦パス。
これが群馬DFに当たってエリア内に入り、松崎が抜け出して受ける絶好機となりましたが、シュートはゴール右に外れてしまい先制ならず。
これを逃した影響か、以降は群馬に攻撃権が移る事に。

水戸はビルドアップが思うようにいかなくなり、相手に決定的なシュートこそ許さなかったものの、押し込まれるシーンの連続。
攻撃権を得た群馬、得意のサイド攻撃を軸にしつつ、小島のロングスローも交えてエリア内へチャンスボールを送ります。
しかし水戸の守備も堅く、決め手を欠いたまま時間を浪費。

最終盤には再度水戸にペースが移り、44分に木村がシュート(枠外)、アディショナルタイムには岸田がミドルシュート(ブロック)と攻め立てますがゴールは生まれず。
前回対戦とは打って変わった好ゲームながら、スコアレスで折り返します。

後半開始の前に、両チームともに選手交代。
群馬は白石→進へ、水戸は村田・松崎→奥田・森へと交代。
一気に2枚替えと動いてきた水戸。
前半は村田・松崎の2人が、右サイドでポジションを入れ替えつつ(登録上は村田FW・松崎右サイドハーフ)攻撃の形を作る場面が目立ちましたが、時間が経つにつれ対応されてペースを失っていたとの判断でしょうか。
それとも過密日程を考慮しての、45分単位での切り替えだったのか。

そして後半はビルドアップの方法も変えてきた水戸。
群馬と同様に、2CB+ドイスボランチでのボックス型を主として攻撃を組み立てにいきました。
群馬のプレスに難儀する場面が多かったですが、群馬の2トップがベテラン(大前・林)というのを考慮し、後半プレスが緩くなるのを読んだのでしょうか。

立ち上がりは両者激しくチャージする場面が目立ち反則が続出、その影響で中々攻撃の流れが生まれません。
後半4分、最初に好機を作ったのは群馬で、大前縦パス→林ポストプレイ→田中エリアライン際で切り返しからシュート。
ブロックされるも田中が拾い直して戻し、宮坂がミドルシュートを狙いましたがGK本間がキャッチ。

しかし6分、水戸がボールを握って長い攻撃を展開。
ショートパスの連続で両サイドを揺さぶったのち、最終ラインに戻されてから左での攻撃を選択。
河野の中央へ縦パスをピットブルが受け、またも左へ展開して森が奥へ進入、群馬・飯野との対峙を切り返しの連続で交わしてクロス。
この低いボールに中央でピットブルが頭で跳び込み、ヘディングシュートを炸裂させてゴール。
最後列の枚数を削った効果か、巧みにボールを回しつつ得たチャンスを見事に得点に繋げました。

反撃に出たい群馬、前半鳴りを潜めていた大前にチャンスボールが回ります。
8分、左サイドで小島が進・林とのパス交換で前進、エリア内左奥からマイナスのクロス。
入った先に大前が合わせましたが、シュートは浮いてしまい枠外に。
19分にも、進の左サイドからのグラウンダーのクロスをニアサイドで合わせた大前、しかしここもゴール左に外れてしまいモノに出来ず。
この間にも積極的に攻勢に出た群馬、同点にしたい時間帯でしたがそれは叶わず。

逆に22分、水戸が右サイドのスローイン、木村が素早いスローで奥の岸田へと渡ってグラウンダーでクロス。
中でピットブルがフリーで合わせてシュート、GK松原のセーブも及ばずゴールイン。
群馬にとって一瞬の隙を突かれた格好で、相手の速い動きに全く対応出来ずという失点となってしまいました。
この直後に飲水タイムへ。

2点差となりとにかく攻めるしか無くなった群馬。
飲水タイム明けこそペースを握ったものの、直ぐに息切れ。
水戸はボールキープを重視し、マイボールになると無理に攻め上がらないという場面も目立ち始めます。

手詰まりになりつつあった群馬、30分に飯野→高瀬へと交代。(小島が左サイドバック→右SBへとシフトし、左SBへ入る)
軸としたいサイド攻撃に運動量の補填を図ります。
その後は田中が森のユニフォームを引っ張って反則・警告を貰ったり、ピットブルが足を攣らせて退いたり(深堀と交代・32分)と、中々リズムを掴み辛い展開に。

しかし35分、交代が奏功した形で群馬が1点を挙げます。
岩上が左へとロングパスを出すと、受けた高瀬が手前からクロス。
これが山なりのボールで中央の青木(林と交代で出場・20分)の足にピタリと合い、ゴールに入れるのみとなった青木のシュートで得点。
ついに1点を返した群馬。

尚もサイドチェンジを駆使しつつ、水戸を揺さぶって攻めていく群馬。
41分には渡辺・宮坂→舩津・磐瀬へと2枚替えを敢行し、後方の運動量を高めに掛かるベンチワークを見せます。

全軍前掛かりに、と言わんばかりの姿勢で圧力を強める群馬。
しかし最後はそれが命取りとなったか。
44分、CKからの攻撃が途切れ、バックパスをエリア外で受け取ったGK松原。
前方にキックしたものの水戸・奥田にブロックされ奪われてしまうと、そのままガラ空きのゴールにシュートを許してしまい、無情にもゴールイン。
再び2点差となり、これで勝負が決してしまいました。

その後は群馬にシュートが生まれる事は無く。
逆に水戸は、新戦力の鈴木(FC東京から育成型レンタル)を交代で起用・試運転(山田と交代・45分)する余裕を見せるなど無事に逃げ切り。
前回とは打って変わっての好試合ながら、同じスコアで勝利する事に成功しました。

内容的には前回からの成長は十分感じられた群馬ですが、これまでの他クラブとの戦いと同様、「内容は悪くないが勝ち点には届かず」という結果に終わりました。
成績的にも敗戦が込んでおり、引き分けが僅か1という数字は見た目上良くない。
負け試合を引き分けに出来る、内容・形の良し悪し以上の、後一歩を埋める粘り強さが求められる時かもしれません。

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第22節 徳島ヴォルティスvs松本山雅FC

2020-09-28 18:25:01 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の徳島の記事はこちら(20節・新潟戦)
※前回の松本の記事はこちら(14節・京都戦)

丁度リーグ戦の半分を消化し、便宜上この日から後半戦となります。
キリの良いタイミングで、という事なのか、前日に監督交代を敢行・発表した松本。

布啓一郎氏が監督を務めた、ここまでの成績は4勝7分10敗と、前年J1で戦ったクラブの影も形も無い数字に終わってしまいました。
17節・山形戦での勝利(1-0)を切欠に無敗を続けていたものの、常時守勢を強いられての辛勝であったこの試合。
以降3試合引き分けが続くなど粘りを見せていましたが、恐らくはほぼそれだけであったと思われます。
ジャエルが出場停止となった前節・琉球戦は1-6と、支えていた糸が切れたかのような大敗。
これがリミットとなり、フロントも解任に踏み切ったのでしょう。

この琉球戦含め、ボールを動かすのが巧みなチーム相手には歯が立たないという印象なのが今季の松本。
連敗を5(7節~11節)で止めた後も、ヴェルディ戦(0-3)・徳島戦(1-3)と守備が乱れての敗戦を繰り返し、残されたのは監督交代へのレールだけだったのか。
新監督就任(柴田峡氏)後時間も少ない中、そんな反省を踏まえたのか守備から入るサッカーを展開していきます。
相手が前回対戦で完敗した徳島だけに、早速その舵取りが試されるような試合。

試合が始まり、立ち上がりはボールポゼッションに定評のある徳島が攻勢。
松本は前半2分にエリアやや手前という位置で反則・直接フリーキックを与える等、苦戦が予想される試合の入りとなります。
そのFKは、清武が直接狙いましたがゴールの上。
続く4分にも右サイド奥でチャンスを作り、浜下のマイナスのクロスを、西谷がダイレクトでシュートしますが枠外に。

しかし10分頃から松本のターンがやって来ます。
監督交代により相手の徳島も出方を窺っていたのか、ペースダウンした節があり。
これを意図的では無いと見れば、徳島にしては珍しく、大幅にスタメンを弄った事で連携面に問題を抱えていた感もありました。
前節(大宮戦)から7人入れ替えだけで無く、清武が11試合ぶりの出場、浜下に至っては開幕節以来の出場と久々のメンバーが顔を並べました。
その影響か、前半は以前ではあまり見られなかったイージーなパスミスも散見され、流れを切ってしまっていた。

この時間帯で高木彰人(11分)・杉本(12分)とシュートを重ねた松本でしたが、攻撃の威力はあまり感じられず。
ジャエルが復帰したものの、彼がシャドーの位置に降りての高木彰が1トップという感じの布陣(登録上は2トップ)で、杉本とともに攻撃を引き出そうとするジャエルですが主導権を手繰り寄せるには至りません。

飲水タイムが明けてからも、徳島のペースが上がらず、松本も決め手に欠けるという変わらない絵図。
30分にようやく徳島が、梶川の縦パスから浜下→西谷と渡り、遠目から西谷がシュート(GK村山セーブ)と松本ゴールを脅かしにいきました。
これを境に徳島が主導権を握ったものの、その後も今一つギアは上がらず。
ボールを支配して攻撃する最中、主に裏へのスルーパスで好機を作らんとしますが、松本は橋内を中心とするディフェンス陣がしっかり対応を見せて膠着。
ポゼッションは高く保たれたものの、いつもよりもパス数が少なく、展開力に欠けていた感があり。
結局前半は0-0のまま終了します。

後半開始の前に徳島ベンチは動きますが、ベンチに温存しておいた岩尾を投入……とはいかず。
西谷・岸本→渡井・藤田征也へと2枚替え。
お茶を濁した感があったものの、コンディション重視しての非常に難しい采配を強いられていた風にも映りました。
一方の松本も高木彰→阪野へと交代。

後半に先制攻撃をしたのは松本で、左サイドでスローインをジャエル収める→杉本拾って中央へドリブル→鈴木雄エリア手前右からシュート(枠外)という流れを見せました。
以降も攻勢を続け、後半9分にはセカンドボールを繋ぎ続けて好機。
ジャエルの阪野目掛けたスルーパスがカットされるも、こぼれ球を杉本が拾って左へ展開、高橋が受けて持ち上がったのちクロス。
阪野が合わせにいくもこぼれ、拾ったジャエルが後方に落としてから米原がミドルシュート(GK上福元キャッチ)と攻め立てます。

そんな中、守備で安定感を与えていた橋内が、故障上がりという事を考慮してか10分に交代。(森下と交代、大野がセンターバック中央へ)
これを機に再び徳島へと主導権が移り、そのまま先制点となってしまいます。

15分に右コーナーキックを得た徳島、このタイミングで大黒柱・岩尾を投入。(浜下と交代、同時に内田→ジエゴへと交代)
セットプレーなため、交代効果が表れるのはまだ先と思っていましたが、このCKが先制点に繋がります。
梶川のニアサイドのクロスを福岡が中央へと落とし、こぼれ球となり乱戦に。
2度クリアされたのち最後は清武が収めてから至近距離でシュート、ゴール上部へと突き刺さります。
流れを変えにかかった所の最初のプレーで点を奪った徳島。

一方先制された松本、このまま「敗者のメンタリティー」を露呈してしまいかねない状況となりましたが、18分にベンチが動きます。
高橋・米原→山本龍平・山本真希へと2枚替え。
ともに姓が山本というだけで無く、前節久々の出場となった選手2人を同時投入。

徳島にとっては前回対戦(15節)でのデータも無く、ポジションも何処に入れて来たのかやや混乱気味(放送席もそうでした)に陥ったのでしょうか。(同ポジション同士の交代)
以降松本がペースを握り、反撃の足掛かりを掴む事に成功します。
ピッチレベルでは、ベテランの山本真が中盤の底に入った事で、ボランチの相方である藤田息吹が上がり目でボールに絡むなど躍動感を得た風に見えました。

そのまま飲水タイムを挟み、以降も松本は攻勢を続けます。
それも以前(反町康治監督時代?)のようなFWへのロングボール、という一辺倒では無く、しっかりとパスワークで崩す姿勢も見せていきます。
そして28分、その融合というべき攻撃で絶好機が到来します。
ロングパスをジャエルが落としてから左サイドで押し込むも、崩せず一旦最終ラインへ戻した後右サイドへ展開。
鈴木雄斗が中央へと送り、受けた山本真からギアを挙げてのパスワークを敢行、阪野→藤田息→阪野とダイレクトでパスが渡っていきエリア内へ進入。
これに対応する徳島・石井の足が阪野に引っ掛かり、阪野は倒れ反則の笛が鳴り、PK獲得。
このPKをジャエルがゴール右へと決め、同点に追い付いた松本。

一方の徳島、後半も30分を指す時間の中、岩尾も戻った事で普段通りのサッカーを展開せんとします。
それでもディフェンスラインには右に福岡、左にジエゴというイレギュラーな組み合わせとなっており、どう攻撃の形を作っていくか。

採られた策は、福岡を右サイドへと張り出させ、ボランチの鈴木徳真が最終ラインに降りる形でのビルドアップ。
そうして藤田征を殆ど右ウイングのような位置にまで上げさせる体勢に。

しかしその効果は中々出ず、逆に松本が、徳島の意図とは逆サイド(松本から見て右サイド)から好機を作ります。
38分、藤田息が右サイドでインターセプトし、ジャエル→鈴木雄と繋げて素早くクロス。
これはクリアされてCKとなるも、その後も右サイドで押し込み。
39分にはスローインから、中美(杉本と交代で出場・27分)がエリア内へとパスを出すと、走り込んだ藤田息がヒールパス。
中美→ジャエルと渡っていき、最後はジャエルがシュートしますがゴール右へ外れてしまいました。

それでも、41分に福岡のクリアミスでCKを与えてからは、相手に攻めさせない「ハーフコートマッチ」の状況を作った徳島。
42分、鈴木徳の右へ向かうドリブルから藤田征のクロスが高く舞い上がり、中央で垣田がヘディングシュートしますがGK村山がキャッチ。
点が奪えないまま時間も押し迫り、ジエゴのロングスローも交えて押し込んでいきますが、守りを固める松本を崩すには至りません。
ATも2分経過し、またも右サイドで攻撃を作り藤田征がクロス、今度は低いボールで垣田は戻りながら合わせる形で反転シュート。
しかしミートせず不発となり、最後まで勝ち越す事なく試合終了に至りました。

北九州が敗れた事で首位に躍り出た徳島ですが、相手の状況を見て構えてしまった試合の入りで、その遅れを取り戻すには至らなかったという内容。
それでもコンディションを含めたペースを維持したのは、次節・長崎との上位対決に備えての事と思われます。

反対に、低迷打破への足掛かりとすべき勝点1を得た松本。
新監督・柴田氏のコメントから察するに、「布氏が落とし込んだサッカーを維持しつつ、守備から入る」というサッカーを展開するに至ったのでしょうが、今後はどうなっていくか。

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第21節 ジェフユナイテッド千葉vsレノファ山口FC

2020-09-26 16:24:47 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の千葉の記事はこちら(14節・徳島戦)
※前回の山口の記事はこちら(17節・福岡戦)

3バックにシフトしても低迷打破には至らず、この5連戦から再び4バックへと切り替えを見せた山口。
傍らから見て完全に迷走状態に陥ったように思えましたが、奏功したか前節ようやく8試合ぶりの勝利(ヴェルディ戦・2-1)。
この日はヘナンの出場停止もあり、オーソドックスな4-4-2のシステムを採用し、前節左サイドバックであった田中パウロ淳一を左サイドハーフへ。
空いた左SBに、特別指定の橋本を充ててきました。

そんな山口の事情から、奇しくもミラーマッチとなった一戦。
ボールを握っての攻撃を重視するも、思うようにポゼッションを伸ばせていないという状況で、この日もその影響か千葉の守備を前に苦戦。
後方からボールを繋ごうとしても、中々チャンスエリアまで運べない展開となります。

立ち上がりは千葉が守備から良い形を作ります。
前半5分、矢田がボール奪取から左へ展開、受けた為田がカットインでエリア内に進入してシュート(GK吉満セーブ)と先制攻撃。

その後は山口もペースを掴みますが、初シュートは13分、高のロングパスを受けた高井が、遠目からシュート(GK新井章太キャッチ)というやや強引なもの。(10分に小松がシュートをゴールに入れるシーンがあったもののオフサイドで取り消し)
好機は何度か作ったものの、直ぐに手詰まりとなり再び千葉のターンに。

その千葉の攻撃。
田口が中盤の底からゲームメイクする攻撃に変わりは無いものの、以前のようなロングパスが目立ったサッカーからはかなり改善された印象でした。
試合数をこなしている内に洗練されつつあるのか、あるいは相手が下位の山口という事でプレッシャーが緩かったのか。
ともかく、ロングボールを直接FWへ当てるというシーンはGK新井章がやるぐらいで、バランスの良い攻めを展開。

20分頃~飲水タイムの時間帯が最も可能性が高かったでしょうか。
20分、見木から右→左へとサイドチェンジされると、受けた為田がドリブル、先程のようなカットインの姿勢から裏をかいて安田へパス。
奥から安田のクロスが上がり、ファーサイドで矢田がヘディングシュート。(GK吉満キャッチ)
22分にはここも田口がサイドチェンジ(左→右)、受けた矢田は岡野・本村とパス交換した後、裏へ川又を走らせるロングパス。
川又はダイレクトでシュートにいきましたが、ミートせず枠外に。

現在2連勝中の千葉。
これまでの5連戦は、尹晶煥(ユンジョンファン)監督十八番の「全とっかえ」のターンオーバーを絡めて運営していましたが、その間の成績は芳しくなく。
6戦未勝利という泥沼状態に陥りましたが、19節・愛媛戦でようやく7試合ぶりの白星で脱出。
この試合はそれまで結果が出なかった事もあってか、A組(レギュラー)とB組(サブ)を混合させたスタメンを選択。
そして快勝した事で、3度目の5連戦に入ってからはその時のスタメンを基本としつつ、この日は前節(岡山戦)から2人入れ替えというオーソドックスなターンオーバーの型を採りました。

長いリーグ戦、とりわけ今季のような過密日程を乗り切るための起用法は様々ですが、尹氏が行う「全とっかえ」の方策は「レギュラー組をリフレッシュさせる」事ぐらいしかメリットを催さないと思われます。
J1の舞台のように獲りたいタイトルを絞るには格好の采配でしょうが、リーグ戦が長く、かつレギュラー組の能力が高くない(クラブによって個人差はあれど)J2ではそれが適切だったかどうか。

2チーム分のメンバーがあれど、目指すサッカーは一つであり、ハッキリと2チームを分けてしまえばそこに辿り着くのは難しい。
「サブ組に出番を与える」という名目でも、全員サブ組での実戦になると、目指すサッカーが何なのか解らなくなり機能不全に陥り易いものです。
ある程度の質を保ちつつ、目指すサッカーの中で起用してどう機能させていくか。
そんな刷り合わせのような采配を、悪意を持って言えば、これまではサボっていた感のあった尹氏。
敗戦が込んできた事で切り替えたのでしょうが、果たして今後どう作用していくか。

飲水タイム後はお互い攻め合う展開となりましたが、シュート数では千葉が押し気味。
30分には為田がミドルシュート(ブロック)、31分にはまたも為田がエリア内左からシュート(ミートせずGK吉満キャッチ)と好機をフィニッシュに繋げていきます。
山口も33分に田中陸のミドルシュート(枠外)などという場面があったものの、基本的には千葉ペース。
そうして最終盤には千葉が一方的な展開となり、クロス攻撃を多用してエリア内へボールを送り続けましたが、シュートはCKからの山下ヘディングシュート(枠外・41分)ぐらいのものでスコアレスのまま前半終了。

そして後半を迎えるに辺り、千葉は川又→クレーベへと交代。
得点を取りに行ったのか、あるいは川又とクレーベを半々ずつ使う事を予め決めていたのかは不明ですが、元から前線での守備に難のあるクレーベ。
今季の千葉は後半に失点する展開が多く、息切れしやすいチームという印象ですが、それに拍車を掛けないか不安が残る交代でした。

開始早々山口のコーナーキック攻勢となり、3本続いたのち、3本目にクリアボールが再度エリア内に送られ高井がシュート体勢に入ったもののオフサイド。
その後の後半9分には、左サイドからパウロがクロス、高井が落下点に入るもクリアされ再びパウロが拾ってクロス。
高井が体勢を崩しながらボレーシュートにいくも、当たりが弱くGK新井章がキャッチ。
会心のチャンスでは無かったものの、このパウロ→高井の流れが、手数が少なかった山口の橋頭堡となります。

以降は前半と同様に千葉が攻勢に出て、13分には岡野ロングパス→クレーベ落としから、受けた山下からパスを受けた為田がシュート(ブロック)。
15分にも岡野の裏へのロングパスから、クレーベが走り込んで受けてエリア内右からシュート(ブロック)。
シュートまで持っていける攻撃は相変わらずでしたが、ここに来てロングパスからの攻めが増えてきた事で一抹の不安が過りました。
まあ前半の終わり際に、あれだけクロスを上げても跳ね返され続けた事でそうなったのかもしれませんが。

そして16分、再び山口の攻撃。
高のロングパスが浮田に通り、エリア内左に入るも左へのパスを選択。
するとパウロがダイレクトでクロスを上げ、ファーサイドで高井がヘディングシュートを放ってゴール。
劣勢の展開の中、パウロのクロス攻勢を突破口に先制点に結び付けました。
その直後にパウロ→森への交代がなされたため、まさに紙一重。

冷水をぶっかけられた千葉、これで意気消沈したのか山口のペースに。
21分、今度はしっかりボールを握っての山口の攻撃。
高の右→左へのサイドチェンジから左サイドで形を作り、高井が奥でクロスを入れるもブロック。
しかし拾い直して高井・森・橋本でパスを回し、橋本がスルーパスをエリア内に送り、走り込んだ高井がクロス。
今度は低いボールがニアサイドを突き、小松がボレーシュートで合わせてゴール。
最初はファーサイド・次はニアサイドという合わせ技で2点を挙げた山口。

一気に崖下に叩き落された感の千葉。
その後反撃に出ようとするも、以前のようなシュートを放つ展開には持って行けず。
30分にはクレーベがヘディングにいった所、山口・ヘニキと頭部が激突。
その影響で出血し、止血の後にピッチに復帰。
しかし34分に中盤でボールを奪おうとしたクレーベ、振り上げた足がヘニキの腹部に入ってしまう場面が。
仕返しに思えなくも無いという、珍妙な絵図となってしまいました。

パウロが退いた後も、山口の左サイドの選手の跳梁は止まず。
36分、高のドリブルから高井→橋本と繋がり、橋本が中央突破の後エリア内に進入してシュート(枠外)。
この日デビューとなった橋本も必死でアピールします。
現在3年でプロ入りは2年後なのですが、飛躍への足掛かりとはなったでしょうか。

終盤は千葉が最後の攻勢を掛ける時間となり、41分には岡野→増嶋へと交代。
アディショナルタイム、その増嶋の右サイドからのロングスローからこぼれ球となり、エリア内左で船山がボレーシュートを叩き込んでゴール。
ゴールポスト内側を直撃してゴールインという強引な得点ながら、1点を返します。
尚も増嶋をパワープレイ要員として攻めかかる千葉でしたが、反撃もここまでで試合終了。

田口をゲームメイカーとしての攻撃は悪くなかっただけに、良い時間帯で確実に得点を挙げられるか。
逆に点が取れない場合に、それを信じてやり切れるかといった面で課題が残った千葉。
次戦以降どんなターンオーバーを採るのかは不明ですが、その流れを切らない起用を見たいものです。

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TV観戦(録画) 天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会2回戦 HondaFCvs常葉大学サッカー部

2020-09-25 18:27:46 | サッカー視聴記(2020年以前)

<Hondaスタメン> 3-4-2-1
GK 楠本
RCB 堀内 CCB 松本 LCB 三浦
RWB 佐々木 DH 山藤 DH 石田 LWB 八戸
RIH 川畑 LIH 原田 CF 大町

<常葉大スタメン> 4-4-2
GK 坪
RSB 野中歩真 RCB 速水 LCB 山下 LSB 中道
RSH 野中新史 DH 加藤 DH 山田 LSH 上田
FW 小松 FW 前田

前年旋風を巻き起こしたHondaが満を持して登場。
但し初戦はどのカードも近隣同士の対戦という事で、勝手知ったる常葉大(練習試合を幾度と行う関係だそうな)が相手となりました。
尚、右サイドでスタメン出場の野中歩・野中新の2人は双子との事。

リーグ戦(JFL)では前年まで4連覇を達成、今季も暫定首位となっているHonda。
しかしレジェンドである古橋が最晩年で、今季スタメン出場はゼロ(途中出場で全試合出場)と無理が利かない状態。
また得点源の一人であった遠野(現福岡)がJリーグ入りを果たすなど、選手層は薄くなっている印象を受けます。
そんな事もあってか、前年観た時とはガラリとスタメンが変わったという印象で、今季大学から加入した川畑・川浪(途中出場)も陣容に加わっています。(キャプテンの鈴木雄也はリーグ戦2試合欠場中、故障か?)
そんな状況でも、札幌からレンタルで加入中である中村はベンチに留まっており(リーグ戦でも殆ど出場は無し)、そろそろ足跡を残さないと後が無いのでは……などと思ってしまいますが。

常葉大は静岡県代表らしく、監督を務めるのは元清水の澤登正朗氏。
8年もその座に就いており、清水のお膝元として役割を全うしている……かと思いきや、プロへの人材輩出という成果は目立っておらず。
かといってJリーグの監督に就かないのは、同じクラブレジェンドである大榎克己氏が監督だった頃の清水の惨状を俯瞰から観ていての事なのか。

邪推はこの辺にしておき、試合が始まると、常葉大は出足の良い守備で攻撃権を支配。
前半2分に前田がエリア内右からシュート(サイドネット)、4分に野中新が前田とのワンツーでエリア内右に進入、シュート気味にクロスも合わずと押し込んでいきます。

対するHonda、パスサッカーを指標に掲げている通り、最終ラインからショートパスで繋いでいくスタイル。
立ち上がりは常葉大の動きの良さに押されたものの、徐々に本領を発揮。
12分右サイドから繋いでいき中央へと渡り、山藤が持ち込んで左へ展開、というプロ顔負けの右→中央→左というサイドの入れ替わり。
そしてスルーパスで八戸が抜け出した所、溜まらず常葉大・野中歩が倒してしまい反則に。
この左サイド奥からのフリーキック、キッカー原田のクロスをニアサイドで佐々木が擦らし中央へ送るもGK坪がキャッチ。

相手に冷や汗を掻かせたのも束の間の14分。
左サイドで八戸のカットから、そのまま奥に切り込んでクロスが入り、低いボールに大町が合わせてシュート。
電光石火ともいうべき先制点が入りました。

その後(録画中継故か18~20分頃まで映像が飛んだっぽい)、反撃したい常葉大は山田がミドルシュート(枠外・17分)など好機を作るものの、決定機までは持ち込めず。
逆にHondaは26分、再び敵陣でのボールカット(川畑)から好機を演出。
またも左から八戸のクロス、今度は高いボールでファーサイドに上がると大町が折り返し、ここからエリア内で乱戦模様に。
原田が合わせようとするも流れ、再び八戸の折り返しで右往左往するボールを、最後は大町がシュートしてゴール。
この日2点目を叩き出した大町、元プロ(前金沢)の貫禄の成せる業か。

以降は2点ビハインドとなった常葉大も反撃を見せますが、守備から入るという評判のチームの悲しい性か、ボールを持たされる展開に追い込まれます。
シュートは30分、前田が自身のポストプレイから、小松の浮き球のパスをダイレクトでミドルシュートした(ゴール左へ外れ)場面ぐらい。
逆にポゼッションスタイルのHonda、以降はのびのびと(?)ボール支配。
3バックからどんどんショートパスを繋いで相手の攻撃機会を減らしていきます。
時には両センターバックが大きく開き、ボランチが降りて来るという「ミハイロ・ペトロヴィッチ(現札幌監督・以下ミシャ)式」のビルドアップも見せる場面も多々。
今やアマチュアにまでもミシャ氏の影響が及んでいる事を目の当たりにして、サッカー界における研究の脅威的なスピードを思い知らされます。

そんな事を考えている内に前半が終わり、後半へ。
Hondaはリーグ戦も踏まえての事か(暫定首位とはいえ、試合数の少ないヴェルスパ大分が一つ勝てば抜かされる状況)、川畑・三浦→富田・川浪へと2枚替え。
同ポジション同士の交代で、バランスを保ったまま戦いに挑みました。

立ち上がりは反撃姿勢を取りたい常葉大が押し込みを見せます。
野中歩のロングスローも交えてエリア内へボールを送り込みますが、実る事は無く。
それでもボールを握りにかかるHondaに対し、後半8分には小松が相手のパスミスを奪い、そのままシュートする(枠外)場面も。

以降はいかにHondaのパスワークを遮断するかどうかの戦いを強いられる常葉大。
上記の場面のように、パスカットから好機を作る場面もそこそこありましたが、時間が経つにつれてその可能性も小さくなっていきました。

飲水タイム以降は、冴え渡るHondaのパスワークを前にチャンスすら作れない状況に陥ります。
パスエリアに人数を増やしてボールを回すHonda、必死に喰らい付かんとするも、ボールを奪う事すらままならず。
上手くボールをこぼしても、距離感が近いHonda選手はカバーリングも早く、継続して支配される事も数多。
結局30分頃から、終盤までHondaの攻撃機会が続く有様で、その間のHondaのシュートは2本。
39分にレジェンド・古橋を投入(原田と交代)してからもその姿勢を変える事は全く無く。(但しこの時に4バックへシフト)
逃げ切りに入る相手を止められず、時間はアディショナルタイム目前まで進んでしまいました。

43分、常葉大は3枚替えを敢行(野中新・加藤・小松→勝村・古長谷・新里)し、布陣も3バックへとシフトして勝負を賭けにいきます。
そのままATに突入し、ようやく常葉大のペースが訪れ、アタッキングサードで攻撃を展開。
そしてAT後2本目のCKとなり、左から古長谷が上げたクロスに、ファーサイドで山下がヘディングシュート。
これがゴールに突き刺さり、1点差に迫った常葉大。

しかしもう時間は少なく、以降はHondaが、コーナー付近でボールキープする真の逃げ切り体制へ。
結局2-1で試合終了の笛が鳴り響き、3回戦進出を果たしたのはHondaとなりました。
前年は札幌・徳島・浦和を破ったHonda、並大抵のサッカーでこれを上回るのは容易では無く。
今年は終盤までJリーグのクラブが登場しない特殊なレギュレーションの中、彼らを止められるクラブが現れるのか、注目の的となりそうです。

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