《メサイア》の新しい録音が出ていたので買ってみました。左のCDで、「ヘンデル:メサイア[ヘルダーによるドイツ語版]」(BVCD:37406-07)(ヴォルフガング・カチュナー指揮、ドレスデン室内合唱団&ラウッテン・カンパニー)(録音:2004年1月13日-18日、バート・ラオホシュテット、歴史的クーアザール、ドイツ)です。ライナーノーツ(バベッテ・ヘッセ)によると、ヨハン・ゴットフリード・フォン・ヘルダー(1744-1803年)は若い頃のゲーテに影響を与えたドイツの思想家です。《メサイア》のダブリンにおける初演は1742年4月13日ですが、ドイツで最初に《メサイア》が演奏されたのは、ヘンデルの死の13年後、ダブリンの初演から30年後の1772年で、その時は英語版だったようです。その3年後の1775年にハンブルクでカール・フィリップ・エマニエル・バッハ指揮でクロプシュトックとエーベリンクのドイツ語版が上演されたようです(メサイアがバッハとここで関係していたとは思いませんでした!)。その当時、ワイマール公国の宮廷牧師、教区監督、ギムナジウム及び学校長を勤めていたヘルダーが1780年(あるいは81年)にチャールズ・ジェニンズ(1700-1773年)の英語原詞をドイツ語に訳詞し、ヴァイマールやドレスデンで演奏されたようです。今回のCDはヘルダー訳詞によるドイツ語版《メサイア》の世界初録音です。
演奏を聴いた印象は、表情豊かで、繊細で、丁寧で、ある意味で理想的な演奏と言っていいと思います。ただ、ヘンデルの持っている雄大さや明るさがもっとあれば完璧でしょう。ちょっと聞いた感じではドイツ語の硬い感じはなく、原詞と比べても違和感はありません。他の演奏とは違う演奏で、楽しく聞けました。
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