ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2020年J1リーグ第1節 セレッソ大阪vs大分トリニータ

2020-03-04 19:02:27 | サッカー視聴記(2020年以前)

新たなシーズンでもやる事は変わらず。
前年リーグ最少失点という栄光(?)を引っ提げて挑むセレッソ、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督も2年目を迎えた今季。

周囲を見渡せば、前年マリノスがリーグ優勝を果たした事が影響したのか、3トップで挑むクラブが数多。
マリノスのコーチ(ピーター・クラモフスキー氏)を監督に招いた清水の他、川崎・FC東京、果ては守備力がアイデンティティだと思っていた鳥栖までも4-3-3のフォーメーションを取り入れてシーズンに臨んでいます。
トレンドの針が攻撃的に振れかかっているような今季のJ1ですが、そんな中にあっても前年からやる事は変わらず、といった感じのセレッソ。

現状戦力の上積みとしては、山形から個人昇格を果たした坂元がレギュラーの座を掴もうという位置に昇ってきた事で、ルヴァンカップ第1節・松本戦に続いてこの日もスタメン。
海外勢(ベルギー)・豊川の獲得と、都倉の故障からの復帰、大きな変化はこのぐらい。
松本戦ではアンジュンスが務めていたGKも、この日しっかりとキムジンヒョンが復帰。ただし藤田は復帰できず、木本がボランチに上がる事での穴には引き続き瀬古を起用。
後はベンチ入りメンバーに目立つ新顔(西川、ルーカス・ミネイロ)をどう起用して陣容を整えていくか、ぐらいでしょうか。

立ち上がりは大分が主導権を握り、前半3分にCKから知念のヘディングシュートが生まれるも枠外に。
その直後の4分、プレスを掛けて瀬古のミスを誘い、ボールを奪った知念がエリア手前からシュート。
これはGKキムジンヒョンがセーブし難を逃れたセレッソ、相手1トップの知念の、新たな大分の顔になろうという働きの前に冷や汗を掻きます。

しかし8分にセレッソ、CKから綺麗に先制します。
セットプレーでの得点はある意味事故ともいえるのですが、この場面は立て続けに4本もCKが続き、その4本目にようやく実ったという形。
それまでの3本はショートコーナーを絡めてのクロスで崩さんとした所、4本目に清武はニアサイドへのクロスを選択します。
そこへブルーノ・メンデスが走り込み、擦らすようなヘディングをゴールへ流すと、GK高木は止めきれず。
その後も大分の攻勢に苦戦が続いただけに、この1点はとても大きなものでした。

序盤はサイドの裏への長いパスを多用し、そこに1トップ2シャドー(主に知念)を走らせる攻撃を軸にした大分ですが、15分過ぎ辺りから変更。
16分、左サイドでのパス回しから鈴木が右へ大きくサイドチェンジ。
右WBの松本はライン際で辛うじて残し、そこからクロスを上げると、ニアサイドでまたも知念がヘディングシュート。
枠を捉えられませんでしたが、以降はこのサイドチェンジを交えた攻撃が主力となります。

セレッソ側は落ち着いて対処するものの、この日は右サイド(大分から見て左サイド)の松田と坂元の対応が今一つに映り、大分も左サイドからの攻撃(右→左へのサイドチェンジ)を多用。
左WB・香川が跳梁するものの、このサイドからはシュートを撃てず。
逆に30分、右からの攻めで右シャドーの田中がエリア内からシュート(ゴール左へ外れる)。
ここも最初は右→左へのサイドチェンジからの攻撃でしたが、一旦戻したうえで逆の右で好機を作ったものでした。
これを機に、大分サイドはシャドーの左右を入れ替え。
シュートを放った田中を優勢な左に変え、町田を右に置くという変化を見せます。

尚も押し込んでいく大分に対し、セレッソは当然守備を固める訳ですが、最後の場面ではセーフティにラインの外に逃げる対応が顕著。
CKの数が膨れ上がっていく大分、前半も終わり際にはここから好機を作っていきます。
39分、キッカー長谷川のクロスが流れた所、町田がダイレクトでミドルシュート。(瀬古が頭でブロック)
40分、クロスがクリアされた後の二次攻撃で町田・岩田が右サイドに入ってクロス、これを香川がヘディングシュート。(ゴール左へ外れる)
流れの中からも、43分には中央から田中縦パス→知念ポストプレイ→田中ミドルシュート(枠外)というシーンを作りましたが、ゴールは奪えなかった大分。
1-0のまま前半を終えます。

J1復帰して2年目となる大分、前年は「カタノサッカー」などとも呼ばれた、片野坂知宏監督による戦術的なサッカーを展開して終始一桁順位(9位)をキープ。
それでもリーグ終盤は得点力不足に泣く試合が目立っていましたが、要因はストライカー・藤本(現神戸)の移籍で、オフにはチーム得点王のオナイウ阿道(10得点・現マリノス)もレンタル終了でチームを離れる事に。

今季に向け攻撃面のテコ入れは当然ですが、大分は選手獲得面には資金を掛けられるクラブでは無く。
地味な方策を採らざるを得ない状況に、選んだ手段は川崎・広島でそれぞれ半レギュラー的扱いで燻っていた知念・渡の獲得(知念はレンタル)。
前年の藤本・オナイウの関係を、知念と渡に受け継がせる意図が見える補強策で、ルヴァンカップ第1節(湘南戦・0-1)ではその通りに両名を1トップ2シャドーのうちの2枠に起用しました。
その他のポジションにも、J2クラブからの獲得を多用し陣容を整えにかかったオフ。
この日は知念の他は町田・香川の3人に留まった新戦力のスタメン起用ですが、ベンチには渡の他に小出・野村・佐藤が入り、出場の時を待っている状態。

ビッグクラブを目指すチームから見れば、この大分の陣容が小粒なのは確か。
しかし「下からの這い上がり」という、陳腐ながらも心を打ちやすいストーリーを描く下地は十分であり、個人的にもどんなシーズンになるか非常に注目しております。
それを果たすには前年のようなスタートダッシュが欲しい所ですが、この日は早くも窮地に追い込まれる事となりました。

前半ペースを握る事が出来た大分ですが、後半が始まるとそのようには中々いかず。
後半2分に右サイドから岩田クロス→知念ヘディングシュート(GKキムジンヒョンキャッチ)というシーンを作った大分でしたが、その後は一進一退。
特にセレッソの攻撃シーンが増えていき、大分は攻勢こそ止みませんでしたが五分に近い状況に持ち込まれます。

前半は前述の4分のシーンに象徴されるように、プレスがハマってペースを握る事が出来ていた大分。
それが後半はセレッソの修正が上手くいったのか、中々嵌められず苦戦。
逆にセレッソの攻撃で、期待の新加入選手・坂元が躍動し始めました。

7分には右サイドをドリブルする坂元に対し、アタックを掛けるも2人かわされたうえ、香川が引っ掛けてしまい反則に。
突破力だけでは無く、14分にはマテイ・ヨニッチの縦パスを中盤で受けると、反転してエリア内へロングパス。
これに清武が走り込みましたが、GK高木が飛び出して抑えシュートは撃てず。
25分には再びヨニッチの縦パスを受けた坂元、ドリブルで前進してからミドルシュートを放つ(ゴール右に外れる)という具合に、攻撃の多彩化に貢献していきます。

戦況を押し返された大分ですが抵抗は止まず。
15分、GK高木のパスも交えつつの左サイドからの攻撃で、香川のスルーパスを受けた田中がエリア左脇を抉ってクロス。
ファーで松本のヘディングシュートが炸裂するも、ゴールポストを直撃し惜しくも逃してしまいます。
単なる決定機逸よりもダメージが残るシーン。
このまま2失点目を喰らえば勝利はほぼ不可能になってしまうだけに、1-0のスコアのうちに、流れを変えるべく18分に渡を投入。(町田と交代)
これで知念・渡の2人が揃いますが、彼らを活かすパサーを補う考えの下か、25分には野村を投入します。(田中と交代)

10番を背負う野村、早速26分に自身のパスカットからスルーパスを供給するも呼吸が合わず。
28分には香川のスルーパスを受けて左からクロス、ヨニッチの頭に当たりファーへ流れたボールを松本が拾い、シュートしたもののこれも瀬古が頭で防ぎます。
31分には野村自身がエリア手前左からシュートを放ちましたが木本にブロックされるという具合に、セレッソ守備陣を崩す有効打とはならず。

奥埜→柿谷への交代(18分)以降、時には5-4-1の形で守備するシーンも見せたセレッソ。
39分にはクリアボールをメンデスのポストプレイから好機、右サイドで受けた坂元がボールキープののちにスルーパス、抜け出した松田が低いクロス。
これをメンデスが合わせてボレーシュートを放つも、GK高木がセーブして追加点とはいかず。
1-0のまま時間はアディショナルタイムへ。

そして時間も無くなり、とにかく前線への放り込みを余儀なくされる大分。
しかし小林裕紀のロングパスから、跳ね返ったボールを拾った知念。
マークを剥がしたのちに思い切ったミドルシュートを放つと、強烈なボールはGKキムジンヒョンのダイブの右を抜きます。
来たかと思わせた刹那、ゴールポスト直撃の音が響いて無情にもノーゴール。
その直後に試合終了の笛が鳴り、あと少し何かが違っていれば……という余韻を残した末の結末となりました。

第1節の後、Jリーグは3/15までの全試合の延期を表明。
急遽生まれた中断期間を境に、各クラブも別のチームへと変貌するかもしれません。
しかしこの試合の両チームは、以前から根底にしっかり植え付けたサッカーが備わっているので、その可能性は限りなく低いでしょう。
敗れた大分は後味の悪さを長期引きずる事を余儀なくされるでしょうが、再開後の巻き返しの策に期待したいと思います。

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第1節 ギラヴァンツ北九州vsアビスパ福岡

2020-03-01 15:00:42 | サッカー視聴記(2020年以前)

2年連続で初っ端からJ3からの昇格組を相手にする事となった福岡、その心境はいかなる程だったか。
ただし今季の場合は福岡ダービーで、遠慮は要らない戦いだったのが最終的に功を奏したでしょうか。

2016年以来のJ2に返り咲きを果たした北九州。
Jリーグ参入直後の2010年こそ最下位(この時期は降格無し)でしたが、以降は5年間で一桁順位4度と安定。
特に2014年は、J1ライセンスが無いながらもプレーオフ圏内に入るという奮闘を見せ(当然ながらプレーオフには参加できず)、J1昇格が現実味を帯びる成績となった事で地元のムードも上昇。

かくして2016年、翌年ミクニワールドスタジアム北九州の完成を控え、J1ライセンスを取得。
しかし皮肉な事にクラブの成績は急転直下、最下位に沈んでJ3降格となってしまうと、以降浮上の兆しは見えず。
2018年にはJ3でも最下位で終えてしまうなど、万策尽きたといった感じで、正直これ程早く戻って来るとは思いもしませんでした。

前年のJ3優勝・J2復帰の一因となったのは、まごう事無き小林伸二監督。
「昇格請負人」の二つ名は伊達では無く、最下位のチームを1年で優勝するまでに引き上げ、居るべき場所へ戻す事に成功しました。

失点数が試合数より少ないというデータから、堅守のチームだと想像。
しかし自分はJ3での試合は観ていないので、どんなサッカーをするかどうかはこの日確かめる必要がある、そんな事を思いながらの視聴でした。

基本フォーメーションは4-4-2ですが、攻撃時は大きく可変。
両サイドバック(右・野口、左・新井)がかなり前に位置取り、2センターバックにボランチ1人が降りて来る3枚の最終ラインでビルドアップ。
SBが中央寄りのサイドハーフよりも前に行く事数多で、このサイドからの圧力を軸にしつつ、目立ったのがロングパス攻勢。
ボランチの1人・加藤がその供給源で、いきなりエリア内に送ると、SHをそこに走らせてあわやという場面を作るなど中々趣深い攻撃を見せていました。

一方で寺岡の長期離脱で守備陣が不安らしく、若年の生駒をCBに起用するなど苦しさが垣間見える布陣。
その生駒がフアンマとマッチアップをせざるを得ない、大型選手の不足も今後戦ううえで気になる要素でしょう。

2年連続で昇格組に膝を屈する訳にいかない福岡(前年開幕戦は琉球に1-3で敗戦)は、序盤から何度もゴール前に迫ります。
北九州と同じ4-4-2が基調ながら、シンプルに攻撃を展開。
フアンマというターゲットを活かしつつ、中盤を押し上げてからサイド攻撃を展開。
特にスローインから好機に結び付ける場面が多く、枚数を掛けての攻撃に、北九州の守備もタッチに逃げざるを得ないシーンが目立った分スローイン数も増大していたのでしょう。

前半13分、スローインを受けた遠野が左サイドを上がってクロス、これが跳ね返されるも中央やや右寄りでエミル・サロモンソンが拾います。
サロモンソンはすかさずエリア内へグラウンダーのボールを入れると、前の凝りしていたフアンマへ渡り、すかさずゴールに蹴り入れるフアンマ。
綺麗な形で先制、と思いきやオフサイドでノーゴール。

直後の15分に北九州も反撃。
自陣で加藤縦パス→町野ポストプレイ→加藤左へパスという流れで受けた新垣がドリブルで疾走。
エリア手前からファーサイドへクロスを上げると、高橋大悟が走り込んでシュートし、ネットを揺らしたもののサイドネット。

ダービーマッチらしい一進一退の攻防で、それを象徴していたのが26分のシーン。
北九州の攻撃、左サイドから新垣パス→町野スルー→佐藤亮→町野と流れると、町野はサイドチェンジを選択。
右で受けた高橋大はカットインを仕掛けたのち、豪快にミドルシュートを放ちますが、惜しくもポストを直撃。
逆にその後福岡がカウンターを仕掛け、クリアボールが遠野→フアンマ→遠野と渡り、遠野はドリブルで前進。
エリア手前でパスを出し、受けた福満がエリア内右からシュートするも、GK永井がセーブしたのちDFがクリア。
目まぐるしいチャンスの連続となりました。

福岡で目立っていたのが右SBのサロモンソンで、突破からのクロスはもちろんの事、エリア内ではヘッダーとしても顔を出し、セットプレーではキッカーを務める等八面六臂の活躍。
流石にJ1レベルの選手である事を証明していましたが、逆の左サイドでもSBに湯澤・SHに石津が控えており、バランス良く攻撃。

しかしこの日の攻撃面での主役となったのが遠野でした。
2トップの片割れで、フアンマとの相性を考慮されてのJリーグ初出場・初スタメン。
ポストプレイで体を張るフアンマが北九州・生駒に徹底チェックされる傍ら、必然的にシュートチャンスが増えていきました。
8分・33分・40分と積極果敢にシュートを放っていき、溌溂としたプレーでチームに刺激を与えていく遠野。

そして実に結び付いたのが前半終了間際(44分)。
篠原のロングパスが右サイド奥に入り、福満が拾ってアタッキングサードで攻撃開始。
ここから福満とサロモンソンがエリア近辺でパス交換ののち、フアンマが落として重廣がシュートの体制に。
このシュートは当たり損ねますが、そのボールが遠野の下へ転がり、迷わずシュートを放った遠野。
JFL・HondaFCのストライカーだった男の、Jリーグで名を挙げるゴールが生まれ、福岡が最高の時間帯で先制に成功しました。

リードを奪われた北九州、攻めなければならない立場となり後半へ。
前半と変わらぬ形で攻撃を模索するも、福岡の守備の固さで中々好機を作れず。
逆にカウンター気味に、下部リーグからの新加入選手のゴールに触発されたか、後半も福岡がシュートを重ねる展開となります。
後半7分、クリアボールをフアンマが収めた後、福満が左サイドへロングパス。
これを受けた石津がドリブル、エリア付近でのカットインからシュートするもGK永井がセーブ。
10分にも遠野のドリブルから、エリア内でシュートを放った石津。(DFがブロック)
前年故障で大半を棒に振った男の今季への意気込みを見せ付けます。(この日はフル出場と、後遺症は問題無さそう)

11分、今度は福満が、右サイドからカットインを仕掛けてのシュート。
これもGK永井がセーブし、危険なシーンが続きながらも何とか凌ぐ北九州。

その後もゲームを支配される状況は続き、結局後半の初シュートは34分という遅さ。(新垣のボレーシュート・DFのブロックでCKに)
しかしこれでようやくエンジンがかかったか、直後のCKで再び新垣がシュートするも、これもDFのブロックに阻まれます。
36分には、ストライカーの町野がようやくこの日初のシュート。
それでも野口のクロスに合わせたボレーシュートは浮いてしまい、ゴールの匂いはしないものでしたが。

この直後に福岡GKセランテスが足を攣るアクシデント、しかも既に福岡は交代枠を使い切っており交代できず、反撃の機運を高めにかかりたい北九州。
しかしこれで3分程中断したのが良くなかったか、直後は再び福岡の決定機。
石津の縦パスでカウンター、フアンマ→鈴木(重廣と交代で出場)スルーパス→城後(遠野と交代で出場)がエリア内でシュートチャンスに。
しかしここもGK永井が防ぎ、難を逃れます。
北九州も42分、交代で入った池元が國分の縦パスをワントラップしてシュートするも、惜しくもゴール右に外れるというシーンを演出。

最後まで抗戦の姿勢は崩れなかったものの、福岡の牙城は崩す事は出来ず、0-1のまま試合終了。
今季最初の福岡ダービーは、福岡が先輩(?)の貫禄を見せるという結果になりました。

その福岡、遠野は後半もシュートを重ね、その総数は8本となりました。
前年天皇杯で勇姿を観た者としてはこの日の活躍は感慨深いですが、現状は、Honda→J1・川崎へ移籍→即レンタルという複雑な身分。
このまま活躍のレールに乗れば、レンタルバックを経てのJ1デビューも夢ではありませんが、果たして順風満帆といくでしょうか。

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