たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

AI医療の行方 <AI医療応用・・・内視鏡診断400人 分析3分、正答9割>を読んで

2017-11-28 | AI IT IoT

171128 AI医療の行方 <AI医療応用・・・内視鏡診断400人 分析3分、正答9割>を読んで

 

今日も朝からいろいろ用件がありました。たとえば、離婚時の年金分割について、平成204月制度がなかなか理解されなく、協議離婚が成立した後相手方から年金事務所の通知を受け取って疑義が生じたと言うことで問い合わせがあり、なんどか説明するも納得されなかったようで、そのことでも一般論として書いてみようかと思いつつも、ま、別の機会にすることにしました。

 

他には借地物件で、借賃人であり隣地所有者が借地上の建物以外に、別の建物を自分の土地と借地にまたがって建てていたケースで、その借地人から境界確定の際に、当該建物の解体は当方が負担する約束があったとかの理由で、解体費用の負担を求められ、いつのまにか話が進んでいる中で、相談がありました。解体見積書もあいまいで、そもそもの解体費用の負担という合意も裏付けがなく怪しいものでしたが、すで交渉が進んでいたので、とりあえずそれを前提に基本に戻って、借地人と貸主との紛争解決の趣旨に立って、合意書案を用意しました。最近はやりの地中埋設物があった場合の負担をも含めて文書化しておくよう提案したのです。

 

そんなこんな相談案件が電話やメールであるため、なかなか落ち着いた仕事ができません、なんてビギナーのような愚痴をいうのはどうかと思います。というか、なんでも楽しく喜んで作業できることが一番かなと思うのです。相手に不快感を与えたり、いやな思いにさせないでと心では思っているのですが、現実には対立当事者がいて紛争案件ですので、簡単ではないですね。親鸞や法然、道元や栄西、日蓮や一遍も、衆生の話をよく聞いたといわれていますが、どんな心持ちだったのでしょうね。

 

さて話は変わって、今朝の毎日クローズアップ2017は<AI医療応用、現実味 内視鏡診断400人 分析3分、正答9割>という医療の世界に進出著しいAIの一端を取り上げています。

 

ここに書かれていることは驚くに値しないことと思っています。だいたい、AIがチェスのトップ選手に勝ったのはいつでしたか。チェスに比べ格段に難しいといわれた将棋もあっという間にトップ選手を打ち破りましたね。さらにその何乗倍もややこしい囲碁の世界トップやあの7冠達成の文裕をも勝ち名乗りを上げたのですから、その能力たるやとても想像できませんね。それ以上にその技術革新のスピードが人の予測を超えています。これから先どうなることやらですね。

 

ただ、最近のAI医療事情を知っておくのも大事かなと思いますので取り上げました。といっても半年先、一年先はどうなっているやら、さらに5年後、10年後・・・さらには、ま、私が世の中から退場した後まで考えなくても良いでしょうか。

 

さて、まずは<胃がんの前段階「ピロリ菌胃炎」の内視鏡画像診断>です。

 

<約400人分、1万枚以上の画像を3分あまりで分析し、発症の有無の正答率は9割近くに達した。23人の内視鏡医が同じ画像を診断したが平均で4時間近くかかり、正答率がAIより高かったのは3人だけだった。>

 

<ある内視鏡専門医(34)は「AIの診断の正確さはすごい。スピードは全くかなわない」と舌を巻いた。>というのはAIの進化を知らなすぎるのかもしれません。画像自体が精細化していますが、人間の能力ではその微細な変化や違いを理解するのに相当の熟練がいったり、若年時代から訓練しないと身につかないかもしれませんね。

 

ところが、AIの場合は、画像認識も分析も、学習能力により信じられないスピードで熟練の内視鏡医師以上の能力を身につけることが可能になるのでしょう。

 

ちょっと脇道に入りますが、いま話題の貴ノ岩関の診断書で「髄液漏の疑い」というのが話題になっていて、先日ブログで取り上げましたが、こういった脳脊髄液画像診断も、AIを導入することで、おそらく入院することもなく即時に判断できるようになる時期は間もないのではないかと思うのです。脳外科医の中には、今回の素手なりなんらかの物体での殴打では髄液漏れはありえないといった見解を述べる方もいましたが、そこまで断定していいのかなと思ってしまいます。そもそも脳脊髄液漏出自体(だいたい「漏れ」といった診断名は確立しているのでしょうか)、骨折することで発生するといった発生機序ではなく、硬膜外とくも膜下の隙間からなんらかの衝撃などを要因として発生するとも言われています。

 

ま、このあたりは議論のあるところだと思いますので、どれかが正しいとは言いませんが、少なくとも発生機序を明確にして説明しないと、どうかと思うのです。そんな専門医の状態だと、AIのさらなる進化により医療分野はその役割の多くを取って代わられるかもしれませんね。むろん法曹界もその他専門分野と称してのほほんとしている方々は同じ運命でしょう。フィンテックの進展もいま日本のマスコミで話題にしている領域はかなり遅れた議論ではないかと思われます。ま、そんなことを心配する話ではないでしょうか。

 

さて本論に戻って、取材を受けた病院では<ただともひろ胃腸科肛門科の多田智裕院長が所属する浦和医師会の管内でも、昨年1年間で約5万人が胃がん検診で内視鏡検査を受けた。1人当たり約40枚、計約200万枚をチェックしなければならないが、開発したAIなら高い精度を保ったまま、半日程度で作業が終わると見込まれる。>

 

なんと驚くべきスピードと正確性でしょうか。でも本因坊文裕を打ち負かしたAIですから、その程度は驚くに値しないでしょう。

 

そのほかではさらなる利用領域の拡大があるようです。<画像診断以外でも、AIは威力を発揮している。15年には東京大医科学研究所がIBMと共同研究を開始。2000万件以上の医学論文を学習させ、医師が診断できなかった女性患者の病名を10分ほどで見抜くなどの成果を上げた。>これですよ。もう人間の通常の能力では太刀打ちできないわけですね。ある一線では。

 

製薬業界の新薬開発の分野もその例の一つ。<現在、一つの薬を製品化するのに平均13年の開発期間と約1200億円の費用がかかるが、AIで薬の候補物質を素早く見つければ、開発期間は9年に、費用は約560億円に抑えられ、「業界全体で年1兆2000億円のコスト削減効果がある」と試算する。>

 

ただ、医療現場でAIを実際に使うとなると、自動運転のように、少なくとも法令上の問題をクリアしないといけませんね。

 

<医師法では医療行為は医師にしかできないが、仮にAIの判定を採用して医師が誤診した場合の責任はどうなるのか。

 厚労省の有識者懇談会が6月にまとめた報告書は「診断確定や治療方針の最終的な意思決定は医師が行い、その責任も医師が負うべきだ」と指摘した。同省の担当者は「AIの医師法上の扱いを明確にしなければならない」と話す。>

 

法令上は医師の責任となります。<産総研人工知能研究センターの瀬々潤・機械学習研究チーム長は「『AIが言いました』では通らない。医師が証拠を示して説明することはこれからも必要だ」と指摘する。>ですね。

 

ただ、医師がAIの結果を理解できるかどうかが問われるかもしれません。よくわからないけど、AIがそう診断しているので、診断しましたでは、エビデンスに基づく医療とは到底いえませんね。でもそうなると、AIを使いこなせる医師を育てないと、宝の持ち腐れになるか、あるいは人間が無視するならAIロボットが人間を凌駕する世界を作り出すかと言ったSFの世界に入り込むのかしら。

 

医療の世界はまだ、一人の人間を扱うので、まだAIの暴走を許さないコントロールを前もって用意できるような気がします。しかし、フィンテックのような見えない金融世界では、一体、実態経済がどうなっているのか、金融も含めてわからない中で、最新AIがとてつもない規模の経済を支配してしまうことをコントロールできるか、それこそ脅威かもしれません。

 

見えざる手は、まだ人間がその判断で良くも悪しくも市場を不安にしたり豊かにしたりしてきたかもしれませんが、AIの結論はすでに人間の叡智を超えているかもしれません。でも世界経済はますますフィンテックを追い求めています。

 

そういった不安を感じつつも、明るい未来を見ることができるのは、私たちには今そこにある実体と直面できているからかもしれません。

 

今日は1時間ほどかけて書きました。その前に2本書いたので、ずいぶん書いたような気もします。これでおしまい。また明日

 

 


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