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DAZN観戦 2022年J1参入プレーオフ1回戦 ロアッソ熊本vs大分トリニータ

2022-10-31 16:01:05 | サッカー視聴記(2022年その他)

<熊本スタメン> 3-3-1-3
GK 佐藤優也
RCB 黒木 CCB 菅田 LCB イヨハ理ヘンリー
RWB 三島 DH 河原 LWB 竹本
IH 平川
RWG 杉山 CF 高橋 LWG 坂本
<大分スタメン> 3-4-2-1
GK 高木
RCB 小出 CCB ペレイラ LCB 三竿
RWB 井上 DH 保田 DH 弓場 LWB 増山
IH 中川 IH 野村
FW 伊佐

※最終節の記事 - 熊本(横浜FC戦・3-4) 大分(琉球戦・0-1)

熊本・えがお健康スタジアムでの開催となった事で、近場である大分も気心知れた雰囲気となったでしょうか。
いずれにせよ、既にリーグ戦の上位でしのぎを削りあったうえ、かつダービーマッチという間柄の対決。

ともに2連敗でシーズンを終え、不安視される中での開催となり。
しかし熊本の内容は比較的良好で、唯一カウンターへのケア不足により失点・敗戦という試合を2戦続け。
一方の大分は41節・山形戦のスコア的な完敗に続き、前試合は既に降格圏が確定していた琉球相手にビルドアップを破壊されるという屈辱の試合を演じてしまい。
そんな対極的な内容を受けてか、熊本がスタメンを最終節から不動のものにしたのに対し、大分は一気に半数以上入れ替え。
GKを吉田→高木へ代えたのを皮切りに、右センターバックが上夷→小出・左ウイングバックが松本→増山・ボランチの片割れが下田→保田・シャドーの片割れが梅崎→中川・1トップがサムエル→伊佐と6人を変更して臨みました。

リーグ終盤戦とは違いを出した大分のメンバー、そして開始直後に早速その効果が激烈に表れます。
キックオフからの戻しを受けたGK高木、熊本・高橋のプレスを持ち前の足下の技術でかわすと、観ている者を「巧い」と唸らせる間も無くすかさずロングフィード。
そして1トップの伊佐が落とし、増山→弓場と繋がってエリア内左を突いて中央へパスを送り、熊本・菅田に当たりコースが変わった所を中川がシュートにいき。
これが空振りとなったのがかえって幸いし、こぼれ球に走り込んだ伊佐が押し込んでゴール。
開始わずか20秒の電光石火の得点は、大分のメンバー・サッカー双方での奇襲が綺麗に決まったという形となりました。

いきなり出鼻を挫かれる格好となった熊本、気を取り直し、大木武監督曰く「普段通り」のサッカーを貫かんと反撃に掛かります。
しかし前半5分に右コーナーキックを得ると、そこでのポジション取りで高橋が大分・三竿に倒されるなど激しいやり合いを強いられ。
心理的にモヤモヤ感を生み出してしまうと、そこから大分のカウンターを浴びる事となり、裏へのロングパスに伊佐が走り込んで受け。
熊本のアタックを受けつつも倒れながらキープする伊佐に対し、GK佐藤優が飛び出してクリアして何とか防ぎます。

こうしたリーグ戦とはかけ離れた、大分の泥臭くかつ強い姿勢に戸惑う事となった熊本。
最後方からのビルドアップに対しては、イヨハがパスを受けた所に、遠目の位置から井上が猛然とプレッシングを掛け。
その大分の姿勢に対し、15分にイヨハもダイレクトの縦パスで井上を剥がし、受けた竹本がシュート(GK高木セーブ)と脅かす事で対応。
19分には大分のビルドアップに対しGK高木にまでプレスを掛ける熊本、これにより体勢を崩しながら出された高木の縦パスを河原がカット。
そしてそのまま遠目からシュートを放つ(エリア内で大分・ペレイラがブロック)という具合に、相手の出方を塞ぐ方策が巧くいきゴールを脅かします。

良い流れを何とか作り上げた内に同点に追い付きたい熊本でしたが、リードした大分も粘りの守備でやらせず。
そして31分に、熊本のパスワークを自陣で保田がカットしてからの速攻、野村のスルーパスに井上が走り込み。(クロスを上げるもシュートまではいけず)
これが文字通り、熊本ペースを遮断する切欠となったようであり。
以降は熊本も大分の術中にハマるかのように、球際勝負という展開へとシフトしていきます。

大分のこの変貌ぶりは、まるで最終節の相手であった琉球のスタイルをインスパイアしたようにも映り。
ポゼッションなど御構い無しでとにかく球際の強さとプレッシング、そして堅い守備・強い気持ちを貫くチームと相対し、見事に転覆させられたのを自身も取り入れたといった感じでしょうか。
ともかくともに激しいデュエルを演じ、倒されるも笛は鳴らずというシーンが目立っていく試合展開。
負けられない戦いに相応しい絵図なのでしょうが、ペースを握りたい熊本にとってはたまったものでは無く。
37分に河原の反則気味のボール奪取から細かく繋ぎ、平川のスルーパスをエリア内右で受けた杉山がシュート(大分・三竿がブロック)と、その中でも好機を生み出す事は生み出したものの盤石の反撃体制を築く事は出来ません。

そして終盤、大分の激しいプレッシングの前に撃沈といったシーンを頻発させるに至り。
42分右サイド敵陣奥で中川がボールカットした大分、エリア内で拾った伊佐を経由して野村がシュート、これが左ゴールポストを叩く冷や汗もののシーンとなります。
44分に今度はエリア内で伊佐がボールカット、こぼれ球を再度野村がシュートしますがGK佐藤優がセーブ。
一層不利にさせられる追加点は何とか阻んだ熊本、結局0-1のまま前半終了となりました。

共に交代無く迎えた後半。
何とか巻き直し、自分達のサッカーを取り戻して反撃体制を整えたい大分。
しかし入りの後半1分、いきなり大分・中川が猛烈なプレッシングで相手の蹴り出しをブロック。
そのままラインを割ったものの、前半同様に熊本のビルドアップを破壊しに掛かる姿勢とその効果は変わらず。

熊本の最初の好機は4分、大分・野村が縦パスを受けた所をすかさず囲み、黒木がボール奪取して敵陣で攻撃を展開。
そしてひたすらエリア内へボールを送り、跳ね返りを拾って継続し波状攻撃という流れを作る熊本らしさを見せるもシュートには繋げられず。
すると再び大分のプレッシングに悩まされ、自陣でボールを失うシーンを連発する厳しい戦いを強いられます。
7分には中盤からバックパスで作り直さんとするも、大分・弓場が2列目を切る姿勢を見た黒木がパスミス、奪った伊佐から受けた野村がエリア内左を突いてクロス(中央の弓場の手前でGK佐藤優キャッチ)という拙い奪われ方からピンチを招き。
大分の素早い寄せに対し時間とスペースが奪われ、ポゼッションによる攻撃も貫けない事態となります。

何とか打開したい状況で、次第にロングボールを使う立ち回りへとシフトする熊本。
13分、竹本が対角線のロングパスを右サイドへ送ると、受けた杉山もまた対角線のロングパスを送って坂本が左サイドで受け。
中央へ渡ったのち竹本がミドルシュートを放ち、大分・ペレイラにブロックされるも攻撃継続、河原がエリア内へ送ったミドルパスに坂本が走り込み。
そして足から跳び込んで合わせた坂本でしたが、ついて来た大分・小出と縺れたのもありジャストミート出来ず、ゴール前へ転がった所をGK高木に抑えられ同点ならず。

しかしこの好機から、長いパスを巧みに使う事で反撃体制が整ったでしょうか。
16分には右サイドのスローインから、一旦戻したのち黒木がエリア内を突くミドルパス、収めた竹本がシュート。(ブロック)
その後も裏へロングパスを送り、大分はGK高木が前に出てのクリアを目立たせるといったシーンが常態化するなどこの路線に活路を見出す事となりました。

一方プレッシングが機能するも、その分前線の消耗が激しい大分。
ベンチは先んじてカードを切る事となり、15分に伊佐→金崎へと交代。
その金崎は17分、GK高木のロングフィードがバウンドした所に走り込み、遠目ながらもヘディングシュートを放ち(GK佐藤優キャッチ)早速得点意欲を形に表します。
追い掛ける熊本も21分に動き、三島→田辺へと交代。(竹本が右WBに回る)
直後に高橋をターゲットとするロングボールから、セカンドボールを拾って敵陣でパスワーク、イヨハのスルーパスがエリア内左を突き。
そして受けた坂本が角度の無い所からシュートを狙うも、GK高木がセーブ。

交代効果も得て活性化する両チームの攻撃。
24分にはまたも大分が敵陣で保田のボールカットからショートカウンター、野村のエリア内へのスルーパスを受けた金崎がシュートするも熊本・イヨハがブロックで防ぎ。
27分の熊本は右サイドから竹本が切り込みカットイン、クロスは防がれるも中央で尚も繋ぎ、田辺がシュートするも枠外に。

ともに好機の応酬という熱戦が描かれるも、上記の直後に大分は弓場が足を攣らせてしまう事態となり。
ダメージは隠せないという状況で、30分にさらに交代カードを切り弓場・野村に代えてエドゥアルド・ネットと渡邉を投入。
同時に熊本も2枚替え、高橋・杉山→粟飯原・ターレスへと交代。
投入されたターレス、31分に早速右サイドを疾走、スルーパスに走り込んで(GK高木が跳び出してクリア)圧力を掛けます。

終盤を迎えたその後も裏狙いのロングパスを多用する熊本。
大分は次第にプレスも控えめとなるなど燃料切れを隠せず、逃げ切り体制に持ち込まざるを得なくなります。

そしてその矢先の42分でした。
散々裏狙いを見せた末に、ここでターゲット狙いのロングパスを選択したGK佐藤優、これを粟飯原がフリック。
大分・小出のカットが及ばず坂本に収まると、GK高木も前に出て防がんとしましたが坂本がかわし、無人となるゴール。
そして坂本がシュートを放つと、大分・三竿のブロックも空を切ってゴールに吸い込まれ。
土壇場で状況をひっくり返す同点弾が生まれ、ゴール裏に出来た歓喜の輪にマスコットのロアッソくんも加わる程の興奮に包まれた熊本サイド。

これで追いかける立場へと一変した大分、たまらず2枚替えで増山・中川→藤本・長沢へと交代。
併せてペレイラが前線に上がり、金崎・長沢・ペレイラの3トップという布陣に全てを賭ける事に。
そして増山の代わりにネットがロングスローを担当するなど、形振り構わず再逆転を目指します。

対する熊本は45分、竹本→阿部へと交代。
守備意識を高めるカードを切りましたが、その矢先のアディショナルタイムでした。
前掛かりの大分を逆手に取るように、ミドルパスを右サイドで粟飯原が収め、パスを受けたターレスが切り込んだのち中央へパスと各個持ち味を発揮してゴール前へ迫り。
そして坂本のエリア内へのスルーパスに走り込んだ粟飯原、勝ち抜きを決定付けるシュートが(左ポストを叩いたのち)ゴールに吸い込まれました。

スコア的にも逆転し、後は勝利に向かうのみとなった熊本。
しかしその矢先、中盤左サイドで熊本・平川が大分・井上のチャージを受けて反則の笛が鳴ると、尚も攻撃を続けようとした平川と大分・金崎が縺れて倒れ込み。
そして激高した金崎に対し、熊本・粟飯原が手を出した事で両軍入り乱れてもみ合う事態へと発展してしまいます。
大木監督はじめベンチのスタッフも巻き込んでの騒動となった末に、何とか収束したのち金崎と粟飯原に警告が付き出され。

この珍妙な事態にペースを乱されたか、大分が意地の反撃体制に持ち込み。
そしてATも7分が経過したのち、三竿のミドルパスをペレイラがエリア手前でダイレクトで浮き球を送り。
クリアされるも、拾い直したペレイラが強引にシュートに持っていくと、ボールはゴール右へと突き刺さります。
同点へと戻した大分ですが、後1点を奪うには時間が決定的に足りず。

そしてキックオフから熊本のロングフィードがピッチ外に出た所で、試合終了を告げる笛が鳴り。
ホームの大観衆のなか勝ち上がりを決めた熊本、その戦いはまだ続きます。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第42節 ブラウブリッツ秋田vsベガルタ仙台

2022-10-30 18:31:54 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の秋田の記事はこちら(41節・岡山戦、2-1)
※前回の仙台の記事はこちら(40節・新潟戦、0-3)

<前節からの変更>

秋田=2人を変更し、前節欠場の稲葉がスタメンに戻り(井上と入れ替えで)ボランチに。もう1人がセンターバックの片割れで池田→小柳。既に退団が決定している江口も連続のスタメンで、チームと共に有終の美を飾らんとする。

仙台=プレーオフ出場の掛かった一戦、前節の3-3-2-2(3-1-4-2)を継続。メンバー変更は1人で、左ウイングバックを内田→キムテヒョンに代えたのみだが、結果的にこれが大きく響いたような内容に。

スタメン

目下4連勝という勢いを手にして、ホーム最終戦を迎えた秋田。
その高揚感に、ドローンを使った演出で温かみを加え、最後の試合も秋田らしさを貫かんとする姿勢を整え。
それに対して仙台は、何が何でも勝たなければならないという位置付けとあり、完全に対照的な立場で相対した両クラブ。

前回観た際は、新潟の圧倒的な完成度に常時劣勢を強いられた仙台。
しかしこの日はボール保持に拘らない秋田が相手とあり、嫌でもボールポゼッションを高めての攻撃を展開する事となり。
そんな逆の立場となった(といっても41節・熊本戦を挟んでいるのですが)影響か、あるいは必勝が求められる故のプレッシャーか、秋田の縦に速い攻撃に晒される事となった立ち上がり。

それを何とか凌ぐと、事前予想の通りボールを握る展開へと転じます。
3バックの右が、本職がサイドバックの蜂須賀という事で、彼を前線に上げての2CBの形を取る最終ライン。
そこからその基本形通りに右サイドからの前進が目立ち、特に蜂須賀の上がりにより真瀬(右WB)の推進力が逆に目立たなくなる程であり。
前半8分のカットインシュート(ブロック)をはじめ、前線のプレーに絡む事で攻撃を分厚くしていきます。

そんな仙台の攻撃を凌ぎつつ、カウンター重視の姿勢で迎え撃つ秋田。
19分にはGK田中の右へのロングフィードから、落としたボールを中村がダイレクトで裏へ送ると、受けた齋藤が仙台・佐藤に反則を受けて右サイド奥からのフリーキックに。
キッカー江口のクロスは跳ね返されるも、拾った茂がエリア内左を突いてシュート。(枠外)
29分にもFK、今度は右サイドかなり距離のある位置で再度江口がクロスを入れると、これがワンバウンドでゴールに向かうボールとなりGK小畑が何とかパンチング。
押され気味の中でも、得意のセットプレーで先制点を狙う姿勢を見せました。

その秋田のサッカーに触発されたか、仙台サイドもこの日はロングスローを多用。
2試合ぶりの出場となったキムテヒョンが、左サイド深めでスローインを得た際には、積極的にエリア内へと投げ入れるシーンを作ります。(ただしCBは上げない)
まさに形振り構わずといった姿勢でしたが、36分にはそのキムテヒョンがファウルスローを取られる等、「慣れない事をする」という風にも映り。
その直前の35分には秋田同様FKの好機、こちらは直接狙うに持ってこいの右ハーフレーンからの位置で、キッカー中島が直接シュート。
壁に当たり跳ね返るも拾ったレアンドロ・デサバトが再度シュート、これもブロックされるもさらに佐藤が跳ね返りを直接シュート(デサバトに当たる)と三連撃。

ボールは支配していた仙台ですが、こうしたセットプレーのシーンが圧倒的に目立つ事となった前半。
その原因は、跳梁する右サイドとは裏腹に左サイドからの崩しが殆ど見られなかった事で、ここでも起用されたキムテヒョンの働きが今一つであり。
本職がCB故に自ら崩しに関与する事が出来ず、それをチーム全体も理解していたようですが、それが右サイド重視という答えが導き出される結果ともなりました。
そのため敵陣でボールを握っても、秋田ディフェンスは殆ど焦りを見せずに対処。
しっかりと4-4のブロックを崩さず、前節見られた「5バックにも6バックにも見える守備を強いられる」程の押し込まれぶりはありませんでした。

この辺が仙台が厳しい立場にいる事を象徴しているようであり。
1点がどうしても必要な状況ですが、仮にカウンターを受け失点してしまえば絶望的となる。
そんな板挟みを強いられた事で、ボール支配は出来ても様子見に近い立ち回りにも映っていた前半戦となったでしょうか。

スコアレスで折り返し、ハーフタイムでの交代は無く迎えた後半戦。
ギアを上げたい仙台は、ようやく鳴りを潜めていた左サイドでの攻撃を解禁します。

といっても前述の通りキムテヒョンに自ら突破の期待は出来ないので、後半5分に佐藤・真瀬・蜂須賀でパス交換し、右から繋ぐ姿勢を見せたのち蜂須賀が左サイドへロングパス。
その落下点にキムテヒョンを走り込ませるという工夫を見せましたが、ここは秋田・中村が読んでパスカット。
以降もこの形を見せる事で秋田ディフェンスの意識を振らんとします。
その一方で7分には秋田が右サイドつまりキムテヒョンの居る側を突く攻撃、中村のスルーパスに走り込んだ加賀を倒してしまう(反則無し)と、危ない防ぎ方をするキムテヒョン。
前への意識を高めたが故に、危機を招くという二面性が付いて回る事となり。

良い流れを作りたい仙台、14分に左サイドのスローインから中央へと運び、秋田DFを剥がして絶好のシュートレンジに入った中島がミドルシュート。
GK田中がセーブし、こぼれ球を中山が詰めにいくもクリアされ実らず。
しかしようやく秋田ゴールを脅かしたこのシーンが、先制点ならびにプレーオフ進出へのロードの幕開けとなったでしょうか。

その機運を高めるべく交代カードを切る伊藤彰監督、17分に蜂須賀・フォギーニョに代え、遠藤とフェリペ・カルドーゾを投入。
これによりフォーメーションも4-4-2へと変更します。

秋田は勝利を狙う姿勢こそ変わらないものの、それを突かれるシーンも目立ち始め。
21分にはゴールキックを跳ね返され仙台に攻撃権が変わると、ベクトルの切り替えが遅れて速攻気味にエリア内を突かれ。
中山のスルーパスを受けた富樫、切り返しからシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。
25分には江口のロングスローで好機を掴まんとするも、クリアされて仙台の攻撃となり、カルドーゾが長い距離をドリブルで単騎突撃。
止めにいった秋田ディフェンスを物ともせずに剥がしていくカルドーゾ、左からのカットインを経てエリア内からシュートを放つも、惜しくもサイドネット外側に。
段々と仙台の圧力を受けるだけの展開となっていきます。

28分と普段からは遅れ気味に最初のカードを切る事となった秋田。
しかもその内容は4枚替えで、茂・中村・青木・齋藤→三上・小暮・武・半田。
一気にFW・サイドハーフをそっくり入れ替えたものの、想定の域を出ないものであり、普段2枚ずつ代える所が遅れたためこうなったという感が拭えず。

かくして流れは変わらず、その直後の29分に仙台が決定機を迎えます。
GK小畑のロングフィードのセカンドボールからの攻撃、遠藤のスルーパスで右サイドを突いて走り込んだ真瀬からのクロス。
グラウンダーのボールに秋田ディフェンスのブロックが入るも、かすり続けて中央の中山へ繋がり、放たれたシュートはGK田中が足でセーブ。
左にこぼれた所を富樫が詰めてシュートするも、今度は加賀のブロックに阻まれてゴールはならず。
前半とは打って変わって、際どい凌ぎを強いられる秋田。

反面非常に惜しまれる逃し方をしてしまった仙台、31分にさらに2枚替え。
キムテヒョン・富樫→石原・皆川へと代え。
これによりカルドーゾが左SHに入ったものの、上がりっぱなしで殆どFWという風に映り。
それを遠藤が縦横無尽に動き回って埋める、いわば4-2-1-3にも似たシステムとなります。
そして左サイドに足りなかった推進力も補充され、総動員で勝ち越しを狙いにいく体制に。

石原が左サイドからカットインでの崩しを狙うシーンから始まり、以降多彩な手法を見せていく事で秋田ディフェンスを翻弄しに掛かり。
すっかりハーフコートマッチの様相となり、秋田はボールサイドに居ない側のSHが最終ラインに降りる形での5バックの体勢を取り始めます。
それでもファーサイドを固めるという意思が表れていたためか、破綻せずに無失点のまま試合を進め。
逆に文字通りの攻勢に入ったものの、時間との勝負も強いられる仙台。

40分には左サイドからデサバトのミドルパス、中央で収めたカルドーゾのポストプレイを経て中山がダイレクトでシュート、ブロックされた後も尚も繋ぎ。
中島の右→左へのサイドチェンジを、左サイド奥で遠藤がダイレクトで折り返し、これがゴールを襲う軌道となるもGK田中がセーブ。
42分には押し込んだ状態でアタッキングサードで繋ぎ、中央からの中島のミドルシュートで締めるもこれもGK田中のセーブに阻まれます。

GK田中の好守もあり、どうしてもゴールを割れない仙台。
とうとうアディショナルタイムに突入すると、焦りも目立ち始めます。
自陣で秋田・稲葉がボールキープする所を、中山が後ろから倒してしまい反則・警告。
FKで時間を使われ、さらに秋田の反則ののちの江口の遅延行為(警告)もあり、刻一刻とプレーオフへの門は下がっていき。

そしてとうとうその時は訪れ、スコアレスのまま試合終了を告げる笛は鳴り。
引き分けで勝ち点1を得たもののそれでは足りず、7位に終わる事となった仙台。
同じ東北勢の秋田に道を阻まれ、山形にかわされるといった辺りが、欧州合戦に加わらなかった姿勢が最後の最後に跳ね返って来たという感じで趣深くもあり。

一方5戦無敗でフィニッシュし、順位・勝ち点ともに上げるに至った今季の秋田。
無事に2年目のジンクスを乗り越え、「超秋田一体」のスローガンを文字通り見させて貰いましたが、終了後に吉田謙監督の続投が決定した事で来季もこの路線でシーズンを突っ走る事でしょう。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第42節 FC琉球vs大分トリニータ

2022-10-28 18:28:44 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の琉球の記事はこちら(40節・金沢戦、2-1)
※前回の大分の記事はこちら(41節・山形戦、0-3)

<前節からの変更>

琉球=1人変更し、清武が25節以来のスタメン出場。前節左サイドバックの福村に代わって左サイドハーフに入り、左SHだった大本が左SBへとシフト。J2最後?の試合となる可能性が高いこの日だが、特にベンチメンバーにサプライズは無い。

大分=4人を入れ替え。右センターバックが小出→上夷(28節以来の出場)・左ウイングバックが増山→松本(22節以来のスタメン)・右シャドーが町田(前節負傷交代)→野村・1トップが金崎→サムエル。久々なメンバーが名を連ねたのは、渡邉・藤本といったベンチも同様である。

スタメン

前節で降格圏が決定してしまい、ホーム最終戦に臨む事となった琉球。
既に降格を免れる方法は自力ではどうしようも無く、残されたJ2の試合をどう使うか、といった最終節。

厳しいのはバックボーンも同様のようで、この日の観衆は3349人。
ちなみにホーム開幕戦(2節・千葉戦)では2234人と、節目の試合にしてこの数字というのは、J2で4年間を過ごしたクラブにしては非常に物足りないものであり。
ステップアップしたいという所でウィルス禍に苛まれ、特に沖縄はその対策の拙さでやり玉にあがる事が多かった土地事情もあり、増員のチャンスが無かったという要素も甚大だったでしょう。
今季は不振だったとはいえ、成績面ではまずまずの3年間だっただけに、果たしてサッカーが根付く土壌はどれだけ備わっていたか。
チームカラーであるポゼッションスタイルも投げうってしまっただけに、将来の見通しはどんなものでしょうか。

サッカーに視点を戻すと、この日は清武がスタメン復帰を果たした琉球。
それでもサッカーの内容に大きな変化は無く、立ち上がりからデュエル面で勝り反則を貰い、得た遠目からのフリーキックで放り込むというスタイルを貫きます。
大分はそんな相手を警戒してか、3-1-6(3-1-5-1)のような形を取る普段のビルドアップを抑え。
3CB+ドイスボランチの基本形からあまり可変せず、後方の人数を確保しての繋ぎになっていました。
前節の完敗もあり、失点を防ぐ意識を強めたというのもあるでしょう。

しかし後ろを意識した(と思われる)その甲斐も無く、前半11分に情けない姿から失点。
右サイドから李栄直(リヨンジ)が裏へロングパスを送り、ケルヴィンを走らせるも大分・ペレイラが前に出て対応に入り。
好機にはならずと思われたその刹那、クリアしようとしたペレイラが転倒してしまい、キックミスでこぼれたボールを確保したケルヴィンがカットインからクロス。
そしてファーサイドで放たれた清武のヘディングシュートがゴールに突き刺さり、あっけなくといった表現が相応しい琉球の先制点となりました。
確かにペレイラは後ろからケルヴィンのチャージを意識しなければならない形にはなりましたが、雨天のコンディションもありスリップを疑われる形で、というのが印象悪く。

アクシデント性高い失点の仕方となってしまった大分。
直後のキックオフからの攻撃、右サイドからのスルーパスに走り込んだサムエルがエリア内右からシュートを放ち、GKダニー・カルバハルがセーブという好機に繋げた事で何とかファイティングポーズを保ち。
16分には再び右から上夷がサムエルへ斜めの縦パスを入れ、カットに入られるもスペースにこぼれた所を野村が拾うというラッキーな好機に。
しかしエリア内を突いて放たれたこの野村のシュートもGKカルバハルのセーブに遭い、電撃的に追い付く事は出来ませんでした。

WBを最前線に位置取らせるようなビルドアップから攻めようとする大分。
例を挙げれば下田が左サイドに開いたり、梅崎が降りて受けたりという可変から、松本が高い位置で攻撃に絡むという立ち回りで崩さんとします。
しかし琉球の守備意識は高く、サイド奥まで運ばんとするとディフェンスに遭ったり、それをかわさんとしてゴールラインを割ったりでクロスは上げられず。
逆に19分、松本が手前からクロスを上げると、風にも乗ってファーサイド奥を突いたボールに野村が足で合わせる(GKカルバハルも釣られるが角度が足りず枠外)という惜しい好機が生まれ。

ボール支配率でかなりの差が生まれた(大分の70%越え)状態で飲水タイムが挟まれ。
しかし第2クォーターの28分、GKからの繋ぎを敢行する大分に対し果敢にプレッシングを掛ける琉球。
GK吉田にケルヴィンが行ったのをスイッチとして野田・武沢・池田が次々とボールホルダーに襲い掛かった末に、出された縦パスを李がカットして見事に嵌めきり。
ここから逆にボールを繋ぎ攻める琉球、清武がエリア内へ縦パスを入れようとしたものの主審(榎本一慶氏)に当たって跳ね返るという不運で途切れましたが、大分のペースを乱す事には成功します。

リードもペースも奪いつつあった琉球、40分に武沢が足を痛めて交代してしまう(人見を投入)アクシデントに苛まれましたが、一丸となってサッカーを貫き。
45分には中盤からのFKでの放り込みから、中川創の落としを拾ってから尚も繋ぎ、エリア内へロビングを入れ続ける波状攻撃。
その末に池田の右からのクロスを収めた野田がシュート(枠外)とフィニッシュで締めるという、時間を進めていくと共にあわよくば追加点を、といった立ち回り。
大分は前半も終盤を迎え、いつものように下田が最終ラインに降りる4-1-5でのビルドアップの形へと移したものの、効果は芳しくなく。
アディショナルタイムに、コーナーキックから放たれたペレイラのヘディングシュート(ゴール左へ外れ)が惜しかったというぐらいで、無得点のまま前半を終える事となりました。

迎えた後半も、琉球が一貫したサッカーで大分サイドを脅かしにかかります。
キックオフからの攻撃で、李のロングパスが左サイドの野田に収まった事で好機に繋げ、大本のクロスをファーサイドで上原牧人が合わせボレーシュート。(枠外)
後半4分にはゴールキック→野田フリック→ケルヴィンボールキープというシンプルな流れから、リターンを受けた野田が単騎突撃を掛けるも、大分・野村に後ろから倒されて止められ。(反則無し)
判定に納得出来ない野田が、その後執拗に主審に異議を唱えた結果警告を受ける等、一度ベクトルが前に向かえば止められる者は居ないといったこの日の琉球。

一方の大分は、鳴りを潜めていた弓場が一列上がり、お馴染みの3-1-6の形を取る攻撃を解禁します。
後半から取り入れる辺りに、ともあればプレーオフを見据えた戦いが垣間見えましたが、それでも琉球の粘りの前に流動化するには至らない攻撃。

逆に13分には清武のドリブルを止めるものの、こぼれ球の処理をミスして野田に拾われ琉球が好機を作り。
ケルヴィンからエリア内右へスルーパスが送られ、人見のクロスこそブロックするも、こぼれ球に走り込んだ加藤がシュート。
ペレイラがブロックして凌いだ大分、ポゼッションとは裏腹に攻撃機会ではさしたる差が無いといった展開を強いられます。
暗雲漂う状況に、14分に先に動く大分ベンチ。(松本・梅崎→藤本・金崎)

サムエル・金崎の2トップとした3-3-2-2(3-1-4-2)の布陣と、全体的に前掛かりになる大分。
16分にその圧力を持って攻め上がり、クリアを敵陣でペレイラが跳ね返してさらに波状攻撃、右サイドへ展開して金崎が奥で股抜きカットインからのクロス。
ブロックに阻まれるも拾った野村が繋ぎ、エリア内中央からサムエルが突撃を掛けるも、琉球・中川創に阻まれこぼれた所をGKカルバハルに抑えられ実らず。
しかしこの際に李が、倒れたサムエルに巻き込まれる形となって足を痛めてしまいます。
その後ピッチ外からプレーに戻ったものの、20分に再度倒れ込み続行不可能に。
再びアクシデントでカードを切る事となりました。(岡﨑と交代、同時に野田→サダム・スレイに交代)

直後の23分に決定機を迎える大分、琉球のクリアボールを下田がダイレクトで縦パスし、サムエルのフリックで弓場が抜け出すという速攻気味の攻撃。
そして左からのグラウンダーのクロスに金崎がスライディングで跳び込み、合わずに流れるも逆サイド奥へ走り込んだ井上の折り返し。
これをサムエルがボレーシュートで合わせたものの、ジャストミートせずボールは右へと逸れてしまいます。
素早い運びからの右往左往の攻めに琉球ディフェンスも振られただけに、モノに出来ず終わったのは結果的に痛かった。

その後25分に再度2枚替え(サムエル・野村→呉屋・渡邉)を敢行した大分ですが、意気消沈ぶりは隠せず。
26分には自陣深めでサダムにボールを奪われ、そこからCK攻勢に持ち込まれ。
29分にはカウンターに持ち込まれ、裏を取ったケルヴィンをペレイラが後ろから倒す形で反則で止めざるを得なくなるという具合に、この日の後方の集中力は琉球とは比べ物にならず。
この際に同時に足を攣らせてしまったケルヴィン、三度のアクシデントによる交代を強いられた琉球(富所に交代・同時に清武→田中へ交代)でしたが、その後も高い集中力を維持します。

この交代で池田をトップ下とした4-2-3-1気味となったでしょうか、その後はサダムが1トップで前線の橋頭堡となり。(富所はボランチ)
守備意識を保ちつつ、尚も前へのベクトルを高めていく琉球。
35分にはその前の判定(ゴール前での好機で池田の反則に対し?)による異議で加藤が警告を受けるも、直後にその加藤の反則気味のボール奪取で好機、人見のポストプレイを経てサダムがシュート(枠外)とあくまでも追加点を狙いにいき。

何とか流れを変えたい大分、38分にはミドルパスのセカンドボールを繋ぎ、左サイド奥からエリア内を突く攻撃。
藤本の切り込みがこぼされた所を、三竿が拾ってシュートしますが琉球・中川創のブロックに阻まれるという具合に、やっとたどり着いた決定機も琉球ディフェンスの壁に跳ね返されます。

琉球は尚も40分にサダムが左からのカットインを経てシュートを放つ(ブロック)など、攻めの姿勢は依然として健在であり。
大分にとっては、守勢に追いやる事を念頭に置いていただけに想定外といった所で、苦戦の最大要因となり。
しかし45分、橋頭堡であったサダムが、スルーパスに走り込まんとした所で足を痛めてしまう事態が発生し。
またもやアクシデントに苛まれ、しかも交代枠はもう無い琉球。
以降を10人で戦う事となり、嫌でも守勢に追い込まれる事となりました。
それに伴い、ペレイラがベンチの指示を仰いでパワープレイのために前線に上がる大分。

人見が最前線にシフトし、4-4-1の姿勢で逃げ切りを図る琉球。
それに対し、大分はパワープレイの姿勢そのままに、ひたすらロングボールを入れる攻撃へと傾倒。
最後の戦いといった感じで、ようやく攻撃権を独占するに至った大分ですが、望んだ形では無かったうえに時間は決定的に足りず。

それでも得たCKでは、GK吉田もターゲットに加わって同点を狙いにいき。
最後の最後の右CKから、キッカー下田はニアに低いボールを入れると、混戦でこぼれた末に中央に転がった所を三竿がシュート。
加藤がブロックしたボールをさらに金崎が追撃しますが、これも岡崎のブロックに阻まれる等、琉球のギリギリの守備を最後まで破る事は出来ませんでした。
結局1-0のまま、琉球がホームの前で意地の勝利に辿り着いたという試合に。
なお試合後にはGKコーチの南風原一士氏まで警告を受ける等、最後まで前掛かりな意識故の副産物が付いて回ったでしょうか。

3・4・5位のクラブが、揃って連敗でリーグ戦を締める事となった珍妙な結果に終わった上位陣。
プレーオフまでのインターバルは僅か1週間であり、6位のクラブ(山形)勢いを持って挑んで来るなか、勝ち上がる事が出来るかどうか。
特に5位の大分は不安を残す(これまでプレーオフで5位のクラブが勝ち抜けた事は皆無)事となりましたが、まずは同じ九州勢・熊本との対決を制するのに集中したい所でしょう。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第42節 ロアッソ熊本vs横浜FC

2022-10-27 16:01:09 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の熊本の記事はこちら(39節・秋田戦、1-2)
※前回の横浜FCの記事はこちら(38節・長崎戦、2-0)

<前節からの変更>

熊本=11人とも不動で、3試合継続で同一スタメン。高橋利樹の出場停止というイレギュラー(39節・その際は土信田がスタメン)を除けば実に5試合にも昇り、終盤の昇格争いの中で完全にメンバー固定化を果たしたようだ。

横浜FC=引退試合となった中村俊輔をスタメン起用する事となり、それに併せて5人変更。注目の中村俊はマルセロ・ヒアンと入れ替えで、シャドーに入ったうえ前節シャドーの小川が1トップに。その他GKがスベンド・ブローダーセン→市川、左センターバックが亀川→マテウス・モラエス(今季初出場)と将来を見据えた起用が目立つ。他は右CBが中村拓海→岩武・左ウイングバックが山根→山下。サブには伊藤が故障離脱から復帰、7試合ぶりのベンチ入り。

スタメン

シーズン最終盤という別れの時期が今季も訪れた訳ですが、とりわけ世間に衝撃を与えるのがビッグネームの引退であり。
現在横浜FC所属の中村俊がそれに該当してしまう事となりましたが、「公式リリースの前日に一般ニュースで報じられる」という事態も生まれるぐらいに、蜂の巣をつつく騒ぎとなったようで。
最終戦の舞台となった熊本のホーム・えがお健康スタジアムにも波及し、大観衆(21508人)を迎えての一戦となりました。しかしこの場においてセルティックや日本代表のユニを着て観戦というのは個人的に好きでは無い

前半2分、GK市川ロングフィード→小川フリックという流れでその中村俊の足下に収まると、彼の浮き球パスから敵陣で細かく繋ぐ攻撃。
そして齋藤がエリア内を突くミドルパスを送り、走り込んだ小川がボレーシュートを狙う(ミートせず)と、中村俊効果で先制を狙っていく横浜FC。

しかしその運気は、熊本の果敢かつ組織的なプレッシングの前に萎む事となり。
上記のようなGK市川のフィードからの組み立てを、4分には高橋利がその市川にプレッシャーを掛けてフィードをブロック。
好機には繋がらなかったものの、これが文字通り横浜FCの流れを遮断するに至ります。
直後の5分、再びGK市川から組み立てを図った横浜FCでしたが、今度は縦パスを杉山がカット。
そしてそのまま中央へと流れ、ミドルシュートをネットに突き刺すという文字通りのショートカウンターを完遂します。
今季再三他チームに脅威を与えた杉山のミドルシュートはこの日も健在で、早々に先制点を挙げた熊本。

その後も7分にパスミスで熊本に攻撃権を与える(シュートには繋がらず)など、この失点でビルドアップはすっかり崩壊状態に陥った横浜FC。
唯一中村俊が長いパスを見せた際はキッチリ好機に繋げていました(11分の右→左へのサイドチェンジ、16分の右サイド奥へのミドルパス)が、それ以外はほぼ熊本の一方的な展開という状態に。
それを打開せんと長谷川が降りて来てボールを受けにいくも、熊本はそこにも黒木がしっかり付いていきプレスを嵌めて(高橋利が)奪う結末となり。(19分)

昇格に向けて勢い盛んな熊本相手に絶望的な状況といった横浜FCですが、既に昇格を決めているクラブがそのような醜態を晒し続けている訳にいかず。
20分、その熊本の前掛かりな意識を逆手に取るように、岩武のロングパスでイサカ・ゼインを走り込ませてエリア内右を突き。
そして奥から彼のマイナスのクロスが入り、ゴールゲッターの小川が中央で合わせシュート。
綺麗にひっくり返すといった攻撃で、劣勢を跳ね返して同点に追い付きます。

その後熊本サイドにミスが目立ち始め、中村俊のフリーキックからのクロスも披露され(23分・モラエスが合わせるもシュートにはならず)ながら試合は進んでいき。(25分に飲水タイム)
失点後も熊本のプレッシングは旺盛ですが、30分にはその前への意識が仇となり、黒木が横浜FC・山下に対し足裏でチャージしてしまい反則・警告。
黒木はその後も39分に、強引なスライディングを敢行するも、ここは反則にはならず逆に好機を生み出し。(イヨハ理ヘンリーがスルーパスも繋がらず)
知らず知らずのうちに粗っぽさが前面に表れていたようで、一方の攻撃スタイルもこの時間帯は裏へのロングパス一本というものが目立ち。
そして横浜FCがボールを握っての攻撃を試みるも巧くいかず、中々ボールを受けられない中村俊が降りて来るというシーンも膨れ上がっていきます。

攻撃ではプレスに悩まされ、守備ではプレスを掛けられずといった横浜FC、終盤は再び攻撃権を支配され。
前線は、中村俊がスタメンというイレギュラーな布陣とも相成って、3バックに1トップ・2シャドーが付くというシンプルな考えだったでしょうか。
熊本がイヨハを上がり目にする事で中村俊をほぼピン止め状態にし、そのうえで河原が降りるという可変をしてのビルドアップに対処する事はままならず。
結局たまのカウンターとセットプレーという、昇格クラブらしからぬ内容に終始する事となった前半戦。

熊本は終盤攻め立ててシュートを量産するも、横浜FCの守備陣の粘りの前に2点目を挙げられず前半を終え。
それ故に、まだまだ攻め足りないという前向きな意欲を持って後半に臨めたでしょうか。

早速の後半1分にそれは形となって表れます。
菅田のロングパスが一気にエリア内左を突き、奥で受けた坂本が戻りながらのボールキープを経て中央へとパス。
受けたのは先制点を挙げた杉山で、エリア内でチャンスを迎えたこの場面も躊躇わずにシュートを放ち、ゴール右へと突き刺します。
後半も早々に得点を挙げた熊本、それだけには留まらず続く3分。
プレッシングで横浜FCにロングボールを蹴らせて回収、杉山が今度は右サイドで溜めを作って戻したのち、河原のエリア内右へのスルーパス。
そして走り込んだ高橋利からダイレクトで放たれたループシュート、前に出ようとしていたGK市川の頭上を越えてゴール。
あっという間に2点差となった立ち上がり。

そのままの流れで攻撃権を支配する熊本、前半のデジャヴといった展開となります。
3バックを左肩上がりにする基本形そのままに、イヨハがアタッキングサードにまで攻撃に絡んでくるなどまさにイケイケ状態に。
対する横浜FC、ビルドアップではひたすらプレッシングに遭ってのロングボールを蹴るだけに留まり、ロクに敵陣まで運べず。
8分には降りて来た小川が縦パスを受けるも、コントロールミスで収まらず奪われるという具合に窮余の策も実らず、悪循環一直線といった流れ。

しかしそんな状態から目の覚める一撃を放ったのが9分。
熊本の人数を掛けての攻撃を跳ね返し、クリアボールが長谷川に収まった事でカウンターを仕掛け、彼のスルーパスに小川が抜け出して一気にGKと一対一に。
そしてエリア内に入ってすぐに放たれたシュートがゴール左に突き刺さり、1点差に詰め寄った横浜FC。
熊本にとっては押し気味の流れの中での失点、という所まで前半戦のデジャヴを描いてしまいました。

それでもめげない熊本は12分、右サイドでのパスワークから一旦戻され、再び右に送られたのち杉山が低いボールでアーリークロス。
これにニアサイドで高橋利が合わせにいき、ディフェンスに遭いゴール方向へこぼれた所をGK市川が弾くも、さらに上がっていたイヨハが詰め。
しかしGK市川に抑えられて4点目はならず。
前述の失点シーンでは、細かい繋ぎを長く敢行するも、中央からエリア内へ小さく入れた浮き球がクリアされて横浜FCのカウンターを招き。
出来ればこの場面のように繋ぎながらも一発鋭いボールで、カウンターを受け辛いような攻撃を創出したい、といった所が来たるプレーオフに向けての課題でしょうか。

そんな熊本の二面性が現れながら、時間も後半15分が経過するという所で主役の中村俊がお役御免となり。
前年の新潟・田中達也のような、両選手・スタッフ総出での送り出しこそ見られなかったものの、チームメイト全員と抱き合いながら暖かい空気とともに退き最後の試合を終えた中村俊。(伊藤と交代・同時に山下→山根に交代)

そんなほっこりとした空気も束の間の16分、横浜FC・和田がボールカットした所熊本・坂本のチャージを受けて反則。
これに坂本が警告を受けた事でピッチサイドの大木武監督がヒートアップ、審判団に対し異議を連発する事となり。
その後前線が入れ替わった事で、横浜FCサイドもプレッシングの速度が上がり容易に熊本に繋がせない等、真剣勝負の色が強まった感がありました。
試合の流れもどちらともならないものとなり、互いに好機を作るもフィニッシュを生み出せず。

そしてそんな展開の締めは、浮き球を受けた熊本・高橋利が横浜FC・ガブリエウに激しくチャージされ、倒れ込んだ所で飲水タイムによるブレイクといったものになりました。
ブレイクも終わり際となった所でようやく起き上がり、ピッチ外からのスタートを強いられた高橋利。

そろそろスタミナ面で衰えが見られてくる時間帯。
熊本のプレッシングも勢いが失われ、ボール支配による攻撃も可能となってきた横浜FC。
しかしこちらも、27分に齋藤が、33分にモラエスが足を攣らせるという事態を招くなど一筋縄ではいかず。
それを踏まえてカードを切っていく横浜FCベンチ、29分に齋藤と和田に代えてハイネルとマルセロを投入。(長谷川がボランチに、小川がシャドーに降りる)
35分にモラエス→武田へと交代し、5人の枠を使いきりました。
一方の熊本も30分、竹本・三島・高橋利→田辺・藤田・土信田へと3枚替え。

相変わらず攻撃時は人数を掛け、イヨハも前線に顔を出しつつという姿勢の熊本。
35分を過ぎ、そろそろ逃げ切りの姿勢も見せるべきという時間帯でしたが、さらにターレスを投入する準備を行うなどペースを保つ方を優先。
しかしその刹那に田辺の(イサカに対する)反則で、横浜FCのFKの好機。
このタイミングで坂本→ターレスへと交代した熊本(杉山が左ウイングへ回る)でしたが、結局このFKでリードを失う事となります。
右サイド遠目からという位置で、キッカー・ハイネルのクロスがファーサイドに上がり、跳んだ小川の頭を越えDFに当たってバウンド。
そしてガブリエウがボレーシュートを放つと、強烈なライナーのボールがネットに突き刺さる同点弾となります。
イレギュラーなクロスの結末に、対応が曖昧になってしまった熊本サイド。

これで勝利のためには4点目が必須となった試合。
熊本は尚もそれを狙いにいき、38分には中央で平川エリア内へパス→杉山ポストプレイ→藤田走り込んでシュートと流れるような攻撃も枠を捉えられず。

時間も押し迫り前への意識を強めた熊本でしたが、再びそれが仇となり。
43分自陣からマルセロのポストプレイを挟みつつ前進、伊藤のスルーパスで一気に敵陣左サイドへ送ると、受けた山根もすぐさまアーリークロス。
この速く長い攻撃で一気に崩された熊本、最後はファーサイドに猛烈に走り込んだマルセロのシュートが右ゴールポストを叩いた末にネットに突き刺さり。
興奮したマルセロがユニフォームを脱ぐ(当然警告)程の、点の取り合いを締める劇的なゴールとなりました。

しかし諦めない熊本、アディショナル突入後も攻撃の手は衰えず。
ロングパス→フリックという流れで、エリア内で受けたターレスのシュートがブロックされてコーナーキックとなると、GK佐藤も前線に上がり何としてでも4点目を取る姿勢は不変。
その後左サイドでのスローインからの攻めで、杉山のクロスがファーサイドに上がると、菅田がヘディングで折り返し。
土信田が中央で合わせにいった手前で、ガブリエウのクリアがあろう事かシュートの軌道でゴールに向かいましたが、これをGK市川がビッグセーブと紙一重で防いだ横浜FC。
直後のCKでは、再び上がっていたGK佐藤がニアサイドでヘディングシュート(枠外)と、その姿勢を形に表したもののゴールという結果は得られません。

結局3-4のまま試合終了の笛が鳴り、ホーム最終戦は惜しくも敗戦で終わってしまった熊本。
既に昇格を決めていた横浜FCの一方で、プレーオフの戦いに向かう事となりますが、そこで待ち受けている結果は如何に。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第42節 東京ヴェルディvsファジアーノ岡山

2022-10-26 18:24:19 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回のヴェルディの記事はこちら(38節・山形戦、1-0)
※前回の岡山の記事はこちら(41節・秋田戦、1-2)

<前節からの変更>

ヴェルディ=変更はバスケス・バイロン→佐藤凌我の1人のみで、右サイドハーフ→FWへの変更に合わせ、前節FWの河村が右SHにシフトして挑む。

岡山=6人を変更、ヨルディ・バイスがベンチ外となるなど、3位が安泰となった事による入れ替えが中心か。そのバイスに代わって濱田が中央センターバックを務める。その他アンカーが輪笠→本山・右ウイングバックが河野→成瀬。シャドーは河井・田中の2人とも代え、ステファン・ムーク仙波。FWはミッチェル・デューク→ハンイヴォン。(出場停止明け)なお既に契約満了による退団選手が発表されているものの、その中でベンチに入ったのは宮崎智彦のみ。

スタメン

自動昇格は果たせなかったものの、プレーオフ圏の最上位である3位が決定して最終戦を迎えた岡山。
後は1週間後に始まる決戦に向けての調整か、ないしはあくまでも勝利を目指すのか。
例年早めに進路を決める節があるクラブの伝統に従うように、既に5人の選手の退団(廣木・喜山・宮崎智・関戸・齋藤)が発表されている状況ですが、久々のプレーオフ出場とあっては花道を作るという余裕も無いようで。(宮崎智のみがベンチ入り)

デュークをベンチに温存して臨んだ岡山ですが、立ち上がりからハイテンションで攻勢を掛け。
いつも通りに最後方からの長いパスを中心に前線にボールを入れ、前半3分にはそこからセカンドボールを繋いだ末に佐野がエリア内左からシュート(ゴール上へ外れる)とファーストシュートを生み出しました。
6分にはカウンターに持ち込み、スルーパスを受けたチアゴ・アウベスがエリア内左に切り込んでシュート。(GKマテウスキャッチ)

その岡山の姿勢は36節(徳島戦・0-1)でのものと同様で、左WBの佐野が前線のプレッシングに加わり、逆の右WB(成瀬)は相手の左SHをケアする位置で待機。
左CBが本職サイドバックの徳元なのも影響し、4バックへの可変にも見えるこの布陣を、ヴェルディ相手にも見せていきます。
そんな非対称のシステムを受けて後手に回るヴェルディを尻目に、11分には徳元が・13分には佐野がミドルシュートでゴールを脅かしに掛かり。(前者はブロック・後者はGKマテウスがキャッチ)

そんな立ち上がりの時間を経て、ようやくヴェルディサイドは岡山の姿勢をインプット出来たでしょうか。
上がり目となっている佐野の裏を突くように、右サイド深めで河村にロングボールを受けさせる攻撃を見せ始めます。
22分にはその河村が起点を作ったのちのクロス、最初はクリアされるも馬場のスルーパスに走り込んで2度目のクロスを入れる河村。
低く速いボールをGKとDFの間に入れ、岡山・濱田がクリアするもそのボールが左ゴールポストを叩く際どいシーンが生まれ。
こうして攻撃の片翼を担う事となった河村、その後も攻守にアグレッシブに動き回りましたが、26分にはパスを送った岡山・本山をアフターで倒してしまい反則・警告を受ける空回りといった場面も。

次第にリズムが悪くなってきた岡山は、最終ラインからショートパスで繋がんとする姿勢へと傾倒していき。
ゴールキックも短く繋ぎ、ヴェルディのプレッシングをショートパスでかわさんとしますが、普段から貫いていなければそれは中々難しく。
逆に言えば、プレーオフに向けて多彩な攻めの姿勢を持っておきたいという思惑だったでしょうか。

しかし34分のヴェルディの攻撃で、そのお手本を見せ付けられる事となり。
奈良輪とのパス交換を経たCBのンドカ・ボニフェイスが中央をドリブルで持ち上がると、3人剥がして繋ぎ染野→梶川と経由して左へ展開、加藤蓮のクロスが上がり。
その間にFW2人(佐藤凌・染野)がターゲットとならんとする中、その2人の頭を越すファーサイドへクロスが上がると、河村が綺麗にフリーとなってヘディングシュート。
ゴール右へと突き刺さり、鮮やかな流れでヴェルディが先制点に辿り着きました。

リードを奪われた岡山、36分にムークのドリブルがヴェルディ・ンドカに反則で止められ、直接フリーキックの好機を得ます。
中央~左ハーフレーンの中間ぐらいという位置から、チアゴが直接シュートを放ち、壁に当たったボールを佐野がミドルシュートで追撃しましたがゴール上へと外れ。
この際に頭でブロックしたヴェルディ・染野が脳震盪チェックののちピッチ外に出るという慌ただしい状況となり、染野が戻ったというタイミング(39分)でさらに好機を生み出す岡山。
仙波の縦パスをチアゴがフリックでエリア内へ送り、こぼれ球を拾った仙波がエリア内右奥からグラウンダーでクロス。
クリアされたボールを成瀬がボレーシュートにいくもミートせず、しかし混戦のなか尚も細かく繋いで成瀬がシュート(枠外)と攻め立て。

好機とあらば人数を掛けて攻め込む岡山ですが、堅守を維持するヴェルディの前に中々攻撃機会を作れず。
結局前半は1-0のまま折り返しとなりました。

ハーフタイムで岡山サイドが動き、成瀬→永井へと交代。
これでハンイヴォンがWBへと回り、左に入った事で佐野が右WBへシフトとポジションチェンジも交え。

かくして後半開始の笛が吹かれましたが、いきなりの後半2分に岡山・本山とヴェルディ・馬場が空中戦で頭部同士で接触、激しく痛む本山を尻目に反則を取られた馬場が警告を受け。
幸い本山は無事に起き上がり、早速入れ替えたWBを中心にゴールに迫らんとする岡山。
4分に右サイドからアタッキングサードに運んだのちチアゴがサイドチェンジを選択、受けたハンイヴォンがカットインを経てエリア内左からシュート(ブロック)と持ち味を見せます。

プレスの圧力も増して同点を狙う岡山。
それに対しヴェルディは、GKマテウスを使ってのビルドアップで冷静にかわさんとし。
11分にはマテウス→ンドカ→マテウスというパス交換で引き込み、右へのフィードでかわしたのちサイドを振りつつ前進。
そして左からのパスを受けた奈良輪がミドルシュート(GK堀田キャッチ)と、最後尾からフィニッシュまで持っていく流れを作りました。

相手を守勢に追いやりたい岡山でしたが、プレッシングのみでは果たせず。
そんな思惑からか、ターゲットのデューク投入に踏み切ったのが15分でした。
チアゴに代えての投入で、ロングボール攻勢の効率アップにより陣地を押し上げに掛かったでしょうか。
しかし同時に仙波→河井に交代し、不可解だったのはそれと共に大幅なポジションチェンジが敢行された事。
河井はアンカーに入り、それにより本山がシフトしたのは何と右CBで、柳が中央・濱田が左へシフト。
押し出された徳元が空いたシャドーに入るそのイレギュラーっぽい布陣に、プレーオフを見据えての采配という思惑が透けて見え。

なお同時にヴェルディもカードを切り、梶川→深澤へと交代。
深澤は右サイドバックに入り、奈良輪が左SBへ・加藤蓮が左SHへ玉突き的にシフトしましたが、こちらは既に経験済みのポジションであり。

そしてその岡山の布陣が、失点に直結する事となります。
18分中盤でボールを確保した岡山、最終ラインに戻されてパスを受けた本山、ヴェルディのプレスを受ける形となったためさらに戻し。
しかしこれが柳のマイナス方向へとズレてしまい、ヴェルディ・佐藤凌に掻っ攫われてそのまま前進、GK堀田の前目の位置を確認してのミドルシュートが放たれ。
グラウンダーのシュートがゴール右へと突き刺さり、痛すぎる追加点となってしまいました。
一方棚ぼた的なゴールを決めた佐藤凌、これで昨季に並ぶ13得点という事で、ベンチメンバー・スタッフ達と手厚くハイタッチを交わし。

やはり慣れないポジションはやらせるべきではないと反省したのか、以降4-4-2へとフォーメーションをシフトする岡山。
徳元を本来の左SBへと置き右SBには本山、そしてムーク・河井のドイスボランチへと当て嵌めました。

気を取り直して攻め始めたものの、20分のCKでは逆にヴェルディにカウンターを浴びる(シュートには繋がらず)など流れに乗れない岡山。
直後の21分には再び右スペースでスルーパスに走り込んだ河村のグラウンダーでの「クロスが入り、染野がゴールエリア眼前で合わせるという決定機になるもジャストミート出来ず、こぼれ球を加藤蓮が詰めにいくもGK堀田が抑え逃してしまったヴェルディ。

23分にムーク→輪笠へと交代した岡山。
ボランチの機動力を確保したうえで、人数を掛けてサイド攻撃を仕掛けて押し込みを図ります。
輪笠が積極的にサイドに張り出してボールを出し入れするも、フィニッシュまでは辿り着けない時間が長くなり。
それでも攻撃権を握られたヴェルディは、28分に2枚替え。
馬場・加藤蓮→加藤弘堅・平へと代え、谷口が左SBに回り奈良輪が左SHへシフト。
守備強度を高めた布陣のみならず、岡山の右サイドアタックを受けた際は、奈良輪が一列降りて5バックへと可変する体制で後ろを固めに掛かりました。

時間も進み苦しくなってきた岡山、32分に最後の交代。
宮崎智が投入され(徳元と交代)、岡山でのラストプレーかどうかは今後のプレーオフ次第ですが、雄姿を見せる宮崎智。
その直後の33分、河合のロングパスでデュークが裏を取り、ダイレクトでループシュートを放ってGKマテウスの頭上を破り。
しかしボールはゴールに吸い込まれるも、オフサイドで無効となり実りません。

守備固めの様相となったヴェルディに対し、強度でこじ開けるしかないという状況の岡山。
有利なヴェルディサイドも36分、多大な貢献をしていた河村が足を攣らせてしまうなど、決して無傷では済まされず。(39分にバイロンに交代・同時に佐藤凌→阪野に交代)
それでも過去4試合無失点で連勝という実績を胸に、自身を持って逃げ切りへのロードを走っていきます。

ヴェルディがボールキープに徹する時間も作りつつ、岡山が得点出来ぬまま、とうとう突入したアディショナルタイム。
完全に押し込むという流れを作れず、既に同点への機運は無い状況のなか、中盤で輪笠のボール奪取から決定機を迎え。
その輪笠が中央へ縦パスを送ったのち、右サイド奥でスルーパスを受けてクロスを供給。
そして永井のヘディングシュートがゴールを襲ったものの、バーを掠めて惜しくも得点出来ずに終わります。

結局2-0のまま試合終了、ヴェルディは6連勝でシーズンを締めた一方で、まだ試合が続く岡山。
連敗でプレーオフを迎えるとあっては不安が拭えませんが、戦術的に色々試しを図った試合だったのも確かであり。
決戦の時までどう取り入れるか、期待半分不安半分といった所でしょうか。

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