ばらくてブログ――おうたのかいオブさんのおおばらブログ――

おうたのかい作曲・歌唱担当オブさんが、日々のあれこれをてきとうに綴る、まとまりもとりとめもないいかがわ日記

シリーズ「シロウト考え休むに似たり(1)」新潟市のBRTを考えちゃったりする

2015-11-13 13:15:41 | Weblog
 当方最近、文章を書く機会がとても少なくなっている今日このごろ(すでに時制が変)。ただでさえ文章がヘタなのに、このままではさらに書けなくなり、しまいには脳の働きもどんどんアヤしくなっていくのではないかと不安に駆られた結果、とりあえず思いついたことをなんでも文章にしてみようということで、あんまり更新もしていなかったこのブログを使い(何しろ読者がとっても少ないのがよいですな)、ボケ防止も兼ねて「シロウト考え」をこっそり撒き散らそうと思った次第。
 で、今回のテーマは「新潟市の新交通システム・BRTを考えちゃったりする」。まあ、適当にお付き合い願います。



路面電車が走る街は魅力的

 そもそも私は、新潟の町には路面電車を走らせるのがよいと思っていました。かつて新潟には、県庁前(今の市役所前。廃止直前のときは白山前)から燕までを走っていた新潟交通電鉄があり、関屋から県庁前までは路面電車となっていましたし、現在の三代目万代橋は、路面電車を走らせることが前提となっていて、たいそう丈夫に作られているということです。この際、新潟の街中にも路面電車を走らせたら、さぞかしけっこうな感じだろうと思ったのです。
 全国を見回してみても、北は札幌から南は鹿児島まで、魅力があるとされている都市には路面電車が走っていることが多いようです。広島や鹿児島の路面電車、そしてお隣富山県は富山市のLRTに乗ったことがありますが、窓の外を眺めながら、町中をのんびりと走る電車に揺られていると、単なる移動ではない楽しさを感じたものです。
 まあ、そのようなことを考えている人はたいへん多くいらっしゃるわけで、そういう意味では、私のこうした考えは、大変ありふれたものです。

結局バスかよ、のBRTにがっかり

 だから篠田昭・新潟市長が、新潟の新交通システムをBRT(バス高速輸送システム)とする、と決めたときは、少なからずがっかりしました。連接バスを導入して、それを新潟の都市公共交通のシンボルにする、というふれこみでしたが、結局は道路交通の枠というか制限内の、路面電車とは似て非なるものですらない、「似てなくて非なるもの」ですから、新潟の都市交通がそれによって大きく変わるとも思えなかったからです。
 ただ、BRT導入に当たっては、「専用レーンを設置し、そこを走らせる」という話でしたから、そこにはそれなりに期待しました。他の車は原則走れないレーンを走るのならば、一定程度の定時性が保てそうですし、一般のバス停ではない専用の「駅」が設置されれば、それなりに路面電車的な形にはなるかな、と思ったのです。
 だから、専用レーンを設置しない、道幅の狭い白山の旧電車通りに連結バスを走らせる、ということになったときに、こりゃダメだ、となるのは仕方ないことでしょう。
 新潟市民や新潟市議会議員の中には、「BRTはお金のムダ。様々なトラブルも発生していて、今後の定時性も確保できない。そんなものはやめよう」と考える人も大勢いるようです。BRT廃止の住民投票を求める署名活動も始まりました。確かに、現状のままならまさにその通り。乗り換えの手間も相まって、むしろ今までのバス路線のままのほうがはるかに利便性が高いではないか、という主張はもっともです。

それでも、魅力ある公共交通機関が、街の魅力アップには必要

 だから、BRTはやめたほうがよい、とは、実は私は考えていません。少なくとも中心都市軸に、魅力ある公共交通手段は、やはり必要だと思うのです。新潟市の場合、まあ、新潟市だけではないのですが、JRのほかの公共交通機関はずっと路線バスだけ、という状況で、残念ですが、それが新潟市の魅力アップにつながっているとはとても言えません。
 実は、こういった問題は、本当は財政にまだ余裕のあった四十年前、せめて三十年くらい前までに解決しておかなければならなかったのだと思います。当時の新潟市行政は、「物質的なハコモノやインフラよりも福祉だ」という流れでしたから、やむを得なかったのかもしれません(当時中学・高校生だった私も、実はそのように考えていました)。しかし、後出しじゃんけんのようで申し訳ないのですが、今から考えれば、「まちづくりも福祉」だったのではないでしょうか。そのころ、もし仮に、駅南と駅北(万代口)を貫通する道路を整備し、新潟交通電車を廃止するのではなく、逆に、柾谷小路を通って萬代橋を渡らせて新潟駅前まで延伸させる、というようなことがあったなら、今の新潟の街は、住民にとっても住みやすく、よそから訪れる人にとってもたいへん魅力あるものとなっていたのではないか、と思います。
 前述の通り、それこそ四十年前と同様に、BRTにも「税金の無駄遣い」という批判が浴びせられています(繰り返しますが、その批判自体はもっともな部分も多いと思います)。ただ、四十年前に行うべき都市整備を行ってこなかったツケが、今日のこの状態を生んでしまったのではないか、とも思うのです(途中で途切れている、沼垂の東港線バイパスを車で走ると、そういう思いがさらに増します)。それは、鳥屋野潟周辺整備なども同様です。
 だからこの際、不十分なものであることは承知の上で、BRTを新潟市の魅力を高めるためのツールとして使っていくのはどうか、とわたしは思っています。

BRTの現行ルートは無理がある

 ここでは、BRTを「連接バス」とイコールのものとして述べていきます。
 BRTに反対ではない人たちからも、運行開始時のBRTのルート設定自体に問題があったのではないか、という意見が多く表明されています。私もその意見に賛成です。
 そもそも、今まで走らせたことのない乗り物を走らせるわけですから、慎重な運行実験をじっくり行ったうえ、なるべく走らせやすい運行ルートを設定し、その上で無理のない運行計画を立て、という手順が必要なはずですが、今回の運行開始は誰がどう見ても拙速でした。篠田市長には、連接バスをどうしても柾谷小路、早い話が古町界隈に、なるべく早い時期に走らせたい、という思いがあったのかもしれませんが、いきなりそれは難しかった、と言わざるを得ません。しかも、そのルートの西側は白山の旧電車通りを通って青山のイオンに至る、というもので、あえてこのルートにしたのは、かつての新潟交通電鉄のルートを再現したいという思いも見え隠れしますが、今の旧電車通りの道幅など考えれば、やはりいろいろ無理があります。これはやはり、ルート設定を間違った、と指摘されても仕方がないでしょう。

BRTルート、こんなことを考えてみました

 では、新潟市の中心都市軸を走り、街の活性化につながり、市民の利便性も高まる、よりよいルートとは? それはやはり、そこにBRTが走る必然性があり、しかも道幅が広く、「駅」の設置が可能なルートでしょう。
 で、わたしは、こんなふうに考えてみました。
(1)駅南~鳥屋野スポーツ公園~新潟市民病院ルート
 このような条件を満たす道として最初に挙げられるのは、やはり「駅南~鳥屋野スポーツ公園~新潟市民病院ルート」でしょう。おそらく皆さんも同じことをお考えだったのでは。
 確かに、周辺の商業集積や人口は現行の「萬代橋ルート」より少ないかもしれませんが、今後の発展が一定程度見込めるエリアを通過するうえ、専用レーンや駅を設置するだけの道幅もあり、また、サッカーJ1アルビレックス新潟の試合時には、県内外のファンを乗せて走らせることができますから、いわゆる「宣伝効果」も期待できます。そもそも鳥屋野潟南岸エリアは、新潟市に残された数少ない「発展可能エリア」です。ここにルートを設定するのは、かなり「あり」なのではないでしょうか。今なら交通量もさほど多くないので、運行の「練習」をするにも最適です。
 ついでに、このルートの枝線として、「新潟駅南~姥ヶ山~イオン新潟南ルート」を設定すれば、市民のショッピングの足としても有意義に使えるのでは、と思います(郊外型巨大ショッピングモールの是非についてはここでは言及しません)。
(2)蒲原町~新潟駅~市役所ルート
 もう一つ考えたのは、まさに新潟市の中心都市軸を通る、「新潟市役所~古町~新潟駅~蒲原町(もしくは栗の木バイパス沼垂東4丁目)」というルートです。これも、すでにお考えの方が多いのでは。
 路面電車が走るあらゆる都市は、路面電車はその都市の中心部を貫通しています(東京の都電はまあアレですが)。BRTを新潟市のシンボル的交通機関としたいのなら、そのルートに走らせる、というのが基本でしょう。篠田市長も、だから現行ルートを考えたであろうとは思います。
 しかし、現行ルートには、これまで指摘してきた種々の問題があります。それならば、市役所から青山までのルートはとりあえず連接バス運行はあきらめ、街中ルートでの運行にしぼったほうがよいと思うのです。
 このルートの道路は、比較的道幅も広く、ギリギリではありますが専用レーンや駅の設置が可能なのではないか、と思います。何より、新潟駅を中心に、旧新潟市の東西の中心街を結ぶことになるため、古町とともに近年再評価が進む沼垂エリアの活性化にもつながります。

郊外路線バスは古町終点に戻すのが吉

 さて、現在のBRT運行上の問題として、「街中の路線バスがBRT化されたため、青山や市役所前、新潟駅での乗り換えを余儀なくされ、古町へ行きづらくなってしまった。そのため、古町繁華街や本町市場を訪れるお客が減ってしまった」という深刻な状況が生じていることが指摘されています。
 これはそもそも、郊外バスはすべてBRT新潟駅前停留所・青山イオン前停留所で乗り換えさせる、というやり方に無理があったからでしょう。そういう乗り換えは、電車網が発達している街ではあたりまえなのでしょうが、新潟市の郊外やその周辺市町村に住む人など、長年古町直通のバスを愛用してきた人びとにとっては、不便でしかありません。
 だったら、BRTと郊外路線バスを、いったん切り離して考えるしかないのではないでしょうか。路線バスは路線バスとして、BRTはBRTとして、別の乗り物として取り扱うべきだと思います。郊外路線バスは、これまでどおり古町を終点とする。そのうえで、さらにその先に行きたい人はBRTに乗り換えればよいのです。古町活性化を狙うなら、郊外路線バスとBRTの古町での併存が大変重要な要素になるのでは、と思います。まあ、これも皆さんすでにお考えのことと思いますが(ちなみに、すべて郊外バスは古町終点にせよ、といっているわけではありません。路線の状況や必要性に応じて、青山もしくは新潟駅止まりのバスを一部存続させるのは問題ないでしょう)。

始めちゃったものは仕方がない、ということではないのです

 いいわけがましく言いますが、以上の主張というか提案は、「なんやかや言っても、BRTはもう始まっちゃったんだからどうせ止められないし、だったらそれを使ってどうするか、を考えるしかないんじゃね?」ということではありません。冒頭に書いた通り、私はもともと、新潟には路面電車を走らせたい、という考えの持ち主です。
 地方都市はどこも、交通手段が自家用車ベースとなっているわけですが、そうした現状は、今後のエネルギーシフトの問題や高齢化・少子化に伴う自家用車需要縮小の中、やはり変えていくしかないのだろうと思います。その際、自家用車に代わって、誰もが使いやすく、さらに、街の魅力も高めてくれて、その街に住みたい、何度でも訪ねてみたい、と思わせてくれるためのツールの一つとしての公共交通機関の存在は、意味があるのではないでしょうか。BRTは確かに、路面電車と比べれば、中途半端で不十分なものです。しかし、運用の仕方によっては、しばらくはそれなりに「使える道具」となる可能性がある、と思います。そして、それをきっかけに、改めて新潟都市圏の、交通を含めたまちづくりの将来像についての議論も生まれてくれば、それはそれでよいことなのではないか、と思うのです。

 以上、「思います」がやたら多い乱筆乱文、シロウト考えまき散らし、何とぞご容赦願いますm(_ _)m。