(承前)おそらく、この緊急上映会に来たのは、もちろん私も含めて、ヘイトスピーチや差別事象、権力による様々な不正が蔓延する今のご時世に危機感を持ち、そういう社会をもたらしている現政権をなんとかしたい、と思っている人々だと思います。ですから、上映会後の、脚本家の井上淳一さんと主演俳優の韓英恵さんと劇中で殺されちゃうキャラクターのモデルの蓮池透さんによるフリートーク、井上さんがあえて言う「この映画は「反日映画だ」という挑戦的な謂い、英恵さんの、差別を乗り越えようとする静かな意思、蓮池さんの「転向」(もちろん民主的な方向へのですよ)は、映画とは別に、とても盛り上がりました。問題は、この上映会に来た人は、おそらく今の日本では〝少数派〟なのだろう、ということです。しかし、そんなことに臆さず、全国に上映会を仕掛ける井上淳一さんの腹のくくり方は、間違いなく「パンク」です。
そんなわけで私は、枝葉のディテールにこだわらずテーマを一直線に突き進むこの映画を一言で表するにあたり、「パンクファンタジー」というフレーズを思いつきました。
改めて繰り返しますが、私はあんまり映画を見ないので、映画を批評する言葉を持っていません。したがって、この三回にわたるこの文章はあくまで私の〝感想文〟に過ぎず、この映画を適切に語れているかどうかは分かりません。ただ、とても面白かった、ということは、見た方々に共通している感想ではないか、とも思っています。いつか、TVでもやってくれないかなあ(ムリかな😜)。