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DAZN観戦 2024年J1リーグ第38節 北海道コンサドーレ札幌vs柏レイソル

2024-12-12 16:01:35 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • 札幌は、GK菅野が累積警告により出場停止。
  • 柏は、ジエゴが前節(神戸戦、1-1)退場(警告2度)のため出場停止。
  • 札幌は例によって、守備時は宮澤と青木がそれぞれ1列降りて4-4-2になる「オールコートマンツーマン」の姿勢に。(残留争いの最中では5バックで守る試合もあったようですが)

土曜日のプレーオフ三点盛りで、もうシーズン終了という気分になれなくも無いですが、あえて最後の視聴に。
柏サイドがまだ残留確定していないとはいえ、大量失点さえしなければ……という状況。
おまけに両クラブとも監督退任を発表済み(札幌=ミハイロ・ペトロヴィッチ氏、柏=井原正巳氏)という、ほぼ消化試合な一戦ですが、自分が僅かに持っている地元愛のもと取り上げる事に。

その札幌は、奮戦虚しく前節をもって降格が確定。
これで個人的に注目している降格回数レースは、単独トップとなる5度目(これまで4度で並んでいたのが湘南・京都・福岡)と、ある意味歩を進めるような1年となってしまいました。
来るべき時が来た、という感じですが終わった事は仕方無く。
説明不要ですが自分はJ2を主としたサイクルで、来年は観る機会も増えると思うので、(失礼を承知で)よろしくお願いしますと言うべきでしょうか。

J1ならびにミシャ氏最後の試合という、情緒感溢れる(放送席でもそう感じたので現場はさらに……だったのだろう)雰囲気のなかキックオフ。
お互いロングボールを蹴り合うという定番の入りななか、前半4分に三丸のロングパスを岡村がクリアミスして柏の好機に。
これを拾った木下がボールコントロールを経てミドルシュート(枠外)と、まず一発という意味合いの強い遠目からのフィニッシュ。

しかしこれが試合を動かす号砲となり。
札幌は直後の5分、こぼれ球を馬場がスライディングでボール確保して中盤からの攻撃。
右サイドでの運びで駒井縦パス→浅野ポストプレイ→鈴木スルーパスでポケットを突くと、抜け出した近藤がGKと一対一という状況に持ち込んだ末に、GK松本を右へとかわしてシュート。
鮮やかな崩しでゴールゲットと、これまでの重たい雰囲気が全て振り払われたかのように早々に先制を果たしました。

そしてその後も、憑き物が落ちたかのように最終ラインからの組み立てでペースを作る札幌。
この日初スタメンとなったGK児玉の足下の技術が抜群で、最後方で溜めを作りながら、柏のハイプレスを引き出してボールを運ぶ余地を作ります。
一方、例によって最終ラインに降りてプレーする宮澤もベテランらしい落ち着きを披露。
同じ最終ライン間に届ける真横の浮き球パスでプレッシングをいなすなど、その技術と視野でボールポゼッションを高め。
しかしフィニッシュは先制点のシーンのみと、アタッキングサードでの低調ぶりはこれまで通りという感じであり。

追い掛ける柏も、今季を象徴するようなサヴィオを軸とした攻撃を展開し始めると徐々に形成は変わり。
19分にロングボールを回収されたのちのゲーゲンプレスで、左サイド深めで三丸が奪うなど札幌のボール保持を阻みに掛かります。
25分には再び深めでゲーゲンプレスを受けながらの保持で、パクミンギュがバックパスをミスしてコーナーキックを献上と、次第に乱れてくる札幌。
柏はこの右CK、ポケットを突くショートコーナーから地上で繋ぎ、中央への展開の末にサヴィオがシュート(GK児玉キャッチ)と変化を付けてのフィニッシュ。

しかし鈴木へ当てるロングボールの割合を増やす事で、やられそうな流れを押し留め。
本来の姿とは異なるポストワーク主体の仕事(本来は裏抜けが特徴の選手であろう)も、試合をこなすにつれて様になってきたでしょうか。
一方柏も、ボール保持に見るべきものが無いチームな以上FWへ送るロングボールが多くなり。
しかしターゲットとなった木下はあまり機能せず、流れを呼び込む事はままならず。
21分に岡村との空中戦で、腕を岡村の頭部に入れてしまい反則・警告と、京都時代を彷彿とさせるラフプレーへの傾倒も見せてしまいます。

柏がリズムを作れないため、30分を過ぎると再び札幌が最終ラインでの保持で試合をコントロールする流れに。
35分にはGK児玉→岡村→馬場の繋ぎで、岡村が持ち運びでプレスを剥がしたのち右ワイドの馬場へパスという、心憎いプレス回避の末に馬場は一気にエリア内へロングパス。
これを鈴木が収めてのキープを経て、バックパスから浅野がシュート(古賀がブロックしてCKに)と、地上での繋ぎとロングボールを巧みに組み合わせ。

ここまでは盤石といった札幌ですが、38分には自陣でのスローインの際、スロワーの近藤は前方に送ると見せかけ中央のスペースへ投げ入れ。
しかし山田に読まれてカットされ、すかさずミドルシュート(パクミンギュがブロック)と、下手に変節を見せようとして裏目に出てしまい。

これでリズムが狂ったか、40分に柏がGK松本から組み立てるという絵図になると、手塚が裏へロングパス。
走り込んだ細谷が、岡村とのデュエルを制する格好でボール確保するとフリーの大チャンスが生まれ、そのままエリア内へ進入してシュート。
これがゴール右へと突き刺さり、一本のロングパスであっさり……という失点かと思われた所でVARが介入します。
そうで無くても細谷と競り合った岡村が倒れて動けずという、どう見ても反則チャージを受けたような絵図が生まれており。
そしてOFRに持ち込まれ、改めて細谷のチャージを後方からモロに岡村の映像が流されたのを経て、判定が覆りノーゴールの運びとなります。
命拾いした札幌ですが、頭を地面に打った岡村は脳震盪の疑いもあり治療が入ったのでピッチ外→復帰の流れに。

岡村が復帰したのは44分と既に終了間際でしたが、VARその他によりアディショナルタイムの目安は7分に。
しかし長いブレイクもあり、お互い組み立てを考える余裕が失われたかのようなその後の流れに。
その中で札幌が、近藤のラフなロビングを受けた浅野から、その2人によるパス交換で前進していき右ポケットを突く攻め。
近藤のマイナスのクロスがクリアされるも右CKとなり、キッカー青木ニアにクロス→馬場フリックでファーに浮き球→浅野落としからエリア内での空中戦に。
そして右へこぼれた所を宮澤がボレーシュート(ブロック)と、勢いで勝りゴールに迫ったものの追加点は奪えず。

1-0のまま前半終了となり、迎えた今季最後となる残り45分。
このまま勝利のムードを持ちながらも、気分は既に哀愁漂うといった札幌サイドだったでしょうか。

後半2分、右サイドでのボール確保から、浅野縦パス→鈴木ポストプレイと定番の流れでボール運び。
そして逆サイドへ展開ののち菅が持ち運んでミドルシュート(GK松本セーブ)と、前半の良い流れをそのまま持ち込んだような札幌。
といっても、柏サイドがこれまでの相手より温い所為か、ないしは「大量失点しなければ良い」思惑に囚われていたという要素も予想出来ましたが。

13分、岡村のクリアを鈴木が敵陣で収めてから好機と、相変わらず光るこの日の鈴木のポストワーク。
右への展開ののち近藤が奥へ持ち込み、尚も切り込むと見せかけてポケットへのパスで駒井に託し。
そして入れられたマイナスのクロスを浅野スルー→菅シュートと、流れるようにフィニッシュに持ち込むも関根のブロックに阻まれ決められず。

好機の数は変わらないながらも、明らかに札幌の有効打が増えてきた後半。
自力で残留確定させないと様にならない柏は、どうにかしようと攻撃で頼りにするのはやはりサヴィオの存在感であり。
14分、左サイドで持ち運びに入ったサヴィオ、そのままポケットを取ってクロスを入れる局面に。
しかしこのクロスはミスキックになると、あろう事か足を攣らせてしまったサヴィオ。
得点どころか窮地といった状況ですが、一本柱な存在に相応しくその後もサヴィオはプレーを続けます。
直後に両チームベンチが動き、札幌は宮澤→大﨑に交代。
この際キャプテンマークを駒井に託してピッチを出た宮澤により、スタジアム(大和ハウスプレミストドーム)はさらに情緒感が高まる事となります。
一方の柏は、三丸・白井永→片山・熊坂へと2枚替え。

宮澤の後を受けた大﨑も役どころは変わらず、最高峰でボール保持を支え。
GK児玉とパス交換を繰り返しながら、良質なロングパスを送る事で組み立てに掛かり。

サヴィオにあまり頼れなくなった柏は、投入された熊坂が高い位置を取る事で彼からパスを引き出しに掛かり。
ドリブルのみならずスルーパスもリーグ上位というサヴィオを活かす立ち回りですが、大きな効果は挙げられず時間は進んでいきます。
23分さらに柏ベンチは動き、山田・木下→小屋松・垣田へと2枚替え。

結局先制点が重くのしかかる形の柏、主体的な攻撃には見るべきものが無いためこうなるのも道理であり。
ビルドアップ的には、右サイドで山田が内(ハーフレーン)をとり、サイドバックがワイドで上がるという形を前半から何度か見せ。
しかしそれを見て「オールコートマンマーク」的に付いてくる札幌は、(山田に付く)パクミンギュが内側に入り(SBに付く)菅が下がってくるので、疑似的に5バックのような格好になる事により一層崩しが難しくなるという全体の印象でした。

それでも基本攻撃への意識が強い札幌故に、28分にカウンターに持ち込む(垣田がドリブルで持ち運ぶも、パクミンギュに蓋をされて反則)など一定の隙はあり。
31分、左サイドからで当然サヴィオが絡み、スルーパスで奥を取るとともに自身もパス&ゴー。
そして細谷からのリターンをポケットで受けると、中央へ浮き球の横パスを送った所にこちらもパス&ゴーしていた細谷が入り込んでボレーシュート。
これがゴールバーを直撃し、さらに垣田が追撃してシュートするもパクミンギュがブロックで防ぎ。
痛む身体(足)に鞭打つ……といったサヴィオの動きが無ければ厳しいのは変わらずで、この日の全体の出来からして一度あるかどうかという決定機を逃してしまいます。

その後、例によって最終ラインで小屋松にボールを奪われる(33分、その後熊坂がシュートもGK児玉キャッチ)という事態も招きながら、何とか保持により落ち着きを取り戻す札幌。
35分にパクミンギュ・浅野→中村・荒野へ2枚替えと、それを補うべく順次交代カードも使っていきます。

一方柏はめげずに攻め込むものの、サイド奥からのクロスが精一杯という流れに。
そんな中、39分には立田も足を攣らせてしまう事態が発生し。
ベンチもたまらず交代要員(土屋)を準備させましたが、残り1枠のみという状況で、一度ピッチ外に出たのち復帰という手段を選ぶ立田。
根性を見せるものの、やはりサヴィオ同様老骨に鞭打ち……といった域を出ず。
そして42分、そのサヴィオがミドルシュートを放った(枠外)という所で、とうとう倒れ込み限界を迎えてしまいます。
ここで残していた交代カードを使う(鵜木を投入)運びとなり、立田のその姿勢は報われたものの、結果に繋がらないのがもどかしく。
一方同時に札幌も最後の交代、近藤・鈴木→高尾・白井陽斗へと2枚替え。

そして今季の残りも、ATを残すのみとなり。
後はリードを守るのみという札幌ですが、左サイドで浮き球が上手く繋がり奥まで攻め上がるシーンも何度か作り。
その度に、執拗に上がりシュート・クロスに絡まんとする中村のプレーは、ある意味ミシャ氏の札幌を象徴するような存在だったでしょうか。

結局柏はフィニッシュを撃てないまま、1-0で試合終了の笛が鳴り。
最終戦を制した札幌のその陰で、敗戦した柏は(磐田が敗戦したため)無事に残留が決定。
札幌が残り2試合で目論んでいた(と思われる)「直接対決で大逆転残留」というシナリオは実現せず、終わり良ければ……と開き直るには降格という現実はあまりに重く。
しかし来季は全く別のチームになる事が必然な以上、この場の情緒・ファミリー感を味わうべき試合後の一時となったでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第35節(前倒) アルビレックス新潟vs東京ヴェルディ

2024-10-26 16:03:23 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

ルヴァン杯決勝と重なっている35節。
そのため、決勝進出したクラブは水曜(10/23)に前倒しとされて消化される事に。
新潟は初の決勝進出という事で、国立での決戦に向けて地元のテンションの高さは半端無く。
その前哨戦として丁度良い……とは言っていられず、日に日に落としていく順位を少しでも挽回したいリーグ戦。

その相手はヴェルディで、1年先にJ1へ上がった以上、先輩格を見せ付けたい所ですが順位上の立場は逆であり。
過去を遡ってもJ1では未勝利の相手と、アピールするはずが逆にブーメランを喰らう破目に……というのは避けたい一戦となったでしょうか。

ヴェルディのキックオフで試合が始まると、千田ロングパス→山田剛落としのこぼれ球が繋がり右サイドで展開。
そして木村に対する小見の反則でセットプレーの好機と、いきなり押し込まれる事となった新潟。
前半4分にダニーロに対し反則を犯した翁長が警告と、早期に被害が出たヴェルディですが、怯む素振りは全く見られず。
8分にトランジションの局面で齋藤が素早くエリア内へミドルパス、走り込んだ木村が右ポケットからシュート(デンがブロック)とファーストシュートにも辿り着き。

これにより前回対戦時と同様に、新潟の持ち味のボール保持に対し、しっかりと前線で規制を掛けてペースを掴ませないという展開になるかと思われました。
しかしここから、ヴェルディの方がボールを保持する時間を増やす展開へと移り。
前節(浦和戦、2-1)の盤石な試合運びで自信を得たのか、落ち着かない相手に対し、ポゼッションを高める事で苛立ちと消耗を与えに掛かったでしょうか。

それに対し、新潟の方が前線の守備をどうするかという課題へと直面し。
ヴェルディは3バックなので、ハイプレスを掛けるにはサイドハーフの片割れが前に出る必要性があり。
何度かその立ち回りを見せるも、その度にGKマテウスが前に出たり、森田が降りたりしてボールを持つ事で数的優位を作り。
この辺りはサッカーにおける重要な「相手の出方を見て立ち回る」事が、ボール保持の面でもしっかり身に付いている事を証明するに至ったヴェルディ。

かくして新潟は、得意のボール保持でも上回られるという屈辱的な時間を過ごす事に。
前に出て規制を掛ければロングパスでひっくり返し、自陣でブロックを作ると、浦和戦で見せたようなサイドでのパスワーク→サイドチェンジで薄い所を突きに掛かるヴェルディの攻撃。
守勢を強いられるのは当然であり、訪れるマイボールでもヴェルディのゲーゲンプレスで、前進すらままならない状態に陥ります。
21分には深めでの左スローインという局面で、堀米のラフなロングパスで脱出せんとするもキックミス、ゴールラインを割ってコーナーキックを献上という情けない絵図に。
頭の中をクリアに出来ていないのは明白で、それだけヴェルディの相手重視の立ち回りが盤石という所だったでしょうか。

30分過ぎ辺りまでそんな展開は続き。
浦和とは違いヴェルディのウイングバックを抑える立ち回りを取る(WBにサイドハーフが突く)事で、フィニッシュは膨らませずに済んでいる新潟ですが、それにより攻撃の糸口も見えないという状況に。

34分例によって保持に入ったヴェルディですが、谷口栄が持ち運びを選択した結果、タッチが大きくなった所を長谷川元が奪い新潟の攻撃に。
ここから逆に保持に入り、戻しての作り直しを経て左サイドから前進し、スルーパスに走り込んだ長倉が奥からクロス。
この低いボールをニアで小見が合わせ(GKマテウスキャッチ)、ようやくシュートを放つ事に成功します。

ここからボール保持の色が高まる新潟ですが、そうなるとヴェルディも前線での奪取を諦め、ミドルブロックで構えて5-4-1の楼閣を作る最近の戦いぶり。
その堅固な守備網を破るにはパワーが足りず、中央から間を通しての崩しも、メンバー変更の影響で中々図られずに時間を潰す事に。
結局、サイド奥でのスローインの連続による漸進のみと、単調さが目立つのみに終わりました。

アディショナルタイムに入り、そんな悪く言えば「ダレてきた」相手の隙を突かんとするヴェルディ。
新潟サイドのラフなロングパスを、綱島の落としからの確保に成功し、速攻で右ポケットを突く攻撃。
山田剛スルーパス→木村クロスでファーに入ったボールがバウンドと、反応の鈍い新潟ディフェンスに対し、拾った翁長がシュート(ブロック)とフィニッシュで締め。
そのままスコアレスで終了した前半、立ち上がりの内容とともに「やりきった」感を高めて終えたヴェルディ。

共にハーフタイムでの交代は無く。
後半は自軍のキックオフとなった新潟、それを活かさんと入りから攻め込み。
これは前半からの傾向ですが、舞行龍の縦パスを中心に崩しを図らんとしますが、通っても敵陣での展開が重く。
パスがズレて攻撃終了という絵図が目立つのみでしたが、後半に入っても大きくは変えられず。

後半2分のヴェルディの好機により、動き始める試合展開。
森田のボール奪取でこぼれ球になると、すかさず齋藤のスルーパスで裏を突く事に成功し、受けた木村が右ポケットを突いてシュート。
GK小島がセーブすると、新潟が跳ね返りを繋いで反撃に掛かり、そこにヴェルディのゲーゲンプレスが襲い掛かるも長倉のターンによるボールキープで脱出。
そして右サイドから前進し、ダニーロがカットインからミドルシュート(右サイドネット外)でゴールを脅かします。

これで風穴を破りたかった新潟でしたが、それはスコアレス故にヴェルディサイドも同様であり。
ゴールキックで再開し、右から押し込んでCKにまで辿り着く事に成功すると、キッカー見木のクロスの跳ね返りを齋藤が合わせてボレーシュート。
これが右ゴールポストを直撃すると、跳ね返りが長倉に当たりこぼれた所を山田剛が詰めシュート。
ゴールネットを揺らし、前半も見られていた出足の差による先制点となりました。

新潟は当然反撃に出なければなりませんが、ここでも相手チームの特性を活かさんとするヴェルディ。
即ち「ボールを持たせる状況」へと追い込み、再び5-4-1のブロックの攻略に難儀させる展開へと突入します。

ボランチが本来の顔ぶれで無い為か、起点は舞行龍が務める事が多い新潟のビルドアップ。
そのため前に届けるには彼の縦パスの割合が必然的に増える事となり。
そして縦パス→フリックという定番の流れで繋がんとするも、その結果粗雑ぶりが目立つのみになるなど、閉塞感漂う攻撃に終始してしまいます。
14分、右へと流れた小見へのパスで間を通したのち、左へ展開して堀米がアーリークロス。
ファーで合わせにいったのは先程パスを受けた小見で、合わずに流れるも拾ったダニーロが右ポケットからのカットインを経てシュート。
しかし右ゴールポストを直撃と、変化の末に辿り着いたこのフィニッシュも実りません。

この直後に、ヴェルディは山田剛・木村→山見・染野へと2枚替え。
流行語に定着しそうな「バトンを渡す」という城福浩監督の思想の下、早めに前線の運動量を補填しにかかり。
17分にその前線がチャンスを作るヴェルディ、縦パスを受けた森田から染野→山見と経由して右ポケットを突き、カットインを経てシュート。(舞行龍がブロック)
再度高まりそうな苦戦の色を受け、新潟ベンチも動き宮本→秋山へと交代したのが18分。

ここから、後方での組み立て役が舞行龍→秋山へと変わった事で、何とか崩しを図る新潟。
無理目の縦パスの割合も減り、中央からの前進も様になってきたものの、肝心のアタッキングサードでの精度は変わらず。
(23分にダニーロ・小見→太田・奥村へと2枚替え)
20分にパスを出し入れする秋山が入れ替わりでチェックを外して前進、中央から崩しかかったものの、左へ展開ののち堀米→長谷川元へのパスがカットされ終了。
28分にはボランチを経由せず、左に振ったのちの右からの前進で薄い所を突くも、藤原→太田へのスルーパスが長くなってGKマテウスに抑えられ。

30分、パスワークの中で再び左SH(奥村)が逆サイドへ流れ、そのまま右での前進に加わると奥を窺う姿勢からヒールパス。
受けた太田が右ポケットへ切り込んでシュートし、ブロックされるも拾った舞行龍がミドルシュートで追撃、これをエリア内で長倉がヘッドでコースを変えたもののゴールへと外れ。
この試合初の連続攻撃を見せましたが、多彩となった攻めもスコアには結び付きません。

冷静に相手の攻めっ気をいなしたいヴェルディは、33分に翁長→松橋へと交代。
その後齋藤が星に反則を受けた事でのFKから、スローインの連続というセットプレー絡みで、時間を掛けながらという攻撃に。
(33分にはその右スローインからの組み立てで、染野がポケットからシュートもデンがブロック)

既に後半も30分過ぎと、ビハインドの側は焦りも生まれる時間帯と、その効果は絶大だったでしょうか。
33分に舞行龍が反則気味に空中戦を制して新潟の攻撃になり、秋山が中央突破から左ポケットに走り込む長谷川元にスルーパスを送るも、長くなり左ワイドへと流れてしまい。
これで結局撃てずに終わる事に。
35分には松橋ロングパス→見木ポストプレイ→染野で抜け出しかかった所を、反則で阻止したデンが警告と、攻守にその影響が顔を出し。

どうにも良好な攻勢を築けない新潟。
頼みはセットプレーとばかりに、38分に得た右サイドからのFKで、キッカー秋山の中央へのクロスを合わせにいく長倉。
クリアが小さくなった所を、拾った奥村がすかさずシュートしましたが宮原がブロック。
尚も繋ぎ、左から切り込んだ奥村がマイナスのクロス気味に中央へ戻すと、舞行龍がシュートを放つと見せかけてフリックで戻し。
更に後方に撃たせようとしたのでしょうが、ここで前に出たヴェルディディフェンスに秋山が奪われてしまい、その後カウンターを藤原が何とか阻止と裏目に出る破目に。

そしてセットプレー勝負に挑んだ結果、ヴェルディの方が有利に。
42分に右スローインからの攻めで右CKに辿り着く、1点目と同じシチュエーションに持ち込むと、今度は山見に代わったキッカーから上がるクロス。
跳ね返りを繋ぎ再度山見に渡ると、奥から入れられたグラウンダーのクロスに、走り込んでフリックのように合わせシュートしたのは染野。
これが左ポストを直撃するも、拾った谷口栄が追撃のシュートを放ち、これもバーに当たりますが内側だったため無事ゴールイン。
全員の力で得たというよりは、決め損なった染野の悔しがり様から、全員血眼になってゴールに向かった結果に映った追加点となりました。

これでこの日も敗色濃厚となってしまった新潟。
キックオフ前に交代を敢行し、堀米・長谷川元→橋本・高木へと2枚替え。
(ヴェルディも森田・齋藤→稲見・松村へと2枚替え)
反撃というよりは、10日後に備えた地均しといった色が強い采配に映り。
セットプレーのキッカーは投入された2人(橋本・高木)に任せながら、何とか良い流れを得ようとするものの1点が遠く。

結局0-2のまま試合終了。
今季のヴェルディが、長所を盾としながら4局面全体も着実にレベルアップを果たしている事を証明するかのような内容で勝利。
対する新潟は、追いやられるようにリーグ戦では退潮が目立ってきましたが、それを跳ね除けるタイトル獲得となるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第34節 京都サンガFCvsサガン鳥栖

2024-10-23 16:15:42 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • 鳥栖は今節が降格リーチで、敗戦and湘南・柏がともに引き分け以上の場合で確定。

奈落の底へ一直線という感じである最下位の鳥栖、最後の勝利は22節・新潟戦(4-3)で、実に3ヶ月以上も遡り。
そしてとうとう降格決定の可能性が生まれたのが今節。
仮に決まらなくても、未勝利が続いているチームがここから全勝する確率を考えれば、ほぼ当確という状態に。
相手も残留争いの渦中である京都ですが、勝ち点差が12もあるため既に同じ土俵には居ないと言って良いでしょう。

試合が始まると、そのホームの京都が、そんな土俵際の相手に止めを刺さんと積極的な姿勢。
右サイドでの縦に素早い攻めで、奥を取ってのクロス攻勢を見せ付け、相手を専守に追い込む立ち回り。

鳥栖はマイボールとなっても、京都のハイプレスの前にまともに前進出来ない状況を押し付けられ。
よってマルセロ狙い(ターゲット・裏抜け双方を使う)のロングボール攻勢になるのは明白であり。
前半7分の最初の好機は、京都の中盤からのフリーキックを跳ね返してのカウンター(右サイドを中原が切り込んでクロス)と、堅守・速攻のいかにも下位チームらしいサッカー。
これが、以前はGKからのボール保持を志していたクラブと同一なのかと目を疑いたくなる展開となりました。

前線に繋がれば……というロングボールを蹴り込んでは、跳ね返されて京都の攻撃を浴びる。
そしてエリアスを中心とした前線の圧力に、数人掛かりでの守備でも中々奪えないという、個の力でも圧倒されかねない絵図に繋がり。
この日も苦戦は必至な展開のなか、それを塗り替えられるチャンスが訪れます。

10分自陣でボールを奪った山﨑、倒れながらも何とかゲーゲンプレスをいなして繋ぎ、受けたスリヴカがすかさず裏へロングパスを送り。
そこにマルセロが強烈に走り込み、ついにロングボールでのカウンターが炸裂かという所に、GKクソンユンが阻止せんと跳び出し。
その結果、先んじて触れたマルセロがクソンユンのスライディングで倒される格好となり、たまらず反則の笛が鳴り響きます。
誰が見ても決定機阻止という絵図に、注目を浴びる事となった主審(福島孝一郎氏)が突き出したカードの色は赤。
早期のGKの一発退場で、優勢だった京都は一転しかねない状況に陥ります。
当然リザーブの太田が投入される事となり、豊川と交代。

試合再開の局面は、鳥栖の直接FKという絶好機。(16分)
右ハーフレーンの位置から、キック自慢の中原が果敢にシュートを狙い、外側から巻かんとしたものの曲がりきらず枠外に。
逃してしまったものの、数的優位故にポゼッションを確保し、10人の相手を自陣に押し込んで攻撃権を支配する。
そんな試合展開に持ち込みたかったであろう鳥栖ですが、主力流出・監督交代(川井健太氏→木谷公亮氏)が重なった事で、その能力の衰えは想像以上だったようであり。

豊川が退いた事でエリアスの1トップとなり、トゥーリオが右サイドハーフ・平戸が左SHに入った4-4-1へと微調整した京都。
それでも前線の守備意識は相変わらず高く、そのSHが前目に出て鳥栖の3バックと人数を合わせに掛かります。
これにより、鳥栖は繋ぐ意識こそ高まったものの、3バック+アンカーでの繋ぎではプレスをいなしきれずに終わり。
そしてロングボールを送る事を余儀なくされる、という絵図が目立ちます。

一度鳥栖の攻撃が切れると、助っ人選手による強烈なカウンターで脅かし。
18分に右サイドをドリブルで運ぶトゥーリオ、スイッチでエリアスに託したのち、ポケットへのスルーパスに走り込んでマイナスのクロスを供給。
そしてエリアスも走りを止めず、これを中央ニア寄りで合わせシュート(ゴール左へ外れる)と、2人でやりきってのフィニッシュ。
この2人の実力・関係性を見せられては、数的不利は最早関係無いものになり下がり。
逆に低迷する鳥栖に対する、丁度良いハンデのような状態と化したでしょうか。

雨天により高温多湿となったためか、飲水タイムが挟まれたこの日。
第2クォーターも、数的優位のはずの鳥栖に重さが目立つ展開となり。
28分右ワイドに開いた原田を利用して何とかプレス回避、原田から中央のマルセロに縦パスを打ち込んだものの、マルセロはそのまま自ら遠目から無理目のシュートを放ち。(枠外)
前進する気運の無さを象徴するフィニッシュに留まります。

逆に京都の好機は膨らむ一方で、29分に再び右サイドでの前進から、スルーパスに走り込んだ福田心がポケット奥からマイナスのクロス。
そしてまたもエリアスが合わせシュート(GK朴キャッチ)と、縦パス攻勢からポケットを突くという意識は徹底され。

巻き返したい鳥栖ですが、37分に京都のコーナーキックからカウンターに持ち込む(中原のロングパスをマルセロが受けて突撃も撃てず)という具合に、相手の攻勢を利用しての好機なのは変えられず。
続く38分、京都のハイプレスの前に、GK朴がエリアスをかわしてロングフィードを裏に走る堀米に届けてからの好機。
ここから福田晃のエリア内中央からのシュートに繋げ、らしさを見せたものの、この際にGK朴がエリアスと交錯して痛む絵図も生まれてしまい。
無事に起き上がるも、何処かで無理をしなければ運べないという事を象徴する結果にもなりました。

その後も鳥栖は、バックパスのミスで京都にスローインを献上したりと、繋ぎの精度に欠く場面を目立たせ。
中盤でのパスカットからマルセロがドリブルで持ち運ぶなど、個人技で打開を図らなければならない厳しい状態は続きます。

迎えたアディショナルタイム、クソンユンの件もあり目安7分という長丁場に。
ややもすると集中力を欠き易い場面、ここで京都にミスが生まれ、左サイドで深めでのパスワークでゲーゲンプレスをいなしに掛かった所で鈴木義がまさかのキックミス。
エリア内でボールを拾った堀米により鳥栖の攻撃へと変わり、戻しを経て中原のアーリークロスを選択すると、合わせにいったマルセロの前でGK太田がパンチングで掻き出し。
すると交錯が起こり、またGKにアクシデントか……と思われましたが、倒れたのは2人に挟まれる格好となった宮本。
頭部を痛めたようで心配されましたが、無事に起き上がりピッチ外→復帰となります。

その後も京都の攻撃ターンが続くなど、どちらが10人か判らないような展開が描かれた末に、前半はスコアレスで終了となり。
どうしても勝たなければいけない鳥栖、戦術的な調整が必要なのは明白ですが、交代は行わず。

それでも積極性を高め、後半開始から仕掛けた鳥栖。
後半2分京都の最後方でのパスワークに対し、出足良く富樫が福岡からボール奪取に成功すると、そのまま福岡に腕で倒された事で反則・警告。
幸先良い入りを予感させましたが、このFKから、二次攻撃を仕掛けんとした所でトゥーリオのパスカットに遭い。
そしてドリブルに入ったトゥーリオにより齎されるカウンター、一度奪われるも奪い返したトゥーリオ、そのままエリアスとの2人で左ポケットを崩しに掛かり。
最後はエリアスのクロスが防がれるもCKで継続と、またも京都の強力助っ人に脅かされて有耶無耶になってしまいます。
その後もこのCKから福田心のミドルシュート(ブロック)、6分には敵陣で奪った福岡がそのまま推進してミドルシュート(GK朴セーブ)と、ひとしきりゴールを脅かす京都。

どちらが優勢なのかは明らかで、鳥栖はそれを理解したうえでどう立ち回るのかを考える時間帯に。
7分、右ワイドで最終ラインからのパスを受けた中原から前進を始め、中央へ縦パス→スリヴカスルー→富樫→マルセロ左へ展開と経由してサイドを変えた末に福田晃のクロス。
これをニアサイドに走り込んだスリヴカが脚で合わせると、ゴール右へ向かったこのフィニッシュを佐藤がブロックしたのち、跳ね上がりゴールバーを叩くボール。
尚も詰めんとした富樫の前でGK太田が掻き出すという、非常に惜しい絵面となります。

ここから鳥栖は、京都のプレッシャーをかわすために、ウイングバックが下がってボールを受けてのビルドアップへと舵を切り。
「前線に人数を配置する」意識の下、最初からWBが高い位置を取るのが一般的ですが、残された後方の選手が詰まらされれば当然ながら機能しない方法であり。
そんな弱さが露呈していた前半の鳥栖だけに、この修正は一定の効果を齎したようでした。

それでも「弱者の立ち回り」という開き直りが目立った指向だけに、京都ペースを変えるには至らず。
10分、鳥栖のクリアボールを宮本が拾うと、そのままの勢いで前進し前線へ届け。
そしてエリアスがペナルティアークでのキープで(西矢に)反則を貰い、近距離での直接FKを得た京都。
ここで失点したら一巻の終わりといった鳥栖も、入念に壁を作ったのちに、(エリアスのフェイクを交え)放たれたトゥーリオの直接シュート。
これが壁の間を抜けてゴール右を襲うも、僅かに外れてしまい未だスコアは動かずとなります。
この直後に鳥栖は、堀米・富樫→堺屋・鈴木大馳へと2枚替え。

1点が欲しい鳥栖、この後に原田がサイドバックのように振る舞う右サイドからの攻勢に活路を見出し。
やや下がり目となった中原との関係性で崩しを図り、サイド奥を取りにいき。
15分にこの攻めで得たCKから、3本続くCK攻勢を繰り広げましたが、流れを変える先制点は得られません。

すると20分、京都はGK太田のロングフィードで試合再開させると、これがバウンドを経てトゥーリオが収めるボールとなり。
ボールキープからエリアスへ通さんとするパスこそ遮断した鳥栖ディフェンスですが、拾い直したトゥーリオにより剥がされると、そのままミドルシュートが放たれ。
これを山﨑がブロックにいくも、ディフレクションでGK朴の逆を突く結果となってしまいゴールに突き刺さり。
結局最後まで、脆弱なデイフェンスが助っ人の存在に圧倒されるという形での先制ゴールとなりました。
2人を意識するあまり、フィードの落下点でクリアするという選択肢は取れなかったのか……と悔やんでももう遅く。
(なお、キックオフ前に宮本・原田の2人に警告が出されたものの詳細は不明)

そして京都は残留のための勝ち点3へと大きく前進。
そのまま24分に飲水タイムが挟まれると、明ける際に福岡→金子へと交代します。
一方鳥栖も交代の手を使い、キムテヒョンとスリヴカに変え、丸橋とジャジャ・シルバを投入。
これにより福田晃がボランチに・堺屋が左WBに回り、全体もドイスボランチの3-4-2-1へとシフト。

直後に再び京都の攻撃、ゴールキック→エリアスフリックのセカンドボールを確保ののち、トゥーリオのエリア内へのスルーパスに走り込むエリアス。
またも助っ人2人の脅威という絵図になり、GK朴が前に出てこれを抑え防いだものの、エリアスとの交錯を余儀なくされて痛み。
前半に続いての痛々しい倒れ込みに、ベンチもリザーブの岡本を準備させましたが、何とか無事に起き上がり続行する朴。

何とか打開したい鳥栖、頼みはやはり原田・中原を使った右サイドからの攻め。
35分にその前進で右奥を突いたのち、戻しを経て中央へ展開し、ミドルシュートを放ったのは丸橋。
川﨑のブロックを掠めゴール上を襲ったものの、これもGK太田のセーブに阻まれて同点ならず。

そしてCKで継続、というタイミングで京都は3枚替えを敢行。
佐藤・平賀・エリアス→アピアタウィア久・平賀・松田天馬へと交代します。(宮本が左SBに・トゥーリオがFWに回る)
一方鳥栖も福田晃→木村へと交代し、丸橋が左WBに・堺屋がボランチにシフトと激しく絡むポジションチェンジ。

警戒されつくすマルセロを囮に、投入されたジャジャが巧くハーフレーンからクロスやシュートに持ち込むものの、後一押しが足りないという状態に。
41分、そのジャジャのミドルシュートがブロックされてからの右CKで、キッカー中原のクロスをファーでマルセロが合わせ。
ミートせずにフリックのようになって奥へ流れた所を、西矢が収めてシュートを放ちますがGK太田が距離を詰めてセーブ。
その跳ね返りをジャジャがロビングを上げ継続させると、原田がバイシクルシュートで追撃したものの、これも福田心のブロックで阻まれ。
攻守ともに最大限のプレーがぶつかり合った結果、得点は生まれずとなりました。

しかしこの決定機逸により、鳥栖は燃え尽きてしまったでしょうか。
44分に最後方から前進する所、木村→丸橋へのパスが福田心にカットされてショートカウンターに。
勢いを持って仕掛ける福田心に対し、あっさりエリア内へ進入を許してGKと一対一を迎えた末に、放たれたシュートがGK朴の股を抜けてゴールへと転がります。
山﨑の必死のクリアも後一歩及ばず、ゴールラインを越えたため京都に追加点が入る結果に。

致命的な2失点目となった鳥栖。
既に敗戦ならびに降格への道を防ぐ手立ては無く、突入したATではさらに追い打ちが。
右サイドでボールを収めにいったマルセロ、鈴木義の後ろからのチャージで倒れてしまい反則となるも、その刹那事件が発生。
側にいた宮本に足を振って報復行為を敢行してしまい、膝に入れられた事で激しく痛む宮本により、VARチェックに持ち込まれます。
その光景が可視された結果、直ぐにチェックを終わらせマルセロに赤いカードを突き付ける主審・福島氏。
これにより10対10と、最後は数的優位のアドバンテージ(といっても、内容からしてあって無いようなものでしたが)も失ってしまう格好となりました。

その後は不在の1トップを埋めるべく、木村が最前線に回るという布陣で何とか打開を図る鳥栖。
しかし京都は余裕を持ってボールを回し、コーナーでのボールキープはじめ時間稼ぎの姿勢の前に成す術無く。

結局このまま2-0で試合終了の時を迎え。
またも勝利出来なかった鳥栖、これでどう頑張っても京都には追い付けない事が確定。
そして他会場では湘南が勝利、柏が引き分けとなったため、勝ち点差が13に。
よって残り4試合ではどうにもならず、降格確定の運びとなってしまいました。

数的優位にも拘らずという内容に加え、ビルドアップのミスによる失点・エースの自爆的な退場と、最後は盛大な幕切れといった試合になり。
元来のクラブ規模の小ささもあり、重くのしかかる初の降格ですが、何とかJ2で出直しを図る他無いでしょう。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第34節 東京ヴェルディvs浦和レッズ

2024-10-22 16:00:42 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

20年ぶりのJ1残留まで、後一歩という所まで来たヴェルディ。
それは2004~2005年という大昔まで遡る訳ですが、この間に天皇杯優勝とビッグタイトルを手にしたのもあり、客観的にはまさかの降格の感が強く。

しかしこの2年間は、共に浦和戦のスコアが目を惹き、7失点で大敗というゲームを作ってしまう事2度。(2004年=2nd2節・2005年=14節)
当時は戦力旺盛なビッグクラブという立場の浦和に対し、その力に押し潰さるかのような無残な試合を演じ、退潮の著しさを示してしまった時期でもありました。
そう考えると降格はある意味必然で、当然ながらその記憶を完全に払拭する事が、J1定着のカギになると思われます。

それでも、現在の浦和の成績面はビッグクラブとはお世辞にも呼べず、ヴェルディよりも下に位置する状況。(ヴェルディ=8位・浦和=13位)
安易な、それも「前年結果を出したマチェイ・スコルジャ監督で流れが変わる」と思い込むかのような監督交代(に加え、原口の復帰)を敢行した結果、尚も打破できない閉塞感に手詰まりの雰囲気すら漂い。
2週間の中断期間で、スコルジャ氏の手腕を発揮し立て直したい所でしたが、無残な現実を突き付けられる事となったこの試合。

試合が始まると、浦和が後方からのロングパス攻勢。
それも酒井が居た時のように、右サイドバックを高い位置に上げた所へ放り込み、セカンドボールの確保まで含めて敵陣でスタートさせられるような立ち回りを繰り広げ。
そうして徐々にペースを確保したのちに、地上からの組み立てに入る、という算段が透けて見えました。

実際に前半4分、最終ラインでヴェルディのプレッシングに遭うなか、GK西川に戻してからのフィードで脱出を果たし。
これを入れ替わりで受けた小泉、前を向けたものの森田に倒されて反則となり、好機には持ち込めずに途切れます。
これが小泉の唯一といっても良い見せ場になるとは、この時は思いもよらず。

7分、ヴェルディが敵陣で長らく保持を続ける所に、その小泉が森田からボール奪取。
これでカウンターといきたかった所ですが、すぐさま谷口に奪われた事でヴェルディの逆カウンター、左から翁長のアーリークロスで一気にゴール前へ。
そして山田剛が跳び込んでヘディングシュートを放つと、ゴールバーを直撃してラインアウトと、あわやという場面に。
浦和は辛うじて失点は免れたものの、これがこの試合の(ならびに小泉の)運命を決定付けたでしょうか。

以降「何をやっても駄目」な状態に陥る浦和、自身での保持はロクに前進出来ず、相手の保持は阻めずと良い所無し。
前者は一応の手立てとしてSBとサイドハーフが入れ替わる、相手を釣らせる動きを軸にサイドから運ばんとする意図が見えたものの、5-4-1のミドルブロックで構えるのが主なヴェルディに対し効果は薄く。
後者は中央重視に固める4-4-2ブロックの弱点をひたすら突かれる格好となり、片側に寄せるパスワーク→サイドチェンジ(主に右→左)というパターンを徹底して奥へと届けるヴェルディ。
それを防がんと、相手ウイングバックに対しSBが前に出た所の裏を突かれるという具合に、裏目の連続を強いられます。

かくして一方的な展開に持ち込んだヴェルディ。
前述のシーンに続く決定機は10分で、左から森田のスルーパスでポケットを突き、走り込んだ木村のマイナスのクロスがファーサイドへ。
そして山田剛が今度は脚から跳び込んで合わせるも、ゴール前に戻ったホイブラーテンがブロックで何とか掻き出し。
以降、失点だけは防がんと専守に陥った浦和を仕留めるべく、見木や森田が果敢にミドルシュートを放つシーンを膨らませ。

潮目が変わりかけたのが21分で、ヴェルディは最後方で、大したプレッシャーが無いにも拘わらずGKマテウス→谷口へのパスがズレてラインアウト。
それでもヴェルディの攻撃機会が続く展開は変わらずでしたが、25分に井上が前に出てパスカットに成功し、保持に入った浦和。
最後方へ戻し→右へと展開して石原がドリブル突破、奥へ進入してカットイン→ポケットからクロス(ブロック)と、ようやく好機らしい好機が生まれます。
そして27分、ホイブラーテンロングパス→跳ね返りを松尾が反則気味のチャージで齋藤から奪って確保、これにより敵陣で攻撃開始となった浦和。
こぼれ球を拾った渡邊が中央をドリブルし、最終ラインしか残っていないヴェルディディフェンスをひたすら下げさせた末に、ペナルティアークからミドルシュートが放たれ。
豪快にゴール左へと突き刺さり、劣勢を跳ね返すべくの先制点が齎されました。

圧倒的な展開ななか、まさかのリードを奪われる格好となったヴェルディ。
その後も押し込み続け、それに象徴されるように右センターバックの綱島が果敢に前に出て敵陣でのパスワークに加わり。
前述のサイドでの崩しも盛んになりますが、それでも辿り着くのはクロスか、無理矢理狭い所を掻い潜ってポケットを突きに掛かるかの二択。
中央を固める浦和に対し、先程のミドルシュート攻勢も悉くブロックに阻まれたとあっては、そうなるのも仕方無く。
攻勢の成果であるコーナーキックも量産しますが、このままでは専守の前に屈するという流れになりかねず。

しかし浦和も、たまに訪れるマイボールのターンで、簡単にラフなボールを蹴っ飛ばすのみに終わり。
落ち着く時間が全く作れず、クリアボールもヴェルディに拾われる事でひたすら耐えるのみとあっては、「相手に決められるか否か」というギャンブル性の高い試合を強いられるのは必然であり。
先制点の前に、早くも選手交代を用意していたスコルジャ監督。
リードした事でそれは立ち消えになると思われましたが、一向に変わらない試合展開を受け、39分にとうとうそれを敢行。
試合から消えるという表現がピッタリだった小泉に代えて大久保を投入、彼が右SHに入って渡邊がトップ下に回ります。
(なお小泉は体調不良をおして出場したとの事だが、そういう面からも浦和の現状の拙さが垣間見える)

45分にヴェルディのCKから、クリアボールを渡邊が拾ってカウンターに持ち込む浦和。
彼の縦パスを受けた松尾がドリブルで推進し、左ポケットからグラウンダーでクロスを入れるも、ファーの安居の前でクリアされ惜しくも実らず。
しかしようやく一息つき、アディショナルタイムで再度保持の体勢に持ち込み、左サイドで(渡邊と)ワンツー突破する松尾が綱島に倒されて反則。
これで前半最後に好機で終え(左からのフリーキック、渡邊クロス→井上ヘディングも枠外)、同時に前半も終了となります。

「スコア以外は良好なのに……」と嘆きたくなるヴェルディ、このハーフタイムで交代を敢行し山田剛→山見。
そして開始して早速の後半1分に、宮原のミドルパスを山見が右ポケットで収めてシュート(ゴール左へ外れる)と、そのプレーぶりで流れを変えんとします。

一方の浦和、前線にターゲット不在ななか、憚られていたロングパス主体の攻めへと舵を切り。
本来のプレーとは言い難い、松尾がそれに対するポストワークを強いられるのはアンバランスさが拭えず。
それでも3分にその松尾の落としから好機を迎え、右奥から大久保がカットインでボックス内を突き、渡邉→関根と経由し中央からシュート。
GKマテウスにキャッチされるも、曲がりなりにも繋がったフィニッシュが突破口になるかと思われました。

しかし、以降再びヴェルディが攻撃権を独占する流れへと突入。
苦境となった浦和、何とか組み立ての中でのロングパスを送りたいものの、積極的な姿勢へと移ったヴェルディの前線を受けてそれすらままなりません。

ひたすらアタッキングサードへ運び続けるヴェルディ。
サイド奥を突く姿勢は変わらずも、そこから戻し→アーリー気味のクロスが多かった前半を経て、そのまま奥からクロス・中央への戻しからこじ開けを狙うという二択へと微調整が図られたでしょうか。

それにより一層自陣を固める他無くなった浦和。
13分に左サイドを前進する姿勢から、中央へと展開して山見が裏へのミドルパスで見木をポケットへ走らせる変化を付け。
クリアされるも左CKとなり、キッカー山見はニアにクロス→フリックを選択し、これも跳ね返されるもセカンドボールへの出足はヴェルディの独壇場というこの試合。
渡邊の前で拾った齋藤が反則を受けると、足が止まった浦和の隙を突くように素早いリスタート、右奥から谷口のグラウンダーのクロスが入り。
ホイブラーテンが何とか足を延ばしクリアするも、この跳ね返りを待っていたかのようにダイレクトでミドルシュートを放ったのは綱島。
GK西川を棒立ちとさせるフィニッシュがゴール右に突き刺さった事で、ようやく負けパターンを解消させたヴェルディ。

こうなると、一方的に押し込んでいた方が有利なのは当然であり。
尚も果敢に敵陣でのサッカーを続けるヴェルディに対し、専守の浦和は攻め疲れを起こさせる事すらままならず。
自らの保持の場面では、原口が最終ラインに降りる3枚での形の色を濃くするも、それが逆にヴェルディの1トップ・2シャドーに嵌り易い図式になってしまい。
相手の出方を見てのプレーが出来ないクラブの現状を示すのみに終わります。

20分、一縷の望みを賭けるように、ハイプレスを掛けてきた浦和をいなしに掛かるヴェルディ。
谷口→翁長に対し、二度追いを仕掛けた大久保が奪いかけたものの、こぼれ球を翁長が確保して戻しと徒労に終わる結果に。
そして右からの前進に切り替え、ワイドの位置から山見がクロス気味にシュートを狙う(GK西川キャッチ)など、積極性はヴェルディの方が上回るのは変わりません。

それでもベンチが次に動いたのはヴェルディで、齋藤→染野へと交代。(見木がボランチへ回る)
直後の24分にヴェルディが繋ぎをミスし、久々の攻撃機会となった浦和。(実に5分以来……)
右サイドで保持を続ける事で息を整えると、フィニッシュには持ち込めずも、続く攻撃で石原が山見に反則を受けた事で(右ワイドからの)FKとなります。
そしてこのタイミングで浦和ベンチも動き、助っ人のチアゴ・サンタナとブライアン・リンセンを同時に投入。(原口・関根と交代、渡邊がボランチに・松尾が左SHに回る)

前線にターゲットを入れ、流れを変えに掛かったのは明白な浦和サイド。
しかしこのFKでの攻めがモノにならず終わると、やはりヴェルディのターンに移り変わり。
なまじ前線の選手がフレッシュになった事で、前に出た所を突かれるリスクが高まるおまけも付いたでしょうか。
30分、最後方から綱島のロングパスで一気に右ポケットを取ったヴェルディ、収めた染野が奥でのキープを経てクロス。
これを逆のポケットで翁長が収めてキープと、散々ボックス内を揺さぶった末にシュート、ブロックを掠めての枠外となり右CKで継続。
キッカー山見のクロスがファーサイドに上がると、ゾーン・マンツーマンの併用の守備体勢による隙を突くように、完全フリーとなった綱島が合わせヘディングシュート。
GK西川が弾くも及ばず、再三獲得したCKで仕留める理想形での勝ち越し点となりました。

とうとう追う立場へと転落した浦和。
最後の手として、ボランチのサミュエル・グスタフソン投入に踏み切ったのが34分の事であり。(松尾と交代、同時に大畑→長沼へと交代、渡邊が左SHに回る)
ヴェルディも37分に木村→松村へと交代。(染野がFWへ回る)

展開力に長けたグスタフソンの存在を盾に、ようやく保持に安定性が生まれ。
長短のパスを混ぜ合わせながら敵陣で展開と、ようやくサッカーらしい絵図が繰り広げられる浦和の攻撃ですが、遅過ぎの感は否めず。
そこからの決定機は41分で、グスタフソンが間を通すパス→リンセンポストプレイ→大久保スルーパス→サンタナで右奥を取って迎え。
そして戻しを経てグスタフソンのクロスが入ると、ニアでリンセンが合わせヘディングシュート。
しかしGKマテウスがキャッチし、乾坤一擲といったフィニッシュでもゴールは奪えません。

逆に、直後の攻撃でCKに持ち込んだヴェルディ、クロスの跳ね返りを繋いでエリア内で乱戦に持ち込み。
そしてこぼれ球を拾った山見がミドルシュート(GK西川セーブ)と、終盤ながらも応戦姿勢を見せ。
44分に最後の交代を敢行し、翁長・山見→稲見・松橋へと2枚替え。
山見をインアウトで下げる非情な采配と、ベンチワークも最後までハイテンションぶりが貫かれます。

そしてATへ突入。
押し込みからCKを獲得と、ようやく攻勢の流れが生まれかかる浦和ですがやはり遅過ぎであり。
その好機でも、ターゲットにチャンスボールが上がっても、サンタナとリンセンが被って撃てずに終わるなど不穏な空気は最後まで振り払えず。
結局、その良薬となり得る同点弾は生まれる事は有りませんでした。

2-1で勝利し、見事に残留確定させたヴェルディに対し、浦和は16位へと交代。
降格圏との勝ち点差は4で、さらに未消化試合が2試合多い立場上、残りの動向に嫌でも注目を浴びる状況に陥る事となりました。
こうした迷走に、「仮にもビッグクラブを目指さんとする存在に、下のクラブはどれだけ(選手提供という面で)支えなければならないのか」などと場違いな文句を言いたくもなりますが、その結末は如何に。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第33節 柏レイソルvs横浜F・マリノス

2024-10-08 16:13:24 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • 柏ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 柏は、犬飼・戸嶋・手塚の3名が累積警告により出場停止。

事前に密かに話題となっていた、「9月無得点のクラブ」と「9月23失点のクラブ」との戦い。
月を変えてもこの流れを継続……とは必然的にいかなくなった、両クラブのぶつかり合いで何が起こるのか。

とはいってもマリノスの失点の多さは、ACL含めたカップ戦を総合してのもので、9月は柏の倍以上の試合数(7試合)をこなした結果という側面もあり。
10月に突入して行われた前試合のACL2節(蔚山戦、4-0)では、憑き物が落ちるかのような完勝。
切り替えに成功した、と証明するにはリーグ戦の勝利が欲しいところですが、その蔚山戦からスタメン9人入れ替えとターンオーバーが必至な状態にも陥り。
果たして「最弱の矛」に対し矢傷を負う事無く、退けられるかどうか。

ロペス・エウベル以外のメンバーを変えたマリノスに対し、柏も出場停止者3人と駒落ち感溢れるスタメン。
ただでさえ「サヴィオ抜きでは攻撃が成り立たない」と揶揄されがちな今季の戦いで、そのサヴィオにかかる期待と重圧は相当なものと推測され。

しかし前半4分、マリノスのパスミスから速攻に入り、白井のスルーパスを中央で足下で受けたサヴィオ。
そこを小池龍に倒されて反則、良い位置での直接フリーキックと、マリノスのターンオーバーに対し早くも不安を抱く入りとなり。
このFKもサヴィオが蹴り、放たれた直接シュートは壁に当たってゴール右へと逸れ。
するとその右コーナーもキッカーを務めるサヴィオと、早くも多岐に渡っての活躍をこの日も見せ付けます。(ここではショートコーナー→小屋松クロス→木下折り返しも不発)

マリノスのビルドアップの怪しさは、前回観た広島戦(2-6)から相当なものでしたが、この日も「柏のコンパクトな布陣に対しボールを持たされる展開」の域を出ず。
そして無理目な縦パスを撃ち込んでは反撃される、という負けパターン(この辺りは前年の同カードと類似)を綺麗になぞってしまいます。
9分、自陣で縦パス→ロペスポストプレイがディフェンスに遭いズレた所を細谷に拾われ、柏のショートカウンターに。
そして前進からサヴィオに繋げ、左ポケットを取ったサヴィオがカットインの姿勢からシュート。
ニアサイドの畠中とGKポープの狭い所をライナーでぶち抜く、見事という他無いフィニッシュでゴールネットを揺らします。
後手に回ったマリノス(ラストパスを送った細谷に、プレスバックしたロペスがチャージしてしまい警告というおまけもつく)に対し、早くもアドバンテージを得た柏。

その後、12分に柏が再びサヴィオがシュートを放つも、加藤蓮がブロックして防ぐとカウンターに繋げたマリノス。(井上が右サイドをドリブルからクロスも合わず)
しかしそれはあくまで例外で、殆どの時間を柏の4-4-2ブロックの攻略に難儀する絵図を築きながら過ごしてしまいます。
GKポープが前に出ての最終ラインでの繋ぎも、ボランチ(攻撃時は山村がアンカー的な位置を取る)を切る柏の2トップを動かす場面は殆ど無く、それによりサイドからの崩しは(サイドハーフとサイドバックで難なく対応するため)全く機能せず。
左サイドでエウベルが降りてボールを受けても、柏はそれに釣られる事無くゾーンを維持するのに徹し、加藤蓮が追い越す動きも効かず。

それでも、形式的には守勢を続ける柏が焦れたのか、20分辺りから自らボール保持を試み。
ゴールキックから短く繋いでプレス回避を図るも、それが悉く失敗。
特に21分はエリアからすぐ手前で榊原がボール奪取、その後エウベルがロペスとのワンツーで左ポケットを取ってシュート(ゴール右へ外れる)と、自らもショートカウンターの恐怖に晒されてしまいます。
これで勝機を見出したマリノス、26分にも敵陣浅めで榊原が奪い、中央を1タッチパスの連続で前進。
そしてロペスがペナルティアークからシュートを放つも、GK松本のセーブに阻まれ。

これを受けた柏はロングボール攻勢へと切り替え、再びマリノスにボールを持たせて守備陣を整える体制に。
再びそれを崩すのに難儀する展開となったマリノス、29分にGKポープ→畠中へのパスがズレ、細谷が詰めにいった所両者交錯して倒れ込み。
反則無しと判断され(映像的には畠中の反則に見える)、拾ったロペスがすかさずドリブルで中央突破と、動きが止まった柏の隙を突く好機に。
そしてミドルシュートが放たれるもGK松本がセーブと、運を絡めながら何とか同点を狙うという展開に。
36分、タッチラインを割ったかどうかという場面で(割っていないという判定に)柏が異議を示した所に、こぼれ球を拾った小池龍から攻撃。
パスワークで素早く中央を突き、ロペスがペナルティアークからシュート(ブロック)と、ここも同パターンでエースのフィニッシュに繋げます。

しかし全体的には、やはり柏リードというアドバンテージの差が表れ。
ゴールキックでロングフィード→木下フリックという黄金手から、敵陣で保持に入って時間を使う立ち回りは、決してポゼッションスタイルを貫くクラブでは無いながらもその重要性を理解しているものであり。
アディショナルタイムでもひたすらパスを回し続け、追い付きたいマリノスの気勢を逸らしながらリードを保つ事に徹し。
それにより結局40分以降、マリノスの攻撃機会は1度のみとなり、1-0のまま前半終了の笛が吹かれました。

どうにか巻き返したいマリノスは、ハーフタイムに動き榊原→ヤン・マテウスへと交代。
右ウイングに入るマテウスにより井上が左に回り、それによりエウベルが1列下がり。
そしてボランチを1枚削った事で、アンカーシステムの4-1-2-3へシフトと攻撃的な布陣を取ります。

この狙いは明白で、加藤蓮とエウベルのイマイチな連係から、左インサイドハーフに移ったエウベルと井上の連係へと切り替えを見せた左サイドアタック。
当然機能しない「偽SB」は影を潜め、ウインガー2人の槍を前面に押し出し柏の右サイドを崩しに掛かりました。

後半1分にいきなりGKポープロングフィード→井上裏へ走り込み→クリアボールを拾ったエウベルが左ワイドを抉ってクロスと、2人の連係らしき動きでCKを獲得。
クロスの跳ね返りから加藤蓮がミドルシュート(ブロックを掠めて枠外)と、フィニッシュとともに押し込む流れも手中に収めかかります。

3分にもエウベル→井上の1タッチでのパス交換で左サイドを突破し、左ポケットを取った井上が奥からクロス。
最初はブロックされるも拾い直してすかさず再度上げ、大外へ流れたボールをマテウスがシュート気味に折り返しましたが、ゴール前で古賀のクリアに阻まれ。
好循環が巡って来た……と思った刹那、クリアボールを拾ったサヴィオから始まる柏のカウンター、お返しとばかりに左サイドをドリブルで突き進むサヴィオ。
そしてエリア内で溜めを作った細谷の戻しを受けてミドルシュート(枠外)と、唯一無二のアタッカーの存在で天秤を戻す柏。

その後5分にそのサヴィオが足を痛めて倒れ込む(恐らくは接触無し)という、柏サイド一同が顔面蒼白となりかねない絵図が生まれてしまうものの、何とか続行可能の運びに。
10分マリノスのパスミスから攻撃開始、サヴィオが左で溜めを作ったのち逆サイドへ展開と、やはりサヴィオの動きからどう展開するかが決まるといった柏の攻め。
そして右ポケットから関根のシュートにも近い軌道でグラウンダーのクロスが入ると、ニアで木下・ファーで細谷がいずれも足で跳び込みましたがどちらにも合わず。
前線3人の助っ人が構えるマリノスと同様、攻めの鋭さなら負けていないという姿勢を示します。

12分、右サイドでパスを出し入れした細谷が加藤蓮にアフターチャージを受けて反則・警告。
攻勢を作り上げたいマリノスの焦りが露呈すると、そのFKでエリア内への放り込みが直接細谷に収まるという、後方の集中力を欠く絵図が生まれ。
右ポケットから放たれたシュートは(ブロックを掠めて)GKポープが何とかセーブするも、総員ベクトルが前に向く中でのエアポケットを突かれるのは避けたい展開となり。

17分にマリノスベンチは再度動き、小池龍・エウベル→渡邊泰基・天野へと2枚替え。
渡邊泰が左SBに入る事で、加藤蓮が右へと移るという具合にまたもポジションチェンジを絡め。
しかしエウベルが退き左サイドの突破力が削がれ、どう崩すかという難題を抱える事となり。
その結果、またもボールを持たされている状態に突入してしまいます。
山村が最終ラインに降りる、3枚での繋ぎという場面を増やして保持を安定させに掛かるも、今度は一列前の所で苦しむ事となり。
つまりは前へのパスを受けた所で柏のタイトな寄せに難儀するシーンが増え、結局ロクにボールを運べずと、手詰まり感漂うマリノス。

すると柏のシンプルな攻撃にも苦しめられ、23分にGK松本のロングフィードの跳ね返りを拾ったサヴィオがドリブルに入り。
そしてエリア内へのスルーパスに走り込んだ細谷がシュートと決定機が生まれるも、判断良く前に出たGKポープが全身でのセーブでこれを防ぎ。
直後の左奥からのスローイン(その前に柏ベンチは白井・木下→垣田・熊坂へと2枚替え)でも、ワイド奥の位置からサヴィオが果敢にシュートを狙い。
これもGKポープがセーブと、2点目はやらせずも、守護神頼みの展開という戦評が定着しかねない状態に陥ります。

その後も柏のCK攻勢にひとしきり脅かされた末に、27分に再度交代。
山村と植中に代えて西村とジャン・クルードへ2枚替えと、早くも5枚のカードを全て使いきりました。
以降広範囲を動き回るクルードを軸に、サイドに人数を掛けて攻め上がる姿勢を取るマリノス。
後半は上がる局面が少なかったSBも、30分にクルードからパスを受けた加藤蓮が右からカットインシュート(ブロックに当たり枠外)と、前線で好機に絡むシーンが膨らみます。

しかし後方の安定感の無さはこの日も健在で、32分に再びGK松本のロングフィード(ターゲットは細谷)、こぼれ球を渡邊泰がクリアミスしてエリア内へ。
そして拾った垣田のシュートをまたもGKポープがセーブと、攻撃力が衰えているにも拘らず、守備力の脆さは従来通りというアンバランスぶり。

そんなマリノスとは打って変わって守備面では集中を切らさない柏も、30分に山田が足を攣らせたのを皮切りに、細谷や小屋松が足を攣らせるという具合にダメージを露わにしてしまった30分台。
そして40分になる所で、小屋松・細谷→島村・熊澤へ2枚替え。
ボランチが手薄なため山田を残す選択をせざるを得ないという、天皇杯・筑波大戦を彷彿とさせるやり繰りを強いられます。

サイド奥を取っても、フィニッシュにはいかず保持を続ける柏。
完全にリードを守りにいくその体制を、何とか断ち切って反撃せんとするマリノスという終盤戦に。
それ以前の37分に、中央からマテウスミドルパス→左ポケットで井上折り返し→天野ヘディングシュートと決定機が生まれるも、ゴール前で古賀のブロックに阻まれ。
しかしその攻撃的なスタイルとは裏腹に、攻撃機会で柏>マリノスという展開を強いられたのは屈辱以外の何物でも無いでしょう。

目の色を変えて攻めるマリノス、両SBとも「偽SB」の立ち位置を取り入れるなど、全員で崩さんとする姿勢を見せ始め。
それでも柏は最後まで堅守を貫き、ボックス内を突かれてもすかさずのカバーリングで撃たせず。
結局完全な攻勢に入っても、ゴールの匂いは最後まで高まらずとなりました。

そのまま1-0で試合終了の時を迎え。
マリノスにとっては1点で済んだという展開ですが、それでも敗戦と事態の深刻さは極まりつつあり。
シーズン終了までに、脱する事が出来るかどうか。

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