ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 坂の途中の家 」  角田 光代

2016-09-04 21:39:28 | 
  「  坂の途中の家  」   角田 光代

      

図書館に3月にリクエストして、やっと届いた本です。 
楽しみに読み始めましたが、内容が幼児虐待事件の裁判の補充裁判員に選ばれた専業主婦が、被告人の境遇に自らを重ねていく心理サスペンスで、重すぎて読むのに時間がかかりました。

公判1日目から8日目までと評議までの毎日を、被告人の水穂の今までの生活と事件までの経緯と共に、裁判員の話し合いや、理沙子の現在の家庭や今までの子育てのことを振り返り、話が進んで行きます。
2組の夫婦のことや嫁姑問題、自分の親との関係や子育てなどを読むうちに、自分自身の経験が思い出され、主人公の気持ちに入り込み、しんどい作品でした。
~~~~~~~
安藤水穂は8か月になる長女の凛と夫の寿士と3人暮らし。 
夫は育児に非協力的で自分の趣味や友人関係を優先させ、相談にのってくれず、時には声を荒げて叱る。浮気もしているようで、帰ってこない日もある。
義母や保健婦に、他の子供と比べ発育が遅れているなどと言われて、孤立して追い詰められて子供をお風呂に落として死なしてしまう。

山咲理沙子は、夫・陽一郎ともうすぐ3歳になる文香と暮らす普通の主婦だったが、補充裁判員に選ばれ、文香を義母の家に預け、毎日公判に通うことになる。
~~~~~~~
自身の子育てを思い出し、初めは眠いの一言でした。 母乳のみだったので2~3時間に1回、寝たかと思えば授乳に起きました。
時には、子供はおむつを替えてもお乳を与えても泣き止まないこともありました。 熱を出せばオロオロし、離乳食を食べないと心配しました。
意見の食い違いもありましたが、同居のお姑さんに助けられながら子育てしました。 感謝していますが、いろいろな問題もありました。
子供は体温が高いので薄着でいいと言っても重ね着させて汗だくにしたり、就学前の子供を姑の友達のお見舞いに病院に連れて行くと言うので
『 病院は色々な菌が心配で連れて行かないで 』と言っても聞かずに連れて行き、1週間後にやっぱり流行り病にかかったり。

今の若い夫婦は夫が協力的で手伝いますが、それでも、核家族の今は、親や医者や保健師さんの何気ない言葉や、周りの母親たちや子供と比べて落ち込むこともあるかも。
水穂もですが理沙子も、周りの人の助言や親切、夫の態度も悪意にとらえて、少し、育児ノイローゼ気味になっていたのかもで、それに気づいてくれる人や、相談でき、甘えられる人がいればよかったのにと。 
文香の、まだ3歳と分っていても聞き分けのない我儘な態度と、それを分ってくれない陽一郎には少しイラッとしました。
終わり方が少し唐突でこれからどうなるのかと心配ですが、理沙子が少し前を向いて吹っ切れたような気がします。
裁判員に選ばれた人たちの大変さも分かりました。 

あるCMで、「 君は〇〇才 パパもパパになって〇〇才。」と言うのを見て、本当にそうだなと思いました。親業も子供と一緒に成長していくもの。 
私も、最初の子は初めての経験で戸惑いましたが、2番目の子は少し経験者として育てられました。 
男の子と女の子でも違いますが、もう少し子供が大きく成れば、自身の赤ちゃんの時の記憶はありませんが、子供の頃の経験を思い出し育てられます。
娘は、子供を産んで退院した時期に、私が入れ違いで結石で入院したので、家事に育児にと大変でした。 婿も手伝ってくれましたが、我が子ながらよく頑張ったと思います。
今回は、余りにも感情移入しすぎて疲れたので、次は楽しい本を読みましょう。


 ぽちっと、ひと押しお願いします。
  にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村
  
  ありがとうございます

     
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする