たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

国際結婚破綻と子の扱い <ハーグ条約 子の引き渡し実効性強化>を読みながら

2018-06-27 | 家族・親子

180626 国際結婚破綻と子の扱い <ハーグ条約 子の引き渡し実効性強化>を読みながら

 

今日は今年初めて蒸し暑さを感じました。いえ、そんなことはないという声もあるとは思いますが、昨晩から今朝まで結構な蒸し暑さでした。普段は4時台か5時頃には目が覚めるのですが、6時を回っていました。まだ年寄りになりきれていないなと思ってしまいます。

 

ま、北斎先生からすると、70代、80代でもひよっこ同然?でしょうから、まだ60代でとどまっている私の場合はそれ以下です。若いというのか未熟というのか・・・ま、最近の世情では、少しでも若い方がいい、いや若く見えたらいいということですが、これまた変わった意識ですね。

 

それと同じようなことを少し感じるのは国際結婚の破綻をめぐる問題です。結婚自体は、日本人同士でも外国人とでも、十分に法令や社会規範を意識して、あるいは結婚後の生活などを予想してすることはあまりないでしょうね。そういうと失礼というか、私たちは違うという人もいるでしょうけど、それはそれでいいのです。

 

問題は、結婚が破綻したとき、生まれた子供はどうなるかについて十分検討していないことが多いように思うのです。

 

といっても、私自身、とくに離婚に関わるような家事事件は、当地にやってくるまで、友人の精通した弁護士に事件をお願いしていたので、基本的に関わってこなかったのですから、最近ビギナーから初めてある程度事件を取り扱うようになったくらいです。

 

ただ、東京で仕事をしているとき、事務所の後輩弁護士が離婚調停中に、夫が引き取っていた子供を母親が連れ去った事件を担当していて、事件の内容そのものは知りませんが、大変だな、私には向かないなと思ったくらいです。当時は企業法務を担当していたように思います。

 

また脇道にそれましたが、今日は、というか今日も簡単にまとめて7時前には事務所を出ようと思っていますので、このテーマを選んでいます。

 

昨夕の毎日記事<ハーグ条約子の引き渡し実効性強化 実施法見直し 法相方針>は、今後国際結婚・破綻した当事者にとっては大きな変化になるように思います。いや、場合によっては国内での日本人同士の婚姻・離婚を取り扱う実務にも影響を与えるかもしれません。

 

記事は<上川陽子法相は26日の閣議後記者会見で、国際結婚の破綻により一方の親が無断で母国へ連れ帰った子の扱いなどを定めた「ハーグ条約」について、国内の実施法を見直す方針を示した。日本は2014年に加盟したが、日本に子を連れ帰った親が引き渡しを拒む事例が相次ぎ、実効性が疑問視されている。法制審議会(法相の諮問機関)の民事執行法部会は、月内にも返還の強制執行手続きの見直し試案をとりまとめ、今秋の答申を目指す。【和田武士】>とハーグ条約に適合するように国内法を整備しようとする動きを報じています。

 

これまでもなんども議論されてきたと思いますので、まだ簡単に方向性が固まったとは思えませんが、国際的な潮流というべきか、ハーグ条約の趣旨に沿うことが求められるのはやむを得ないかもしれません。

 

ハーグ条約の解説では<正式名称は「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」。主に国際結婚で破綻したケースが想定されているが、同じ国籍の夫婦にも適用される。残された方の親が子の返還を求めた場合、相手国の裁判所が元の国に戻すかどうか判断する。また、海外に連れ出された子との面会を求めた場合、相手国の支援を受けられる。>

 

<条約は、一方の親が断りなく16歳未満の子を国外に連れ出した場合、残された親の求めに応じて原則として子を元の国に戻さなければならないとしている。元の国に住む親から子を帰すよう申し立てを受けた裁判所が可否を判断する。>

 

ここには男性・女性の区別はありません。実際は、女性が国外に連れ出すケースが多いのではないでしょうか。母親の場合とくに子供が幼いと自分が育てる意識が強いでしょうし、子供も母親により親しむというか居心地がいいと感じるのではと思うのではないかと考えます。というのはわが国の常識であっても国際的に通用するかどうかですね。

 

いや、わが国でも最近は男性側も単に昔ながらの家を継ぐためといった意識から、子供を育てる意識が高まってきているように思えます。とはいえ、実務上は、一定の年齢以下だとよほどでないと父親に親権が付与されることはない、あるいは少ないという印象です。

 

しかし、海外の多くの先進国では共働きが普通で、ともに育てる意識が高いのですから、母親がとくに優れているといった観念はあまりないのではという印象です(これは別に調べたわけではありませんので)。

 

海外で結婚して破綻した後、帰国する際子供を連れて帰るということは、国内での離婚の事例では普通であっても、ハーブ条約というか国際法の世界では許容されないわけです。

 

その裁判所の判断は原則的に元の国戻すということですが、多くは素直に従わないですね。そのときの引き渡しの実効性をより強化しようと言うことです。

 

<その判断に従うことなく引き渡しに応じない場合は、制裁金が科される「間接強制」を経て、裁判所の執行官が子の居場所を訪ねて親に引き渡しを求める「代替執行」を行う。ただ、子を力ずくで引き離すことや、同居する親がいない場所で子を連れ戻すことはできない。>

 

ところが、これまでのわが国の実情は、国内離婚実務に影響してか、代替執行といった方法はなかなかとらないわけですね。それがハーグ条約の義務「不履行国」という不名誉な評価を受けたので、対応に取り組んでいるわけです。

 

<法制審の民事執行法部会の試案は、(1)間接強制の手続きを原則、不要とする(2)子の返還を求めている親が立ち会えば、同居する親と子が一緒にいなくても代替執行ができる--との方向で検討されている。>

 

しかし、わが国の子供の引き渡しについてはそのような強制執行手続を規定した法律がないので、実務の世界ではなかなかうまくいかないというのでしょう。

 

<そのため試案には、ハーグ条約の国内実施法の見直しと同様の強制執行手続きの規定を盛り込む方針。>

 

こうなると、国際結婚の破綻と言った海外事案だけでなく、国内破綻でも、実家に連れて行った子供の引き渡し問題がクローズアップしてくる可能性が増えるでしょうね。

 

夫婦・子供が住む自宅から、いずれかが子供を他方に無断で連れて実家かどこかに住むということは、他方にDVがあるとか連れ出すことに合理的な理由があれば別ですが、そうでないと引き渡しを求められる可能性が高くなるかもしれません。

 

わが国ではまだそういう状況にはないと思いつつ、いずれはそうなるかもしれないとふと思った次第です。

 

今日はこれにておしまい。また明日。



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