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ABEMA観戦 2022FIFAワールドカップ 決勝戦 アルゼンチンvsフランス

2022-12-19 16:00:43 | サッカー視聴記(2022年その他)

<アルゼンチンスタメン> 4-1-2-3
GK エミリオ・マルティネス
RSB モリーナ CB ロメロ CB オタメンディ LSB タグリアフィコ
DH フェルナンデス
IH デパウル IH マクアリステル
RWG メッシ CF アルバレス LWG ディマリア
<フランススタメン> 4-2-3-1
GK ロリス
RSB クンデ CB ヴァラン CB ウパメカノ LSB テオ・エルナンデス
DH チュアメニ DH ラビオ
RSH デンベレ CH グリーズマン LSH エムバペ
FW ジルー

参考動画 -アルゼンチン vs フランス 決勝|FIFA ワールドカップ カタール 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA

ついに訪れた決戦の日。

この日までに一悶着あったのはフランスの方で、前試合(準決勝・モロッコ戦、2-0)でも数名体調不良による欠場がありましたが、それがさらに拡大したとの報道があり。
それに合わせるように、故障で代表から外れていたエース・ベンゼマが復帰するか否かというニュースも流れる等、混乱気味な内情。(と言いつつも、外野からでは所詮詳細は不明である)

そして決勝の舞台であるルサイルスタジアムの、雰囲気を味方に付けたのはアルゼンチンの方でした。
何と言っても、象徴的存在のメッシがワールドカップを手にするかどうかという注目点はとてつもなく大きく。
メッシがチャンスになりそうな状況でボールを持てばスタンドは沸き上がり、反則チャージを受けようものならブーイング紛いの歓声が上がるという場と化していました。

その状況を覆さんと、入りからフランスは積極的に仕掛けて先制点を奪わんとする。
そんな立ち回りが伺えた……のはキックオフ直後のみであり、プレッシングを掛けるも実らずに終わると、後は防戦一方の流れを強いられます。
中3日で離脱者続出、かつ準決勝は接戦を強いられたフランス。
それに対しアルゼンチンは中4日で、しかも準決勝(クロアチア戦、3-0)は安全圏を確保して消耗を防いだという試合を演じ。

この差は大きく、フランスは攻守に精彩を欠き。
パスミスが目立ち、プレスも掛けられずとあっては、エースのエムバペに良い形でボールが渡る事は殆ど無く。
おまけにアルゼンチンの対策もバッチリで、中盤でボールを引き出す役であるフランス・グリーズマンに対するマンマークが冴え渡り。
マクアリステルが常時チェックを怠らず、彼を経由しての攻撃でペースを掴んでいたこれまでのフランスの流れを見事に断ち切ったようでした。

そうして攻撃権を掴んだアルゼンチンの攻撃。
スタメン復帰して、本来とは逆の左サイドに入ったディマリアをフリーにさせたうえで、ミドルパスを受けさせる流れを作り上げ。
こちらも攻めの形はしっかりと構築し、後は得点するだけというアルゼンチン。

フランスのシュートは、前半20分の左サイドからのフリーキックで、ジルーがクロスを合わせたヘディングシュートの1本のみ。(反則で取り消しとなったため記録上はゼロ)
強力な攻撃陣の抑え込みに成功させると、迎えた21分の攻撃。
こちらもディマリアが左サイド奥でボールを持つ定番の形で好機となると、切り返しからカットインでエリア内を突き。
対峙したフランス・デンベレが抜かれ、たまらず後追いの形で倒すという印象最悪なシーンを演出してしまうと、主審の笛が鳴り反則。
エリア内なので当然PKが与えられたアルゼンチン、蹴るのはこちらも当然メッシ。
この一大決戦の舞台でも、普段通りに落ち着いた助走から、しっかりとGKの逆を突くシュートでゴールを決め。
自ら栄冠を掴まんというメッシのゴールで、アルゼンチンが先制に成功しました。

追い付きたいフランスですが、その動きは相変わらず重く感じられ、流れを掴めません。
やはり起点となるグリーズマンを抑えられては、コンディションの良くない状況で打開は難しいのか。
それを突きアルゼンチンが攻撃機会を重ねていくなか、36分に久々にフランスの攻撃。
敵陣に進入して左サイドでスローインを得ると、スローをエムバペがダイレクトでトラップ、その流れでカットインに持ち込まんとするも対応され実らず。
頼みはエムバペという苦しさを滲ませるのみに終わると、その直後でした。

アルゼンチン陣内でボールの奪い合いが発生すると、フランスのパスをモリーナが跳ね返し、そのボールをダイレクトで繋ぐ事で一気に好機に。
マクアリステル→メッシ(2タッチ)→アルバレススルーパスで、裏を取ったマクアリステルがさらにダイレクトで横パス、そこにフリーで走り込むのはディマリア。
GKロリスの前に出てのセービングの逆を突くシュートで仕上げ、リードを広げます。
前半のうちに2点リードと、優勝に向けてサポーターのムードも最高潮となるアルゼンチン。

嫌でも攻めなければならない状況となったフランスですが、以降も低調な流れは続き。
たまらずベンチが前半のうちに動きを見せます。
ボールロストが目立ったデンベレと、孤立気味だったジルーを交代。
そして右サイドハーフにコロムアニ・左SHにテュラムを投入し、エムバペが1トップに回るという、半ば手術じみた采配を敢行しました。(といってもエムバペ・テュラムの位置は準決勝の交代策と同じ)

これが3試合目の出場で、準決勝では投入後即ゴールを挙げるというラッキーボーイぶりを発揮したコロムアニ。
この日は縦への突破を見せる役回りとなりましたが、苦境を打開するには至らず。
アディショナルタイムの最終盤、ドリブルでアルゼンチン・フェルナンデスの反則を誘った事で(フェルナンデスに)警告が出されたのが効果的なプレーだったでしょうか。
これで得たFKからもフィニッシュは生まれず、結局(記録上は)シュートゼロのまま前半を終える事となったフランス。

後半も立ち上がりはアルゼンチンのペースで、敵陣でのパスワークののちエリア内へスルーパスを送ってチャンスを創出する攻撃を連発させます。

それを断ち切りたいフランス、後半6分に7対6でのプレッシングを嵌めて敵陣でボール奪取、エムバペに渡る好機を作り。(クリアされてコーナーキックに)
徐々に発揮される積極性で、好循環を生み出せれば……という展開。
しかしスタンドと一体となっての、アルゼンチンの流れを壊すのは並大抵の事では無く。

逆にフランスのビルドアップを遮断しての好機を生み出すアルゼンチン。
14分には左サイドでタグリアフィコのカットから、拾ったディマリアがカットインから左ポケットへスルーパス、受けたアルバレスがシュート。(GKロリスセーブ)
続く15分にもタグリアフィコが反則気味にボール奪取してディマリアが拾うという流れで、今度は自身がエリア内左へと切り込んでマイナスのクロス。
中央に走り込んだデパウルはスルーを選択し奥のメッシに受けさせ、DFに付かれながらもシュートを放ったメッシ。(枠外)
こうなると反撃どころか、その流れすらも生まれる気配は無くなります。

何とか打開せんと、19分頃から再びエムバペが左サイドへと戻り、1トップの位置にはテュラム。(直後にアルゼンチンはディマリア→アクーニャへと交代)
T・エルナンデスが攻撃に絡む事で、左サイドから推進する流れを作るフランス。
そこから得たCKで、コロムアニがヘディングシュート(実際には肩で合わせる)とようやく後半の初フィニッシュを放つ(23分)も、厳しい流れは変わらず。
エムバペに好機が訪れたのは26分で、カットインからエリア内へパスを送らんとし、遮断されるも自らエリア内左で拾い直して再びカットイン。
そして中央からシュートを放ちましたが、ゴール上へと外れてしまいモノに出来ず。

この苦境を跳ね除けられるのはやはりエムバペしかいないという状況で、その通りにFWに据えたいものの、本来の左サイドで無ければ持ち味は十分に出ない。
かくしてその解決に掛かったでしょうか、26分にベンチが動き、良い所が無かったグリーズマンを退かせる決断を下します。(コマンと交代、同時にT・エルナンデス→カマビンガに交代)
<後半27分以降のフランス> 4-4-2
GK ロリス
RSB クンデ CB ヴァラン CB ウパメカノ LSB カマビンガ
RSH コマン DH チュアメニ DH ラビオ LSH テュラム
FW コロムアニ FW エムバペ
2トップへとシフトし、エムバペがフィニッシャ・サイドアタッカー双方を務められるようなポジションに。

それでもその直後に、メッシの細かいタッチでのドリブルから、パスを受けたフェルナンデスがシュートを放つ(GKロリスキャッチ)など流れは依然としてアルゼンチン。
以降も好機を何度も作り、アルゼンチン戴冠の雰囲気はこのまま不変か……と思われた所に、ついにそれが破れる時が訪れます。

34分、アルゼンチンが攻撃を仕掛けるもこぼれ球となり、それをダイレクトで繋ぐ事でひっくり返すフランス。
送られた縦パスをエムバペが(脚で)フリックした結果、コロムアニが超スピードでオタメンディを抜き去って受け、エリア内に入ったコロムアニを後ろからオタメンディが倒してしまいます。
反則の笛が鳴り、フランスのPKとなり。
これをキッカー・エムバペがゴール左へと決め、アルゼンチンと同様に1点目をPKで得たフランス。

1点差ならば流れがどうであろうと最後まで判らない。
直後にアルゼンチンはスローインの判定を巡り、リオネル・スカローニ監督がヒートアップし審判団に宥められるというシーンも見せる等、明らかに余裕は失われつつありました。

しかし同点劇は間も無く生まれる事となり、齎したのは当然と言うべきか、またもこの男でした。
アルゼンチンがメッシのボールキープで落ち着かんとした所、コマンがボール奪取して敵陣でスタートするフランスの攻撃。
そしてラビオのミドルパスを頭で落としたエムバペ、そのままダイレクトで送られたテュラムのエリア内への浮き球パスに走り込み、流れるようにシュートを放ち。
GK E・マルティネスのセーブを弾き、ゴールネットを揺らすボール。
立て続けのゴールで、一気にフランスを甦らせたエムバペ。

勢いそのままにゴールに迫るフランス、途中出場のカマビンガの良いボール奪取も絡めてついにペースを掴み。
それでも試合終盤で、泥仕合じみた様相にも化していきます。
42分にワンツーでエリア内へ切り込むテュラム、アルゼンチン・フェルナンデスに倒されまたもPKか、と思われましたが今度はシミュレーションの反則で警告を受ける事に。
直後の43分にはラビオとアルバレスが空中戦で頭部が激突し、ダメージが深く中々起き上がれなかったのラビオの方。
脳震盪が危ぶまれる中、何とかプレーに復帰するラビオ。

そのままATへ突入。
エムバペは2得点後も変わらず躍動し、左から中央へとカットインしてのミドルシュート(ブロックに当たり枠外)などゴールを脅かし。
その一方でベンチに退いたジルーが警告を受ける(詳細は不明)など、醜悪さも前面に押し出される事となり。
するとアルゼンチンも好機を生み出し、メッシがミドルシュートでゴールを狙う(GKロリスセーブ)など、やはり両雄には均等に見せ場を与えるサッカーの神。

それでも勝ち越し点は生まれる事無く、後半終了の笛を聴く事となり。
決めきれない両雄に物足りなさを覚えた神(?)によってか、勝負は延長戦に持ち越されます。

既に延長戦は体験済みのアルゼンチン。(準々決勝・オランダ戦、PK戦で勝利)
その開始前に、1度しか使っていなかった交代カードを使用しモリーナ→モンティエルへと交代して挑みます。

延長前半3分にアルゼンチンが、マクアリステルのミドルシュートを放った(枠外)のみという流れの中、フランスはラビオに限界が訪れ。
5分にフォファナへと交代させます。(脳震盪の疑いのためカードは消費せず)
その直後の6分には、エムバペが(ロメロに)スライディングを受けて倒れるという前試合の焼き直しのようなヒヤリとする場面も見られ。

層の薄さにも悩まされるフランス、こうなると苦しさは明らかであり。
見せびらかすかのように、13分にアルゼンチンは2枚替え。
デパウルとアルバレスに代えてパレデスとラウタロ・マルティネスを投入すると、直後からLA・マルティネスの下に好機が訪れる流れが生まれます。
15分にメッシとマクアリステルのワンツーでエリア内を突いたのち、LA・マルティネスの下にパスが出され、すかさずシュートが放たれたもののフランス・ウパメカノがスライディングでブロック。(その後のマクアリステルのシュートもフランス・ヴァランがブロック)
ATにも裏へのミドルパスを受けたLA・マルティネス、GKと一対一に持ち込んでシュートを放つもゴール左に外してしまい決められず。
ヒーローになり損ねたという流れのなか延長前半が終わり、勝負の行方もいよいよ残り15分となります。

早めの交代を余儀なくされたフランス、やはり燃料切れが露わになるのも早かったでしょうか。
アルゼンチンペースとなった延長後半。
しかし延長後半2分に、スローインからメッシがダイレクトでシュートを狙う(GKロリスセーブ)など、疲労度はこの男の前には無関係といったシーンが描かれ。

そして続く3分、その通りの結果が生み出されます。
ロングパスをLA・マルティネスが落とし、メッシ→フェルナンデスとダイレクトパスの連続を経て、再びエリア内でLA・マルティネスがチャンスを迎え。
そして放たれたシュートをGKロリスがセーブするも、眼前に詰めたメッシが追撃のシュートを放ち、フランスはクンデが掻き出したもののその場はゴール内。
アルゼンチンの勝ち越しゴールとなり、やはり星があったのはLA・マルティネスでは無く、メッシの下だったでしょうか。
英雄が決める事で美しく締められる……はずでした。

勝ち越されたフランス、8分に残っていた交代枠の一つを使い。(ヴァラン→コナテ)
これもコンディション面に不安のあるヴァランを退かせるという側面が伺える交代と、流れを変えられるものでは無い。
そんな風に(個人的に)思っており、以降フランス陣内左奥でのボールキープの時間を作り、逃げ切りモードに入るアルゼンチン。

しかしアルゼンチンが交代を用意している最中の10分、FKからの二次攻撃で、そのコナテがフィジカルを活かして右サイド奥を突き。
そしてCKを得ると、このタイミングで交代するアルゼンチン。(マクアリステル→ペッセーラ)
3バックへと移行するのは明らかでしたが、このセットプレーを凌がなければならない状況。
するとドラマは終わらないとばかりに、クリアボールを拾ったエムバペがシュートを放つと、アルゼンチンはモンティエルがブロックに入り。
それによりシュートは防がれた、と思った刹那主審の笛が鳴り、モンティエルのハンドという判定(警告付き)で再びPKを得たフランス。
同点への絶好機ですが、決めなければ後が無いというキックでもあり。
1本目と同様にキッカーを務めるエムバペ、そしてそのシュートも1本目と同じく左へ強いキック。
これでGKの逆を見事に突き、プレッシャーを物ともせず再び同点を齎したエムバペ。
同時にハットトリックも達成と大車輪の活躍で、勝負はまだ続きます。

一方、逃げ切りの布陣を同点になってから披露する羽目となったアルゼンチン。
<延長後半13分以降のアルゼンチン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK E・マルティネス
RCB ロメロ CCB ペッセーラ LCB オタメンディ
RWB モンティエル DH パレデス LWB タグリアフィコ
IH フェルナンデス IH アクーニャ
FW メッシ FW LA・マルティネス

その後ATに突入したという所で両者最後の交代。
フランスはクンデ→ディサジ、アルゼンチンはタグリアフィコ→ディバラ。

PK戦も見据えたという事も考えられる采配ですが、お互い4点目を狙う姿勢は変わらず。
エリア内へのスルーパスに走り込んでのシュートが1本ずつ描かれ、アルゼンチンはLA・マルティネスがシュート、GKロリスが足でセーブ。(しかしオフサイドとなり無効に)
フランスはコロムアニがシュートし、こちらもGK E・マルティネスが足でセーブと、一歩間違えれば……というシーンとなります。
そして最後はフランス、エムバペが左サイド奥からカットイン、強烈な進入を見せたものの何とかシュートは撃たせなかったアルゼンチン。

そして延長後半も終了となり、まさに最終決戦に相応しいPK戦へと突入しました。

PK戦も既に経験済みのアルゼンチン。
コイントスの結果、準々決勝と同様にアルゼンチンサポーター側のゴールで行われ。

1本目はともにエース同士の蹴り合いとなり、先行のフランスはエムバペ。
試合中の2本と同様にゴール左への強いシュートを選択し、GK E・マルティネスは反応するもセーブを弾かれ、成功。
後攻のアルゼンチンはメッシで、対照的に落ち着き払われたゴロのシュートをゴール左に決めます。

共に成功となり、フランスの2本目はコマン。
グリーズマンの交代以降、セットプレーのキッカーも務めていた男のキックでしたが、エムバペ同様に左へ強いシュートを選択。
しかしコースが甘くなったのもあり、GK E・マルティネスにセーブされてしまいます。
対するアルゼンチンは、延長後半ATで投入されたディバラ。
PK要員と取られるような起用(かどうかは不明)に応え、真ん中に蹴り込んでゴールを奪い、リードを齎します。

これで苦しくなったフランス、3本目は常時中盤の底を務めたチュアメニに託します。
前2人と同じく左へシュートしましたが、GK E・マルティネスに反応されたのもあったか、枠を外してしまい痛恨の失敗。
アルゼンチンはパレデスが務め、左へシュート。
GKロリスは今度も反応し触れますが、跳ね返せずゴールに突き刺さり。
これで2本リード、王手をかけたアルゼンチン。

後が無いフランスの4本目。
コロムアニがゴール中央へ決めて何とか凌ぎ、いよいよアルゼンチンの勝負を決するキッカー。
その前にGK E・マルティネスが挑発行為でもあったか警告を受けるという一幕が描かれたものの、務めたモンティエルは左へとシュート。
GKロリスが逆を突かれた事により、ゴールに突き刺さり決着。

道中エムバペに幾度もその流れを阻まれる事となりましたが、終わり良ければ総て良し。
見事に最後に残されたタイトルを手にするという劇を演じきったメッシ、MVPに輝いたのも当然過ぎるほど当然であり。
その光景に、おめでとう以外の言葉は浮かぶはずも無いでしょう。

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ABEMA観戦 2022FIFAワールドカップ 準決勝 フランスvsモロッコ

2022-12-16 16:38:59 | サッカー視聴記(2022年その他)

<フランススタメン> 4-2-3-1
GK ロリス
RSB クンデ CB ヴァラン CB コナテ LSB テオ・エルナンデス
DH チュアメニ DH フォファナ
RSH デンベレ CH グリズマン LSH エムバペ
FW ジルー
<モロッコスタメン> 5-4-1
GK ボノ
RSB ハキミ RCB ダリ CCB サイス LCB エルヤミク LSB マズラウィ
RSH ツィエク DH アムラバト DH ウナイ LSH ブファル
FW エンネシリ

参考動画 -フランス vs モロッコ|FIFA ワールドカップ カタール 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA

「強いものが勝つのでは無い、勝ったものが強いのだ」という、かつての「キャプテン翼」のシュナイダーくんベッケンワウアー氏の名言を呼び起こす躍進を見せているモロッコ。
その守備力は圧巻で、ここまで僅か1失点という驚異の成績で、数多の強豪を一敗地に塗れさせてベスト4にまで辿り着きました。

そして迎えたのは優勝候補のフランス。
どう考えても苦しい戦いが予想される中、5バックシステムを開始時から採るという守備重視のスタメン。
フランスの攻撃力を凌ぎ、少ない好機をモノにして勝機を見出すという作戦……では無く、サイスの故障を考慮しての事のようであり。
前試合で負傷退場したものの、キャプテン故の責任と意地でこの日もスタメン出場、しかしその負担を減らすための苦肉の策らしく。
尚それとは別に、5番・アゲルドがDFとして出場予定だったものの、アクシデントがあったのか開始時に20番・ダリと入れ替わり。

モロッコのキックオフで幕を開けると、GKまで戻したうえで、ゴールキックからの組み立てのように前進していくモロッコの攻撃。
しかし縦パスを遮断されてフランスが自陣からカウンターに持ち込み、右サイドを抉ったデンベレがクロス(ブロックされる)という具合に、入りの1分間で攻めの応酬を見せた両チーム。

守備免除のエムバペを抱えているためプレッシングは控えめのフランスを尻目に、モロッコがボールを握るという展開に。
しかしノックアウトステージ以降、低いボール支配率での戦いが続いていたチームだけに、逆効果となってしまったでしょうか。
前半5分、敵陣でパスワークによりサイドを揺さぶるフランスの攻撃、スイッチを入れたのはヴァランの縦パスを右サイドで受けにいったグリーズマン。
一旦足下で受けると見せかけて裏に走り込むという動きでモロッコ・エルヤミクを釣り、エリア内右を突いてマイナスのクロスを入れると、合わせにいったのはエムバペ。
ディフェンスに遭いこぼれた所を再度シュートに持っていき、ブロックでさらに防がれるも、ファーにこぼれたボールを詰めたのはT・エルナンデス。
高く跳ねたボールをジャンピングボレーの形でシュートにいったのは、今大会でのエムバペとの阿吽の呼吸が為せた技でしょうか。
ゴールネットを揺らし、モロッコの思惑を外す早期の先制点を挙げたフランス。

この失点により、主体的な攻撃を強いられる展開となったモロッコ。
10分に左サイドでの攻め上がりから、ウナイがミドルシュートを放つもGKロリスがセーブ。
まずはこうしたゴールの脅かしで、専守のチームでは無い事を証明するのが同点ないしは逆転への道筋だったでしょうか。

しかし後方を支えていたサイスは、負傷を抱えてのプレーが仇となり。
17分のフランスの攻撃、後方からのロングパスをサイスはクリアできず、ジルーに裏を取られる危機を招いてしまい。
ジルーのシュートは左ゴールポストを直撃と、寸での所で追加点は免れたモロッコでしたが、重く見たベンチはすかさず交代の準備を敢行します。
プレーが途切れた21分にサイスが退き、アマラに交代するとともにフォーメーションも変更。
<前半21分~後半33分までのモロッコ> 4-1-2-3
GK ボノ
RSB ハキミ CB ダリ CB エルヤミク LCB マズラウィ
DH アムラバト
IH アマラ IH サイス
RWG ツィエク CF エンネシリ LWG ブファル
これまでと同様のスタートの布陣へと戻し、より攻撃的にシフトします。
なおシャドーは、37分辺りでアマラとサイスの位置が入れ替わり。

以降フランスは守勢に回り、エムバペの前残りによる隙を突かれる形で押し込まれ始め。
この日はそれをカバーするラビオがベンチ外(体調不良との事)という要素もあり、これにT・エルナンデスの上がりも加われば、敵に広大なスペースを与えてしまうのは必然とも言えました。

その後30分過ぎからフランスは逆襲を掛けるも、Tエルナンデスが反則チャージを受け倒れ込む場面も頻発しリズムを作れず。
35分にコーナーキックを得たものの、モロッコが前線に2人残すという露骨なカウンター狙いを受けて、ポジション取りを巡り混乱も見られました。
結局このCKは、フリックがこぼれた所を多少強引にフォファナが撃った(枠外)事でモロッコの狙い通りにはさせず。
そして直後の36分に決定が訪れ、チュアメニのボールカットからのドリブル→スルーパスで一気にエリア内へ運ぶと、受けたのはエムバペ。
GKを引き付けての横パスを選択し、デンベレがファーで走り込む前でクリアされるも、尚もチュアメニがダイレクトでエリア内へ送り。
そして中央でジルーがシュートを放ちましたが、ゴール左へと外れてしまい追加点はならず。

一方何とか接戦を保つモロッコに、決定機が訪れたのは44分。
右ポケットを突いたウナイのスルーパスにより得たCKから、クロスの跳ね返りをエリヤミクが何とバイシクルでシュート。
これがゴール左を襲い、GKロリスが辛うじてセーブ(ののちゴールポストに当たる)するという際どいボールとなります。(なおも繋いでブファルが後方からシュートするも枠外)
勢いを得たモロッコ、アディショナルタイムにはセットプレーの連続で押し込むものの、同点にする事は出来ず。

ビハインドながらも、強豪相手に善戦といった試合運びのモロッコ。
1-0で前半を終え、挟まれたハーフタイムで次なる交代策を投じ、マズラウィ→アティヤト・アラーへと代えて後半に臨みます。

そんなモロッコの、あるいはスタンドを埋めるサポーター群の思いを挫きたいフランス。
後半立ち上がりから、ストロングポイントのエムバペを活かした攻撃で追加点を狙いにいきます。
後半2分に例によって左サイドをドリブルで突くエムバペ、そのままエリア内左奥へ切り込み浮き球でマイナスのクロスを送るも合わず。(拾ったクンデがミドルシュートもブロックに防がれる)
続く3分にはエリア内へ送られたスルーパスに走り込むエムバペ、しかし眼前でGKボノが抑え。
チャンスメイクとフィニッシュ双方をこなさんとしたエムバペですが、モロッコはこれを良く防ぎます。

しかしその一方で激しいチェックにより、6分にはそのドリブルがモロッコ・アムラバトにスライディングで倒され、痛んでしまうエムバペ。(反則無し、その後ピッチ外→復帰)
その後もモロッコ・ダリのチャージを受けたため、エムバペのスパイクの紐が切れてしまう一幕もあり、激しい攻防の傷跡は凄まじいようでありました。

結局得点を挙げられなかったフランス、こうなると前半から見られたエムバペが居る事によるリスクの方に目を向けざるを得なく。
10分過ぎ辺りから、普通のサイドハーフ的な立ち位置を取り守備参加を始めるエムバペ。
勝ち残りのためには特別扱いは出来ないという思惑で、逆に言えばそんな状況に追い込んだモロッコのサッカーの凄まじさを痛感する事となりました。

そうしてエムバペを自陣へと追いやった事で、モロッコはボール支配による攻撃を固定化させ。
全員(GK除く)敵陣で攻め込むという、ポゼッションスタイル至福の時ともいえる攻撃シーンも作り、同点への流れを作らんとします。
18分には右サイドで受けたブファルが右ポケット奥を突き、マイナスのクロスを入れるというフランスのお株を奪う場面もありましたが、シュートは撃てず。

追い付かれる危惧が高まったフランス、20分にメスを入れ交代策に出ます。
ジルー→テュラムへと交代し、テュラムが左に入る事で、エムバペをセンターフォワードの位置へとシフトさせ。
これが左サイドの守備力を上げ、かつテュラムの突破で攻撃にもプラスアルファを齎すという具合に、一挙両得の采配となりました。
一方のモロッコも21分、エンネシリ・ブファル→ハムダラー・アブクラルへと2枚替え。

エムバペとは一味違ったテュラムのドリブルに対し、モロッコは反則で止めてしまう場面が数多。
そしてフリーキックを与える事で、時間と好機を作られてしまいリズムを失う事となりました。

打開したい状況となったモロッコ。
前から行く守備に賭ける事となり、その思惑通り31分に敵陣で5対5の状況を作ってアマラがボール奪取に成功。
そしてハムダラーのドリブルでエリア内に進入、さらに持ち込むもフランスの戻りを受けてシュートは撃てず、その後クロスを上げたのみに留まり。

33分にモロッコは最後の交代、アマラ→エザルズリへと交代。
それと同時にハムダラー・アブクラルの2トップとした4-4-2へとシフトします。(エザルズリは左SH)
同時にフランスも動き、デンベレ→コロムアニへと交代。

そして直後の34分にとうとう試合が動き。
動かしたのはフランスで、中盤からの前進を経て今度はエムバペがエリア内へスルーパスを送る役となり、左ポケットで受けたテュラムからの戻しを受けたエムバペ。
そしてエリア内を細かいタッチで前進してシュート、モロッコ・エザルズリがブロックするも、跳ね返りがファーサイドでフリーのコロムアニの下へ。
再びエムバペのシュートのディフレクションを詰める形で、待望の追加点を得たフランス。
一方エムバペのフィニッシュは防いでも、それだけでは無失点で済ます事は出来なかったモロッコ。

それでも望みを捨てずに攻め上がるモロッコ。
必死で敵陣でパスを回し隙を伺うのに対し、エムバペを最前線に残したリトリート守備を見せるフランス。
そしてカウンターに入ってもボールキープを重視と、逃げ切り意識を強めて時間を使います。

とうとうモロッコに残されたのはATのみとなり。
時間が進むにつれてサイド奥へと進入できるのも稀となり、アーリークロスの割合も増えていき。
しかしその右サイド手前でのクロスから、フランスのクリアミスもありエリア内で拾ったエザルズリがシュート。(ブロック)
フランスのデイフェンスも決して盤石では無い、というシーンが描かれ、尚も諦めずに攻め込み。

そして迎えた決定機、左サイドをドリブルするエザルズリが奥へ進入、そしてカットインでGKロリスの眼前へ。
そのブロックに遭いこぼれるも拾ったウナイがシュート、ブロックされたボールをさらにハムダラーが詰めましたが、ゴール手前でフランス・クンデのカットに阻まれてしまいます。
これだけやってもゴールは奪えずというシーンに、落胆の声が画面上でも伝わって来る事となりました。

結局2-0のまま試合終了となり、決勝戦にコマを進めたのはフランス。
王者相手に決して悪い内容では無かったモロッコ、涙を呑む破目となったものの、アフリカ勢の最高成績を引っ提げて胸を張って帰国して貰いたいものです。(まだ3位決定戦がありますが)

そして決勝戦はフランスとアルゼンチンの激突に。
連覇達成か、メッシが栄冠を掴んで締めるのか、と話題性でも見所十分のカードとなったでしょうか。

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ABEMA観戦 2022FIFAワールドカップ 準決勝 アルゼンチンvsクロアチア

2022-12-15 16:02:00 | サッカー視聴記(2022年その他)

<アルゼンチンスタメン> 4-4-2
GK エミリアーノ・マルティネス
RSB モリーナ CB ロメロ CB オタメンディ LSB タグリアフィコ
RSH デパウル DH パレデス DH フェルナンデス LSH マクアリステル
FW メッシ FW アルバレス
<クロアチアスタメン> 4-1-2-3
GK リバコビッチ
RSB ユラノビッチ CB ロブレン CB グヴァルディオル LSB ソサ
DH ブロゾビッチ
IH モドリッチ IH コバチッチ
RWG パシャリッチ CF クラマリッチ LWG ペリシッチ

参考動画 -アルゼンチン vs クロアチア|FIFA ワールドカップ カタール 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA

その盛り上がりは着実に最高潮に近付くとともに、「もうすぐ終わり」という哀愁も漂い始める。
セミファイナルまで辿り着いた今大会も、そろそろそんな2つの思いが板挟みとなる時でしょうか。

創立(1992年)以来歴史が浅いクロアチア代表ですが、5度目の本大会出場となった前回の2018年大会で、準優勝と躍進。
成績的には強豪国と肩を並べつつあると言っても良く、今大会もそれに違わずここまで勝ち残り。
準々決勝ではブラジルをPK戦の末に撃破し、そしてその隣国であるアルゼンチンがこの日の相手となりました。

立ち上がり、アルゼンチンが裏抜け狙いのミドルパスで好機を作る事2度。
ゆったりと組み立てつつ好機を伺いたいその思惑に対し、クロアチアは前半5分に敵陣でボール奪取から好機を作るなど、早めに仕掛けて主導権を握りたいという思考をぶつけ。
その結果、7分に早くも判定を巡ってクロアチアサイドがヒートアップする(アルゼンチンのチャージは流され、自身のチャージは反則を取られる)など、このピッチ上は絶対負けられない戦場であるという事を再認識させます。

アルゼンチンは守備でもプレッシングはあまり掛けず、4-4-2のブロックで構えるスタイル。
慎重・消極的という言葉を連想させるその姿勢とは裏腹に、これが実に効果的となり、クロアチアは以降ボールを握るものの攻めあぐみ。
構えるといっても、最終ラインを高く設定し、非常にコンパクトな布陣としたうえでのゾーンディフェンスを行うアルゼンチン。
これによりクロス攻勢に入りたいクロアチアは、ターゲットはゴールから距離が遠くなり機能せず、サイドからの突破もアルゼンチンディフェンスの素早い寄せによりクロスはブロックに阻まれ。
そうして強固な壁を築き上げたうえで、後は裏抜けのケアに全力を注げば良い……という、高さの面で劣るアルゼンチンが出した守備での答えが発揮される事となりました。

クロアチアは止む無く上げるアーリーでのクロスは精度を欠き、効果的な裏抜けも出来ず、攻撃権を握りながらもフィニッシュに繋げられない(16分にコーナーキックの二次攻撃から、ロブレンがヘディングシュートも枠外)という苦しさが露わとなり。
逆に20分過ぎからアルゼンチンが遅攻をベースにして攻勢を掛けます。
敵陣でパスを繋ぎつつ、隙を突いてエリア脇へと裏抜けのボールを送るという攻撃。
それに加え、前の試合でも見られたフェルナンデスのミドルシュート(25分・GKリバコビッチセーブ)も交え。

一転ゴールを脅かされる展開となったクロアチアですが、同時にアルゼンチンの押し込みを受けてのカウンターに持ち込む事に針が振れたでしょうか。
27分にボールキープするメッシからボールを奪い、コバチッチの前進で敵陣へ運び、FWクラマリッチへボールを託した末に反則でフリーキックを獲得。
このFKからはフィニッシュは生まれずも、アルゼンチンの前掛かりなベクトルの逆を突くという意思は統一されたようであり。
31分にはGKまで戻す事でアルゼンチンのプレスを誘い、それをいなして前進、モドリッチ縦パス→クラマリッチポストプレイを経て左サイドで仕掛け。
そしてペリシッチがカットインでエリア内を突き、ループシュートでゴールを狙ったものの惜しくもゴール上へと外れます。

勝ち筋が見えたといったクロアチアでしたが、直後にまるで罠に嵌るかのように一気に危機的状況に追い込まれます。
アルゼンチンのゴールキックからの攻撃、オタメンディの縦パスは遮断されるも、それを拾ったフェルナンデスが裏へミドルパス。
クロアチアは全体ゴールへ向かう意識が知らずのうちに高まっていたでしょうか、そのパスで一気に裏を取られて抜け出したアルバレスにGKと一対一に持ち込まれてしまいます。
前に出たGKリバコビッチをループでかわしたアルバレス、裏を取ろうとした所にそのリバコビッチと交錯して転倒。
戻ったクロアチアディフェンスがボールを拾った、という所で反則を告げる笛が鳴り響き、PKならびに決定機阻止(+エリア内で罰軽減?)によりリバコビッチに警告が付き出されます。
反則チャージでは無く自然的な激突の形であり、納得のいかないクロアチアサイドでしたが、抗議の結果コバチッチにも警告という更なる被害を齎しただけに終わり。
外野からでは、GKがボールに触れられなかった以上仕方無いといった判定でしょうか。
このPKを蹴るのは当然メッシであり、前試合とは異なりゴール上への強いシュートを選択。
これが奏功し、GKリバコビッチは方向こそ合えど届かずにゴール上部に突き刺さり、先制に成功します。

リードを許したクロアチア、攻勢を掛けるも依然としてアルゼンチンのコンパクトな守備に対し打開策を見出せず。
38分に再び右サイド手前からのクロスがブロックに阻まれ、右CKへ移り。
ショートコーナーを選択するも、これもアルゼンチンの素早い反応によりブロゾビッチのクロスはブロックされ。
そしてこれが最悪の幕切れを起こす事となります。
こぼれ球を繋いだアルゼンチン、メッシを経由してボールを受けたアルバレスのドリブルでカウンターに持ち込むと、一気に敵陣を切り裂いてエリア内まで持ち込み。
クロアチアディフェンスも必死に追走したものの、エリア内でのユラノビッチ・ソサのディフェンスはいずれもアルバレスからボールを掻き出すに至らず、そのままシュートが放たれ。
ゴールネットに突き刺さり、相手の攻めあぐみによるカウンターを一閃させたアルゼンチンがリードを広げました。

その後も41分にデパウルがミドルシュート(ブロック)、直後のCKでマクアリステルがヘディングシュート(GKリバコビッチセーブ)と、失意気味のクロアチアに対してゴールに襲い掛かるアルゼンチン。
45分にようやく好機を作るクロアチア、敵陣左サイド→中央での繋ぎからモドリッチがミドルシュートを放ち、ブロックされるも尚も右サイド奥へ繋ぎ。
そしてユラノビッチがクロスと見せかけてシュートを狙い、GK E・マルティネスがセーブした跳ね返りをパシャリッチが詰めにいくも、枠へと飛ばずゴールはなりません。
結局2点差が付いたまま前半が終了。

巻き返したいクロアチアは、ハーフタイムで2枚替え。
ソサ・パシャリッチ→オルシッチ・ブラシッチへと交代し、オルシッチが左ウイングに入る事でペリシッチが左サイドバックに回り。
機能しないサイド攻撃を受け、両WGを入れ替えて来ました。

後半が始まりその立ち上がり、ブラシッチに代えた右サイドから仕掛け、反則を誘いFKに。
サイドからのFKでも、クロアチアが望んだであろうクロス攻撃に躊躇無く入れるためその意味合いは小さくありません。
結局このFKは、モドリッチのファーへのクロスを、走り込んだロブレンの手前でGK E・マルティネスがキャッチして実らず。
それでも意思統一は出来たか、ベンチも後半5分に早くも動き、ブロゾビッチ→ペトコビッチへと交代。
2トップとする(クラマリッチ・ペトコビッチ)事で、ターゲットを増やしにかかったでしょうか。

しかし中々ボールを運べず、その2トップが降りてのポストプレイを交えなければ、パスワークを展開するのも難しいというこの日のクロアチア。
それだけアルゼンチンの守備がソリッドであり、クロアチア対策は万全といった感じ。
時には2トップ双方とも降りてしまうシーンも見られ、機能不全は解消されずに時間は進みます。

その間にも、メッシを中心としたアルゼンチンの脅威に晒され。
13分には中盤左サイドから一旦戻したアルゼンチンの攻撃、そこに掛けられたクロアチアのプレスをいなしたうえでメッシがドリブルで持ち込みます。
そしてフェルナンデスとのワンツーでエリア内左へ切り込み、体勢を崩しながらもそのままシュートを放ち、GKリバコビッチがセーブと際どいシーンを演出。

16分にクロアチアが攻撃、左サイドから仕掛けたペトコビッチがロメロに倒された事で反則、再びサイドからのFKを得ます。
ここでアルゼンチンベンチが動き、パレデス→リサンドロ・マルティネスへと交代。
DFを一枚増やす事で、3バックへとシフトするのは明白でしたが、まずはこのセットプレー。
キッカー・モドリッチのクロスを中央でロブレンが合わせにいき、こぼれた所を自ら詰めにいくロブレン。
しかしGK E・マルティネスが寸前で弾き、こぼれ球がブラシッチに渡るも収める事は出来ず、際どい所で逃してしまったクロアチア。
ヒヤリとしたアルゼンチン、点差を詰められる事無く新布陣へと移ります。
<後半17分以降のアルゼンチン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK E・マルティネス
RCB ロメロ CCB オタメンディ LCB LI・マルティネス
RWB モリーナ DH フェルナンデス LWB タグリアフィコ
IH デパウル IH マクアリステル
FW メッシ FW アルバレス
といっても、前試合のスタメンとほぼ同一であり。
それだけ4-4-2のこの日のスタメンは、クロアチア対策という意味合いが大きかったのでしょう。

その後FWのポストプレイに対しても当たりにいくようになるアルゼンチンの守備を受け、リズムを生み出せないクロアチア。
そんな隙を突き、止めを刺しに行くアルゼンチン。

24分に右サイドからスローイン、アルバレスの落としを受けてドリブルに持ち込むメッシ、一気に右サイドを前進。
クロアチアはグヴァルディオルがそれを阻まんと対峙し、一旦はスピードを落としたメッシですが、巧みなフェイントを交えて再度前を向き右ポケット奥へ。
この時点で勝負あり、といった感じでマイナスのクロスが入れられ、ニアで合わせて仕上げたのはアルバレス。
相手のディフェンスリーダーを手玉に取ったこのメッシのプレーで得た3点目に、事実上終戦を強いられたクロアチア。

それでもピッチ上で諦めの意思を示すのは許されないのがサッカー。
28分には、上記のポストプレイでのアルゼンチンのチャージにより得た直接FK(反則したオタメンディに警告)、ペリシッチが直接シュートを狙い。
壁の間を通してゴールを襲いましたが、GK E・マルティネスがキャッチして実らず。

安全圏となったアルゼンチンは、29分に交代カードを切り、今大会初出場となるディバラの投入に踏み切り。(アルバレスと交代、同時にデパウル→パラシオスへと交代)
そして41分にはコレア・フォイスを投入(マクアリステル・モリーナと交代)と、悠々と足慣らし・試運転の采配を見せていきます。

逆にクロアチアはほぼ望みが無くなり、中心選手のモドリッチを退かせる選択を採ったのが36分。(マイェルと交代)
事実上の終戦宣言とも取られかねない采配でしたが、その投入されたマイェルを中心に攻撃を組み立て。
積極的にミドルシュートを放っていく攻めを見せたものの、時既に遅しという感は拭えません。

結局そのままアディショナルタイムを迎え、最後は後方から上がって来たロブレンのミドルシュートが惜しくもゴール上へ外れ、という所で試合終了の時を迎え。
クロアチアはここまで勝ち抜いたものの、2戦連続でのPK戦を強いられた影響が大きかったという感じで、リードを奪われる=致命傷となってしまったでしょうか。

一方快勝でとうとう決勝進出を決めたアルゼンチン。
今大会が恐らく最後のW杯となるであろうメッシ、それに相応しい戴冠がついに現実味を帯びてきました。

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ABEMA観戦 2022FIFAワールドカップ 準々決勝 イングランドvsフランス

2022-12-13 16:01:29 | サッカー視聴記(2022年その他)

<イングランドスタメン> 4-1-2-3
GK ピックフォード
RSB ウォーカー CB ストーンズ CB マグワイア LSB ショー
DH ライス
IH ヘンダーソン IH ベリンガム
RWG サカ CF ケイン LWG フォーデン
<フランススタメン> 4-1-2-3
GK ロリス
RSB クンデ CB ヴァラン CB ウパメカノ LSB テオ・エルナンデス
DH チュアメニ
IH グリーズマン IH ラビオ
RWG デンベレ CF ジルー LWG エムバペ

参考動画 -イングランド vs フランス|FIFA ワールドカップ カタール 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA

準々決勝においての、強豪同士のぶつかり合い・第2ラウンド。
強豪どころか、優勝候補の大本命同士というべきか。
注目を一手に集めるその戦いの幕開けは、キックオフしてすぐさまボールの異常でブレイク(イングランドがタッチに蹴り出したのち交換)するというものでした。

フランスの攻撃の中心は言うまでも無く左サイドのエムバペ。
既に5得点しているその得点力と、1対1では誰も止められないと思われる推進力で、数多の他チームに涙を呑ませてきた今大会。

そのエムバペにボールを集め、左サイドから前進を図らんとするフランス。
しかし対するイングランドは、エムバペのボール保持に対してほとんどの局面で複数人でチェックにいき、突破を阻む体勢を作り上げて来ました。
それ故全体後ろ重心になるため、持ち味のプレッシングまでも失わってしまわないかどうかという立ち回り。
しかし前半4分に前から行く守備で、ミドルパスを蹴らせた末にヘンダーソンが右サイドでカットしてショートカウンター、そしてフォーデンのシュートまで繋げ。(ブロック)
相手の長所を消しつつ、自身の長所を活かすという目論見はとりあえず成功となったでしょうか。

一方フランスの守備はロープレスに近く、2トップ(前回観たのと同じく、エムバペが前残りしての4-4-2ブロック)が相手のボランチ近辺で構えるスタイル。
時折グリーズマンが前に出てプレッシャーを掛ける以外は、前から行く事は殆ど見られず自陣を固める意識が強く出ていました。

そのフランスの守備に対して、こちらも前回観た通りの左肩上がりの可変気味の布陣をベースに崩さんとするイングランド。
右サイドではサイドバックが上がらない代わりに、ヘンダーソンが開いてボールを受けるという攻めの形。
しかしそれに対し、ウイングのサカはハーフレーンに絞るという可変が多く。
対するフランスは、T・エルナンデスが彼に付く事は無く、ゾーンの意識を高めて守っていた節があり。
15分には右ワイドでボールを持ったヘンダーソンに対し、T・エルナンデスがプレッシャーを掛けた事でパスミスを誘発してフランスがカウンターに持ち込みます。(ラビオのドリブルからエムバペがクロスを入れるも撃てず)

立ち上がりの時間が過ぎ、ここからどうなるかという所で迎えた17分。
しっかりとイングランドの攻撃を最終ラインで切ったフランス、ウパメカノの持ち上がりを経て左サイドでボールを持ったエムバペに対し、例によって3人で取り囲まんとするイングランド。
しかし奪われずに逆サイドへ展開するエムバペ、引き付けた事によりデンベレが右ポケットを突く事に成功。
ボールキープからの戻しを選択すると、空いたバイタルエリアを突くチュアメニのミドルシュート。
イングランド・ベリンガムのチェックは早かったものの、それ以上にチュアメニのモーションが小さく、そして力強く放たれたシュートがゴール左へと突き刺さり。
僅かな隙すら見逃さないという世界最高水準のプレーの末に、フランスが先制点に辿り着きました。

ここからイングランドは修正したか、サカが右ワイドに張っての反撃体制に入ります。
19分にはそのサカのカットインが(ラビオに)反則で止められた事で、右ハーフレーン・エリアからすぐ手前という位置での直接フリーキック。
これをショーが直接狙い、壁の間を通したもののGKロリスの正面でキャッチされ。
直後の22分には最終ラインから右サイドで前進、再びボールを持ったサカが右ポケットへパスを通し、それを入れ替わりで受け前を向いたケインがシュート。
しかしGKロリスが前に出て眼前でセーブと、好判断で防ぎます。

リードされた事で積極性も高くなり、その後も敵陣でのボール奪取を頻発させるイングランド。
その流れで速めに追い付きたい所でしたが、微妙な判定に苦しむシーンも多々見られ。
25分には敵陣深め右サイドでケインがボール奪取、そのままカットインでエリア内を突かんとするもウパメカノに倒されて奪われ、その後VARチェックの末にノーファールに終わり。
34分には再びサカが右からカットインを仕掛け、T・エルナンデスに倒されるも笛は鳴らずと、決定機を目前にして阻まれる事が目立ちました。

対するフランスは無理にチェックの厳しいエムバペを使う事無く、ボールキープを重視するという1点リードを最大限生かす立ち回りへとシフト。
それでも見せ場が訪れるのがスターたる所以でしょうか、38分に例によって左サイドでキープするエムバペに対し、後ろからヘンダーソンが倒してしまい反則。
これで得たFKから、クロスでは無く中央へのパス→エリア内へのスルーパスを選択し、左ポケットへ走り込んだT・エルナンデスのマイナスのクロス。
そしてニアで合わせたエムバペと、左サイドの黄金連係を見せたもののシュートは枠を捉えられず。

終盤にはイングランドがボールポゼッションによる攻撃で、何とか崩さんとする試合展開となり。
サイドチェンジを多用し、フランスディフェンスを揺さぶらんとしましたが実る事は無く。
アディショナルタイムの終盤、フランスはT・エルナンデスがベリンガムのチャージ(反則無し)で痛んでしまうシーンが。
冷や汗を掻いたものの無事に起き上がり、離脱者による層の薄さが懸念されるフランス、これ以上の被害は避けたい所で一安心といった場面でしょうか。

結局0-1のまま前半を終え、ハーフタイムでの交代も無く始まった後半。
早速の後半1分、マグワイアの持ち上がりから左サイドで運び、ベリンガムのドリブルがフランス・デンベレのスライディングに倒されるも攻撃は続き。
そしてフォーデンのクロスがクリアされてコーナーキック、となった所でデンベレに警告が付き出されます。
得た左CK(キッカーはフォーデン)、クロスの跳ね返りをダイレクトで繋ぎ、ベリンガムが中央からミドルシュートを放つもGKロリスがセーブ。
今度は右CKとなり、ファーへ上がったクロスをマグワイアが折り返すも、ライスが巧く合わせられずにGKロリスが抑え。
まず押し込みを見せたイングランド、前半同様に早く追い付きたいという流れとなります。

その後(4分)再びフランス・エムバペの前進に対し、ヘンダーソンが反則で止めてしまうなど、ビハインドのなかエムバペの脅威に晒されながらの攻撃を強いられる予感を滲ませ。
しかしフランスにエムバペが居るなら……と言わんばかりに、イングランドもサカの推進力を前面に押し出します。

6分にヘンダーソンの浮き球パスを受けたサカ、そのまま右ポケット奥へと切り込んでマイナスのクロスを入れ、跳ね返りを後方からヘンダーソンがシュート。(ブロック)
中央重視のプレーを改めたのちのサカはこの日輝いていたようであり、続く7分。
右ワイドをドリブルしたのち、エリア内のベリンガムとのワンツーで自身もエリア内を突き、カットインで中央を狙った所にフランス・チュアメニのチャージを受け倒れます。
今度は反則を告げる笛が鳴り、PKを得たイングランド。
キッカーはケインが務め、右足で強烈なシュートを左へと蹴り込みゴールネットを揺らします。
GKロリスは逆を突かれたものの、読みが当たっても止められたかどうか……というシュートで同点に追い付いたイングランド。

喜びも束の間、直後の10分にはフランスのパスミスへの対処がルーズになった所を、走り込んだラビオにシュートされる(GKピックフォードセーブ)際どい危機を招き。
続く11分にはフランスが自陣で防ぎ、こぼれ球が直接エムバペに渡った事により突破を許す事となり、左サイド奥を突いたエムバペがマイナスのクロス。
ジルーのスルーを経て中央でデンベレが待ち受けるも、合わせきれずに右へと流れてしまい勝ち越しならず。
勝って(得点して)兜の緒を……という言葉を突き付けられるイングランド、まだ同点であり、勝ち越しへの流れを継続させたい状況。
15分に最終ラインからの縦パスを中央で受けたサカ、そのまま突破してエリア内を突きシュートを放つも、威力無くGKロリスにキャッチされ。
やはりサイドからの推進が合っているようであったこの日のサカ。

プレッシング意欲を高めるイングランドに対し、フランスのビルドアップはGKロリスのロングフィード中心となり、文字通り蹴らされる格好に。
16分にそのフィードの跳ね返りを繋ぎ、右サイドからデンベレがカットインからミドルシュートにいった(ブロック)ものの、徐々にそこからも繋げられなくなり停滞していきます。
20分には裏へのミドルパスにエリア内へ走り込んだジルーですが、受けるどころか足を痛めてしまう災難に見舞われ。
交代がチラつくようなシーンでしたが、何とか耐えてプレーを続けるジルー。

流れはイングランドにあるようで、25分には右サイドからのFKで、キッカー・ヘンダーソンのクロスをファーサイドでマグワイアが合わせ。
ドンピシャのヘディングシュートでしたが、左ゴールポストを掠め外に出て惜しくもゴールはなりません。

イングランドの圧を受けるフランス、とてもエムバペ中心の攻撃を繰り出す余裕は無く。
それでも守備体系を変える事無く凌ぐと、32分にようやくエムバペの左サイドからの攻撃で、ラビオがクロス。
ファーに上がった柔らかいクロスをデンベレが頭で折り返し、そして中央でジルーがボレーで合わせる決定機となりましたが、シュートはGKピックフォードがセーブ。
しかしこれで風穴が空き、続く左CKからの二次攻撃。
キッカーだったグリーズマンにボールが戻って再度クロスが上がると、ニアサイドでまたもジルーが合わせ。
今度はヘディングシュートで、競り合ったマグワイアに当たってゴール左へと突き刺さり。
痛みに耐えたジルーとともに、守勢に耐えたフランスが勝ち越し点をもぎ取りました。

イングランドのキックオフで再開の前に、双方選手交代。
フランスはデンベレ→コマン、イングランドはヘンダーソン・サカ→マウント・スターリング。

この交代によりフランスはドイスボランチの色を強め(チュアメニ・ラビオ)、トップ下へシフトしたようであるグリーズマンが最前線の守備に加わり。
しかしエムバペは下がらないため、体系は4-3-3のようであり逃げ切りに若干の不安を覚えてしまうものでした。

その隙を突きたいイングランドは35分、ベリンガムがエリア内へロングパスを送った所に、マウントが走り込み。
これを後方からT・エルナンデスがショルダーチャージで倒してしまい、一旦は流されたものの途切れたのちにVARチェックに入る主審。
度重なるエリア内でのノーファールのジャッジに悩まされていたイングランド(後半にも29分に一度あり)でしたが、OFRに繋がったのち判定が覆り、反則・PKとなります。(T・エルナンデスに警告)
この日2本目のPKで、千載一遇のチャンスを得たイングランド、キッカーは1本目と同じくケイン。
そしてそのキックも同じく左への強いシュートを選択したようでしたが、今度はGKロリスも読みを合わせて反応。
その動きを見ての事か、ケインはシュートをふかしてしまいゴール上へ外してモノに出来ず。
痛すぎる失敗となってしまいました。

直後にイングランドはフォーデン→ラッシュフォードへと交代、フレッシュな選手の投入で打開を図らんとします。
その一方で最初の交代以降カードを切る事は無かったフランス、層の薄さに苦しむといった絵図でしたが、後は逃げ切るのみという終盤戦。
エムバペも、その突破力をボールキープ重視へと変える事でチームへの貢献度を高め。

ATへと突入し、セットプレーを中心に放り込みへとシフトしていくイングランド。
道中、エアバトルの際にストーンズが(ジルーとの競り合いで)痛んでしまい、交代の運びとなり。
FWのグリーリッシュが投入され、攻撃の駒を増やす事で最後の望みに掛けます。

全員(GK以外)がフランス陣内へ入り押し込み、そしてその成果が。
クロスの跳ね返りをエリア手前左で拾ったマグワイア、カットインで中央へ流れた所、ペナルティアークという位置でコマンに倒されて反則。
絶好の位置でのFKを得るとともに、目安時間(8分)を回りこれが最後の攻撃という雰囲気になります。
蹴りにいったのはラッシュフォードで、放たれたシュートはゴール上を襲ったものの、惜しくも枠を捉えられず上部ネットに突き刺さり。
逃してしまった所で、試合終了の笛が鳴り響き。
強敵を破り、準決勝にコマを進めたのはフランスとなりました。

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ABEMA観戦 2022FIFAワールドカップ 準々決勝 オランダvsアルゼンチン

2022-12-12 16:01:35 | サッカー視聴記(2022年その他)

<オランダスタメン> 3-4-1-2
GK ノベルト
RCB ティンバー CCB ファンダイク LCB アケ
RWB ダンフリース DH デローン DH フレンキー・デヨング LWB ブリント
IH ガクポ
FW ベルフワイン FW デパイ
<アルゼンチンスタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK エミリアーノ・マルティネス
RCB ロメロ CCB オタメンディ LCB リサンドロ・マルティネス
RWB モリーナ DH フェルナンデス LWB アクーニャ
IH デパウル IH マクアリステル
FW メッシ FW アルバレス

参考動画 -オランダ vs アルゼンチン|FIFA ワールドカップ カタール 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA

勝ち残りも8チームに絞られ、必然的に強豪同士の対戦が発生する状況。

英雄・メッシを有するアルゼンチンですが、グループリーグで一波乱に塗れ、初戦でサウジアラビアにまさかの逆転負け。
突破が危ぶまれたものの、以降はレールに乗る事に成功し勝利を続け、ここまで辿り着きました。

そこで待ち受けるのが、アルゼンチンにとって様々な因縁を持つ、ファン・ハール監督率いるオランダ。

 

日本のサッカーしか知らない自分みたいな人間にとって、過激というイメージを象徴するような関係でしょうか。
そしてこの日の試合も、それを固定化させるような内容となりました。

センターバックのファンダイクを中心とした強固な守備が特徴のオランダと、運動量に難があるメッシを組み込んでの前線の守備を常時考慮しなければならないアルゼンチン。
2つの要素が絡み合い、慎重・様子見といった立ち回りの試合絵図となり。
それでも一度攻撃に入ったアルゼンチンのサッカーは見応え抜群。
前半5分にモリーナのパスカットから、メッシのスルーパスで素早くエリア内右を突き、走り込んだモリーナがマイナスのクロスを入れるシーンに持ち込み。
ディフェンスに当たりこぼれた所をデパウルがダイレクトでシュートするも、エリア内に入っていたメッシに当たって跳ね返るという、凄まじい圧でエリア内に人数を掛けた末の功罪の双方が表れる好機となりました。

ゴールに迫るシーンは多かったアルゼンチンですが、ボールポゼッションは主にオランダのものであり。
プレスが緩めというのもあり、最終ラインからの前進は難なく果たせるオランダでしたが、肝心のシュートは生み出せずという「ボールを持たされる故の攻めあぐみ」の典型例の域を出ない攻撃となりました。
16分には中央からボランチと前線3人のパスワークで前進した末、デパイが左ポケットを突いてクロスを上げ、ファーサイドでダンフリース折り返し→逆サイドでブリント(僅かに合わず)という惜しいシーン。
人数を掛けた末に両ウイングバックがフィニッシュに絡むという組み立てを見せるも実りません。
24分に再び中央~右ハーフレーンでのパスワークで前進、デパイとのスイッチを経たベルフワインがシュートを放った(ゴール右へ外れ)のが、オランダ唯一のフィニッシュとなりました。

アルゼンチンはメッシが中盤に降りる事で、彼を使う攻撃・使わない攻撃という択を掛けるような立ち回りへと入り。
それに対してオランダもマンマーク気味の守備にシフトする事で対抗。
そうして球際の強さが発揮されていく中、「遺恨試合」に相応しい色合いも強まりを見せたでしょうか。
前半31分に、アルゼンチンのベンチ(コーチのサムエル氏)に対し警告が付き出されたのがその元凶といったシーンになり。

そんな不穏な雰囲気はひとまず脇に置き、変わらず気丈に攻め込むアルゼンチン、33分に中央からデパウルがシュート。(GKノベルトキャッチ)
そして迎えた35分、ここもオランダのスルーパスをカットしたのち素早くベクトルを前に向ける攻撃で、右ハーフレーン→中央へと持ち運んだメッシのスルーパスでエリア内を突き。
走り込んだのはファーストシュートのシーンと同様モリーナで、今度はシュートを選択してゴールネットを揺らします。
着実にフィニッシュシーンを積み重ねてきた成果がスコアに反映されました。

その後も40分にメッシのシュートがゴールを襲う(GKノベルトキャッチ)など、アルゼンチンの攻撃が目立つ一方で、スコアが動いた事で不穏な空気がピッチ上にも顔を出す事となります。
43分にオランダ・ダンフリースのボールキープをアルゼンチン・アクーニャが反則で止めた事でヒートアップし小競り合いに。
そして反則を犯したアクーニャとともに、手を出したオランダ・ティンバーにも警告が出された事で、カードが飛び交う試合の幕開け。
直後の45分に、オランダ・デパイの浮き球の収めをハンドで妨害したアルゼンチン・ロメロに対し警告。
明らかに腕を挙げてのハンドという事で、ヘイトも溜まりやすい状態となってしまったでしょうか。
アディショナルタイムには、アルゼンチンの反則に対して声を荒げるオランダベンチ。
それによりベンチメンバーのウェクホルストが警告を受ける有様であり。
その後反則っぽいチャージにも笛は鳴らずというシーンが量産される等、明らかに審判団がゲームコントロールをミスしているようでありました。

結局アルゼンチンの1点リードで折り返しとなり。
巻き返すべくオランダはハーフタイムで2枚替えに踏み切り、デローン・ベルフワイン→コープマイネルス・ベルフハイスへと交代します。

代わってトップ下の位置に入ったベルフハイスが降りてボールを受ける、3ボランチのような布陣で中盤を厚くするオランダ。
ボランチの片割れが最終ラインに降りる可変も交え、ボールを握る体勢を固定化させに掛かります。
しかしボールを運びやすくなる以上の効果は得られず、前半同様にフィニッシュに繋げられない時間が続く事となります。

そんな停滞気味のオランダを、掻き回すのはやはりメッシ。
10分に再び腕を挙げてのハンドを犯してオランダサイドから(警告無しに対する)抗議を受けるも、逆にこれでエンジンが高まりを見せたでしょうか。
16分に自陣でのボールキープを始めるメッシ、1人剥がした後に手放すと、今度は敵陣に進入ののちデパウルの戻しを受けて再度ドリブルに入り。
これをオランダは(ファンダイクが)反則で止めるしか無く、エリアからすぐ手前の直接フリーキックへと移行します。
そして直接蹴ったのはやはりメッシで、放たれたシュートがゴール上を襲うも、僅かに外れて命拾いしたオランダ。

流れを変えたいオランダは19分にベンチが動き、ブリント→ルーク・デヨングへ交代すると共に、フォーメーションもシフト。
<後半19分~33分までのオランダ> 4-2-3-1
GK ノベルト
RSB ダンフリース CB ティンバー CB ファンダイク LSB アケ
DH コープマイネルス DH F・デヨング
RSH ベルフハイス CH デパイ LSH ガクポ
FW L・デヨング
投入されたL・デヨングが最前線に入り、ターゲットを務め。

しかしそんな采配も空しく、オランダは以降もフィニッシュに辿り着けず、アルゼンチンの反撃に押し込まれるという流れは続き。
依然としてアルゼンチンペースという展開で、それを締めるに相応しいのはやはりメッシのゴールでした。

26分にアルゼンチンは右サイドからのスローイン、意表をついて長い距離で一気に中央へ送ったのち前進、左サイドでアクーニャのドリブルに繋がり。
奥へ進入して切り返し、その動作でエリア内を伺ったアクーニャに付いていったオランダ・ダンフリースでしたが、アクーニャの右足を引っ掛けて倒してしまい。
たまらず反則の笛が鳴り、際どいながらもエリア内に進入していたという事でPKが与えられたアルゼンチン。
当然キッカーはメッシが務め、しっかりと軸足の向きとは逆方向へシュートを放ちGKを反応させず、ゴール右へと突き刺さり。

プレーで再三試合を盛り上げたメッシによる追加点、さらにそのメッシの挑発じみたゴールパフォーマンスもあり、色を失う格好となったオランダ。
こうなると遺恨試合の下地もあり、試合が荒れるのは避けられなかったでしょう。
直後の30分にオランダはベルフハイスがクロスを上げ、GKE・マルティネスが抑えた所でオランダL・デヨングと激突。
これで両軍ヒートアップして手も出てしまった結果、アルゼンチンはLIマルティネスが、オランダはデパイが警告を受けてしまい。
その余所でピッチ上に乱入者が出現するという事態も生まれ(放送席の談)、完全にカオスな雰囲気に呑まれてしまう事となりました。

それを良しとしないのは、試合を締めて逃げ切りたいアルゼンチンの方だったでしょう。
逆にオランダは混沌具合をモノにすべく、33分に既にベンチで警告を貰っていたウェクホルストを投入(デパイと交代)し、彼とF・デヨングの2トップに。
つまり4-4-2へとシフトし、彼らツインターゲットによる攻撃色を前面に押し出します。(アルゼンチンも同時にロメロ・アクーニャ→ペッセーラ・タグリアフィコに交代)

36分にガクポのドリブルが(パレデスに)反則で止められた事で、オランダは左サイドからのFKを獲得。
アルゼンチンは直後に再度カードを切る(アルバレス→ラウタロ・マルティネス)ものの、そこから焚き付けられるオランダ反撃の狼煙を防ぐ事は出来ませんでした。
一旦クリアされての二次攻撃で、右からベルフハイスの二度目のクロスが上がり、ニアサイドでウェクホルストが合わせヘディングシュート。
遠目からではフリックっぽかったものの、意外にも力強く放たれたシュートがワンバウンドでGKの左を抜き、1点を返したオランダ。

試合の行方が判らなくなると共に、その後もメッシが倒された際にスタンドがブーイング混じりのどよめきが起こる(39分)などカオスな雰囲気は変わる事は無く。
40分にオランダは再び右からクロスを入れる攻撃を作り、ニアサイドでL・デヨングの落としを経てのベルフハイスのシュートでゴールを脅かし。(ブロックに当たり右サイドネット外側)

そして43分に再びメッシが倒され、今度はベルフハイスのオブストラクションという事で反則・警告。
その直後に今度はアケのドリブルをスライディングで倒したアルゼンチン・パレデス、反則の笛が鳴ったその刹那、あろう事かこぼれたボールをオランダベンチに向けて蹴り込むという行為に出てしまいます。
これに憤慨したオランダはベンチメンバー総出となり乱闘騒ぎへ移行と、完全に場外の騒動に支配されてしまう試合絵図。
結局この騒ぎはパレデスに警告を与えるのみで収まったものの、以降もアルゼンチンはリオネル・スカローニ監督が警告を受けるなど、場外乱闘の趣は止む事は無く。

ATは10分という長さとなり、ツインターゲットにファンダイクも前線に加わり、完全なパワープレイへと移行するオランダ。
最後の望みというスタイルに相対するアルゼンチン、メッシがさりげない遅延行為(反則ののちボールを蹴り出す)を行う等、マリーシアも交えつつ時間を使いに掛かります。

しかし必死に敵陣にボールを送り続けるオランダの圧に屈し、エリア手前で(ペッセーラが)反則を犯してしまい、オランダの直接FKに。
この際に再び遅延行為でもしたのか、メッシが警告を受けたのがムード的に拙かったでしょうか。
絶好の位置でのFK、既に目安の10分は過ぎておりアルゼンチンがここさえ凌げば……という思いが高ぶる状況で、キッカー・コープマイネルスは意表をついてサインプレーを選択。
これが見事に功を奏し、壁の脇でその縦パスを受けたウェクホルスト、アルゼンチン・フェルナンデスのスライディングを掻い潜って放たれたシュートがゴールネットを揺らし。
土壇場での同点劇に沸き上がるオランダサイド。
それでもキックオフの前にアルゼンチン・オタメンディに対し警告、後半終了の笛が鳴った後に再び一揉めしたのち、オランダ・ベルフワイン(既に交代済み)にも警告とカード塗れの状況は変わりませんでしたが。

2-2で延長戦に突入し、インターバルを経て延長前半のキックオフが告げられ。
その展開は、一言で言えば様子見の色が濃く。
来たる延長後半に向けて体力温存するという思惑が感じられる内容となり、散発的な攻撃に終始しフィニッシュは生まれずとなりました。(延長前半5分に、オランダはガクポの左からのクロスがゴール上へ逸れるという際どいボールあり)
そんな中でも、メッシがボールと無関係な所で(ティンバーに)倒されて反則となるなど、不穏な空気に支配された絵図は変わらず。

あっさりと前半が終わり、勝負の延長後半へ突入。
その通りにアルゼンチンはモリーナ→モンティエルへと交代、さらに延長後半7分にLI・マルティネス→ディマリアへ交代と、残っていたカードを使う事で優位に立ちます。

4分にメッシがボールキープする所、オランダ・ガクポに倒されて反則を受け、それにオーバーアクションを起こしたアルゼンチン・モンティエルに対し警告。
最後まで付き纏う不穏な空気にもめげず、得たFKを短く繋ぎ、再びドリブル体勢に入ったメッシが右からカットインシュートを放つも枠を捉えられず。
しかしそんなメッシの背中に引っ張られ、交代効果もあり攻勢に入るアルゼンチン。
<延長後半7分以降のアルゼンチン> 4-4-2
GK E・マルティネス
RSB モンティエル CB ペッセーラ CB オタメンディ LSB タグリアフィコ
RSH ディマリア DH フェルナンデス DH パレデス LSH マクアリステル
FW メッシ FW LA・マルティネス
故障明けのディマリアの存在感もあり、攻撃権を支配していくアルゼンチン。

一方のオランダはやはりパワープレイ一辺倒では苦しく、同点に追い付けたもののその後は……というような攻撃でした。
8分にFKを得て、キッカー・ガクポのクロスをL・デヨングが合わせ、ブロックに当たったこぼれ球を再度シュートにいく(アルゼンチン・オタメンディを倒してしまい反則)というパワープレイじみた流れの好機が唯一のフィニッシュとなり。
何度かカウンターを仕掛けるも実らず、後はアルゼンチンの独壇場という残り時間。

9分にエリア内右奥をドリブルで突いたフェルナンデスがマイナスのクロス、ニアサイドでLA・マルティネスが合わせシュート。(オランダ・ファンダイクがブロック)
その後4本も続くコーナーキック攻勢に入り、その2本目ではショートコーナーから、メッシのパスを受けたフェルナンデスがミドルシュートを放つもブロックに当たり惜しくもゴール上へと外れ。
14分にはLA・マルティネスのペナルティアークからのシュート、GKノベルトがセーブと何とか防ぐオランダサイド。

その後もメッシのミドルシュートがブロックに当たってCKに、そのCKからディマリアのクロスがゴールに向かうあわやというシーンを描き。
そして最後の好機は再びショートコーナーからフェルナンデスのミドルシュート、GKを左に抜いて決まったかと思われたものの、左ゴールポストに阻まれてしまい勝ち越しはなりません。
結局最後までゴールは生まれず、2-2で延長後半終了、ならびにPK戦突入を告げる笛を聴く事となりました。

先行はオランダが取るも、その代償としてアルゼンチンサポーター側のゴールで行われる事となり。
1本目のオランダ・ファンダイクのキックの際、早くも彼らのブーイングを聴きながらのPKを強いられます。
そしてそのファンダイクの左へのシュートを、完璧に読み切ってセーブしたE・マルティネス。
対するアルゼンチンの1本目、メッシはこれも技ありのシュートを転がしてしっかりとGKの逆を突き、左へと決めてリードを奪います。

続く2本目、オランダはベルフハイスが蹴り。
ファンダイクとは逆の、左足で・右へのシュートを選択するも、これも完璧にセーブしたE・マルティネス。
対するアルゼンチン・パレデスがしっかりと決めた事で、2本リードとなります。
3本目、オランダはコープマイネルスがゴール右へ決め。
しかしアルゼンチンもモンティエルがゴール右へ決めて差は変わらず。
ここまでオランダは、3人とも利き足とは逆の方向へ蹴ったのに対し、アルゼンチンはメッシ・モンティエルが効き足の方向へのシュート。
そのためGKから読み易くもあったのが結果に繋がったでしょうか。

アルゼンチンにリーチが掛かった4本目。
プレッシャーに負けずオランダ・ウェクホルストがGKの逆を突き左へ決めたのに対し、アルゼンチンはフェルナンデスが蹴りにいき。
しかし終了間際に再三決定的なシュートを逃していたのが影響したか、このキックはゴール左へと外してしまい。
運気の悪戯か、5本目へと持ち込まれます。

運命の5本目、オランダは再びプレッシャーを跳ね除けたL・デヨングが決め。
全てを託される事となったアルゼンチンの5本目……の前に、物理的なプレッシャー(挑発行為ともいう)を与えにいっていたオランダ・ダンフリースに警告が付き出され。
そしてキッカーのLA・マルティネスは、そんな行為を物ともせずにゴール左へとシュートを突き刺し。
この瞬間、アルゼンチンの勝利が確定する事となりました。

尚も、アルゼンチンメンバーがLA・マルティネスに駆け寄らんとした(メッシのみはGKのE・マルティネスへと駆け寄ったそうで)瞬間にオランダを挑発した事で、オランダメンバーがいきり立ち。
揉めてしまった事で、終了後にも突き出される事となったカードの嵐。
ダンフリースが2度目の警告で赤いカードを受けてしまい、ラング(ガクポと交代で出場、延長後半8分)も警告を受け。

決して後味の良くない試合となったものの、それでもアルゼンチンが勝ち上がりを決めたのは変わらず。
永遠のライバル・ブラジルが、同じくPK戦を戦った末に(クロアチアに)敗れたのを尻目に、1986年以来の優勝にまたとないチャンスとなったでしょうか。

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