ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2023年J2リーグ第28節 栃木SCvsヴァンフォーレ甲府

2023-07-31 16:06:45 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(19節・藤枝戦、1-1)
※前回の甲府の記事はこちら(25節・藤枝戦、4-1)
※前回対戦時の記事はこちら(10節・甲府 1-0 栃木)

<栃木スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 根本が累積警告により出場停止。
  • 前節(清水戦、1-1)負傷交代した大谷は、無事らしく今節もメンバー入り。(ただしベンチスタート)
  • 石田が(J1・名古屋から)育成型レンタルで加入し、26節(大宮戦、0-0)から登録され早速ベンチ入り・途中出場。
  • ラファエルが(ブラジル・アナポリスFCから)完全移籍で加入し、前節から登録もベンチ外が続く。
  • 元京都のイスマイラが(モルドバ・FCシェリフ ティラスポリから)レンタルで加入し、前節から登録され早速ベンチ入り・途中出場。
  • 瀬沼がJ3・相模原へレンタル移籍となり、前節をもって登録抹消。
  • 宮崎鴻が24節(いわき戦、0-1)で負傷交代し、以降ベンチ外が続く。

<甲府スタメン>

  • 土肥がJ3・今治へレンタル先変更という形で移籍、前節(徳島戦、2-1)をもって登録抹消。
  • 須貝がJ1・鹿島へ完全移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • それに伴いキャプテンも変更され、関口が就任。
  • 2年目のGK山内がプロ初スタメンに抜擢。
  • 負傷離脱していた三浦が復帰しベンチ入り。

次の水曜に天皇杯4回戦が控える、ディフェンディングチャンピオンの甲府。
しかしそれを迎える前に衝撃の事案が発生し、キャプテン・須貝の個人昇格が決定。
しかも移籍先はよりによって3回戦で打ち破った鹿島とあり、ファンにとっては感情的にとうてい受け入れられないものとなり。
フロント(佐久間悟社長)も説明責任を果たすまでの事態になりました。

形だけを見れば、ジャイアントキリングを喰らった鹿島による報復行為のようにも映るこの移籍劇。
先日のバスケス・バイロンの町田移籍然り、意図的に相手の戦力を削らんという手法は悪目立ちこそすれど、日本においても常套手段となりつつあるようで。
下位カテゴリ、ないしはバックボーンに乏しいクラブに生き残る術はあるのか……と頭を抱えがちとなる移籍市場。
しかしJ1の金満強豪クラブにしても、海外の触手に逆らう事は出来ない状況であり。
搾取元が新たな搾取に……というJリーグの図式の物悲しさが浮き彫りになりつつありますが、それを覆す事は果たして可能なのか。

試合の方に話を移すと、須貝を失った甲府は、同じサイドバックの関口が新キャプテンに就任。
そして小林をレギュラーに昇格させて戦い、前節は戦力ダウンを感じさせない戦いで快勝。
自動昇格圏への浮上が現実的となった所で栃木に乗り込んだものの、ここでGK山内を初めて起用する等、使える選手層を広げにかかる采配は避けられないようでした。

前回対戦時は、GK河田を中心としたボールポゼッションで、文字通りゲームの支配に成功したという甲府の内容。
それが河田不在で一変、とは盛り過ぎでしょうが、後方の安定感を失った影響は避けられない展開となり。
栃木のプレッシングをロングパスで逃げるという繰り返しで、前回とは一転して攻撃の流れを作れずに推移します。

逆に栃木が主体的な攻撃を繰り広げ。
前半5分に山田のスルーパスを受けた小堀がミドルシュートに辿り着き(ブロック)先行すると、以降左サイドから巧みに前進を繰り返し。
福森と山田がレーンチェンジを見せながらパスの受け手となるスタイルで、甲府に的を絞らせず。
パワーサッカーに近い栃木ですが、こうしたポジショナルプレーで自身のスタイルを昇華させる試みは順調なようでした。

一方劣勢な甲府の中ではジェトゥリオが盛んな上下動で奮闘し、プレスバックでボール奪取するシーンを幾度も見せ。
11分にはこぼれ球を自陣で拾ったジェトゥリオがそのままドリブルで運び中央へパス、受けた武富がエリア内を突いてシュート。
ブロックでこぼれるも拾い直した武富により継続し、小林の左からのクロスに合わせにいったジェトゥリオ。
ディフェンスに入られるも、こぼれ球を直接シュートに持ち込む(福島がブロック)という具合に、攻撃でもチャンスメイクとフィニッシャー双方で絡みます。

23分に飲水タイムが挟まれ、以降も順調に左サイドから攻める栃木。
しかし28分、甲府はクリアボールを長谷川が拾ってから繋ぎ、武富のスルーパスを経てウタカがエリア内からシュート。(GK藤田セーブ)
ポイントゲッターの一撃で潮目が変わり、以降ウタカ狙いのロングパス→跳ね返りをジェトゥリオが回収というパターンから何度も攻める甲府。
33分にはセカンドボールを拾ったジェトゥリオ、そのまま前進からミドルシュートを放つ(枠外)など相変わらず動きが良く。

しかしその機動性が災いとなったか、35分に栃木は自陣からのフリーキックを素早くリスタートし左へ展開して運ぶと、戻ってディフェンスに入ったジェトゥリオは福森へアフターチャージを犯してしまい反則。
これで今度はやや敵陣深め(左サイド)でのFKとなった栃木、キッカー大森のクロスは流れるも、逆サイドで拾った小堀のクロスがブロックされた事で右コーナーキックとなり。
セットプレーの連続となると、再びのキッカー大森のクロスはニアサイドを突き、入り込んだ大島が合わせヘディングシュート。
ボールはしっかり対角線が描かれた末に左サイドネットに突き刺さり、この流れをキッチリモノにした栃木が先制を果たしました。

それでも攻勢の流れは止まない甲府。
直後の39分にジェトゥリオをターゲットとしたロングボールが送られると、こぼれた所をすかさず反応したジェトゥリオが裏へロングパス。
これを受けたウタカがエリア内へ切り込みますが、福島の反則気味のディフェンスでシュートは撃てず。
その後もジェトゥリオとウタカの助っ人2人を軸にしつつ、周囲の武富・長谷川がシュートを放つ攻めを展開しますが、ゴールは奪えずに終わった前半。

ハーフタイムで甲府は2枚替え、ジェトゥリオ・武富→鳥海・三平へと交代。
良かったジェトゥリオが退いた事で、天皇杯に向けた温存策という印象を強く残す采配だったでしょうか。

甲府のキックオフでスタートとなった後半、キックオフから前進の姿勢を見せてから後ろに戻してのビルドアップ。
ロングパス主体の前半から姿勢を改めたようにも映るその攻撃に、栃木は佐藤祥が三平に対し反則で止めてしまい。
中盤からのFKでしたが放り込む甲府、跳ね返りを右サイドで拾ったウタカがカットインからミドルシュート(GK藤田キャッチ)とまず一本。

これにより反撃体制が整ったかに見えましたが、続く3分には敵陣でのパスミスから栃木が素早く攻め、スルーパスに走り込んだ大島がマンシャとのデュエルを制してボールを確保。
ここからはフィニッシュに繋げられずも、以降1トップの大島が躍動し、
ロングボールを良い位置で収め流れを齎します。

それに対する甲府、前述のマンシャのシーン然り栃木のパワーに押される絵図が目立ち始め。
決して押されている訳では無く、同点ゴールを目指して地上から攻め上がるもののその流れは良くなく。
12分に小林が左ハーフレーンをドリブルしてアタッキングサードに運ぶも、中央から右へ展開しようとしたウタカのパスが福森にカットされて栃木のカウンターに。
持ち運ぶ福森が右を走る小堀へと出し、その先にはエリア内へとフリーで走り込む大島の姿が。
そしてその足元へピンポイントのクロスが入りましたが、大島のボレーシュートは合わせただけになってしまいGK山内がキャッチとモノに出来ません。
直後の13分今度こそ甲府の好機となり、戻りきれない栃木の隙を突いてウタカが左ポケットへ切り込んでシュート。
しかしGK藤田の身体を張ったセーブが立ちはだかり、こちらも惜しい所で決めきれず。

ともに次のゴールを狙う姿勢を崩さずという流れで、それが間も無く次のゴールを齎す事となり。
16分GK藤田のロングフィードから、セカンドボールを拾った山田がエリア内へ浮き球を送ると、大島が受けて右ポケット奥を突く好機を迎えた栃木。
これをGK山内は果敢に阻みにいきましたが、腕で大島の足を払う格好となってしまった事で、大島が倒れて反則の笛が鳴り響きます。
当然PKで、大島の足自体には触れていなかったように見えたものの、ボールにも触れれなかった(ように見えた)のが悪印象となったでしょうか。
VARなしのJ2マリーシアの洗礼を浴びてデビュー戦でPKを経験する事となった山内、キッカー大島の中央へのシュートを懸命に足で防ぎにいったものの、触れられずゴールネットが揺れ。
大島の躍動は止められなかった、という格好で栃木が追加点ゲットとなりました。

これで安泰かと思われましたが、直後に小林のドリブルを反則で止めた西谷が警告を受けた栃木、まだ油断は大敵という流れに。(20分に甲府は品田→佐藤和へと交代)
22分に今度はその西谷が、後ろから三平のスライディングを受けて反則、三平に警告。
しかし西谷はこれで痛み、治療が入り2分以上も倒れる時間が作られた事で、飲水タイムが挟まれる事となり。

反則塗れの時間に突入した事で、ブレイク明けも甲府のパスワークを反則で止めるというシーンが目立った栃木。
運動量を補おうとベンチも動く(28分に黒﨑→石田)ものの、甲府の流動性の前に中々厳しい状況が続きます。
31分にはパスを受けに入った鳥海が佐藤祥に倒されて反則、これで右ハーフレーンからのFKに。
キッカー長谷川のクロスは跳ね返されるも尚も繋ぎ、小林が左からクロスと見せかけて直接シュートを放ち。(ゴール上へ外れる)
その後も交代を準備する最中、34分にまたも山田の(長谷川への)反則により甲府のFK、今度は直接シュートが視野に入る位置。
このタイミングで交代する栃木、新戦力のイスマイラを投入します。(大島と交代、同時に福森→吉田へと交代)
このFKを、キッカー長谷川が直接狙いましたがゴール上へと外れ。
FKを何度も得たものの決められず、しかもその最中にウタカが退いた(33分、宮崎純と交代)事でパワーダウンといった印象の甲府。

逆にイスマイラが最前線に加わった栃木、38分にゴールキック→そのイスマイラのフリックからの好機。
小堀には繋がらずもこぼれ球を自ら拾ったイスマイラ、そのままカットインからミドルシュートを放ち。(エリア内でマンシャがブロック)

ここに来てジョーカーに脅かされる状況となった甲府、39分に故障明けの三浦を投入します。(小林と交代)
40分には右サイドで奥を突いた三平からマイナスのクロスが入るも、ニアで合わせた長谷川は撃ちきれずと、パワー不足は否めないながらも何とか反撃を試み。

栃木は42分に最後の交代、大森・西谷→大谷・高萩。
リフレッシュに成功すると、以降甲府はミスが目立つようになり。
軽いミスから自陣でボールを拾われ、栃木の攻撃を受けてしまうという流れにより反撃の芽は摘まれる事となります。

そしてアディショナルタイム、大谷の裏へのロングパスを左奥で受けた吉田、時間稼ぎも視野に入るなかクロスを選択。
これがブロックに当たるも中央へ入り、さらに蓮川のクリアミスもありイスマイラに渡ると、ボールは余裕を持ってゴールへ蹴り込まれとどめの追加点に。
J復帰2試合目で結果を出したイスマイラ、華麗な前方宙返りも披露しました。

その後右サイド奥でパス回しの体勢に入り、時計を進める栃木。
結局甲府は最後に一度攻撃機会を得たのみとなり、そのまま3-0で試合終了となりました。

夏の補強によるイン・アウトの成果がそのまま表れたと言いたくなる結果でしたが、上を目指す甲府は泣き言を言える状況では無く。
まずは直ぐ控える天皇杯、J1の首位クラブ(神戸)に対し華麗なジャイアントキリングを披露したい所でしょう。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2023年J3リーグ第19節 松本山雅FCvsヴァンラーレ八戸

2023-07-27 16:00:42 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • 松本のホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

J1・J2に一月以上遅れながら、J3も今節が折り返し地点を迎え。

J2昇格が絶対条件、という意気込みで今期に臨んだ(と思われる)松本。
その意味では不本意という他無い前半の戦いの中、興味深いデータを参考に。(17節終了時点のもの)

前回取り上げた沼津然り、昇格とは無縁のクラブほど戦術面の浸透が目に見えて判るサッカーを繰り広げる傾向があり。
逆に松本や愛媛など、昇格を目指すクラブは結果が最優先となり、その結果とにかく前に運んでセットプレー……というスタイルに陥り易い。
そんな事情が伺える、といった今季のJ3でしょうか。

その代表格である松本のこの日の相手は、APT上位である八戸と逆の傾向のクラブ。
一向に上向かない成績と、試合終盤の失点の増加を受け、J2・水戸からボランチの安永をレンタルで補強。
そして早速スタメンに起用してきました。

かくして中盤の底を固めた松本。
前半7分にその安永がパスカットからドリブルで持ち運んで左へ展開、下川が前進ののちクロス。(フィニッシュには繋がらず)
9分にも中盤で菊井が前澤に対し反則気味のアタックで奪い、拾った安永がドリブルからスルーパスを送るも、鈴木には繋がらず。
守備力と推進力双方が充填されたような戦いぶりを見せます。

かくして安定感を得た松本は、最終ラインからのビルドアップにも流動性が。
石崎信弘監督率いる八戸のプレッシングに対しても、臆する事無く繋いでいなし続け。
サイドに人数を集めた末のサイドチェンジが良く決まり、敵陣に進入しても相手のリトリートを受ければ戻して作り直し、再びプレスを引き込むという具合にボールを支配します。

八戸は姫野が最前線に加わり追い回すも、ボールを奪うどころか逆に縦へのパスを送る隙も生む事となり。
トップ下の菊井に縦パスを打ち込まれてアンカー相田の脇を突かれる事数多で、かくしてプレッシングは機能不全に陥ってしまいます。
当然ながら攻撃機会も少なく、初めての好機が11分の相田のロングスローによるものという有様。

そして迎えた19分、パスワークで敵陣へ進入した松本、一旦攻撃が途切れるもプレッシャーを掛けた結果稲積のパスミスを菊井が拾い。
そして中央からドリブルでペナルティアークまで進んで左へ横パス、エリア内で受けた滝がシュートを放ち、ゴールネットを揺らします。
流れ的に当然といった松本の先制点ですが、主体的な攻めを貫いた結果という事もありこれまでとは大分見違えたような印象を受けました。

松本の繋ぎに四苦八苦する八戸の対応は、スコアが動いた後も変わらず。
21分ここも菊井へ縦パスを通され、左ワイドに流れたのちグラウンダーでサイドチェンジと揺さぶる松本。
右から藤谷の中央へ向けたミドルパスはズレるも、バウンドしたボールを稲積がクリアミスしてしまい下川に拾われる始末。(その後下川→菊井へのスルーパスは繋がらず)
続く23分には八戸のプレッシングを受けながらも最終ラインで繋ぐ松本、いなしきったのちまたも縦パスを受けた菊井、そのまま裏へとロングパス。
左ポケットを突いて鈴木が走り込む絵図を生むと、前に出たGK谷口がエリアラインギリギリでパンチングでクリア、これが松本サイドのハンドの一斉アピールを呼ぶ事となってしまいました。(映像で見る限りでは辛うじてエリア内と思われる)
八戸がドタバタ感を醸しだしながら、飲水タイムが挟まれ。(24分)

巻き返したい八戸ですが、その攻撃は佐々木へのロングボール一辺倒という感じで、セカンドボールを繋げられず。
松本のようにショートパスでのビルドアップから運ぼうとしても、松本ディフェンスの寄せの前にダイレクトでの繋ぎを余儀なくされ、その結果精度を欠いて終わり。
プレッシングで相手を掻き回すはずが、逆に相手のプレッシングに難儀するという、苦境と言う他無い展開を強いられます。

相手にサッカーをさせない状態に持ち込み、後は追加点が欲しい松本。
32分にまた野々村の縦パスを菊井が受け、右足アウトで右サイドへスルーパス。
受けた國分龍が奥へ切り込んでマイナスのクロス、クリアされた所を安東が強烈なミドルシュートを放ちましたが左ゴールポスト直撃と逃してしまい。
34分には右スローインから、一転してラフな浮き球での繋ぎを経て中央へ送られ、こぼれた所を下川が拾いエリア内へ。
左ポケットで受けた鈴木がシュートを放つも、ゴール前で蓑田がヒールでブロックとこれも際どく防がれます。

次第にリトリートの色が強まる八戸、前澤がボランチの位置へと下がり3-4-2-1になったかのような布陣に。
それを受けても松本は攻め急ぐ事無く、サイドチェンジを多用して揺さぶる姿勢はこの日は一貫しており。
唯一危うかったのは故障という要素で、40分に安東がボールと無関係な所で佐藤と交錯して足を痛めてしまうシーンが生まれ。
頻繁に離脱を繰り返している安東故にヒヤリとさせたものの、何とか無事に済みプレーを続けます。

結局1-0のまま前半が終了。
勝利に向けて変化が必須な八戸は、ハーフタイムで國分将→山内へと交代。
これで前澤が右ウイングバックへ回る事となりました。

反撃の糸口を掴みたい八戸、後半3分に自陣でのボールカットからパスワークで繋ぎ。
松本の寄せに苦しみながらも何とか運んだ末に、左サイド手前から蓑田のクロスが上がると、ニアで佐々木がヘディングで合わせましたが枠外に。
以降も左右のセンターバックの上がりも加えながら、人数を掛けて前進するという意図が見えましたが、松本のプレッシャーに苦しむ様相は前半と変わらず。

攻めて来るならば、その裏を突けばいいと言わんばかりに、松本は10分に安東が左サイド裏へロングパス。
受けた下川がカットインを経て左ハーフレーンからミドルシュート、GK谷口のセーブに阻まれるも、パンチの利いたフィニッシュで脅かしを賭ける事に成功します。
八戸が13分に、反撃の橋頭堡として妹尾を投入(佐藤と交代)したのちも流れは変わらず。
続く14分、こぼれ球をまたも安東が浮き球を送ると、鈴木の胸での落としを受けた菊井が右ポケット奥へ切り込み。
そしてGK谷口の眼前に迫りシュートしましたが、蓑田の決死のブロックもありゴールバーを直撃と、松本の圧の前に際どい凌ぎを強いられる展開が続き。

盤石ながらも2点目が遠いといった松本。
その攻撃ペースが途切れると、22分にドイスボランチが相次いで黄色いカードを貰い。
安東が前澤へのアフターチャージで、安永が姫野のドリブルを倒した事で共に警告を受けてしまい。
そんな隙を突きたい八戸、23分に右サイドから細かい繋ぎを経て前進、佐々木のクロスがクリアされた所を姫野がミドルシュート。(枠外)
一本フィニッシュを放ったものの、それと同時に飲水タイムが挟まれた事で再度の巻き直しを強いられます。

ブレイクが明け、再び松本の攻撃を耐えながら……という展開を強いられる八戸。
28分に藤谷の縦突破も受けるなど、ここにきて個の力の違いに悩まされながらも何とかフィニッシュだけは撃たせず。
それでも依然として攻撃は良好な流れは掴めずと、データとは逆に「何でも良いから前進したい」「相手の流れを切りたい」サッカーを強いられているのは八戸という試合となりました。

それでも32分、近石のミドルパスがフリーの妹尾に収まるという意図的か偶然か不明ながらも絶好機が生まれ。
妹尾は中央をドリブルで進んだのちエリア内へラストパス、右で受けた佐々木がシュートするもGK村山がキャッチ。
これを盾として、何とか攻勢を掴みたいという八戸。

しかしその願いは、松本の無慈悲なカウンターで打ち砕かれる事に。
クリアボールを拾った菊井がそのまま鈴木に繋ぎ、前進する鈴木がディフェンスに遭いこぼれるも、稲積の対応ミスもあり拾い直してそのまま単独突破。
そしてエリア内へ進入して放たれたシュートがゴール右へと突き刺さります。
展開的にかなり遅いといった追加点ながら、貴重なゴールなのは変わらず。
この直前に交代準備していた松本、キックオフの前に藤谷・安東・國分龍→宮部・住田・渡邉へと3枚替えを敢行します。(菊井が右に回り、渡邉・鈴木の2トップの4-4-2に)

何とか反撃せんと、キックオフから攻撃を仕掛ける八戸ですが、やはり左手前からのクロスに終わり。(その直後に稲積・姫野→丹羽・宮本へと交代)
松本ディフェンスの前にどうしても突破を果たせない辺り、チームの力量差を痛感させる結果となります。

そして36分、ラフに蹴られたボールを常田が跳ね返し、これを鈴木がフリックすると渡邉に渡り。
八戸はトランジションの逆を突かれた格好で、山田が(鈴木のフリックを)不格好な空振りでクリア出来ずという絵図も生まれてしまい、そのまま渡邉にシュートを許すとゴールネットが揺れ。
これで勝負を決する3点目を挙げた松本。

その後38分に、クリアミスした山田が交代(加藤を投入、近石が中央に回る)となるなど、終盤で組織力の乱れも露わとなった八戸。
以降も攻撃権を支配する松本、何度もサイド奥へと切り込み、深い所まで運ぶ事で相手に攻撃もさせず。
(43分に安永・滝→喜山・榎本へと交代)

そして突入したアディショナルタイム。
左サイド奥に切り込んだ住田が、加藤のスライディングを受けて身体が派手に宙を舞った末に倒れ込んでしまい。
その後八戸サイドも佐々木が宮部に足を刈られ倒れ込むなど、身体が宙に浮く程のチャージが目立つ格好となりましたが、双方ともノーファールに。

試合が止まるシーンが目立ったものの、結局目安の5分を過ぎた辺りで試合終了の笛が鳴り響き。
前半戦の最後を3-0の快勝で締めた松本。
内容的にも申し分無いものであり、それだけにこれを切欠にブーストを掛けるのは昇格のために必須事項となるでしょう。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J3へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2023年J2リーグ第27節 水戸ホーリーホックvs大宮アルディージャ

2023-07-26 16:03:01 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の水戸の記事はこちら(25節・いわき戦、3-4)
※前回の大宮の記事はこちら(23節・町田戦、2-3)

<水戸スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 安永がJ3・松本へレンタル移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • 移籍が決定していた松田隼風・GK東ジョンが前節をもって登録抹消。

<大宮スタメン>

  • 黒川が(町田から)レンタルで加入決定(再加入)し、今節から登録されてベンチ入り。
  • シュヴィルツォクが(ポーランド・ザグウェンビェ ルビンから)が加入決定し、今節から登録されてベンチ入り。
  • 飯田が(J1・京都から)レンタルで加入決定し、今節から登録されて即スタメン出場。
  • 矢島が故障離脱から復帰し、24節(千葉戦・2-1)からメンバー入りして途中出場を続けており、今節スタメンに。
  • 2種登録の市原が前節初のスタメン出場、今節も連続してスタメンに。

21位からも大きく離されてしまっている、目下最下位の大宮。
ここから残留するために、まさに「何でもやる」という精神状態に陥ったでしょうか。
今夏の移籍期間で大幅補強を敢行するに至りました。

中でも白眉なのが、何といってもFWヤクブ・シュヴィルツォクの獲得でしょう。
2年前にJ1・名古屋が獲得し、途中加入ながらストライカーとして大活躍。
しかしそれに待ったをかけたのがACL出場に則してのドーピング検査であり、それに引っ掛かってしまったシュヴィルツォクはアジアサッカー連盟からサッカー活動の停止処分が下されてしまい。
そして正式な判決結果として、4年間の活動禁止処分が下されたものの、不服として訴え勝訴したため取り消しに。
それが前年下半期の事で、今季から地元ポーランドのクラブでプレーしていましたが、再び日本の地を踏む事となりました。
かくして曰く付きの選手獲得と「悪魔に手を染める」ような格好となった大宮フロントですが、逆転残留の切り札となれるか注目が集まるシュヴィルツォク、ウィンドウが開いたこの日に早速ベンチ入り。

待望の点取り屋を獲ったといえど、前回観た際と大きくは変わらない大宮のサッカー。
3-4-2-1の布陣でひたすら守備重視・リスク回避のスタイルを採るという、恥も外見もかなぐり捨てて残留を目指している現状。
ジョーカーとして待機するシュヴィルツォク(並びに黒川)はそれで良いでしょうが、問題は右ウイングバックとして加入即スタメンとなった飯田であり。
攻撃参加が持ち味な彼ですが、その特徴が活かされる事は殆ど無く出場時間を過ごす羽目となりました。

それでも先んじて好機を迎える大宮、前半3分に右スローインから攻め立て、高柳がカットインで右ポケットを突き。
そして逆サイドへと細かく繋ぎ、左ワイドからもポケットを突かんとすると、水戸ディフェンスのミスによるこぼれ球をエリア内からアンジェロッティがシュート。
GK山口がセーブと得点の匂いを醸し出す入りとなりましたが、結局これが前半唯一といってもいい好機に。

その後8分に裏へのロングパスに抜け出した柴山、右サイド奥からのカットインを経てマイナスのクロスを送るも、走り込む栗本には合わず。
ここまでは割と攻撃的な姿勢も見せていましたが、以降はひたすら水戸が攻撃を仕掛ける展開へと移行します。
以降大宮はマイボールとなっても、ひたすら矢島狙いのロングボールを送ってはセカンドボールを回収されるという流れで、相手の攻撃を受け続ける事が定番化。
数少ないカウンターのチャンスも、水戸の素早いプレスバックの前に繋ぐ事はままなりません。

しかしそもそも攻める気はあるのか、つまり前半は0-0で良いというような思惑が伺えるシーンも見られ。
自陣でのフリーキックの際、大森がキッカーの位置に立ちながらも長考の末に結局GKに任せ、その笠原のキックは直接エリア内へ。
そしてターゲットの矢島が合わせにいった所、楠本のチャージで倒れ受けられず。
笛が鳴らなかった事で大宮ベンチから大きな異議が飛んだものの、こんなプレーでPKゲットとなれば興行的にも納得いかないだろう、と考えさせられてしまう一幕となりました。

水戸がどう大宮の守備を崩しにかかるかという流れに。
ボックス型と左肩上がりの最終ラインの形を使い分けるビルドアップにより、大宮の前線の守備はあっさり無効化され。
敵陣に運ぶのは容易となりましたが、同時に水戸の苦手な遅攻も強いられる展開。
縦に速く運ばんとして逆襲を受ける、甲府戦の危機の再現も過ったものの、前述の通りケアの速さと大宮の精度の低さで未然に防がれます。

それでもリトリート重視の大宮に対し、フィニッシュは遠目からが主となり。
14分に小原が、23分に武田がミドルシュート。(前者はブロック・後者は枠外)
特に14分のシーンは、防がれた後も繋ぎに成功し、武田のエリア内へのスルーパスに安藤が走り込んだもののGK笠原が前に出て抑えられるという二次攻撃も生み出します。

飲水タイム(24分)ののちも大まかな流れは変わらず。
敵陣でひたすらパスを繋ぐ水戸、斜めの縦パスを多用しながら大宮ディフェンスを崩さんとします。
フィニッシュは遠目からながら、2トップも孤立せずサイドに開きつつパスワークに関わり。
29分には梅田が市原をパワーで剥がして右サイドで運ぶなど、大宮の堅守にも力負けしないというシーンも描きます。

しかし遠目からのシュートという流れは覆せず。
33分には右サイドで永長縦パス→梅田ポストプレイ→安藤ドリブルから中央へパスという流れを経て、小原が再度ミドルシュートを放つもGK笠原のセーブに阻まれ。
その後も34分に永長が、37分に梅田がミドルシュート(前者は新里亮がブロック、後者はGK笠原キャッチ)と、遠距離から狙っていくもやはりゴール難度の高さに阻まれる格好に。

終盤を迎え、大宮サイドも専守のみでは流石に拙いと感じたのか、最終ラインから繋がんとする姿勢が顔を出し。
しかし45分に苦し紛れのミドルパスを永長にカットされ、武田が拾ってピンチになりかけ。
直後にはトラップミスを安藤に奪われる等、「慣れない事はするな」という警告のようなシーンが続く結果に終わりました。
幸い水戸はそこからシュートには繋げず、結局スコアレスで前半が終了。

ともに交代は無く、始まった後半。(後半から水戸はサイドハーフを入れ替え、右に小原・左に永長という布陣に)
後半2分にこの日初めてというべき、飯田が右サイドを前進するという長所が活かされるシーンが生まれた大宮。
しかし戻しから遅攻を強いられて結局フィニッシュには繋がらず、展開も元通り水戸の攻勢となり。

4分大宮のロングパスを松田が前に出てカットし、そのまま前進。
ディフェンスにこぼされるもそのまま圧力を掛ける水戸、右ハーフレーンから村田のクロスが上がると、梅田のヘディングシュートがゴールを襲い。
しかし左ポスト外側に当たり枠外と、何とか命拾いとなった大宮。

大宮は勝負の後半と目論んでいたようですが、流れに乗る事は無く。
そのフラストレーションからか、9分にはスローインの判定を巡って飯田が感情を爆発させてしまい、ボールを思い切り叩き付けたため警告を貰う事に。
それでも10分にはその飯田のボール奪取から前に運ぶなど、攻めっ気はプラスの方向にも働いたようで。
そして12分に左コーナーキックを得た大宮ですが、キッカー高柳が上げたファーへのクロスを市原が折り返し。
そして中央で跳んだ大森が、思わず上げてしまった腕で合わせた格好となり完全なるハンドの絵図に。
水戸サイドの抗議の末に警告が突き出される事となった大森。
「勝つためには何でもやる」という意欲が、醜悪さも招いてしまいました。

前半よりは大宮の攻撃シーンも膨らんだ事で、危機感を覚えたのか水戸ベンチの方が先に動きます。
17分に2枚替え、梅田・永長→寺沼・井上へと交代。
19分に大宮のビルドアップを詰まらせて左サイドで成瀬がカット、代わって入った井上が拾って奥へ切り込む好機に。
しかし入れられたクロスは精度を欠きGK笠原が正面でキャッチ。
推進力は増したようでしたが、ゴール前の精度が求められる状態は変わりません。
その後水戸がCK攻勢を仕掛けるも、安藤と矢島が頭部同士激突し倒れ込んでしまったという所で飲水タイムとなり。(23分、ともに無事に起き上がる)

そして開ける際に動く大宮ベンチ、待望のシュヴィルツォクがピッチに登場します。
矢島と交代という形となり、同時に栗本・飯田→小島・岡庭と、計3枚替えに踏み切り。
しかし1トップの駒を代えても、そこへ運ぶ道筋が皆無という状況なので、展開が変わる事は無く。
尚も水戸は攻勢を掛け、27分には再び2枚替え(安藤・成瀬→鵜木・石井、小原がFWへ回る)し前向きなエネルギーを充填します。

それでも、27分の武田のミドルシュート(枠外)など相変わらず遠目からしか撃てない水戸。
ワンチャンスが作れれば……という所で、30分に水戸の繋ぎのミスを小島が拾って攻撃に入る大宮、左サイドで溜めを作ったシュヴィルツォクがスルーパス。
これにアンジェロッティが走り込むも届かず、勢い余ってクリアした松田をチャージしてしまい反則・警告という結果に終わってしまい。
それでも、ようやくシュヴィルツォクが好機に絡んだ事で光明を見出せたでしょうか、直後に黒川も投入します。(柴山と交代)
さらに34分、アンジェロッティ→泉澤に交代と勝負手を打ち続ける大宮。
これにより、泉澤がワイドに張って茂木がその内側を上がるという、組織立ったような攻めをようやく見せられるようになる大宮。

攻撃権を支配するも、効果的な攻めは今一つ出来ずにいる水戸。
35分に寺沼の収めからようやく決定機が訪れ、中央で入れられた前田の縦パスを鵜木がフリック気味にヒールパス、反応した小原がダイレクトでミドルシュート。
またも遠目からのフィニッシュでしたが、今度はゴール左へ際どく外れと惜しい絵図を生み。

しかし37分の大宮、ワイドで持った泉澤が送ったミドルパスを、上がっていた茂木がスルーと可変システムが奏功する形でシュヴィルツォクに渡り。
そしてそのまま左ポケットからシュートを放ったシュヴィルツォク、これがゴールポストを直撃。
まさに冷水を浴びせられる格好となった水戸、ようやく新兵器の牙が相手を襲う事となりました。

以降色を失う水戸を尻目に、その後もボールの収め所として機能するシュヴィルツォク。
その脅威に晒されながらも、何とか最後の交代枠を使い(42分、小原→杉浦へと交代)ゴールを目指す水戸。
ポケットを突いてマイナスのクロス、という狙いを明確化させるも、僅かにズレて繋がらず。

そして突入したアディショナルタイム、ここもクリアボールをシュヴィルツォクが収めてから攻撃開始する大宮。
左へ展開し、泉澤がカットインの姿勢から上げたアーリークロスを、ファーサイド奥で収めるシュヴィルツォク。
そのままシュートを放ちとうとうゴールか、と思われたものの右足インサイドに掛け過ぎてしまい、威力を欠きブロックに当たった末に左へ逸れる事となりました。
その実力は見せたものの、成果は次節以降となったシュヴィルツォク。

一向に動かないスコアに、最終盤には判定を巡って一悶着。
タッチライン際での反則で、異議を唱えた水戸・濱崎芳己監督に対し思わず大森がヒートアップし挑発行為も見せる等、その緊迫感故のフラストレーションが醸し出されます。

結局スコアレスのまま試合終了となり、引き分けで双方勝ち点1。
当然ながらこれだけでは全然足りないという最下位・大宮。
新たに加わった駒の下、どう上昇機運を作っていくでしょうか。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2023年J2リーグ第27節 モンテディオ山形vsV・ファーレン長崎

2023-07-25 16:01:43 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の山形の記事はこちら(23節・仙台戦、4-1)
※前回の長崎の記事はこちら(24節・ヴェルディ戦、2-1)

<山形スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 高江が(町田から)加入決定し、今節から登録され即スタメン出場。

<長崎スタメン>

  • 出場停止(2試合)明けのフアンマがスタメンに復帰。
  • 移籍加入が決定していた中村が今節から登録され、即スタメン出場。
  • ギリェルメが(ロシア・FCヒムキから)加入決定し、今節から登録され即スタメン出場。
  • 負傷離脱中のGKルカ・ラドティッチが、治療専念のため登録抹消。
  • 新人の松沢が今季初のメンバー入り。

今節から(正確には7/21から)、夏の移籍選手のウィンドウが解禁となり、晴れて登録・出場可能を果たせる事に。
そんな訳で、お互い補強した戦力が交わる一戦となりました。

山形はボランチで高江を獲得というピンポイント補強。
藤田・南のドイスボランチから、ベテランの藤田の方が最近息切れしたのかスタメン落ち。
その代役は、小西が故障がちという要素もあり岡﨑一択の状況はやはり苦しかったようで。
早速スタメン出場となった高江、弱点を埋める切り札となれるか。

一方の長崎は中村の他、新助っ人ギリェルメの2人が即スタメン。
ファビオ・カリーレ監督の試合前インタビューからは、「早く場慣れさせて連係面を高める」という意図のコメントが発せられ。
クレイソンの契約解除というイレギュラー(かどうかは不明ですが)もあり、それに代わる戦力にかかる期待の高さが伺える事となりました。
しかし彼らの他、フアンマが2試合の出場停止明けでスタメン復帰、ベンチにはジョップ・松澤と入団1年目の新人が名を連ねる状態。(ジョップは前節スタメン)
選手の助走という比重がとても高い事が見て取れるメンバー選択となりましたが、結果的にそれが拙かったでしょうか。

長崎のキックオフで試合開始となると、長崎はセンターバックのヴァウドが前に出てターゲットとなる、異色ながらも以前見たものである常套手段を採り。
しかし開始10秒で山形サイドが(横山が)反則を犯して長崎のフリーキック、というやや肩透かしな流れの入りとなりました。
この左サイドからのFK、キッカー中村のクロスをヴァウドが合わせたものの枠外に。

それを受けた長崎はボール保持で落ち着かんとしたものの、山形のハイプレスの前にその思惑は狂う事となり。
前半4分、左サイドから運ばんとするも詰まってしまい、戻りながらのキープを強いられた名倉が苦し紛れのパスを高江に遮断されて山形がショートカウンター。
拾った南から縦パス→國分ポストプレイ→加藤大樹と繋がるとそこはもう中央・ペナルティアーク寸前で、放たれた加藤大樹のシュートがゴール右へと突き刺さります。
入りで好機を作っただけに、長崎にとってはあっさりその流れを失うような山形の先制点となってしまいました。

直後のキックオフからも、ロングボールを収めようとしたフアンマが西村に倒されて反則・FKを得る長崎。
今度は右サイドからで、キッカー中村のクロスが中央でバウンドしたのち、フアンマが跳び込んで合わせましたがこれも枠を捉えられず。

新たに加わったギリェルメは、左サイドでボールキープで溜めを作る役割。
そこからスルーパスやサイドチェンジを供給するなど、放送席で言われていた「縦突破」という評判よりは、まずはチームに馴染まんとする事を第一とした振る舞いが目立ち。

一方山形に加わった高江は、既に町田で何年も「鉄板のボランチ」として活躍していた人材。
山形のビルドアップの流れにも直ぐ適応を見せ、最終ラインの一列前から縦パスを供給する役を難なくこなします。

ビルドアップで苦戦しがちな長崎、復帰したフアンマに頼りたい状況ですが、彼へのロングボールの配給は山形・渡邉晋監督の試合前インタビューでの意気込み通りにガッチリ抑えられ。
17分にロングパスを受けにいったフアンマ、入れ替わりを選択した結果熊本に倒されて反則となり、熊本が警告を受けたというシーンが山形ディフェンスを出し抜いたぐらい。
こうなると、ビハインドの状況もありボールポゼッションに活路を見出すしか無くなり、山形のプレッシングに悩まされる展開に。
19分には自陣でパスミスを犯しての危機、左サイド奥を取った小野からマイナスのクロスが送られるも繋がらず。

そうかと思えば山形の主体的な攻撃を受ける状態でも苦戦が続き、高江を中心に後方から散らされた挙句、先制点を挙げた加藤大樹の跳梁を止められず。
サイドバックの小野が上がるシーンも増える等、加藤の居る右サイド(山形から見て左サイド)が常時スクランブルを強いられる流れに。
22分にその山形の左サイドアタックからコーナーキックとなると、キッカー國分はショートコーナーを経て(高江の)手前からのクロスを選択し、これをその加藤大樹が後ろ向きでフリックでのヘディングシュート。
ゴール右へと突き刺さり、その直後に飲水タイムと、ブレイク直前での追加点となった山形。

2点差となり、開き直りもあったか第2クォーターでは本格的にボール保持に努める長崎。
その中でアクセントとなったのがサイドでの縦突破で、35分にはクリアボールをフアンマが収めにいき、こぼれ球を拾った澤田がドリブルで右ポケットを突く好機に。
そしてグラウンダーでクロスを入れると、ファーサイドでフアンマがシュートを放ちましたがこれがゴールバーを直撃。
際どいシーンで意気上がる長崎、以降も攻撃権を支配し続け、山形は耐える時間帯となります。

43分にも米田の左サイドの突破から低いクロスが入り、澤田のポストプレイを経てギリェルメがシュート。(GK後藤雅キャッチ)
こうしたドリブルが目立つ長崎の攻撃でしたが、それだけに仕掛けずにパスを散らすギリェルメの姿が逆に消極的にも映り。

そんな細かなギャップはあれど、この流れのうちに得点したい長崎。
アディショナルタイムには米田の左→右への対角線のロングパスが渡り、澤田が右奥から低いクロス。
フアンマの収めからの戻しを経て米田がミドルシュート(ゴール上へ外れる)と、起点のパスを出した選手がフィニッシュという還流による好機も生まれましたが、結局ゴールは奪えずに終わり。

2-0で折り返しとなったものの、長崎は終盤の好循環もありベンチは動かず。
その後半も立ち上がりの後半1分に、横山のアフターチャージによる反則(警告)と、横山の反則で幕を開ける事となり。
最初の好機は長崎で、ここも山形スローインの跳ね返しを拾った澤田が左ハーフレーンを縦に突破し、ポケット奥からのクロスでCKを獲得。
そしてフアンマがヘディングシュート(枠外)と、前半同様の良い流れを保ちます。

しかしそれを破ったのは、直後のゴールキックでビルドアップvsプレッシングを制した山形。
小野の斜めの縦パスは遮断されるも、國分が繋いで左サイドの加藤大樹に渡り。
たまらず長崎は増山が反則で止めてしまい、距離はあるものの左サイドからのFKとなった山形、加藤大樹のフェイクを加えての國分のクロス。
ニアサイドを鋭く突いたボールに対し、中村がヘッドでクリアに入ったもののこれがゴールに吸い込まれてしまう結果に。
ある程度仕方ない状況ながらも、オウンゴールにより追加点を献上してしまった長崎。

こうなると反撃の意欲も萎みがちで、6分に再び山形の攻撃となり、高江のクロスをクリアしたボールがゴールバーを掠め。
危うく連続でのオウンゴールとなる所で、続くCKからもニアへのクロスが流れた所、ファーで拾った横山がシュート(米田がブロック)と対応が曖昧なシーンを描いてしまう長崎。

一方さらに点差を広げんと、まさにイケイケといった山形でしたが、9分に先んじてベンチが動き。
横山→イサカへと交代します。
直後の左CKからも、西村が際どいヘディングシュート(左ポストに当たり枠外)を放ち。

この言葉は悪いですが余裕とも言うような相手の足下をすくいたい長崎、12分に米田左サイド奥を突いてのクロス、これがブロックの川井の腕に当たった事でハンドとなりFKに。
これをキッカー中村は意表を突いてブロックの手前へグラウンダーでクロスを入れると、澤田がフリーでシュートを放ちましたが南のブロックに阻まれ。
15分には右からのスローインを受けた澤田が素早くクロスを入れ、フアンマがヘディングシュートを放つもGK後藤雅がセーブ。
攻撃自体は機能しているだけに、得点に辿り着けないのがもどかしく。

そしてその攻勢から一転、16分にギリェルメのシュートをブロックされると山形のカウンターに。
クリアボールを國分がフリックして藤本に渡すとそのまま並走し、彼のドリブルからのスルーパスを受けた國分がエリアすぐ手前からシュート。
ゴール左へ突き刺し4点目を挙げた山形、1点目のショートカウンターに続いて、ロングカウンターも決める一日となりました。

尚も先んじてカードを切っていく山形、20分に國分・加藤大樹→田中・後藤優へと2枚替え。
ただでは終わりたくない長崎も21分に動き、鍬先・ギリェルメ・名倉→カイオ・奥井・加藤大へと3枚替えを敢行します。
しかし投入されたカイオ、その1分後にパスを受けにいった後藤優を倒してしまい反則・警告と早々にカードを貰ってしまい。
その後山形のボール保持が中心となり、止む無くという具合に掛かる長崎のハイプレスも、長崎選手のすぐ側を抜くパスでいなしていきます。

長崎の反撃の機運が高まらないまま、遅めの飲水タイム(27分)を経て第4クォーターへ。
31分に中村→ジョップへと交代(加藤大がボランチに回る)し、フアンマとのダブルターゲットで何とか打開を図る姿勢に。
フアンマがロングボールを収める役は変わらず、それに伴いジョップが前に出るという関係性となり、(都倉が後ろ・フアンマが前になっていた)町田戦からは修正が図られていたようであり。

そして33分、クリアボールを拾ったフアンマからスルーパスが送られ、左奥へと走り込んだ米田からクロス。
これをジョップが期待通りにヘディングシュートを叩き込み、1点を返します。
2試合連続ゴールとなったジョップ、今後新たなジョーカーとして名乗りを上げられるか。

キックオフの前に山形は最後の交代、高江・藤本→藤田・高橋潤。
尚も点差を縮めんと攻め上がる……かと思われた長崎ですが、前線に運動量を加えた山形のゲーゲンプレスに苦しむ事となり。
ボールを落ち着ける暇も無く、フアンマへロングパスを送る余裕も無くなり、アバウトな攻めを強いられてしまいます。
何とかジョップの裏抜けを狙うも、GK後藤雅のケアが光るのみの結果に終わり。

43分にここも山形が即時奪回すると、高橋潤→藤田→イサカと経由し右ポケットを突き、イサカがグラウンダーでクロス。
クリアされるも、こぼれ球を田中がダイレクトでシュートを放ちゴール右へ際どく外れと、得点の機運が高まりを見せたのは山形の方となり。
そしてアディショナルタイムにそれが結実し、右サイドをパスワークで繋いでいき、中央方面へ流れた南がエリア内へ縦パス。
受けたのはその流れの中上がっていた川井で、反転しながらの難しいシュートをゴール左へと突き刺します。
これで5点目を挙げた山形。

止めを刺された格好の長崎でしたが、山形はその後高橋潤が足を痛めてしまい、ピッチを後にした事で数的不利での戦いに。
何とか力を振り絞り攻め込む長崎、GK波多野ロングフィード→ジョップフリックから好機を作り、左右からクロスを入れ続け。
しかし最後はこぼれ球をシュートにいったジョップが空振りと、不発に終わりました。

そして試合終了の笛が鳴り、山形が勝利を手にしました。
5-1と大差が付いたものの、長崎は良い時間もあっただけに攻守ともにもっと上手くやれた感が大きく。
それだけ新戦力の助走に注力したように映りましたが、果たして今後に結び付くかどうか。

そんな補強という要素では、後日この日対戦した両クラブとの間で選手が動く事案が発生。
長崎・宮城がレンタル先変更という形で、山形に移籍する事となりました。(レンタル元はJ1・川崎)山形公式 長崎公式
17節・大分戦の退場劇以降未出場だった宮城、それを境に見限られた感があり。
昇格に向けて微調整も必死といった移籍市場ですが、結果を出すのは何処か。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2023年J2リーグ第27節 レノファ山口FCvsブラウブリッツ秋田

2023-07-24 16:03:04 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の山口の記事はこちら(21節・仙台戦、2-0)
※前回の秋田の記事はこちら(22節・藤枝戦、1-3)

<山口スタメン> ※()内は前試合のスタメン

  • 平瀬が(J1・鳥栖から)育成型レンタルで加入。前節(いわき戦、0-0)から登録されて今節で初のベンチ入り。
  • 25節(長崎戦、1-0)で負傷(HTで途中交代)した河野の詳細が発表され、全治約4週間との事。

<秋田スタメン>

  • 前節・町田戦は豪雨のため中止に。代替日は現在のところ未定。

就任当初、散々ネタにされた感のある山口のフアン・エスナイデル監督。
それがこれだけ守備面で驚異的な結果を残すとは……と、逆の方向で(つまり純粋に正当性で)Jリーグに衝撃を与える?に至りました。

思えば前回観た際(エスナイデル氏の2試合目)も、ハイプレスはともかく攻撃面では随分と堅いサッカーを展開していたものであり。
とことん裏狙いのロングパスを配給し、例え繋がらなくても悪い奪われ方をしない事により被カウンターのリスクは低下。
就任して間も無いという事情もあり攻撃力は大幅低下したものの、逆にそれが奏功した感もありその間失点は何とゼロ。(6試合)
無失点ではどうやっても敗戦はしないので、勝ち点を効率よく稼ぐのも訳は無く。

前職(千葉の監督)とのギャップも手伝い、ここまでは順調といった感じのエスナイデル氏。
思い出されるのが今季途中まで山形の監督を務めていたピーター・クラモフスキー氏(現J1・FC東京監督)で、「攻撃サッカー」と謳われながらも就任当初(2021年途中)はむしろ守備面で結果を出し、無敗記録を作り上げました。
彼も前職(清水の監督)で結果を残せなかった経歴があったので、ナチュラルに外野の評価を騙すブラフとなった感もあり。
果たしてこのまま結果を残し続けられるかどうか。

この日の相手は秋田と、「ボールを握らされる展開」になるのは必至というカード。
そのため従来のような、「相手のビルドアップにハイプレス」「相手のプレッシングを引き込んでロングパス」という単純明快なサッカーのみでは通用し辛い試合となりました。

様子見の入りは短く、1分超辺りで早くも山口のビルドアップvs秋田のプレッシングという図式となる試合。
しかし秋田は無闇に最終ラインへのプレスは抑制と、裏狙いのケアは明白といった姿勢を採り、流石に現在の山口の研究は欠かさなかったようで。
それでも前半3分に沼田の裏へのロングパスで吉岡が左奥を取ってクロス(ニアの皆川には合わず)と、その全てを防ぎきる事は出来ないので、この睨み合いがどちらに振れるか。

山口がボールを握る時間が続く中、8分に事変が起き。
エリア内でキープするGK寺門がコントロールを誤った所に、梶谷が突っつき奪いかけるシーンが生まれます。
幸いそのボールは寺門が抑えて事無きを得ますが、これを境に秋田に針が振れ始める試合展開。

右サイドからスローインを交えつつの前進で、それを果たした後は高田のロングスローを連発という、いかにも秋田らしい攻撃を繰り広げ。
11~18分の間に行ったロングスローは5本にも昇り、それに対し中村・梶谷が合わせにいく事で山口ディフェンスにダメージを与えんとする立ち振る舞い。

そんな圧に押される山口。
長らく攻撃機会を得れない時間が続き、打開を図らんとしたのが23分。
秋田の前線に対し睨み合う姿勢を続けて来た山口最終ラインでしたが、ここでは左サイドで間を通す縦パスを連発し、ポストプレイも交えて地上で揺さぶる攻め。
そして中央の矢島を経由し右へと渡し、高橋がエリア内へ縦パスを打ち込んだものの手前で遮断されて繋がらず。
最初の勝負手は不発に終わり、それから暫くして(25分に)飲水タイムが挟まれました。

明けて第2クォーター、様子見といった展開を経て29分に動く山口。
再びの地上からの前進で、沼田のスルーパスに対し、一旦(パスの前の)下がりを見せたのちの抜け出しで受けた吉岡。
ここからの前進はクリアされて実らずですが、直後の30分にロングボールを秋田ディフェンスがクリアしきれずに皆川が落とし、相手の陣形が乱れての好機となります。
中央で吉岡が拾い、溜めたのちエリア内へパスを送るも、ここも左ポケットに走った皆川とズレてしまい実りません。
31分にも、前のミドルパスを矢島が収め好機になりかかった所、矢島がハンドを取られるという具合に惜しい逃し方をしてしまい。

以降ひたすら定番の裏へのロングパスへと傾倒する山口。
それを尻目に、秋田はセットプレーから一発叩き込むという平常運転のサッカーを仕掛けるものの、ボール支配自体は山口が行えていたためその機会も少なく。
フリーキック1本・コーナーキック1本というこの時間帯で、34分の左サイドからのFKでは、キッカー水谷のクロスを阿部がヘッドで合わせたもののオフサイド。
40分の右CK、キッカー水谷はライナーでのクロスをファーサイドへ送り、才藤のヘディングシュートがループ気味に襲いましたが惜しくも外れ。

終盤を迎え、再び地上からの繋ぎに活路を見出さんとする山口。
その中で前がボランチへと位置を変えてのビルドアップを見せる等、相手の目線を変える工夫は怠らず。
41分に左からの前進で、沼田縦パス→小林スルー→吉岡と変化を付けた事で、吉岡のスルーパスに走り込んだ小林が左ポケットを取る好機に。
しかし中央にマイナスのクロスが送られるもそこに人は居らずと、良い流れを作ってもフィニッシュが遠いという二重苦を強いられます。
結局スコアレスのまま前半は終了。

共に交代は無く、賽が振られた後半。
立ち上がりを制したのは秋田で、前半同様にスローインを交えながら攻め上がり、相手のターンとなってもロングボールを跳ね返してすかさず攻撃と主導権を渡さず。
敵陣に押し込んで迎えた後半4分、左からのスローインを左ポケット奥で梶谷が受け才藤へ戻し、その才藤がワンツーからポケットへパス。
そして水谷のスルーパスが奥へ送られるも、抜け出さんとした梶谷が高橋と交錯してしまい受けられず(反則無し)と、不運に塗れモノに出来ません。

一方の山口は前半同様の攻めに加えて、対角線のロングパスを交える事で変化を付けようとしますが、攻撃機会は10分間で1度のみ。
攻めあぐねている所に一発、というのは避けたい流れでしたが、9分の秋田はクリアボールを正確に繋いだ末に水谷がドリブルに入り左ポケットを突く攻め。
これで左CKを得ると、キッカー水谷ニアにクロス→中村フリックでこぼれ球となった所、梶谷のポストプレイを経て藤山がボレーシュートを放ちましたが惜しくもゴール上へと外れ。
決定機が生まれた事でゴールへの意識も高まる秋田ですが、11分には中盤で奪った山口がカウンターに持ち込まんとした所、素早く戻りつつのパスコースを切る守備でそうはさせずに戻させ。
トランジションの速さも健在で、流れは秋田に傾きつつあったこの時間帯。

そしてそれを変えようと、先に動かんとしたエスナイデル監督。
一挙3枚替えという荒療治を取り、13分に前・吉岡・皆川→野寄・五十嵐・梅木へと交代します。(高橋が右サイドバックに降りる)
しかし準備している間に秋田も動きを見せ、結局同時のタイミングでの交代となりました。(齋藤・中村→青木・沖野)

投入された五十嵐が、アンカー神垣の左脇でパスを受ける事でビルドアップを円滑化させんとする山口。
そして裏狙いも活性化、という狙いが図られたものの、山口もサイド裏に出された所を高田・才藤の両SBが良く対応して防ぎます。

依然として流れを保つ秋田。
余裕が生まれたのか22分には最終ラインがボールを持った所、阿部がドリブルで五十嵐を剥がすという、細かなビルドアップへの入門ともとれるような持ち運びも見せ。
苦しむ山口、23分に右CKを獲得すると、仙台戦でも見せたサインプレーを選択。
即ちニアへグラウンダーのクロスを送り、そこでのポストプレイで揺さぶるという流れを実行に移し、戻しを受けた五十嵐のロビングを梅木がフリック気味に合わせます。
しかし枠を捉えられず、というタイミングで後半の飲水タイム。

明ける際に秋田はさらに動き、梶谷・水谷→丹羽・畑へと2枚替え。
その直後(28分)に山口も小林→池上へと交代します。
左ウイングという位置は変わらずも、中央~右でもプレーする池上の動きで、物理的に目線を変えにいった感がある以降の山口。

それでも流れは変えられず、31分に沖野のプレッシャーで右CKを得た秋田。
クロスの跳ね返りを拾って二次攻撃、サイドを揺さぶるパスワークの末に右から攻め、高田のファーサイドへのクロスを河野が折り返し。
そしてフリーの青木が詰めるという決定機を作ったものの、放たれたヘディングシュートは浮いてしまい枠を捉えられません。

時間も押し迫り、これを境に前への意識の高まりが顔を出すようになった両軍。
直後の33分にはボールの奪い合いを経て、中盤で制した秋田に対しさらに山口はゲーゲンプレスを掛けるも、キープしきって右サイドから前進する秋田。
スルーパスを受けた沖野が右ポケットを突いてマイナスのクロス、これを畑がフリーで合わせましたがGK寺門がセーブ。
依然秋田に決定機が生まれる流れも、34分にはパスミスを犯してしまい野寄にドリブルで疾走される危機を招く(フィニッシュには繋がらず)など不安定さも露呈します。
そして35分に野寄の出足良いパスカットに対し才藤が足を引っ掛けてしまい反則、警告を受けるとともにFKも与える事に。
ここはフィニッシュに繋がらなかったものの、このドタバタぶりを改められなかった事が後の縺れを生んでしまったでしょうか。

それでも先手を取ったのは秋田でした。
37分、ゴールキック→畑フリックという単純明快な流れで左サイド奥を突き、これで左CKに。
そしてキッカー沖野のクロスを、河野・青木というターゲット(と山口ディフェンス)を越えた所に、才藤がヘディングで合わせてゴールネットを揺らします。
やはりモノにしたのはセットプレー一発となりました。

しかし喜びも束の間、直後のキックオフから繋ぐ山口、意表を突いて中央からの前進。
五十嵐の持ち運びからのパスを受けた梅木に対し、寄せた諸岡が倒してしまい反則となり、これで中央良い位置での直接FKを与えてしまいます。
既に時間も40分という所で、キッカー池上は入念に(味方の)壁の位置を修正を図った末に、直接シュートを蹴り込み。
ボールは綺麗に曲がり落ちる軌道を描き、ゴール左へと突き刺さります。
背番号10に相応しいキックを決めた池上により、同点とした山口。

結局失点まで乱れを収められなかった秋田。
その直後(42分)も、クリアにいった河野が被ってしまい才藤と交錯して痛むなど、腰を落ち着ける事が出来ていない風に映り。

そのまま山口の猛攻を浴びる流れとなりますが、ワンプレーがスコアに直結します。
45分、例によって山口は裏へスルーパスを送るも、高田が読んでパスカットして反転攻撃を仕掛ける秋田。
そのまま上がり、スルーパスを右奥で受けた高田を経由して沖野のクロスがニアサイドに入り、この低いボールに跳び込んでヘッドで合わせたのは丹羽。
流れの中での、まさにワンチャンスを仕留めた格好で再び勝ち越しに成功しました。

勝利も見えただけに痛い失点となった山口。
突入したアディショナルタイム、裏を取らせない秋田の姿勢に対し、野寄の推進力を頼みに攻め立てる他無く。
またもや梅木に対して諸岡が反則しFKとなるも、今度は右サイドからでキッカー池上はクロスを選択。
こぼれ球を必死に繋ぎ、2度目のクロスがこぼれた所を神垣がミドルシュートにいきましたが、素早く寄せた藤山のブロックに阻まれ同点ならず。

最終盤に秋田は残っていたカードを使い、藤山→小柳へと交代。
何とか最後の攻めで右CKを獲得した山口、GK寺門もエリア内に加わって総動員体制を取ると、キッカー池上はその寺門に向けてクロス。
跳んで合わせにいった寺門の手前で、GK圍がパンチングで掻き出すという、GK同士の跳躍が交わったのちに試合終了の笛が鳴り響き。
エスナイデル氏の無失点記録のストップと共に、黒星が付いてしまった山口。

一方豪雨災害を乗り越えて……という勝利を挙げた秋田。
同時に、J2ライセンス消失の危機のニュースが公式から流れて以降の初勝利でもあり。
二重の苦難に苛まれた現状となっている秋田ですが、月並みながらこの勝ち点3が事態解決に向かう事を祈るばかりです。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする