<川崎スタメン> 4-1-2-3
GK チョンソンリョン
RSB 山根 CB ジェジエウ CB 谷口 LSB 旗手
DH ジョアン・シミッチ
IH 田中 IH 脇坂
RWG 家長 CF レアンドロ・ダミアン LWG 三苫
<G大阪スタメン> 4-1-2-3
GK 東口
RSB 小野瀬 CB 三浦 CB 菅沼 LSB 藤春
DH 山本
IH 井手口 IH 倉田
RWG 矢島 CF パトリック LWG 川﨑
シーズンインの証であるスーパーカップ。
天皇杯決勝と全く同じ組み合わせであり、カード的に斬新さに欠けるきらいがありますが、自分のリハビリを兼ねて取り上げたいと思いました。(どうでもいい)
王者・川崎の今オフの動向(選手編成)はというと、中村の引退・守田の海外移籍(ポルトガル)と、中盤の構成の変化を強いられる展開となりました。
名古屋からジョアン・シミッチが加入、この日早速アンカーとして起用と、フロントの動きの正確さをアピール。
ピンポイントで大きく動いた他は、レンタル移籍組の復帰(知念・遠野・宮城)が多数。
レンタルに出向させて……という手法も採った一方で、カイオ・セザール(長崎)はじめポープ・ウィリアム(岡山→大分)・馬渡(湘南→大宮)・鈴木(松本→磐田)という具合に、完全移籍という犠牲を払った事象も少なくなく。
黄金時代を築くには「勝ちながら育てる」事が不可欠で、その通り新戦力の発掘に精を出したいという思惑は(前年の三苫・旗手の抜擢からしても)強いようで、それはこの試合の後半に顕れる事となります。
一方のガンバ、動向は川崎よりも大人しく獲得選手は5名のみ。
お隣(というか同一本拠)のセレッソのように、U-23チームの廃止の影響を受けて大きく動くと思われましたが、そんな事は無く。
それでも5人の選手のうち3人がFWで、その3人(一美、レアンドロ・ペレイラ、チアゴ・アウベス)を揃ってベンチ入りさせてこの試合に挑みました。
そして後半に3人とも出場させたものの……。
立ち上がり、ガンバが早めのプレスで優勢に試合運び。
シーズン最初の公式戦故か、ややスローペースな川崎のパスワークを封じていきます。
それでも前半3分に川崎がファーストシュート、中盤中央でボールを拾った家長がドリブルで左サイドへ向かいながら前進、上げられたクロスをレアンドロ・ダミアンがトラップ。
そして得意のバイシクルシュートを披露し、ガンバ・菅沼が頭でブロックしたものの、跳ね返りをさらに三苫がシュート(GK東口セーブ)と連撃。
ペースを握られていても、その攻撃力の恐ろしさを見せ付けました。
敵陣でのボール奪取を何度か見せたガンバでしたが、そこからフィニッシュには持ち込めず。
徐々に川崎ペースに針が動くと、再びの決定機は9分でセットプレー(右コーナーキック)から。
キッカー田中のニアサイドへのクロスを、シミッチが合わせヘディングシュート。
GK東口は逆を突かれ、足でセーブしたものの左ゴールポストに当たって跳ね返り、谷口の足元へボールが転がります。
しかし谷口のシュートは浮いてしまい、絶好機を逃した川崎。
ペースを失いつつあり、やり返したいガンバは14分にこの日最初のシュート。
左サイドで山本の縦パスがパトリックに入り、そのまま左で攻撃を組み立てたのち、最終ラインに戻して逆の右サイドへ。
三浦の長いパスを受けた矢島はアーリークロスを入れると、エリア内でトラップしたパトリックが、そのままバイシクルシュート。(GKチョンソンリョンキャッチ)
川崎・ダミアンとシンクロするかのような動きで、最初の矢を浴びせたパトリック。
これで再びガンバに流れが傾き、何度か好機を作るも、その後のシュートは21分の川﨑のエリア手前からのもの(ブロック)ぐらい。
しかし前回対戦時のようなサンドバック状態は微塵も感じさせず、前半の飲水タイムを迎える事となりました。
ガンバが善戦、といったここまでの展開でしたが、インターバル明けからは川崎が本領発揮。
26分に谷口のクリアに近いロングパスが、そのまま裏に出て田中に渡りここから押し込んで攻撃。
サイドを変えながらエリア内を伺ってショートパスの連続ののち、最後は右サイド手前からの山根のクロスを、三苫が合わせヘディングシュート。(ブロック)
28分には左サイドで家長がロングパス、エリア内左で三苫が受けた後、こぼれ球をダミアンがシュート。(ゴール右へ外れる)
着実にガンバ守備陣を脅かしていくと、結実したのが29分。
最終ラインから左サイドへ渡り、旗手縦パス→田中受けてスルーパス→三苫と渡り、カットインでエリア内に入る三苫。
そして至近距離からシュートを放つと、先読みで反応したGK東口の逆を突いてゴールゲット。
勢いそのままに32分、再び左サイドで形を作り、敵陣深めで逆サイドの家長や脇坂も加わってのパスワーク。
そして脇坂の突破ののち田中のクロスが上がると、三苫が合わせにいったこぼれ球を、エリア内右で山根がダイレクトでシュート。
グラウンダーで三苫の側に転がったこのシュート、すかさず三苫はコースを変えてネットに突き刺しました。
オフサイドかどうかでVAR確認が行われたのち、ゴールが認められ2点目。
好試合から一転、その後のガンバは攻守に四苦八苦し、川崎ペースの展開に。
優雅なパスワークと最前線でのプレッシングが冴え渡る川崎に対し、ガンバは殆ど見せ場を作る事が出来ず。
反面川崎もフィニッシュにいったシーンは45分(ダミアンがボレーシュートにいくもミートせず)ぐらいでしたが、2-0のまま前半を終えます。
メンバーチェンジは無くハーフタイムを挟み、迎えた後半も展開は変わらず。
川崎がパスワークを繰り広げつつリードを保つ流れで、何処かでこれを変えたいガンバ。
後半8分、中盤で三浦がパスカットに成功し右サイドから攻撃を仕掛け、矢島・小野瀬を中心に組み立て。
矢島のクロスはブロックされるも、流れが変わったのはこの辺りからでしょうか。
リードしていた川崎が「追加点を決めにいく」という意思統一の下、守り切る意識が薄かったのが幸いしたという要素もあったでしょう。
13分に小野瀬が右からカットインののちシュート(枠外)と、後半初のフィニッシュに持ち込んだガンバ。
その後の15分、左サイドからアンカー・山本のドリブルを経由して逆サイドへ展開。
右サイド奥から小野瀬のクロスが上がり、クリアされるも山本がヘッドで繋ぐと、エリア内で拾った矢島が反転しシュート。
ゴール上部に突き刺さり、反撃の狼煙を上げます。
その後川崎は、16分にダミアンが技ありの頭でのボールコントロールからのシュートを魅せたり、19分にシミッチ・脇坂→塚川・橘田へと2枚替えを敢行します。
流れを引き戻したい川崎サイドでしたが、それは果たされず。
21分のガンバ、川﨑が左サイドをドリブルして攻撃開始、ボールを手放したのち井手口のパスをエリア内で受けた川﨑。
左へとパスを出した所、川崎・山根の腕にボールが当たると、審判の笛が鳴りハンドをとられPKに。
絶好の同点機となり、これをキッカー・パトリックが豪快にゴール左へ蹴り込み、ネットを揺らしゴール。
試合が振り出しに戻り、同時に後半の飲水タイムへ。
ここでガンバベンチも動き、新戦力のペレイラとチアゴを同時投入。
両ウイング(矢島・川﨑)に代えたものの、ペレイラは明らかに中央で仕事をするタイプなので、3トップを捨てる事に。
パトリックとペレイラの2トップを軸に4-4-2へとチェンジする事となりました。(チアゴが右サイドハーフ、倉田が左SH・ボランチに山本と井手口)
再開後いきなり、ロングボールをペレイラの落としからパトリック→チアゴに渡るなど、助っ人の連携で好機を作ったガンバ。
直後の26分にもチアゴが右サイドをドリブルで進みグラウンダーでクロス、クリアされたボールを井手口が拾い、縦パス→ペレイラ収めて戻す→山本スルーパス→藤春と渡ってチャンス。
しかし藤春がエリア内で放ったシュートは川崎・ジェジエウがブロックしゴールならず。
大逆転勝利も見えて来たガンバでしたが、27分に川崎ベンチが動いて(ダミアン・三苫→小林・長谷川)からは勢いを失っていきます。
ガンバの見せ場は33分のフリーキック、右からのクロスボールをペレイラがヘディングシュートした場面(オフサイド)ぐらいと、好機は殆ど生まれなくなりました。
36分にパトリック→一美へと交代したものの、堰き止める事は出来ず。
終盤は川崎の時間となり、新加入の塚川・橘田も、主力に交じりパスワークに絡んで良い動きを見せていきます。
さらに38分には家長→遠野へと交代し、新戦力の発掘にウェイトを置きつつ、勝利を狙いにいく川崎。
40分には右サイドでの攻撃、塚川・遠野がパスを繋いだのち、山根のヒールパスを受けた橘田がクロス。
ニアサイドで小林が収め、キープした後シュートするもブロックに阻まれます。
尚も押し込んでいき、CKも数多得た川崎。
その過程で、塚川が味方選手との激突で脳震盪を起こし、無念の途中交代に。(車屋が出場)
アディショナルタイムに入り、CKからの攻撃でも悉くシュートに繋げていく川崎。
谷口や小林がヘディングシュートを放ち、それをGK東口がセーブし防ぐという紙一重の攻防を魅せていきます。
そして終了間際(AT6分台)。
一転して中央から速い攻撃を仕掛けた川崎、田中縦パス→遠野受けてスルーパス→小林と渡り、エリア内右へ進入してシュート。
ゴール左へと突き刺さり、土壇場で勝ち越しゴールを奪った川崎。
キックオフ直後に試合終了の笛が鳴り、苦しみながらも勝利・制覇に辿り着きました。
善戦したガンバでしたが、ペレイラ・チアゴの起用後全く別のチームとなってしまった印象で、シーズン中も難儀する要素となりそうな気がしました。
一方の川崎は、何度も交代を敢行してもベースは崩さず。
途中アンカーが田中になったり塚川になったりしましたが、アンカーの選手を入れ替える動きは前年にも見られたものであり、ブレる要素にはならず。
安定した下地の下、今季も王者に相応しい戦いを貫くのでしょうか。