鮎川玲治の閑話休題。

趣味人と書いてオタクと読む鮎川が自分の好きな歴史や軍事やサブカルチャーなどに関してあれこれ下らない事を書き綴ります。

埋もれた軍歌・その3 「起てよ国民」

2012-02-02 16:56:20 | 軍歌
ジーク・ジオン! 違います(笑)
前二回は音源未詳、作詞作曲共に不明と言う歌を紹介しましたが、今回はまともに全部揃っている歌を紹介しましょう。
曲名は「起てよ国民」。昭和6(1931)年の時局軍歌で、作詞は西條八十、作曲は松平信博です。



起てよ国民 作詞・西條八十 作曲・松平信博

 天神怒り地祇恚(いか)る 咄(とつ)、何者の暴虐ぞ
  満蒙の空風暗く ひるがへる胡沙(こさ)血に赤し
 高粱(こうりょう)靡(たなび)く満洲は 想へ再度の戦(たたかひ)に
  わが忠勇の将卒が 屍(かばね)に換へし土地なるぞ
 秋風さむし表忠塔 いま暴民の靴さきに
  踏みにじられて神州の 国威危うく堕ちんとす
 神統二千六百年 正義輝く大日本(だいにほん)
  天地に恥ぢぬ権益を 蹂躙するは何奴ぞ

  起てよいざ起て国民よ 起ちて正義の戟を執れ
   いまぞ国威を示さずば ああ千歳(せんざい)に恥あらん


まあ時局軍歌なんてものは大概その場限りで忘れられるものですが、この場合「満洲の権益を守れ」と言う主張が作曲と同年の満州事変、続く翌年の満州国建国によりほぼ実現してしまったものですから…まあ、幸だったのか不幸だったのか。

ぶっちゃけこの記事も、この歌がどうこうより冒頭の「ジーク・ジオン!」が云いたかっただけなんですけどね(ボソッ

※追記
上記でこんなこと云いましたが、山口信氏の「日本軍歌史考」によれば、この曲は満州事変後に作曲されたものである、とのこと。…え、それなのにこの歌詞なの?

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