泉田裕彦・新潟県知事が、日本海横断航路フェリー購入問題にかかわる、自らについての新潟日報の「虚偽報道」を理由に4戦出馬を取りやめたことについて、泉田さんを支持する方々の中には、新潟日報を批判・非難する向きもあるようです。
福島第一原発事故以後、東京電力や国の原発政策そのものに厳しい姿勢で臨む「もの言う知事」として全国にその名を知られた泉田さんは、「脱原発」派の人々から強く支持されています。特にそういう人々が、「新潟日報が泉田さんを知事選出馬撤回に追い込んだ。日報は許せない」と考えているようです。中には、日報を「クズ新聞」呼ばわりしている人までいらっしゃいます。
でも、それって、「八つ当たり」というか、逆恨み」というか、「ひいきの引き倒し」なのではないでしょうか。
誰が知事でもダメなものはダメ
どんな人物が知事をしていようが、その政策に問題があるのなら、新聞などのマスコミは当然書くでしょうし、書くべきです。今回のフェリーの問題は、明らかに県民の税金の使い方として問題がある、と思われる案件なわけですから、書かれて当然、とも言えるでしょう。そういう問題を、泉田さんは脱原発を推進する知事だから、という理由だけで、大した問題ではないとして過小評価するのはそもそもおかしいと私は思います。もしこの案件が、自分たちがよいと考える政策を行わない知事の下で行われたなら、当然ものすごく批判するわけでしょう? それを、自分たちの考えと近い人だから許す、というのは、身内に甘く敵に厳しい、どこかの国の総理大臣と同じ態度ではないでしょうか。
新潟日報は「ちゃんとした」新聞です
中には、「新潟日報は東京電力の広告を何度も掲載して多額の広告料をもらっている。だから、脱原発の泉田知事がジャマになったんだろう」という趣旨のことをもっとももらしく語る「識者」もいらっしゃいます。
でも、それって、言いがかりそのものではないでしょうか。
新潟日報は、私が見る範囲では、それこそ原発が柏崎に建設されるころから、原発については慎重もしくは批判的な記事を書いていましたし、今でもそうです。少なくとも、「東京電力から広告を出稿してもらってるから原発推進の記事を書こう」などという態度は、今の段階でも見受けられません。というか、東電から広告を平然ともらいながら、「でも、それと報道姿勢とは関係ないもんね」という態度は、「原発事故の反省がない東電の広告なんか載せないぜ」という態度よりはるかにナイスだな、と私は思います。
私は、新潟日報の何人かの記者さんを存じ上げています。皆さん、ジャーナリズムとは何か、ということをわきまえた、しっかりした方々だ、という印象を持っています。ですから、これは「ひいき目」もあるとは思いますが、日報の紙面は、リベラルと言われる某全国紙よりはるかに筋が通っている場合が多い、と私は思っています。泉田さんを持ち上げたいばかりに、そういう紙面を見もしないで批判する一部識者の態度には、首をかしげざるを得ません。
泉田さんも日報も「どっちもどっち」という印象
ちなみに私は、「県内市町村と県との関係、国と県との関係を修復する」とうたって立候補している森民夫・前長岡市長よりも、もともと自民党を中心とした保守勢力から担がれた人ではありますが、脱原発の姿勢が鮮明で、新潟県の主体性を保つためには国との対決も辞さない泉田さんのほうを、知事としては好ましく思っています。ですから、今回のような、日報の報道姿勢を理由に知事選出馬を撤回するというのは、何とも残念です。もし日報の報道が間違っているというのなら、事実関係を明らかにしつつ、論理的に反論すればよいわけです。ああいう降り方をしてしまうと、「泉田さんは、本当はあの件で説明しきれない後ろ暗いところがあるんだろう」というふうに思われても仕方がないでしょう。そういう意味で、いかにも子どもっぽく、まずい対処の仕方であったと言わざるを得ません。
ただ、日報も、この件については冷静さを欠く対応をしました。編集局長が「知事の出馬撤回は報道への圧力だ」という趣旨のことを述べていましたが、んなわけないでしょう。当該記事について訴訟を起こし、多額の損害賠償を請求するとか、記事を書いた記者を名誉毀損で刑事告訴するとかなら「圧力」ということになるでしょうが、泉田さんの行動はその真逆。「報道への圧力」というのは、かなり無理がある、と私は思います。私は日報という新聞が好きなので、その点はとても残念です。
複数の候補者の政策を比較・熟考して、県のトップリーダーを選びたい
とにかく、10月には知事選が行われます。おそらく、泉田さんは不出馬を撤回することはないでしょう(もし出馬するなら、その説明もかなり難しいことになります)。前述のとおり、私は、特に脱原発の姿勢、中央政府との向き合い方において泉田さんを好ましく思っていますが、県職員との良好な関係をついに築けなかったこと、新潟県の持っている力をもとにして地域主権を確立することがまだできていないこと、いちばん困っている県民の立場に立った政策を必ずしも打ち立てていないことなどに不満を感じていますので、そういう政策を掲げてくれる候補者が現れることを心から期待しています(自分で出るわけではないので、ここのところは無責任ですが)。前回のブログで、勝手に候補者を挙げてみましたが、もちろん他にも素晴らしい人がいると思います。それが森民夫さんでもいいのですが、知事は県のトップリーダーなわけですから、やはり、人格・識見・政策ともしっかりした人物を、複数の選択肢から選びたいなあと思う、今日このごろの私なのです。
福島第一原発事故以後、東京電力や国の原発政策そのものに厳しい姿勢で臨む「もの言う知事」として全国にその名を知られた泉田さんは、「脱原発」派の人々から強く支持されています。特にそういう人々が、「新潟日報が泉田さんを知事選出馬撤回に追い込んだ。日報は許せない」と考えているようです。中には、日報を「クズ新聞」呼ばわりしている人までいらっしゃいます。
でも、それって、「八つ当たり」というか、逆恨み」というか、「ひいきの引き倒し」なのではないでしょうか。
誰が知事でもダメなものはダメ
どんな人物が知事をしていようが、その政策に問題があるのなら、新聞などのマスコミは当然書くでしょうし、書くべきです。今回のフェリーの問題は、明らかに県民の税金の使い方として問題がある、と思われる案件なわけですから、書かれて当然、とも言えるでしょう。そういう問題を、泉田さんは脱原発を推進する知事だから、という理由だけで、大した問題ではないとして過小評価するのはそもそもおかしいと私は思います。もしこの案件が、自分たちがよいと考える政策を行わない知事の下で行われたなら、当然ものすごく批判するわけでしょう? それを、自分たちの考えと近い人だから許す、というのは、身内に甘く敵に厳しい、どこかの国の総理大臣と同じ態度ではないでしょうか。
新潟日報は「ちゃんとした」新聞です
中には、「新潟日報は東京電力の広告を何度も掲載して多額の広告料をもらっている。だから、脱原発の泉田知事がジャマになったんだろう」という趣旨のことをもっとももらしく語る「識者」もいらっしゃいます。
でも、それって、言いがかりそのものではないでしょうか。
新潟日報は、私が見る範囲では、それこそ原発が柏崎に建設されるころから、原発については慎重もしくは批判的な記事を書いていましたし、今でもそうです。少なくとも、「東京電力から広告を出稿してもらってるから原発推進の記事を書こう」などという態度は、今の段階でも見受けられません。というか、東電から広告を平然ともらいながら、「でも、それと報道姿勢とは関係ないもんね」という態度は、「原発事故の反省がない東電の広告なんか載せないぜ」という態度よりはるかにナイスだな、と私は思います。
私は、新潟日報の何人かの記者さんを存じ上げています。皆さん、ジャーナリズムとは何か、ということをわきまえた、しっかりした方々だ、という印象を持っています。ですから、これは「ひいき目」もあるとは思いますが、日報の紙面は、リベラルと言われる某全国紙よりはるかに筋が通っている場合が多い、と私は思っています。泉田さんを持ち上げたいばかりに、そういう紙面を見もしないで批判する一部識者の態度には、首をかしげざるを得ません。
泉田さんも日報も「どっちもどっち」という印象
ちなみに私は、「県内市町村と県との関係、国と県との関係を修復する」とうたって立候補している森民夫・前長岡市長よりも、もともと自民党を中心とした保守勢力から担がれた人ではありますが、脱原発の姿勢が鮮明で、新潟県の主体性を保つためには国との対決も辞さない泉田さんのほうを、知事としては好ましく思っています。ですから、今回のような、日報の報道姿勢を理由に知事選出馬を撤回するというのは、何とも残念です。もし日報の報道が間違っているというのなら、事実関係を明らかにしつつ、論理的に反論すればよいわけです。ああいう降り方をしてしまうと、「泉田さんは、本当はあの件で説明しきれない後ろ暗いところがあるんだろう」というふうに思われても仕方がないでしょう。そういう意味で、いかにも子どもっぽく、まずい対処の仕方であったと言わざるを得ません。
ただ、日報も、この件については冷静さを欠く対応をしました。編集局長が「知事の出馬撤回は報道への圧力だ」という趣旨のことを述べていましたが、んなわけないでしょう。当該記事について訴訟を起こし、多額の損害賠償を請求するとか、記事を書いた記者を名誉毀損で刑事告訴するとかなら「圧力」ということになるでしょうが、泉田さんの行動はその真逆。「報道への圧力」というのは、かなり無理がある、と私は思います。私は日報という新聞が好きなので、その点はとても残念です。
複数の候補者の政策を比較・熟考して、県のトップリーダーを選びたい
とにかく、10月には知事選が行われます。おそらく、泉田さんは不出馬を撤回することはないでしょう(もし出馬するなら、その説明もかなり難しいことになります)。前述のとおり、私は、特に脱原発の姿勢、中央政府との向き合い方において泉田さんを好ましく思っていますが、県職員との良好な関係をついに築けなかったこと、新潟県の持っている力をもとにして地域主権を確立することがまだできていないこと、いちばん困っている県民の立場に立った政策を必ずしも打ち立てていないことなどに不満を感じていますので、そういう政策を掲げてくれる候補者が現れることを心から期待しています(自分で出るわけではないので、ここのところは無責任ですが)。前回のブログで、勝手に候補者を挙げてみましたが、もちろん他にも素晴らしい人がいると思います。それが森民夫さんでもいいのですが、知事は県のトップリーダーなわけですから、やはり、人格・識見・政策ともしっかりした人物を、複数の選択肢から選びたいなあと思う、今日このごろの私なのです。