だから,どうというわけではないし,人間と引き比べるのは,間違いだとわかっている。
遊歩道を歩いていると,視野の中で,何かうごめいている。
帽子を脱いだら,そこにいた。
ちっぽけな尺取り虫。
どこかでくっついたものだろう。
尺どころか,寸だって測るのは大変な大きさ。
何回伸び縮みしたら測れるの?
シャクガ科の蛾の幼虫と思われるが,種類が多すぎて,私には同定不可。
上半身を持ち上げて,よいしょ。
ちっぽけながらも,測っている。
よいしょ。
よいしょ。
動いているだけでめんこな生き物って,なかなかいないと思う。
食べちゃいたいくらい,めんこ。
見る人によるかもしれないけど。
付いてもらって,なんか,嬉しかった。
良いことが起きる前触れかな。
(2024/06/29 シャクガsp)
ダイサギたち。
チュウサギもコサギもいない。
同じ種類のはずなのに,くちばしが黒いのやら,黄色いのやら,いろいろ。
あぁぁぁぁぁ,,,,
蕪栗沼の北側駐車場に車を入れると,合歓(ネム)の花が出迎えてくれた。
この時期に来たことがなかったのかな。
まさに夏のにぎやかさ。
蕪栗沼の遊歩道に,関所ができた。
ここを,通るたび,番人2人がけたたましい。
目の周りが黒いのが,男の番人。
こちらが,女の番人。
夫婦で関所を守っている。
ここを通らないと先に行けないので,ここに来る人間は,誰もが彼らの洗礼を受けることになる。
男の番人は左ほっぺに黒い斑があるのが特徴。
男番人もけたたましいが,女番人の方は,さらにその上を行く。
でも,なんか,すごくチャーミングなので,つい見入ってしまう。
次の写真は,わ~いって言って,喜んでいるようにも見えるが,そんなわけない。
もしかして,私,威嚇されているのかな。
こわがらなくってはいけない場面だったか。
これは?
何していたんだ?
首を振り回して,ペリットを出しているようにも,見える。
そういえば,けたたましく鳴いて,威嚇しながらも,物食ったり,口拭いたりしていた。
いずれ,ここは,長居してはいけない場所なので,早々に立ち去る。
(2024/05/04 モズ)
フィールドでの思いがけない出会い。
これは,誰だろう?
ニホンイタチ,で良いのかな?
ここでは,タヌキとはしばしば出会うが,イタチとはたぶん初めて。
私としばし見つめ合った後,波打つように,ジャンプしながら遠ざかっていった。
写真では,わかりづらいが,実際見たときは,とても美しかった。
動物園などでも見ることはできるが,自然に生きているのを見るのは,全然違う。
感動
(2024/05/04 イタチ)
田植えの準備が始まっている田んぼに,いた。
オオハクチョウが1羽。
仲間は,とっくに北の方に渡ってしまったのに,取り残されてしまって,ひとりぼっち。
首が土の色に染まっているので,餌は食べられているのだろう。
上の写真は,水を飲んだところ。
こことは違う,別の所にもいた。
仲間どころか,カモなどもほとんどいなくなった水面に,ひとりぼっち。
こちらの子も,首が土の色に染まっている。
見ている間,一度羽ばたいたが,この子,翼を痛めているようだ。
取り残されたのは,これが原因かな。
ガンやハクチョウの仲間は,家族単位で行動するのだが,ここに残されてしまった子たち。
家族が再びここに来るのは,早くて10月下旬。
あと5~6か月,ここで療養して,再合流するまでに治せるものなら,治してほしい。
ほかの家族だって,無事に戻って来られるかどうかはわからないのだが,次の冬,家族は,この子を見つけてくれ,合流することができるだろうか。
(2024/05/04 オオハクチョウ)
鏡のような水面の上。
まだ黒くなっていないツルシギ。
水面に映っている自分を見ている。
黒くなってきたツルシギ。
左側の子は,伸ばした首とつむった目がめんこ。
シギは目をつむった瞬間がめんこ。
こちらもだ。
ここには,20羽近くのツルシギが入っていた。
全部は1枚に入りきらず。
こちらはアオアシシギ。
姿が見えなくっても,涼しげな声で,その存在を教えてくれることもある。
貴婦人,とも言われるコアオアシシギもいた。
白くて,くちばしが針のように細くって,写真では,華奢で上品に感じるが,実際は,ちょこまか動き回るので,動きは,貴婦人というより,お転婆娘のよう。
ツルシギと比べると,こんなに小さい。
それにしても,「コアオアシシギ」って,言いにくい。
早口言葉のよう。
一度,口に出して,コ・ア・オ・ア・シ・シ・ギ って,言ってみてほしい。
ほら。そうでしょ?
このほか,いたのはタカブシギ。
タカブは,鷹斑,と書く。
背中の模様が,鷹の翼の「鷹斑」と似ていることから付けられた名。
ちなみに鷹斑とはこんな感じ。
画像は,この次の週,ここにいた鷹。
タカブシギは,クサシギやキアシシギと似ているが,一番小さく,細くって,目がくるりんとしていて,一番の器量よしと思う。
出会えると嬉しくなるシギのひとつ。
以上,この日は,内陸のシギたちを堪能。
ただ,この1週間後の5月4日に行ったときは,すべて抜けていた。
少なくとも,ツルシギは,どこかにいたと思うのだが...。
田んぼに水が入って,ばらけてしまったのだろうか。
(2024/04/27 ツルシギ/アオアシシギ/コアオアシシギ/タカブシギ)
刺身が美味しい魚でなく,鳥のシマアジ。
いつも頼りにしている「鳥名の由来辞典」(柏書房)によると,「シマ」はやや変わった種類につける接頭語,という。
この場合の「シマ」は,「縞」でも,「島」でもない,というのがポイント。
「アジ」(=あぢorあぢがも)は,コガモの古名,という記述と,トモエガモの古名,という記述の両方がある。
「あぢ」は,「味」の意であるという記述に加えて,「集」(あつ=集まって群れをなす)が転じて「あぢ」になった,という記述もある。
諸説はあるようだが,思い切って意訳をすると,「シマアジ」とは,ちょっと変わった小型のカモ,というような意味のようだ。
カモは,冬鳥として日本で越冬する仲間が多いが,このカモは,東南アジアで越冬し,日本は,春と秋の通過地となっている。
見た目だけではなく,生態も,カモの中ではイレギュラー。
数がそんなに多くなく,毎年決まった場所に来るとは限らないので,会えるか,会えないかは,その年の運次第。
今年も会えなかったなぁ,と思っていたら,...,いた。
この日は,蕪栗沼の白鳥地区西側に2組,東側に1組,そして,伊豆沼に1組。
不思議なことに,会えるときには,続けて会える。
(2024/04/27 シマアジ)
人間に地方訛りがあるように,鳥にも,さえずりの訛りがある。
というか,個体差があって,地方によって,さえずりが違ったりする。
この日,蕪栗沼で出会ったウグイスのうち,数羽は,ホー ホケキョ,とは鳴かなかった。
何回聞いても,ホー ホチョピ,としか聞こえなかった。
しかも,"チョ" と "ピ" のところは尻上がりのアクセント。
ホー ホ チョ ピ
嘘じゃない。
たぶん,もっといろんな鳴き方のウグイスがいると思う。
今度,機会があったら,よく聞いてみてほしい。
嘘じゃないって。
ウグイスのさえずりは,深い。
(2024/04/27 ウグイス)
いたのか,来たのかわからないが,蒲生干潟でコチドリ,蕪栗沼(白鳥地区)でツルシギ,タシギを観察できた。
すでに繁殖期に入っている鳥たちもいるし。
ハイイロチュウヒのメスは,灰色じゃない。
灰色じゃないのに,ハイイロて呼ばれる気持ちって,どうよ。
メスは,オスにはない,また,チュウヒにもない,鷹斑(たかぶ)が翼の裏にあり,いかにもタカ!て感じ。
この角度からは,オス以上にかっこいいと思う。
体がタカなのに,顔がフクロウ,という組み合わせは,メスならでは。
ここで,ハイイロチュウヒと呼ばざるを得ない悲しさよ。
話が変わる。
上に記載の子は,真冬のお昼頃に上空を飛んでいたものだが,今季,蕪栗沼に隣接する白鳥(しらとり)地区のヨシ原は,ハイイロチュウヒたちのねぐらになっていて,日が沈む時間になると,ハイイロチュウヒが乱舞する光景が見られた。
広く知られているようで,県外ナンバーの車も含め,カメラマンも結構集まるようになっていた。
私も2回行って,1回目は,結構長い時間楽しめたが,2回目は短時間で終わった。
しかも,オスは逸れてしまい,ここには降りなかった。
杞憂かもしれないが,忌避された,という印象が強い。
超,罪悪感。
関東方面では桁が違うほど人が集まるのは承知しているし,考えすぎかもしれないが,人が警戒距離内(?)に集まりすぎなのではないだろうか。
ここでは,多くて50人も来ないと思うのだが,ねぐらは白鳥地区の北側に寄っており,ねぐらと思われる場所から土手まで2~300mくらいしかないのではないか。
日本野鳥の会のホームページでは,チュウヒ観察の注意として,「冬季ねぐらから少なくとも300m離れて」とあり,「警戒心の強い個体ならもっと」とあるが,大丈夫なのか。
なんか気持ち悪いので,私は以降やめることにしたが,様子を見て,影響が生じている可能性があるのであれば,来季以降,土手に待機しての,夕方以降の撮影を禁止にする方法もあるかもしれない。
そう思う。
こんなこと人には言えないし,たぶん心配し過ぎなので,自分だけやめた。
ハイイロチュウヒをここで撮影できなくっても,なんも困ることはない。
(2024/01/20 ハイイロチュウヒ)
キツツキの仲間は,食事を得るため,木をつつく。それも,コツ,コツと,周辺に音が聞こえるほど,強く。
(2024/03/09 三神峯)
(2007/01/21 山形)
(2019/03/15 苫小牧)
(2024/12/02 蕪栗)
チュウヒを狙って蕪栗沼に行ったことはないのだが,行くたびに出てくるので,来るものは拒まず,という感じで撮影してきた。
撮影データをひっくり返して,今季出会った個体を整理して,日付順に並べてみる。
今回は,オス・メス,成・幼の識別,さらに,個体識別にも挑戦してみるが,識別には全く自信がないことを,あらかじめ言い訳しておく。
2023/12/02
この日の2羽は,1月29日の記事「冷凍怪獣ギガス」にも,掲載していた個体。
上半身のアイボリーと,下半身の赤褐色の配色が,ウルトラマンに出ていた冷凍怪獣ギガスと同じだったので,「ギガス型」と呼んでいた個体だ。
ギガス1号
飛翔ハンドブック(文一総合出版,山形則男著)によると,このように上半身が淡色の特徴は,メス幼鳥に合致する。
上の個体は,淡色ベースの上半身に褐色の班が目立つ。
下の個体は,褐色の斑が少ない。特に下大雨覆の褐色斑が全く違う。
ぱっと見で,同じ個体と思ったが,よく見ると別個体だった。
ここでは,仮に,上の個体をギガス1号,下の個体をギガス2号としておく。
ギガス2号
頭から胸,下雨覆(翼の付け根側の前の方の羽根)まで,広い範囲でクリーム色だ。
2023/12/23
蕪栗沼の方を飛んでいた個体。
背中側は,全体に褐色で,大雨覆の羽縁が白く目立つ。
風切は,全体に墨色で,初列の先と次列の色が濃くなっている。
初列から次列にかけ,また,尾羽に暗色の横班がある。
腰に白い部分があるが,小さい。
お腹側は,全体に赤みがある褐色。
淡色の斑が下雨覆や腹側全体にあり,特に胸上部に多い。
翼は,初列風切(翼の先っぽから10枚の羽根)が淡色で,次列風切(初列に続く内側の羽根)が薄墨色。
翼全体に斑が見えるが,初列風切の一番外側(P10)に薄い斑がふたつあるのが特徴的。
瞳孔は黄色。
この個体は,メス成鳥で良かったかな。
この個体は,仮に,非ギガス1号と命名しておく。
2023/12/29
白鳥地区内の北側の木に止まっていた個体。
尾羽に暗色の斑が見られ,腰(尾の付け根)に白い斑がある。
翼上面は,風切全体と初列雨覆が墨色っぽいく,褐色とのツートーンに見える。
初列には暗色の横斑がある。
翼の裏側を見ると,初列風切P10に薄い斑がふたつある。
天候や光の塩梅で印象が違って見えるが,ひとつひとつの特徴が合致するので,12月23日に撮影した非ギガス1号と同一個体と思われる。
2024/01/06
この個体は全体に茶褐色。
翼の裏側は,下大雨覆(前の方)が褐色,初列風切(先の方半分)が淡色,次列風切(初列より体に近い方)が墨色,と,おおざっぱに言うと,3色に分かれている。
初列風切の先っぽ5枚(P6~P10)の先っぽがベタッと黒く,斑が見えない。
全体は,非ギガス1号と似ているが,別個体と思われる。
体も,赤褐色であることは同じだが,淡色斑の出方も,非ギガス1号とは異なっている。
よく見ると,左翼の初列風切の外側から5枚目(P6)に切れ目が入っている。
ずっとは使えないが,換羽するまでの当分の間,個別識別に使えそう。
翼上部のパターンも日,非ギガス1号によく似ている。
とすると,こちらの個体もメス成鳥で良いのかな?
こちらの個体は,非ギガス2号としておく。
次は,この日,出会った別個体。
上面は,非ギガス1号,2号とほぼ同じパターン。
腰にはわずかに淡色斑がある。
この個体の特徴的なのは,大雨覆と中雨覆の境目辺りの体に近い方に目立つ白斑があること。
肩の付近や後頭部にも白斑がある。
翼下面では,下雨覆の体側に上面より目立つ淡色斑がある。
これは,個体識別に使える。
逆光だったので,色が微妙だが,初列風切が淡色,次列がそれより濃い色,下雨覆が褐色,と,翼下面は非ギガス1号,2号と似たパターンになっている。
風切や尾羽に斑は見られない。
この画像では判然としないが,虹彩は黄色ではなく,暗褐色か。
下は,同じ個体の別ショットだが,翼下面の真ん中にある淡色斑がよく目立っている。
この個体もメス成鳥か?
この個体は,非ギガス3号としておく。
この日は,次のような個体も撮影していた。
後ろ姿しか撮影していなかったが,12/2に出会っていたギガス1号と思われる。
2024/03/10
直近の撮影データ。ようやくラスト。
これまで個別識別してきて,ギガス型は1~2号,非ギガス型は1~3号,計5羽(すべてメス)のチュウヒを確認してきたが,この日は追加がなく,初列風切P6に切れ目が入っている非ギガス2号を観察したのみだった。
順光側で,かつ,近かったので,きれいに見えた。
しかし,この後,どんどん高度を上げて,東の方に飛んでいってしまった。
いつもヨシ原の中に降りるのに,どうしたのだろう?
さて,私の識別が正しければ,撮影した5羽は全部メス。
うち,2羽が幼鳥,3羽が成鳥だった。
遠くって撮影しなかった個体は結構あるし,行ったときに出てこなかった個体もあると思うが,少なくとも5羽のチュウヒがここで越冬していたと思われる。
ここには,それだけ,餌になる生き物が棲息している,ということ。
素晴らしい。
最後に,チュウヒの象徴ともいえるV字飛行を掲載して,この記事を締めよう。
非ギガス2号
いぇ~い! v(^^)v
(2023/12~2024/3 チュウヒ)
この日の蕪栗沼は,盛期の賑わいがウソのように,すっからかん。何もいなかった。
下の画像は上の一部を拡大したもの。
将来に向けての,喜びの貯金と思うことにしている。